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青春劇場 ~そして二人は出会った~
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| ハイユ・ティップラル(cxda9871) 2014-03-05(水) 23:46 |
あたしハイユ、16歳。ロストレイル学園に通う女子高生。 遅刻遅刻ーって通学路を走ってたら、きゃあっ! 道の角で知らない人にぶつかっちゃった! 見上げるくらい背が高くてメガネをかけたミステリアスな感じの人。その人はあたしを見て言ったわ。 「姉御、大丈夫ですかなのね?」 カメラ1回止めて。 ちょっと、羽空くん。なんでこの設定で呼び方が姉御か。 「ごっ、ごめんなさいなのね! つい姉御の大人の魅力に気圧されてしまったのね!」 今のあたしの設定は16歳やっちゅーねん。はい、テイク2!
あたしハイユ、16歳。ロストレイル学園に通う女子高生。 遅刻遅刻ーって通学路を走ってたら、きゃあっ! 道の角で知らない人にぶつかっちゃった! 見上げるくらい背が高くてメガネをかけたミステリアスな感じの人。その人はあたしを見て言ったわ。 「あねごー」 カメラ止めて。 ボケるにしても別のボケにしろよ! 「ボケてないのね! お兄さん笑いのプロの道化師だよ!」 なら今のは何だ。 「リクエストがありまして直訴です」 何よ? 「ボクの設定、ダブりすぎて年齢不詳のコーコーセーなのね」 知ってるよ。ほぼそのまんまの設定だし。自己紹介なら次に朝のホームルームのシーンでやるだろ。 「その前に問題を解決しときたいのですよ。姉御が16歳の設定だとボクの方が先輩になっちゃうのね」 別にいいじゃない。 「よくないですよ!? ボクにとって姉御は気軽に後輩扱いしちゃダメな御方なのだから!」 実年齢だとあんたの方が上じゃね? それとも、あたしに若い役をやるなと? 「そ、そんなコト言ってないのね!?」 ならよし。 「ううっ、姉御は後輩、姉御は後輩、姉御は後輩……」 自己暗示かけるレベルでやりにくいのかよ。じゃ、しょうがない。少し設定変えてみようか。テイク3!
あたしハイユ、26歳。ロストレイル学園の保健医よ。 遅刻遅刻ーって愛車のボルボをぶっ飛ばしたら、きゃあっ! 道の角で知らない人にぶつかっちゃった! 「ちょっと待ってくださいなのね!? これボクが死ぬシーンなのね!?」 ばっか、ここはあたしが保健医のスキルを活かして応急処置するシーンだよ! 「はっ!? 恐れ入りましたのね! ボクが浅慮だったのね! 気絶しますのね!」 あたしは急いで車を降りた。救急キットくらいは持参してるのよ。血をどくどく流してて意識はなさそうだけど心肺はいちおう動いてるみたいね。 「死に至る重傷なのね!?」 まずは止血か。いっけなーい、まちがって頸動脈まで止めちゃった。てへっ、あたしってばドジっ娘☆ 「ジョシコーセーの設定が中途半端に生き残ってるのね!」 気絶してる人間がしゃべるんじゃない。 さて、なんやかんやでポリ公が動く前にどうにかなった。あたしは何事もなかったかのような顔で保健室に出勤した。すると一人の生徒がやって来たの。 「センセー、実はさっき車に轢かれちゃったのね」 それは普通に保健室で扱う範囲を超えてるんじゃないかとあたしは思った。ところが顔を見て、つい声を上げちゃったわ。 『あーっ! あんた今朝の!』 「あーっ! ……記憶がハッキリしないけどどっかで見たことある人なのね!」 こうして二人は運命的な再会をした、と。よしよし、それっぽくまとまったじゃない。
「それで、このあと二人はどうなっちゃうのね? ボクまだホームルームで自己紹介のシーンまでしか台本もらってないのね」 ああ、元々そのシーンでおしまいだよ。 「え?」 でも設定変えちゃったし、保健室で自己紹介したってしょうがないから、ホームルームのシーンはなしね。つーわけで、これで完成。おつかれさーん。 「え~と、そもそもコレ、いったい何なのね!?」 ロストレ学園が舞台の学園ものっぽいムービーがほしいってお嬢が言ってたからあたしが書いてみた寸劇。学園ものってこういう始まり方なんでしょ? 「こういう始まり方がないとは言いませんけど! 本編がまるっとないですのね!」 いやー、なんか書いてるうちに飽きてきちゃってさ。まあせっかく書いたから、そこまではやってみようかと思って。でもアドリブで設定変更してもどうにかなったし、案外イケるのかもね。 「イケると思ったなら続きをお願いします」 そこまでとは思ってない。 「あの~、これってシュマちゃんのために作ったものなのですよね?」 ああ、うん、そうだよ。 「なら、最後まで作ってあげた方がシュマちゃん喜ぶんじゃないかと思うのね?」 続き書くのめんどくさい。 「もー、それならボクにお・ま・か・せ! このマッスーさんが超絶にときめく学園ラヴ☆ストーリーをお届けしちゃうのね!」 あそこまで書いといてアレだけど、あたしにも相手役を選ぶ権利くらいはあると思うんよね。 「言葉のナイフ! とっ、とりあえず自己紹介のシーンだけでもやらせてほしいのね。ボクまだ自分の名前も言ってないのね」 そうだったっけ。 「そうなのね!」 でもそんな話し方するロストナンバーなんてあんたしかいないから、みんなわかってるよ。気にすんな。 「気にしますのね! ボク、マスカダイン・F・ぱう」 おっと、ビデオテープの残量がもうないや。残念だったわね。 「今どきテープ!? あと一文字! って言うかこの会話の尺があればヨユーで入るのね! ボク、マスカダイン・F・ぱう (動画はそこで終わっていた) |
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謝辞
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| ハイユ・ティップラル(cxda9871) 2014-03-05(水) 23:50 |
マスカダイン・F・羽空さん、ご出演ありがとうございました。メタな話にしたいな、と思って書いていたら、こんな感じになってしまいました。 |
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感謝のおことば!(つめえり道化師スタイルで)
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| マスカダイン・F・ 羽空 (cntd1431) 2014-03-21(金) 01:23 |
この度は一緒に遊んでくれてありがとう! 無駄に高いとか 年いくつだよとか なんで生きてんだとか (下の)名前を呼んでとか マスダさんのアホ(=マスダ)らしさが良くっ出てらして 観察してくださってるんだなぁと思い存じました。 流石僕と姐御の仲だね///もとい愛の女神スキルだね! (スーパーカーの轢痕を誇らしげに跡しながら) これからも一緒に遊んでね姐御! |
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