★ フィルムコレクター ★
<オープニング>

 リオネの目の前に真っ赤なイメージが飛び込んできた。
 ドロリと流れる映像。流れているのは血。
 血を流し、もだえ苦しむ美女の姿が薄れ、フィルムになっていく。
 それを拾いあげる謎の人影。
「けほっ!?」
 リオネがあまりにも強烈なイメージに食べていたパフェを吐き出した。
 リオネは震え、自らの体を抱きしめた。

 夕方の『Cafeスキャンダル』学校帰りの学生たちや、ムービースター、ムービーファンが集まっている。
急な出来事にざわざわと騒ぎ出した。
大丈夫? リオネちゃん」
 常木 利奈(ツネキ リナ)は心配そうにリオネの顔を覗き込んだ。
「みえたの…」
「何が見えたの?」
「殺人……現場……」
 リオネの呟きにも近い一言で騒がしかった店内がシーンと静まり返った。
「それは怖かったよね」
 利奈は優しそうに微笑み、リオネを抱きしめた。
「プレミアムフィルムを拾ってた……」
「プレミアムフィルムって市役所に提出されるけど、さすがに殺したスターのはね……」
「ころ……」
 利奈の一言にリオネは震える手で利奈の服をぎゅっと握り締めた。
「あ、ごめんっ!」
「ううん……予知だから、間に合うかもしれない」
「そうだね、しんだスターの姿。予知できる?」
「がんばってみる……」

 再びリオネの予知が始まった。
「見える……黒髪、学生服……くりっとした目…ああ、だめ、しんじゃう……」 
 再び血みどろにたどり着いたのかリオネは疲れた顔でよろめき、それを利奈が受け取った。
「黒髪の学生服で、くりっとした目のムービースターって多すぎるわよね」
 気を失って、不安定な呼吸をするリオネを抱きとめながら、利奈は呟いた。
「もしかしたら、猟奇殺人映画のムービースターかもしれないし、その辺を当たって見るといいかもしれないわね。もっと奥が深いのかもしれないけど……」
 リオネを抱き上げながら、利奈は探偵のように顎に手を当ててしばし考えるポーズをとった。

 コンバットナイフを懐に隠し持ったサラリーマンが路地を歩いている。息は荒く、目は黒髪の学生服の女性を探していた。
『はぁ……彼女を切り刻みたい、どんな叫び声をあげてくれるんだろう。その映像(え)をコノ手に』
 口がゆがみ、恍惚な笑みを浮かべだした。 

種別名シナリオ 管理番号12
クリエイター橘真斗(wzad3355)
クリエイターコメントおそらく、殺人鬼と戦うことになるでしょう。
調査は市役所の登録から、リオネの予知、足で稼ぐなどになるかと思います。
難しいかもしれませんががんばってください。

参加者
取島 カラス(cvyd7512) ムービーファン 男 36歳 イラストレーター
白姫(crmz2203) ムービースター 女 12歳 ウィルスプログラム
ブラックウッド(cyef3714) ムービースター 男 50歳 吸血鬼の長老格
来栖 香介(cvrz6094) ムービーファン 男 21歳 音楽家
ティモネ(chzv2725) ムービーファン 女 20歳 薬局の店長
吾妻 宗主(cvsn1152) ムービーファン 男 28歳 美大生
<ノベル>

