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<残照>
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2009-06-03(水) 02:14 |
夢宮 幽(cmfp2593) |
【図書室にて】
何時もの様に登校して何時もの様に授業が終わる。 何時もの様に本に囲まれ、何時もの様に本に埋もれてる。 何時もの様に黒いバッキーがうろうろするのを眺めて 何時もの様に夕暮れが来る。
そんな日々が、ずっと続くと思ってた。
「ね、クロちゃん…あれ、寝ちゃってる。」 本に埋もれて眠るバッキーの寝顔を眺めながら 最後の時間をただただ緩慢に過ごしてる 騒がしかった時はあっという間に過ぎて 気がつけば、もうグランドフィナーレ間近。 幕が降りる。始まった夢に。嘘の様な本当に。
それなのに 「…私何してるんだろ…」
窓の外は夕暮れ。そうして今日も終わろうとしてる。 残された時間はもうそんなに無いのに、 現実感が無い。そんな筈無いって何処かで思ってる。 眠り姫は目を覚ましたのに、 私は未だ眠りの森を彷徨ってる。
「…帰ろっか。」 眠ったままのバッキーを抱いて、借りようと思ってた 本まで全部本棚に戻す。 …何だか、世界中のすべてがモノトーンになったみたいだった。
(※このスレッドは独白スレッドです。 別れの日まで綺羅星学園内各所で 個々人が何かしたと言う記録を残す為の自己満足的な物です。 但し、行動箇所が重なった場合は両PCをニアミスさせたり 遭遇させたりしても構わない事とします。 誰か他の方に自PCを描かれても構わないと言う了解の上で 独白を行うようにして下さい。) |
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<大正トロイメライ>
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2009-06-05(金) 21:07 |
向日坂 冥十郎(czey7367) |
【屋上にて】
一人の作家が頭を掻きながら原稿に筆を走らせている。 住処を失い、拠り所を失った、愚かな作家のなれの果て。 それでも彼は、原稿に筆を走らせることをやめない。
嗚呼、雲よ、空よ、この世界の美しさよ。 小生はこれまで、何もしないことを自分の役目だと信じてきた。 けれど最後に、絶望を前に足掻く人々を見て、自分の愚かさを知った。 明けない夜に朝を呼ぶ彼らを、小生は知るに至った。 嗚呼、月よ、星よ、わが人生の愚かしさよ。 彼等の世界は美しい。 筆が止まるその日まで、彼等の世界を書き残そう。 恐らくそれが、小生に残された最後の役目なのだろうから。
「けれど僕は、失敗したんだ。暇になってしまった。これから一週間、どうしよう」 |
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