オープニング

 12月も近づけばにわかに街も活気づいてくる。特に壱番世界のそれは顕著で、どこの店を見てもイルミネーションやツリーなどのクリスマスの飾りでいっぱいになる。
 大きなツリーの点灯式なども行われ、人々の心も盛り上がっていくというもの。それは一部のロストナンバーとて同じ。
 コンダクターのマルチェロ・キルシュもその一人だった。今からどんなオーナメントを作ろうかとわくわくだ。トラベラーズカフェの片隅でどんなオーナメントを作ろうか考えていた所、机の上に広げられている資料を見て食いついてきたのは吉備 サクラだった。
「こんにちは、ロキさん。クリスマス会の準備ですか?」
「ああ。オーナメントやリースなんかの用意をしようと思っているんだ」
「今年は冬コミ落ちちゃったし1か月0世界に居たせいでコスプレの準備も中途半端になっちゃったし、クリスマス近辺のイベントに飢えてたんです! 料理は人並みですけど、裁縫は自信あります! ジンジャーマンの樹脂コーティングもやってみたいです! 是非お手伝いさせて下さい&教えて下さい!」
 世界計の故障で壱番世界に戻れなかったサクラはお目当てにしていたイベントの準備ができず見送ることになり、別のイベントを探していたようだ。すごい勢いで参加を希望し、ロキを圧倒させる。
 その光景を見ていたのはバナー。最初は何事かと目をやっただけだったが、話を漏れ聞けば手先の器用さが生かせそうで。
「うん、工作するんだー。ぼくも、参加、希望するよー。粘土細工とかみたいで、何か作れそうかなーと思うんだよー」
「二人とも歓迎するよ。材料持ち込んでもいいし、なくても俺がある程度用意するから」
 何を作ろうか、あれもこれもいいな、そんな風に盛り上がるカフェのテーブル。ぴょこんと合間から可愛い顔をのぞかせたのはノラ・グースだ。
「くりすます、ですかー? ノラ、聞いたことあるのですっ。赤いお髭のトナカイさんが、白い服を着たおじいさんを乗せてやってくるのですー♪」
「……なんだか一部間違った認識があるようなきがするんだけどその……。その辺についてもみんなで教え合えばいいかな、うん」
 準備、お手伝いしたいのですーと可愛く笑うノラ。一部認識がおかしいが、クリスマスに馴染みのないツーリストにクリスマスについて教えてあげるのも、逆に出身世界の冬の行事について教えてもらうのも、また一興だろう。
「クリスマス飾りを作るんですか? 楽しそうですねーえー。ぼくも参加させてもらっても、いいですかー?」
(……あれ、ええっと、はじめましてのひと、ばかりかなあ……?)
 ふわふわとした笑顔でテーブルを覗きこんだ音琴 夢乃は顔ぶれを見渡して、初見の人が多いことに気がつく。けれども参加すると決めたのだから、今更言葉を引っ込めることはしない。
「なんかね、上手な人の手並みを見るの、結構好きなんですよねー。見入っちゃうっていうか」
 自分は人並だけどと心の中で付け加えれば、ロキは集まったメンバーを見渡して微笑んだ。
「集まってくれて有難う。じゃあ交流会も兼ねてワークショップ、やろうか。場所のあてはあるんだ」


 *-*-*


 詳しいことが決まったらまた連絡すると言い置いてロキが訪れたのは、紫上 緋穂の司書室だ。
「こういうことに協力してくれそうな人といえば……緋穂しかいないよな」
 ドアプレートの名前を見て、仲良しの彼女の笑顔を思い出して微笑む。

 コンコン。

 規則正しくノックをすれば中から「はーい」という明るい声が返ってきた。ゆっくりと扉を開けたロキは、その向こうにいつもし同じ笑顔の緋穂がいることに安心して。
「なあ、ちょっと提案とお願いがあるんだけど……」
 詳しく説明すれば、緋穂の瞳はどんどん輝いていくのだった。


