★ Plaudite, acta est fabula. ★
クリエイター諸口正巳(wynx4380)
管理番号100-8412 オファー日2009-06-25(木) 10:39
オファーPC ギャリック(cvbs9284) ムービースター 男 35歳 ギャリック海賊団
<ノベル>

 ギャリックが落ちた。
 落ちるつもりはなかったのだが。
 落ちるはずがないと思っていた。
 だが、落ちてもかまわないとも思っていた。
 団員と船を守ってこそのキャプテンだ。
 ギャリックは団員の悲鳴と、「ひと」の咆哮を聞いていた。首に咬みつかれたのが効いたのだろうか、意識が急に遠のいていく。下から吹き上げてくる風を感じる。風が赤い血を空へ巻き上げていた。遠い空へ……手を伸ばしても届きそうにない空へ。腕に咬みついていた「いきもの」が1匹、風圧で剥がれていった。
 眼帯も飛んでいった。
 帽子もだ。
 飛んでいくもの、遠ざかっていくものは、どれもギャリックにとって大切なものばかりだった――おっと、「いきもの」は除外だ。
 自分がどれくらい出血しているのか、わからない。意識が朦朧とするくらいなのは確かかもしれないが、痛みはないし、寒さも感じない。自分は無様にもがいているのだろうか……悲鳴を上げているのだろうか。それとも、呆れて笑っているのか?
「ひと」はまだ、すぐそばにいる。
 戦いは終わっていないのに、自分は退場しなければならないようだ……。
 そのとき、ギャリックのシャツの中から、銀色の光が飛び出した。
 その輝きを目にしたとき、ギャリックの中で、『声』が響いたのだ。

『「グランドクロス」知ってるか?』

『おれさー、あの映画の海賊団好きなんだよ。主人公食ってんだよね。キャラ立ってるんだ、団員ひとりひとりが』

『銀幕市で実体化してるらしいじゃん』

『見に行ってみてぇわ。ギャリックとか、いるんだろ?』

『おれほんと、あの海賊は傑作だと思うんだよな!』

「……!」


『いいか、今からギャリックの細かい過去設定について語ってやる。よく聞けよ』
『頼むから手短に』
『できない』




『おまえの血は、あの薄汚い妾の子とはちがうのよ。誇りを持ちなさい。その血は、正統にして好奇なるもの。よいですか。あなたの血は、神と王にも等しい、美しいものなのです……』
「彼」の父親は、「彼」と同じように、生まれたときから権力を持っていた。権力とは、広大な領地、多くの民、幾人もの美しい妻、湯水のように湧き出る金、そして何代も重なった血の歴史を、手中におさめる力であった。
「彼」は父親が持つその力のおかげで、何不自由なく育った。欲しいものは言えばすぐに手に入ったし、行きたいところがあればどこへでも馬車で連れて行ってくれたし、友人も女も向こうから寄ってきた。幼い頃は孤独とはまるで無縁の毎日を遊んで過ごし、たまに誰とも会いたくない日が来たら、誰かにそう言って部屋に閉じこもっているだけでよかった。
 気に入らないことと言えば、勉強や武芸の稽古に毎日6時間以上も費やさねばならないことぐらいだ。そして、父も母もそういった教育に関してはとても厳しかったこと。特に父は厳格で、帝王学の成績が悪かったことを家庭教師に報告されたら、その日は地獄だった。家庭教師は父親に替わり、朝から晩までみっちり「補習」をさせられたものだ。
 幼い頃はそんな父が嫌いだった。
 10代も半ばを過ぎた頃からは、相変わらず厳しい父を疎みながらも、だんだんと同情するようになっていった。父が、ただ普通に日々を過ごすだけで、神経をすり減らしていることを知ったのである。
 父は自分の部屋に五つもの鍵をかけ、就寝時間を報せる教会の鐘が聞こえてから一番鶏が鳴くまで、「彼」の母親すら自室に入れなかった。すべての窓には、マスケット銃の弾さえ破れない鎧戸がはまっていたはずだ。だから、いつ行っても父の部屋は薄暗かった。
 いずれ、その暗い部屋は、「彼」のものになるはずだった。
 ――俺も、あの父親のようになるのか。自分の家なのに、部屋の鍵を五つもかけて、スコーンさえまず毒見させるようなやつに。でも、ときどき領民の機嫌をとってやるだけで、あとは何もしなくても金が入ってくる……。領主の暮らしというのは……楽なのか窮屈なのか、わからない……。
「だがお前は違う。見ているだけで、こっちまで自由になった気持ちになれるからな」
 その言葉は、青い波のしぶきか、空飛ぶカモメか、それとも帆船に向けられたものか。
「彼」が好んでやってくるのは、いつからか、海ばかりになっていた。大人や老人たちが言うには、港はいやしい漁師や船乗りと、そんな荒くれを相手にする娼婦ばかりで、汚らわしい場所らしい。
 そうは思えなかった。
 潮の香りはくせになるし、おだやかな波は見ていて飽きない。ときどき訪れる嵐の夜などは、奇妙な胸の高鳴りを感じて、高級宿の部屋の中でひとり興奮していた。