【一】
「殺人鬼ねぇ……面白いじゃん」
 Cafeスキャンダルの中で不穏なつぶやきが聞こえてきた。
 発したのは来栖香介(クルスキョウスケ)。
 椅子にだらしなく座り、右手で頬杖をついてにやついていた。
「香介くん、面白いというのは聞き捨てならないわね」
 ティモネが来栖の背後に立ち、目の笑っていない笑みを浮かべている。
 来栖はティモネの顔を見ると鼻を鳴らした。
「そうですよ、ムービースターでも普通の人でも死なせるわけにはいきません」
 取島(トリシマ)カラスはぐっと拳を握った。
「取島サンはおやさしいのねぇ」
「何だとっ!」
「二人ともやめなさいよ。こんなところでいがみあっていても事件は解決しないわ」
 ティモネの一言に二人は憮然としながらも、お互い距離をとった。
 話題を変えるかのようにカラスはティモネの格好を見て首をかしげた。
「あれ、ティモネさん。今日は平日でしたよね? 白衣を着ていませんけれど……」
 指摘を受けたティモネは上を見上げて、流し目で微笑んだ。
「今日は臨時休業よ。そういう気分なの♪」
「気分で店を締めてもいいんですか?」
「店長だからいいのよ」
 軽く流すがティモネの顔はどこか暗かった。
『お話は電話回線を通じて聞かせていただきました』
 スキャンダルの有線放送が中断されて、少女の声が聞こえてきた。
「誰の声だ?」
 来栖のつぶやきに声は答えた。
『わたくしはウィルスプログラム。コード『白姫』と申します』
「自我を持ったプログラムか、SFだねぇ」
『このたびの事件解決に協力いたします』
「英雄は必ずいるか……人間というものは面白いものだ」
「ブラックさん!」
「コーヒーを味わいにきたのだが、リオネ嬢が倒れていたのでね。少々看病をね」
 黒服の紳士。ブラックウッドは品良くあるいてきた。
「事情は聞かせてもらったよ。私も来栖君ではないが、殺人鬼には興味があるね」
 ふふ微笑み、輪に加わった。
「今のところ5人かな?」
「もう一人、俺も参加させてもらうよ」
 来栖の後ろのテーブル。喫煙席でタバコをすっていた吾妻宗主(アガヅマソウシュ)が名乗りを上げた。
 紫煙をなびかせ近づくも、カラスにタバコを消されてしまう。
「協力感謝するよ。知り合いが多くて心強い」
 ブラックウッドはそういって皆に向き直る。
「まずは詳細の調査から、だね」

【二】
「ねぇ、リオネちゃん。予知で見た女の子の制服の形とかわかるかしら?」
 学生服のカタログを見せながらティモネは起き上がったリオネにたずねた。
 実際の学校を見て回ることも考えたが。被害者はムービースターなので、衣装から映画を逆算することに買えたのだ。
「んとね、これかな……これっぽい気もする」
 リオネが恐ろしい記憶に顔を青ざめながらも制服を選んでいった。
 一方、ブラックウッドは市役所にいた。
 データー検索をしながら、ブラックウッドは彫りの深い顎をなでた。
 さすがに音信不通者までは調べられなかったため、対策課へ足を向け、事情を話した。
「そういうことでしたら、資料を渡しましょう。機密文書扱いですので、ご注意を」
 植村から渡された資料をブラックウッドは眺める、それでもまだ10人前後いる。
「なかなか時間がかかりそうだ」
 ブラックウッドは唸った。
 対策課の一角で資料を広げ、関連性を検討する。
 だが、出演映画に差もあるし、舞台も別だった。
 共通点があるとすれば、すべてがホラー映画の殺される役ということと……。
「勿体ないな。どれも美味しそうだというのに」
 顔写真を見ながらブラックは微笑んだ。
「夜8時ごろに消息をたつ事件が多発か」
 吾妻は銀幕ジャーナルからでてきながら、呟いた。
 場所はバラバラで、女性のみを狙っていた。
 思えば、ムービースターは死んだらプレミアムフィルムになってしまう。
 見つからなければ生死不明なのだ。
「殺人する相手にはもってこいか、嫌な話だ」
 リオネが予知をしなければ表にでなかったかもしれないと思うと吾妻はぞっとした。
 冬の夜は早かった。
 そのとき、スキャンダルで暇を潰していた来栖が立ち上がった。
「それじゃ、俺も出かけてくるわ」
 リオネとカタログをにらめっこしていたティモネは出口へ向かう香介を止めた。
「ちょっと、もうすぐ集合時間よ?」
「まぁ、被害者でなく加害者の立場での勘って奴がうずいてるんだよ」
 ぞっとする一言を残して来栖は店をでた。
「あれは、来栖さん?」
 カラスも方々を自分のイラストで調査をしていたが、結果はいまいちだった。
 ある程度の情報収集をしたら、スキャンダルへ集まる手はずだった。
 しかし、来栖は今スキャンダルから出ていった。
「追いかけなくちゃ……」
 カラスは来栖を止めるために駆け出すが、どこからとも無く来た紳士に止められた。
「ブラックさん!」
「彼を追いかけるのもいいが、ひとつだけ言っておくよ」
 いつに無く真剣な眼差しになったブラックに、カラスも背筋を伸ばして言葉をまった。
「『血盟』の力は私が許さないかぎり、君に力を与えない。心して欲しい」
「別行動をとるなと?」
「そういうつもりではないよ、行きたまえ」
 カラスはしばし考えたあと、来栖を追った。
「若さか、羨ましくもあるが……」
「危なっかしさの方が大きいか」
 いつの間にか、ブラックウッドの隣には吾妻がいた。
「そうだね、君の方がよほど大人に見えるよ」
「保護者として、ついていこうか?」
「そちらの情報は私が預かって、あちらと相談するから、それで頼むよ」
 ジャーナルで仕入れてきた情報を渡すと、吾妻はカラスを急いで追いかけた。