 *-*-*


 というわけで、場所は無事に借りることができた。世界司書の紫上 緋穂の家だ。彼女の家は広めの3LDKの二階建て一軒家であり、そのリビングでは以前バレンタインの時期にお菓子作りやプリザーブドフラワーのアレンジメント講習会などが開かれたことがある。
 現在はエーリヒという5歳のツーリストが一緒に暮らしているが、彼は好奇心で覗きに来ることはあれどもいたずらをして品物を台無しにするようなことはないだろうから安心して欲しい。

 作成を考えているのは簡単なリースとオーナメント類だ。
 リースは軸となる部分の材料は緋穂が用意してくれているし、プリザーブドフラワー(枯れないように加工した生花である)であれば彼女が提供してくれるだろう。飾り付けをどんなふうにするか考えておくだけで良い。
 オーナメントは、基礎部分はクッキーとペーパー、そしてフェルト、軽量紙粘土などで作る。クッキーはロキが用意してくれているし紙やフェルト、紙粘土は緋穂の家にあるものを使えばいいので、やはりこちらも飾り付けを考えておくのがいいいだろう。ちなみにクッキーオーナメントに飾り付ける際に使うUVレジン液とUVランプはロキが持参してくれるそうだ。
 もちろん、作りたいものがある人は持ち込みOK。

 さあ、みんなでわいわいと、素敵な物を作ろうではないか。




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!注意!
企画シナリオは、便宜上、参加枠数が「999」になっていますが、実際には特定の参加予定者のために運営されています。

この企画シナリオは下記のキャラクターが参加予定です。他の方のご参加はご遠慮下さい。万一、参加予定でない方のご参加があった場合は、参加がキャンセル(チケットは返却されます)になる場合があります。


<参加予定者>
マルチェロ・キルシュ(cvxy2123)
吉備 サクラ(cnxm1610)
バナー(cptd2674)
ノラ・グース(cxmv1112)
音琴 夢乃(cyxs9414)

品目企画シナリオ 管理番号2328
クリエイター天音みゆ(weys1093)
クリエイターコメントご指名ありがとうございます、天音みゆです。
楽しい催しへのお誘い、ありがとうございます。
緋穂とエーリヒもちまっと参加させていただこうと思います。
特に絡むプレイングがなければ目立ったことはしないと思いますが、たまにワーワー騒いでいるかもしれません(笑)

・何を作るか
・どんなデザイン/飾り付けにするか
・PCさんのお手並みはいかほどか

をお知らせください。

出来上がったものをあげたい人や、見せて一緒に楽しみたいお相手がいる場合は、心情などでお知らせいただければと思います。

一応オープニングではリースと各種オーナメントを予定しております。
が、他に作りたいものがある場合は持ち込んでください。
ちなみにリースの基礎部分は、依ってある紙紐(荷造りとかに使う、強固なやつ)で作ろうかと考えていますが(紙紐部分は見えないようにリボンなどを巻きます)、本格的な植物基礎のリースがいい場合はお知らせください。

また、クリスマスについて馴染みのないツーリストさんに教えてあげたり、逆に出身世界の冬の催しについて教えてもらうのも楽しいと思います。

ノベルのお届けですが、できる限りクリスマス前を目指します。
が、不測の事態に見舞われる可能性がゼロではありませんので、念の為に余裕を持って設定させていただいております。
ご理解いただければと思います。

それでは、楽しんでくださいませっ。

参加者
吉備 サクラ(cnxm1610)コンダクター 女 18歳 服飾デザイナー志望
マルチェロ・キルシュ(cvxy2123)コンダクター 男 23歳 教員
ノラ・グース(cxmv1112)ツーリスト 男 13歳 『博物館』館長代理
バナー(cptd2674)ツーリスト 男 17歳 冒険者
音琴 夢乃(cyxs9414)コンダクター 女 21歳 学生