  ろくでなしの棺が全部で20
  ハイ・ヤイ・サア!
  どこの片目が並べたか

  ろくでなしの船が全部で50
  ハイ・ヤイ・ヤイ・サア!
  どこの片目が沈めたか


 夜の夜中に、そっと酒場の入口の前を横切ったとき、中からだみ声がうたう歌が聞こえてきたものだ。酔っ払ってろれつがまわっていなかったり、豪快な笑い声が混じっていたり、歌う者によっては微妙に歌詞が違っていたりで、正確に聞き取れたことはほとんどない。
 船乗りや海賊たちが酒を飲めば、必ずうたう歌だった。
 うたわれているのは、偉大な片目の海賊であった。
 海の伝説など、貴族の「彼」にとっては不要な知識であったから、家庭教師も大人たちも、誰も教えてはくれなかった。だが、港町へ通ううち、知らないうちに、「彼」は知った。
 ずっとずっと昔、遠い遠い海の向こうに、かつてギャリックという隻眼の海賊がいたということを。
 ギャリックは、義賊だったそうだ。まっとうな船相手の略奪はしなかった。人道にもとる極悪な海賊を蹴散らし、民からむしり取った税で遊ぶ貴族の船を襲った。同業の海賊たちにもいつしか憎まれ、恐れられるようになったが、海賊ギャリックは神出鬼没。ふらりと遠洋に出かけたきり何年も姿を消し、死の噂が経ち始める頃、呼んだかとばかりにふらりと戻ってくる――そのたび、どこか遠くで途方もない冒険を成し遂げていて、誰もが目を見張るような財宝を手に入れているのだ。
 ギャリックの噂には終わりがなかった。彼がいつ、どこで、どうして死んだのか、伝説でも語られていない。
 どこか遠くの海へ行って、二度とは戻ってこなかったのか。
 もしかしたら、不老不死の薬を見つけだし、まだ生きているのかもしれない。
「彼」が耳にした海の伝説は、義賊ギャリックのものだけではなかった。
 帆船を飲みこむほどの巨大なイカやタコ。
 永遠に日が沈まない、淡い白の夜がつづく海辺の国。
 人喰い土人が支配する島。
 黄金で満たされた島国。
 どれもこれも、海の向こうの伝説だった。壮大な伝説を聞くたび、「彼」の領地は狭くなっていった。しまいには、城でごく普通の夜の眠りについても、海の夢を見るようになってしまった。海はいつでも、蒼いレースのドレスを着て、白い腕を伸ばし、「彼」を抱擁してくれた。
 いつしか社交界での人付き合いがおろそかになっていって、「彼」は友人や弟に先を越され、女たちは「彼」から離れていった。
 それでも、「彼」の地位が危うくなったわけではない。どのみち父親のあとを継げば、思うような相手がいなくても、適当に誰かがどこかの良家の娘を連れてきて、「彼」にあてがうことになる。恋愛などは必ずしも必要ではなかった。跡継ぎさえできればよいのだから。

 だが、そんな気楽な日々も、彼が16歳になった頃には終わりを告げる。
 思い返せば、16歳になったあの年は、波乱万丈だった。人生の絶頂期というわけではない。ただ、いろいろなことがいっぺんに起きすぎた。人生の転換期というわけだ。

 母親が死んだ。
 父親は3人目に迎えた側室を正室に格上げした。
 それからすぐに父親も死んだ。
 昨日まで元気だった領主が急に死んだとあれば、騒々しくなるのは当然のこと。
 領主は暗殺されたのか、心臓発作でも起こしたのか、真相は謎のままだ。「彼」も知らない。だが、少なくとも、「彼」は殺していない。父のことも、母のことも、たくさんの弟と妹たちのことも、「彼」は愛していた。きっと人並み以上に。