【三】
「男たちは何をやっているのだか……」
 ティモネはブラックウッドから情報と状況を聞くとため息をついた。
「まぁ、たとえ殺人鬼が相手でも彼ら3人ならば何とかなるさ」
『問題は被害者の安否かと』
「その通りだね。行方不明になった女性は黒髪で女子高生とい項目で一致していた」
『では、一時的に銀幕市のネットワークをジャックして検索をかけてみます』
 しばらくして、白姫が反応を示す。
『ここから500m先、駐車ビルの前を該当する女子高生が何者かに追われています』
 ビルの監視カメラがそれらしい人影を捕らえていた。
「あのビルの先って、裏路地よ!」
 ティモネががたっと立ち上がった。
「すぐにいかねばならないな」
『GPSで案内します』
 3人は現場へと急行した。
 少女は逃げていた。
 追われる理由も追っている相手もわからない。
 一週間前に『出てきた』ぶんだ。知り合いなどは一緒の映画に出た人たちしかない。
「なんで、私なのよっ! ホラー映画にでてないのにっ!」
「そうだ、獲物はもっと逃げろ、楽しませてくれ!」
 追ってきているサラリーマンは笑っていた。
 ガシャンッ!
 少女は路地裏のビール瓶の入った箱へぶつかり、ポリバケツへ頭から突っ込んだ。
 汚れながらも起き上がり、腰を抜かしながらも逃げようとした。
「鬼ごっこは終わりだよ……うさぎちゃん」
 サラリーマンはコンバットナイフを舌でなめる。
 異常な光景に少女の顔が恐怖で埋まった。
「ええ、終わりにしましょう、殺人鬼さん」
 裏路地の入り口から聞こえてきた声にサラリーマンは振り返った。
 そこにたっているのは大きな鎌を持った黒髪の女と金色の瞳をした紳士。
「面白い獲物をもっているな」
 にやりと男は笑った。
「君が近頃の殺人鬼かね?」
「私はコレクターだよ。フィルムのね」
 少女へ向き直るがそこには少女の姿はない。
 ブラックウッドが瞬時に抱きかかえたのだ。
「少しはやるようだな」
「私はあんたみたいなのが、嫌いなのよ。とっとと終わらせてもらうわ!」
 鎌を構えたティモネが、殺人鬼との距離を一気に詰めた。
 振りかぶり、一秒もかからず切り払う。
 だが、殺人鬼はナイフの刃先を滑らせて軌道をずらした。
「ウソッ!」
「大振りの獲物の特性を理解することだ」
 殺人鬼は笑い、懐から筒を出す。
「貴様らと遊ぶのもいいが、時間が惜しい。ほかにも獲物はいるからな」
 筒を床に投げつけると、激しい閃光と、爆音が辺りに広がった。
 ティモネとブラックウッドは目を隠すが、急な光に目が対応できない。
 その二人の横を男は通り過ぎた。
「白姫! 逃げられたわ、おえる?」
 ティモネの問いにノイズだけが返ってきた。
 
