「さぁ、ボクからキミ達にプレゼント。何があるかは空けて見てからのお楽しみさ! It’s サプライズ!」
ロイ・スパークランド監督のオフィスではささやかなクリスマスパーティが開かれていた。
サンタクロース姿でプレゼントを参加者に配っている。
しかし、タスク・トウェインはプレゼントを受け取らなかった。
「どうしたんだい?」
ロイ監督は不思議そうにタスクに尋ねる。
「俺からは監督さんにプレゼントだ。受け取ってくれよ、たまにはサプライズを受けるほうになるものいいだろ?」
「これはやられたね! Thank you Tasuku」
タスクと監督はお互いの顔を見て笑い出す。
タスクから渡されたのはロイの身長ほどもある大きな箱。
中にはなんと、背中に背負えるくらいのジャンボバッキーぬいぐるみが入っていた。
「これが噂のコスチュームBだね!」
「いや、それは違うから」
さすがのリアクションにタスクは苦笑するも喜んでいる姿をみて、満足そうに微笑んだ。
「うわー、これすごいレアなんだよ!」
七海 遥がもらったプレゼントはロイ監督のデビュー作から、今まで監督をした作品のポスターセットだ。
他人に見せるのが勿体ないくらいの代物である。
「監督、ありがとうなんだよ!」
李 白月が中くらいの箱をあけると、中にはスカイブルーのバッキーのぬいぐるみだった。
ポーズがカンフーをやっているような姿なのが微笑ましくて思わず笑みがこぼれてしまう。
「ありがとよ、監督! 大切にするぜ!」
「HAHAHA、それを引き当てたのは君さ。感謝をするのは運命のほうが先だよ」
白月の感謝の言葉に監督はウィンクで返した。
「おい、監督。俺のはやけに小さくないか?」
ディズがもらったプレゼントは他の人よりも確かに小さい。
「文句は中をみてからさ、きっといいプレゼントだよ」
ディズは不審そうにプレゼントの箱をあけると、そこには小さいながらも愛用しているトランペットソックリな雨細工が入っていた。
「こいつはすげぇや、どうやって作ったんだい?」
その細かい造詣にディズは驚きを隠せない。
持ち上げては左手にもったブルーノと見比べていた。
「それはenterprise secretさ!」
「アンタ食えない人だな、だが、ありがとよ」
雨細工を口にいれながら、ディズはロイ監督にウィンクを返した。
「喜んでもらえたのなら、ボクも嬉しいよ!」
ロイ監督は微笑み、パーティは最高潮の盛り上がりを迎えていく。
記念すべき一夜に、皆なっただろうか?
そうであってほしいと、ロイ・スパークランドは心の中で思っていた。
<ノベル/橘真斗>
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