「やあ、友よ……17歳の誕生日おめでとう」
「やあ。何かと思えばそんなことか。今日は俺の誕生日だったんだな……忘れてたよ。祝ってくれたのはおまえだけだ」
「冗談だろ。お前は大切なお世継ぎじゃないか。みんなそれを忘れてるっていうのか」
「それが、継げるかどうか怪しいところでな。先週は叔父夫婦が首を吊った。吊られたのかもしれないがね」
「なんてこった。お前の味方だったそうじゃないか」
「皆誰かの味方さ」
「大変だな。顔色が悪い」
「おまえのほうが悪いよ。一体どうしたんだ」
「……。ナターシャが縛り首に」
「なんだって!?」
「僕だけがこうして生きている。何のお咎めもなしにね。嗤ってくれ! 死ぬ瞬間も一緒だと、夜の教会で誓ったというのに! 父と母は、ナターシャはいやしくて汚い血統だというんだ」
「彼女ほどきれいな女性を、俺は知らなかったよ。なんだって使用人なんかやってるんだってくらいにきれいだった。……気の毒に」
「……。だから疲れてしまってね。兄上も具合が悪いんだが。……国を出ようと思う。近いうちに」
「……」
「幸い、僕の家は港で顔が利く。船はすぐに手配できる。向こうの大陸に着いたら、あとは自由だ。共和制のあの国に行けば、ふんぞりかえった貴族も見なくてすむ」
「……海か。ずいぶん行ってないな。前に行ったのは1年も前だ。まだ16歳になりたてだった頃か……昔の話だな……」
「おい、どうした。何を考えてる?」
「なあに。おまえが乗る船に、俺も乗せてくれないもんかな、ってね」


 まだ10歳にもならない実の妹の目つきが忘れられない。
 深夜、寝室に忍びこんできた実の叔父の顔とナイフが忘れられない。
 ふたりとも、権力の魅力にとり憑かれていた。あれは、獣の眼にすぎなかった。
「彼」にとって、城は家ではなくなった。「彼」を支持する使用人は、勝手にドアに三つも鍵を取り付けてしまった。その鍵が五つに増えるのも、時間の問題だろう――
 しかし「彼」は、鍵の数が増える前に、家を出る。


  ろくでなしの棺が全部で20
  ハイ・ヤイ・サア!
  どこの片目が並べたか

  ろくでなしの船が全部で50
  ハイ・ヤイ・ヤイ・サア!
  どこの片目が沈めたか

  赤毛のギャリック
  片目のギャリック


 海の向こうの国々の、知識だけはあった。
 もともと勉学よりも武芸のほうが向いていたらしく、立ち回りは完璧だった。やけに体力と回復力が高いおかげで、「彼」は見知らぬ土地でも自分の身を守れた。
 それでも、何も知らない、無力なひとりの男に成り下がってしまった。彼はそれまでひどい暑さも知らず、凍えるような寒さも知らず、飢えと渇きも知らず、広い空と海を知らなかったのだから。
 ただ、権力と欲望のためなら、人は簡単に人殺しになれるということだけは、誰よりもよく知っていた。
 歳を重ねるうちに、自分の身ばかりか、他人の安全も守れるようになった。
 いくつの国を越え、山と川を越え、昼と夜を重ねたか。
 あてのない旅だったけれど、気づけば港町や漁村に留まっていることが多かった。
 そしてあるとき、酒場で荒くれどもの大喧嘩を勝手に両成敗した。それを見ていた海賊団の船長が、「彼」の腕っぷしを大金で買ったのだ。
「彼」はその夜から、海賊になった。



 結局、どこも同じだ。
 世界はどこも汚れている。
 雲の合間から射し込んでくる月光があまりにもきれいだったから、そんな思春期の少年のようなことを考えた。
 洞窟の入口で、「彼」はようやく一息ついた。手のひらも顔も身体も、血と汗でひどく汚れていた。さんざん暴れて、大勢殺してきたところだ。海賊団を全員倒すより、死体を全部海に捨てるほうが骨だった気がしないでもない。
 雇われの用心棒に壊滅されるなど、彼らもまさか予想していなかっただろう。「彼」自身もそうだ。だがいくら金を詰まれても、女子供を弄んだ挙句に殺すのはごめんだった。男の皮をはいでマストに吊るすのもまっぴらだ。やつらはそれを平気でやった。やつらは人間ではない、海の悪魔だ。
 だから、目的地の島が近づいて海賊どもが油断した隙をつき、退治してしまった。
 後先のことを、あまり考えていなかった。ひとりで帆船を操るのは難しい。幸い船には海図も食料もあるので、時間さえかければ何とかどこかには辿り着けるだろうが。
 洞窟の入口でカニやら貝やら大味の雑魚やらを焼いていると、月が隠れて、風が吹いてきた。
 風は洞窟の中に入りこみ、まるで洞窟そのものがうめいているような音を立て始める。
 もしかして、この洞窟は意外と広いのか?
 この島に来た理由を、「彼」は船長から聞いていない。もしかすると、この洞窟を探検するつもりだったのかもしれない。
「彼」はたいまつと焼いた食物を手に、洞窟の奥へ入っていった。

 陸の中の塀の中に住んでいるとき、海賊の噂を聞くたびに、自分もいずれは未知の世界の探索をしたいと思ったものだ。家を飛び出してからは、そんな冒険の連続だった。
 しかし洞窟というのは、何度探検してみても胸が高鳴るものだ。見つかるものといえば、あわれな誰かの白骨や、ゲジゲジの群れや、密輸業者の打ち棄てられたアジトくらいのものだったが。
 目もくらむようなお宝など、一度もお目にかかったことがない――
 けれど、その洞窟の奥底には、正真正銘のお宝が眠っていた。