ノベル

 わいわいわい。
 緋穂宅のリビングに集まった五人と、家主の緋穂とエーリヒ。七人も集まればわいわいと心地よい雑音が生まれるもの。
 繋げたローテーブルにはすでに材料が何種類か置かれており、各人適当な場所に座って自身が持ち込んだ材料をテーブルの上に載せる。
「こんにちは、今日はよろしくお願いします」
 裁縫道具の他にも何か大荷物の吉備 サクラは丁寧に挨拶をして。何事も最初が肝心だ。
「あー、クリスマスねー」
 室内に飾られたオーナメントのないクリスマスツリーを見て、バナーは呟く。
「毎年やっているよねー。たしかプレゼントとか贈るんだったよねー」
「プレゼント交換、楽しいですよね」
 彼の言葉にサクラは嬉しそうに笑う。ターミナルでは毎年のようにプレゼント交換やパーティが開かれていた。自分のものが何処に届くのか、誰のものが自分に来るのか、それはもう皆、楽しみにしているのである。皆、趣向を凝らした一品を贈り合うものだから、わくわくが止まらない。
「ぼくとしては、色々と作っておきたいかなーって思うんだよー。とりあえず、木材と道具持ってきたから作るとするよー」
 プレゼント交換のためだろうか、それとも誰か個別に渡す相手がいるのだろうか、バナーは木材やカンナ、ノコギリなど色々と持ち込んでいた。
「木くずが出るから、何処か作業に適した場所はあるかなー?」
「それならリビングの窓を開けるといいよ。そこから庭につながっているからっ」
 緋穂に尋ねれば、皆の会話が聞こえる場所を作業場として開放してくれた。大きな窓をあけると外の空気が入っている。これが壱番世界だったら部屋の中が冷えるところだが、0世界なので無問題だ。
「クリスマスー、わくわくなのですー♪ 0世界には、赤いお髭のサンタさんは来るのでしょうかー」
「「ん?」」
 ノラ・グースのうきうきした言葉を耳に留めたのは、サクラとマルチェロ・キルシュ――ロキ。今何か、違和感が……。
「空飛ぶソリを引っ張って、白い服のおじいさんを乗せてやってくるのですー♪」
「「……」」
 やっぱり聞き違いではない。ノラは何かを勘違いしているようである。それともノラの故郷ではサンタはそのようなものなのだろうか。
「あははは、それって面白いねぇー」
 肩に乗せたセクタンを震わせながら可愛い笑い声を上げたのは、それまで少し距離を置いていた音琴 夢乃だった。ノラは自分がおかしいことを言った自覚はないので、こてんと首を傾げて。
「それじゃあ赤い鼻のトナカイがサンタさんだねぇー」
「違うのですー?」
「サンタさんは赤い服のおじいさんだよ!」
 とたたたっと歩いてきたのは小さな少年。両腕に抱えた絵本をノラに差し出して。『サンタクロースの涙』と書かれた絵本の表紙には、壱番世界で一般的なサンタクロースの絵が描かれていた。
「あららー、ノラが聞いていたのと違うのですー」
「わかったわかった」
 首を傾げるノラと自信ありげに本を差し出している小さな少年、エーリヒ。二人を落ち着かせるように肩を叩き、苦笑しながらロキは提案をする。
「クリスマスとサンタクロースについては後で説明するから。とりあえず作業始めようか?」
「はいなのですー」
「うん!」
 二人が素直に頷くものだから、かわいいなぁなんて他のメンバーは思ったりしながらそれぞれ思い思いに席につく。
「みんな、集まってくれて有難う。素敵な飾りが出来るように……俺も手伝うから頑張ろう」
 主催者であるロキの声かけに、皆、笑顔で頷いて。和やかな雰囲気でワークショップは始まったのだった。


