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<サンプルなど>
サンプルを読まれない場合はクリエイターコメントまで飛ばして頂いて大丈夫です。
半ば駄々っ子みたいな私の返事に頷いて、そっと私の頭を自分の胸に抱き寄せる洋子ちゃん……って、えぇっ!? 「小夜……どうして泣かないの?」 「えっ……?」 「2人が死んじゃった時もそうだし、他にも……私から見ても辛そうなのに全然泣かないし」 「だ、だって……」 一度腕を放して、顔を上げた私を見つめる洋子ちゃん。 「小夜は強いね」 「そんなこと……」 「本当は辛いのに、何されるか分からないから泣くの我慢してるんだもんね……」 「う、うん……」 「それでまだ、あんなに楽しそうに出来るんだもの。十分強いよ」 「でも、それはみんな優しいから……」 「でも、気付かせないようにしてるでしょ?」 「だって……心配させたくないもの……」 「それと、話して受け止めてもらえなかったら怖いから?」 「あ……なんで……?」 「何年の付き合いだと思ってるのよ、それくらいは分かるわよ」 「そっか……」 「なんてね。小夜、自分の詩で書いてたでしょ」 「あ……」 そういえば私、そういう感じの書いてたっけ。 「ねぇ、小夜……」 「うん……」 「昔の小夜には、もう戻れない……?」 「無理だよぉ……」 昔の私……天然でおかしいところもあるけど繊細で、それでいていつも楽しそうにしてた私。 今と一番違うのは、表情に影がないこと。でも、これはもうきっと消えない。 「……昔とまで言わないけど。でも……最近の小夜、見てて辛いよ。無理してるのが分かっちゃうもん」 えっ……? そんなに辛そうに見えてるのかな。 「最近、涙が出たって言ってたけど。そろそろ限界なんじゃないの?」 「限界って、何が……」 「小夜……泣いちゃわない?」 「えっ? だって、私泣けない……」 「今は他に誰も居ないよ?」 「でっ、でもっ、盗聴器とか仕掛けられてたらヤダし……」 「ないってば、そんなの……」 いや、多分そうだけど。でも分かんないけど。 「それとも……私も信じられない?」 「そ、そんなこと……」 半分嘘。洋子ちゃんなら大丈夫と思ってるけど、どこかでもしもって思っちゃう私もいるから。 「小夜、絶対無理してるもの。このまま小夜まで壊れちゃったら、今度こそ私、どうにかなっちゃうよ」 あの時の洋子ちゃんはもう見たくない。でも……。 「ダメだよ、怖い……今泣いちゃったら、私どうなっちゃうか分かんない。もし洋子ちゃんを傷つけちゃったら、それこそ私壊れちゃうよ」 だって、洋子ちゃんの言った通りだから。私、すごく無理してる。毎日辛いのを押し込んでる。それは自分でも分かってる。分かってるし、本当は誰かに助けて欲しかった。でも、誰にも助けてなんて言えなかった。 だって、分かってもらえなかったら。その後には私自身が否定されるって知ってるから。 私の親がまさにそうだった。そんなこととか言われたから。 言わなきゃ分かんないって言う人いるけど、言う方はすごく勇気がいる。それこそ命懸けのかけをするくらいのつもりじゃないと言えないから。 中には話しても大丈夫そうな人もいるけど、でも私の事なんかで負担かけたくないし。重いモノを抱えてるって自分で分かるだけに、他の人にまで持たせるわけにはいかないもの。 私なんか消えちゃえばいいのにって毎日思いながら、洋子ちゃんが壊れちゃうのが嫌で必死に耐えて……やっぱり、限界なのかな? 「小夜は優しすぎるのよ……大丈夫。私がちゃんと受け止めてあげるから」 「よ、洋子ちゃん……」 あ、ダメ。何かこみ上げてきた……。 「泣いた方が楽になるって、あの時小夜が言ってたじゃない。遠慮しなくてもいいから、ね?」 「洋子ちゃんっ」 それ以上耐えられなかった。私は洋子ちゃんに抱きついて……そのまま洋子ちゃんを押し倒しちゃったけど。 「うっ、ふぇぇっ……うあぁぁぁぁん」 この前を除けば何年ぶりだろう? 洋子ちゃんの胸の中で、私はひたすら泣き続けた。
種別名 | プライベートノベル |
管理番号 | 853 |
クリエイター | 水華 月夜(wwyb6205) |
ゲストPC制限 | 0人〜4人発注PC以外に追加できるPC数 |
オファー費用 | 1000チケット + ゲストPC1人あたり1000チケット |
製作日数 | 15日 + ゲストPC1人あたり 9日 |
クリエイターコメント | サンプルは昔書いた作品の一部を少し手直ししたものです。
得意なのは重めほのぼの〜シリアス系統になります。 重くないほのぼのやギャグ路線も割と書きます。 心理描写とネタが好物です。 基本なるべくお受けしたいところですが、 分野等によりお受け出来ないこともありますので そのあたりはご了承下さい。 ライター詳細の苦手分野の他、 専門知識が必要で参照先指定がないものは受理出来ない確率が上がります。
クリエイターコメント欄やノート欄もある程度参照いたしますので、 オファー文が長くなりそうな場合は詳細設定はそちらでお願いします。 また受諾まで多少の日数を頂くことになると思います。 納期の関係でシナリオ製作を優先させて頂く場合もありますので、 そちらの方もご了承下さいませ。
以下はノート等でいいので書いておいて下さると助かることです。
執筆の際、話の展開に応じて オファーにない内容を捏造する場合も多いですので もしこれだけはやらせて欲しくない、言わせて欲しくない事がありましたら どこかに書いていただけると助かります。 またゲストの方が居る場合、留意しておいて欲しい関係がありましたら。 その他、参照して欲しいノベル等があれば書いていただけると助かります。
製作日数は最大値を取らせて頂いていますが、 なるべく早くお届け出来ればと思っています。 注文が多めかもしれないですが、もしよろしければご利用下さい。 それでは、よろしくお願いします。 |
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