「……あんたなのか」
 ぼぉう、とたいまつが照らすミイラ。白骨……と言ってもいいのだろうが、細い赤毛がまだ残っていたし、干からびた皮膚も、まだ骨に張り付いているようだった。
「あんたか、ギャリック……」
 ミイラの片目には、切り傷があった。
 隻眼の船乗りなど、この世にはいくらでもいるだろうが、奇妙な確信が「彼」の胸を突く。ミイラがかぶっている帽子と羽織っているマントは、ずいぶん古いもののようなのに、不思議なくらいきれいだった。シャツとズボンと靴はぼろぼろで、触れれば崩れそうなほど風化している。それなのに、帽子とマントは充分使えそうなのだ。
 宝箱と、金銀の食器や調度品に囲まれ、サーベルを抱えて、義賊の遺体は静かに横たわっていた。
「あんたは……まだ、死んじゃいないんだ……」
 帽子を手に取り、埃を払う。
 髑髏の刺繍が、じっと見つめ返してくる。


 赤毛のギャリック、片目のギャリック。
 あるときふいっと姿を消した伝説の義賊は、消えたときの格好のまま、またふらりと戻ってきた。以前にも増して無鉄砲になり、若干ドジになって、酒にも妙に弱くなったようだったが、それでも伝説の義賊は戻ってきた。
 それがギャリック。
 不死身の海賊。


『マジで細かい設定だなそれ』
『だからギャリックのほうが主人公より目立っても仕方ないわけ』
『ちゃんと映画で描ききれてんの?』
『きれてない』
『じゃあ何で知ってんだよ』
『「グランドクロス」オタなめんな。ノベライズも設定資料集も持ってるんだ』
『じゃあ当然DVD持ってるよな。今度貸せよ』
『そしておまえもギャリックにハマる』
『いやそれはわかんねえだろ』


 ギャリック、聞こえるか?

  あんたか、ギャリック?

 そうだ。そろそろ消える頃合だ。

  そうか。ギャリックはふらっといきなり消える。

 時には仲間を残して。

  今回は、船まで残していっちまうんだな。

 きっと、また現れるときまで残ってる。

  ああ、俺たちギャリックは、いつかまた、ふらっと戻ってくるのさ。



 ギャリックの胸から、銀のロケットから離れた。
 風圧で留め金が外れたのだろうか。「いきもの」が鎖を食いちぎったのか。ロケットは、帽子や眼帯といっしょに飛んでいく……。
 あの小さなロケットの中には、豆粒のように小さな仲間たちの笑顔が詰まっている。

 できれば最期に、見せてくれないか?

 生まれ変わるたびに替わっていくギャリックの仲間たちだけれど、
 みんな同じだ。
 同じ顔で笑ってくれる。
 ギャリックが望んだときに、望んだ以上の明るさで。

 できれば最期に、笑ってくれ。
 ウィズ。
 アゼル。
 ヴィディス。
 ティファ。
 ヤシャにアスラ。
 ナハト。
 ブライム。
 パイロ。
 ロンプロール。
 エフィ。
 ゴーユン。
 アディ。
 キルシュ。
 ハンナ。
 ユセイ。
 ニグラ。
 ベナオ。
 シノン。
 フィズ。
 ジュテーム。
 シキ。
 ノルン。
 ジル。
 ブルーノ。
 モニカ。
 コキーユ。
 トニー。
 ルーク。
 それに王様。

 俺たちは、ギャリック海賊団だぜ。



 波がうねり、蒼いレースのドレスを着た乙女が、波間から白い腕を伸ばしてきた。船を見ながら落ちているのに、ギャリックにはそれがはっきり見えた。
 水飛沫が上がった。
 一巻のフィルムが、「いきもの」を蹴散らしながら高く跳ねる。
 血まみれになり、あちこち裂けたはずのマントが、新品同様の美しい姿をひらめかせて、波の上に広がった。
 マントがフィルムを抱きとめる。
 サーベルが……帽子が……眼帯が、次から次へと、マントの上に落ちていった。


『これ、ほんとにいい映画だな』
『ギャリック、また何かの映画に出てきてくんねえかな』


 ああ、出るさ。いつか、また。
 いまはふらっと、消えただけ。




〈了〉

クリエイターコメントオファーありがとうございました。
わたしを許してくださって感謝します。
捏造歓迎とのことなので、「ギャリック」という存在について勝手にいろいろ設定させていただきましたが、いかがでしょうか。
キャッチコピーはリッキー2号WRのプラノベからお借りしています。この場を借りてお知らせいたします。
公開日時2009-07-12(日) 18:00
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