 *-*-*


 そっと一番最後に空いた場所に座った夢乃は、無意識に距離をとっている。いつもより若干遠めに。
 クリスマスを前にして街が華やいでいくのはきらいじゃない。
(毎年決まっているモノ、だから受け入れられるのかな……)
 なんとなく、薄ぼんやりとそんな風に思ったりしながら、硝子一枚隔てた感じでわいわいと盛り上がる皆を見ている。
 変っていく事を嫌う夢乃だけれど、未だ気がついていないことがいる。それは嫌いな変化と、そう嫌いでもない変化があること。
 変わって『いかなくてはならない』という強制を感じるから、その先が見えないから拒否したくなるのだということ。
「始めようか」
 少しもの思いにふけっている間に、リースから作ることに決まったらしい。引き戻された夢乃はロキの声へ耳を傾ける。
「まずはリースを作ろうか。土台は……」
「はい、これ。紙紐だよ」
 ロキがきょろっと視線を彷徨わせるのを見て、アシスタントのごとく緋穂が材料の紙紐を差し出した。材料を設置した彼女が一番良く在り処を知っているのは至極当然のことであった。
「ああ、ありがとう。緋穂、瓶か缶とかの丸いものはある?」
 その問いに出てきたのは、ジュースの入っていた大きめの瓶や円筒形の花瓶、直径20cmはある大きなお菓子の円缶などなど。ロキいわく、これをリースの型にするのだという。
「作りたいリースの大きさに合わせて、型を選んでくれ」
 ロキは一番大きなお菓子の円缶。サクラは直径18cm位の花瓶を型に選んだ。夢乃は直径15cm位のお菓子の缶を選んだ。選んだ型に紙紐を巻いていくので、出来上がりは自然、型より大きくなる。
「ぼくもなにかしたいなぁ」
 緋穂の隣りに座ったエーリヒが、皆の手元を見て羨ましそうに呟いた。それに気がついたロキは、荷物から漆黒の毛並みの、白い聖職者の服を着た大きなベアを取り出して。
「基礎部分は難しいから緋穂にやってもらって、飾り付けを手伝ってくれるか? 基礎部分が出来るまでの間、エーリヒにはこいつの遊び相手になっていて欲しいんだけど……」
「! おおきな、くまさん!」
 ぎゅう、とベアを抱きしめたエーリヒの瞳は輝いていて。仕事を任されたのが嬉しそうだ。
「うん、ぼくこの子と遊んであげるよ。まってるね!」
「ああ」
 少年の笑顔につられて、ロキも自然、笑顔になる。その微笑ましい光景を見れば、他の参加者もまた。
 緋穂はジュースの瓶を使って、2つ、リースの土台を作ることになった。
「まずは、紐の先をセロハンテープで型に留めて動かないようにしてからのほうがやりやすいな。それで型の周りにぐるぐると15周くらい巻きつけるんだ。最終的な直径は自分の好みでいいけど、あまり巻きが少なくても強度に欠けるし、大きくても不恰好になるから注意な」
「はーい」
 ロキの指導でそれぞれが紙紐を手に取る。紙紐の先をセロハンテープで留めるというのは巻いているうちにずれてしまわないための一工夫。
 くるくるくる……手先の器用なロキはさすがに巻き方が安定している。サクラもこういう手先を使う作業は得意なのか、教えてもらった通りに上手に巻いていた。一方夢乃は、二人の手際に見とれるようにしてじーっと眺めていた。自信がなくて他の人のものを参考にしているわけではなく、二人の素敵な手際に見とれてしまっているのだ。
(皆で集まって工作なんていつ以来かなーあ)
 そんな事を思いながら無意識に保っているのは距離感。
「夢乃、手が止まってる。何処かわからないところでもあったか?」
 気配り上手のロキは、カフェで初対面だった夢乃にもしっかりと気を配って。心配そうに声をかける。夢乃は再び現実に引き戻されるようにして、にへらーと笑ってみせた。
「大丈夫だよー。ありがとー。ぐるぐる巻くんだったねー」
「留めてるから大丈夫だと思うけど、気をつけてな。少しキツ目に巻くといいかも知れない」
「わかったー」
 夢乃が巻き終わるまで、リース作りは一時中断。だがそれを不快に思う者が誰も居ないのが、この集まりのいいところだろう。
 ロキはもう一つのローテーブルに視線を移す。そこではすでにバナーが粘土細工を始めていた。「ロキさん、立ってください」なんてメジャーを持ったサクラが言うものだから、言われるままに立ち上がりながら口を開くロキ。
「バナーは何を作るんだ?」
「まずはどこから作るかなーって考えていたところだよー。木材とか持ってきたけど、とりあえず本でも見ながらやっておくかなーってー」