【四】
 殺人鬼が薄暗い公園へ駆けてくる。
 だが、その入り口で黒いコートをきて、シルバーアクセの光る男が待っていた。
「遅かったな、待ちくたびれたぜ?」
 にやつきながら、男、来栖は黒い手袋をぎゅっと締めなおした。
「どうしてここが?」
「勘さ、同じ匂いを感じたからなっ!」
 来栖はナイフを投げ、それを追いかけるように駆け出した。
 殺人鬼は来栖のナイフをかわして、近づいてきた来栖にパンチを食らわせた。
「くそ、読んでいやがったか!」
「経歴が違う!」
 サラリーマンの格好をしているが、動きは機敏で、来栖にひけをとらない。
「来栖さん!」
 カラスと吾妻がやってきた。
「加勢なんてするなよっ! これは俺の獲物だっ!」
「獲物って……」
 カラスは来栖の理解しがたい言動に困惑していた。吾妻も同じなのか、なんともいえない顔をしている。
 来栖はその間も殺人鬼と格闘していた。
 喧嘩さっぽうな来栖の攻撃は殺人鬼に遊ばれているように見える。
「妙だな……」
「来栖さんが押されていますよね」
「いや、相手はナイフを護って戦っている」
 吾妻の指摘を受けて、来栖が見ると確かに顔や胴へのガードよりはコンバットナイフをかばうような動きをしていた。
「あのコンバットナイフに何か秘密が!」
「可能性はある」
 カラスはそれを聞くと、駆け出して取っ組み合っている二人に肉迫した。
「てめぇ! 邪魔をするなと……」
「邪魔じゃありません、目的を達成するためです!」
 来栖との格闘を遊んでいた殺人鬼に対して、カラスは掴みかかった。
「伏兵攻撃など、読めないと思ったか!」
 コンバットナイフを持っていない左腕が回転し、肘鉄がカラスの胸に叩きこまれた。
「く、くするさん……、コンバットナイフ……を」
「何!」
「へっ、そういうことかぁ、よぉっ!」
 カラスはそのまま殺人鬼の腕を抱きしめ、来栖がその隙にナイフを蹴り上げた。
「武器がなくなりゃ、こっちのもの!」
 来栖が蹴り上げた右足を下ろし、軸にして左足で殺人鬼の腹を蹴り払った。
 カラスは離れ、殺人鬼だけが地面転がった。
「まだ、終わりじゃないぜ!」
「ひぃぃぃ! や、やめてくれぇっ!」
 さっきまでの気迫はどうしたことか、殺人鬼は涙を流し、命乞いをしている。
「な、なんだ?」
 急変した態度に来栖は毒気を抜かれた。
 吾妻が殺人鬼……いや、泣いているサラリーマンをなだめるが、ただごめんなさいを繰り返すだけだった。
「わけわかんね」
「幽霊でも乗り移っていたのかも……
「まぁ、あのコンバットナイフはもらっておくか。ちょうど欲しかったし」
 つまんねーと悪態をつきながらも、来栖はコンバットナイフを拾い上げる。
 そのとき、ドクンと心臓が大きく脈打った。