「絵本、いる?」
 その言葉を聞きつけて、ベアを抱きながらエーリヒが差し出してきたのはクリスマスの絵本。どれにもサンタが描かれている。
「ありがとねー」
 バナーは受け取ると目の前のテーブル、紙粘土の向こう側に絵本を置き、ページをめくってサンタの絵を探す。ちょこんとエーリヒがその隣に座り、何をするのか興味津々のようだ。
「お飾り作りなのですー? ノラ、いっぱい作ったらリーダーにもいっぱいあげるのですー♪ 博物館にもいっぱい飾りたいので、いっぱいなのですっ」
「じゃあぼくがつくったのもあげるね!」
「いいのですー? 嬉しいですー」
 紙粘土を分けてもらったエーリヒの頭にぽむっと手を載せて、ノラはにこーっと笑った。そんなノラの前には色とりどりの布が置かれている。クリスマスをモチーフにした柄だけでなく、どうやらユリアナが置いていったらしい色々な端切れを緋穂が差し出したようだ。
「とーなめんとですー? ノラ、小物作りは得意なのですー、よく一匹で作ってたのですっ」
「オーナメント、な」
 ノラの言い間違いを律儀に訂正するロキ。「はい、次、腕を伸ばしてください」なんて言われるがままに採寸されながらだけど。ノラのかわいい言い間違いは癖なのかなと思いつつも、正しい知識を教えてあげたくなる。
「はい、お疲れ様でした。細かい部分も採寸バッチリです」
 基本的なサイズは見ただけで分かるサクラも、部分的に不適合な場所が出るのを避けたくて、確認のためにロキの細かいサイズを図っていた。確認だけだから、思ったより早くロキは解放されて。
「できたよー」
 夢乃も紙紐を巻き終わったようだから、リース作りの再開だ。
「残りの紐を両手いっぱい広げたくらいに切って、巻いた方は輪が崩れないようにそっと抜き取ってくれ。切った方の紐を、輪の周りにぐるぐる巻きつけるんだよ。こんな風に、出来ればクロスするようにして、輪が崩れないようにしっかりな」
 くるくるくるっ。手先の器用なロキが、やり方を見せながらであるからゆっくりではあるが、紐を巻いていく。丁寧にきつく、輪を一周した紐は一番上で輪っかにして結んで。この輪っかがリースを吊り下げる部分となるのだ。
「緩いと輪が緩くなっちゃうからしっかり巻いてくれよ」
「力を入れてですね!」
 サクラはさすがに手作業に慣れていて、巻きもスムーズに進む。
「緋穂、最初のほうが緩んでる」
 緋穂はぐいぐいと頑張って引っ張っているが少し緩んでいる。ロキの指導のもと、巻き直しだ。夢乃はゆっくりではあるが着実に巻きを進めている。
「それができたら後はリボンや毛糸を巻いて、思うように飾り付けしてくれ」
 ロキは太めの濃い緑リボンをくるくると全体に巻く。そしてその上から細めの金色リボンを螺旋状にくるくる。くるくる。魔法を掛けるようにくるくる、くるくると。それとは別に幅広の赤リボンで大きな蝶結びを作る。
「サクラ、これなんだけど……ここに付けたいんだ。針と糸の使い方、教えてくれないか?」
「お安いご用です! 少しでもお返しになるならっ!」
 乞われて自前の裁縫セットから針と糸を取り出すサクラ。リボンの色に近い赤い糸をすっと針穴に通す。一発だ。
「すごいのですー」
 布を裁断していたノラがめをまんまるくして手を叩く。なかなか一度で針穴に糸を通すのは難しい。慣れぬ者なら途中で嫌になって投げ出してしまうこともあるくらいだ。だがサクラにかかればそれも一発。二本取りにしてしっぽを結ぶところまで教えて。
「これだと、まずはリボンの形が崩れないように固定したほうがいいですね」
 サクラのアドバイスでロキはリボンの裏側から針をさしてリボンを固定するべく糸を通していく。
「そうそう、その位で一度引いてください。ロキさん器用ですね」
「ありがとう。この調子でやっていけばいいんだな。なんとなく分かった気がするよ」
「難しいところかあったら遠慮なく聞いてくださいね」
 元々手先の器用なロキは最初こそゆっくりだったが、サクラの的確なアドバイスも功を奏したのだろう、すぐに慣れてちくちくとリボンを固定する。後はこれをリースの頭頂部に縫い付ければ土台の出来上がりだ。
「ぼくは赤かなー」
 夢乃はロキが使い終わった赤の幅広リボンを受け取って、それを土台として巻いていく。土台は解けないようにしっかりと。サクラとひすいもそれぞれ思い思いにリボンや毛糸を巻いていく。
 テーブルの上は綺麗な色であふれていた。