【五】
「来栖さん?」
 カラスはコンバットナイフを取ったまま固まった来栖に近づいた。
 シャァッと風が切れる音と共に、カラスの服が斬られる。
「くくく……あはははは」
 来栖は笑いながら、ゆらゆらと上体を揺らし、カラスへと近づく。
「さぁ、楽しもうぜぇ……へっへっへっ」
 持ち上げられた来栖の瞳は虚ろだった。
 来栖がカラスへと切りかかった。
 来栖の動きは殺人鬼のときとは違って、計算された熟練の動きだった。
「いつもと動きがまるで違うっ!」
 カラスは傷つけないよう回避をしていたが、余裕がなくなってきた。
 来栖のナイフが、カラスの動きの一歩先へナイフの刃が回りこんでくる。
 頬を、腕を、胸を、コンバットナイフが斬り刻んでいった。
「どうした! 逃げるばかりかっ!」
「そのつもりだったが、ここまでだっ!」 
 カラスがナイフを出した来栖の腕を掴み、投げ飛ばした。
 来栖は膝のクッションで、地面への衝突を回避する。
「驚いたな、人が変わったようだ」
「その言葉は、そっくり返す」
 来栖を睨むカラスの髪はオールバックで目つきも鋭くなっていた。
 カラスが来栖へ殴りかかる。
 しかし、来栖は後ろへとびながら、
何かを転がした。
「手榴弾っ!」
 カラスの足元で、金属の花火がはじけた。
 グシャァアと肉がつぶれる音がなり、血飛沫が公園の地面を赤く染める。
 舞い上がる煙の中から声がした。
「やれやれ、食事をしていて遅れたが、またここで血を無駄に使ってしまうとはね」
 ぐしゃぐしゃと自分の血と肉塊の海を歩きながら、ブラックはつぶやく。
「カラス君、今の君なら私のようには振舞えていなかっただろう」
「ブ、ブラックさん……ご、ごめんな……」
 煙の中から見えるぼろぼろのブラックを見て、カラスは泣き出しそうになった。
「手榴弾の直撃でも生きているとは」
「『人間』であれば、耐えられなかっただろうね。白姫嬢、転移を頼むよ」

【六】
 ティモネが携帯を開いて、来栖の写真を撮ろうと向けた。
 開いた画面には白姫の姿が映り、写真を撮るように来栖を補足した。
『転移準備完了。仮想次元へ皆さんを転移いたします』
 携帯から世界が変質する。ロケーションエリアが展開されたのだ。
「殺人鬼ならぬ、“殺人器”だったなんてね」
 変移していく世界の中、ティモネは呟いた。
 夜の公園から、ワイヤーフレームで形どられた世界へ一同は動いていた。
「ちぃっ!」
「また逃げられるのも嫌だからね」
 鎌を構え、ティモネは来栖を睨んだ。
「逃げはしない。この男は戦うことを望んでいる」
“我、盟約の元、汝に命ずる。我が手となり足となれ“
「では、相手をしてもらおう。私の下僕とね」
 ブラックの呪文と共に、カラス、そして“夜のおやつ”となった少女3人に力が宿った。
「これなら、いける!」
 カラスは沸きあがる力で来栖を抑えにかかった。少女3人も連携を組んで攻撃にかかる。
「くそっ、この俺が!」
 人間でない彼らにかなうはずも無く、来栖は取り押さえらる。
 その瞬間、来栖の手からティモネがコンバットナイフを鎌の柄ではじき飛ばす。
 コンバットナイフが外れると、来栖の肩の力がぐっと緩まった。
『そのコンバットナイフはホラー映画で軍人の魂が宿った九十九神と解析されました』
「殺人鬼は結局どこにもいなかったってわけか」
 正気に戻った来栖は落ちているナイフを見ながら唾を吐き捨てる。
「そうじゃないわ、誰も彼も……殺人鬼になるってことよ。切っ掛けさえ、あればね」
 呟くティモネの顔は寂しく、アオタケは主人の意を汲んでか、“殺人器”を食べ始めた。

【エピローグ】
 翌日。アオタケが食べたフィルムをティモネは対策課へ届けにきていた。
「“殺人器”のフィルムよ」
「確かに、受け取りました。今回の事件は難しい問題だったようですね」
 植村はフィルムと一緒に対策課へ出された資料を眺め、なんとも言えない顔をした。
「そうね……でも、私見たいな子が一人できなくなったから、それでよしとしましょうか」
 その呟きは対策課の騒音に飲み込まれる。
 予談ではあるが、杵間山のふもとにある黒木さんちにこの日からメイドが3人増えたそうな。

クリエイターコメントお待たせしてすみません

お待たせした分、いいものにしあがっていれば幸いです。

今回はアクティブな方が多く、頭を悩ましました。

プレイングをすべて反映できなくて申し訳ありません。

また、感想、指摘などはお待ちしております。
それでは、また出会うその日までごきげんよう。
公開日時2006-11-22(水) 22:10
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