 *-*-*


「ノラくんお裁縫上手だねー」
 リボンを巻きながらちらっと手元を覗きこんだ夢乃にほめられて、ノラは笑顔で。
「お手玉にー、手毬にー、紙風船ーなんかも作れるのですー。最近はぬいぐるみとかなのですけれど」
 ノラの手元にはふかふかの生地と普通の生地とあり、毛並みを模したふかふかの動物と、普通の布を使って象った動物とが作られていく。ツリーに吊り下げられるサイズだから、そのパーツとなると結構小さい。それをちくちくと手縫するとなれば結構な根気と技術が必要だ。
「猫又も作れますしー、鵺さんや犬神さん、九尾の狐さんもー」
「ぼくも?」
「作れますよー」
 首を傾げるエーリヒに笑顔を向けて。
「一匹でいっぱい作ってたから、作るのいっぱい上手になったのです」
 ぽつり、呟くように。
「一匹でいっぱい作ってたら、辺りはすっかり静かで、寒くなっていまして」
 ぽつり、囁くように。
「一匹でいっぱい作ってる内に、ノラは一匹だけになっちゃってて……」
 ぽつり、絞りだすように。
「……寒かったのです、ノラは寒いのやなのです。寒いのも、ひとりぼっちなのも、嫌、なのです」
 いつもと変わらない笑顔で、ぬいぐるみを作りながら言うノラ。むしろそれが痛々しくて。けれども本人がいつもと変わらない以上、下手に言葉はかけられずに一同は心持ちゆっくりと作業を続けて。
「そんな寒いときに、ノラはノラとしてリーダーと会ったのです。だからリーダーは、ノラにとって大切なのです」
 ノラの笑顔が輝いた気がした。大切な人のことを思っているのだろう。ノラの話には救いがあった。だから一同はそっと、ほっとして息をつける。
「とても大切な人なんですね」
「なのですー」
 サクラの優しい表情に、ノラは輝いた笑顔のまま返して。大切な人のことを思うと、自然に笑顔に輝きが増すものだ。
「故郷の冬かー。たしか、こんな感じだったかなー?」
 バナーがテーブルの真中に置いた乾きかけの紙粘土人形はサンタの姿をしているように見えた。カラー紙粘土で作ったそれは、赤と白のあの、見覚えのある衣装を着て帽子をかぶっているのだ。だが何かが違う。
「これは……ネズミ、か?」
「そうだよー」
 ロキの言うとおり、それはサンタ服を着たネズミだった。バナーの出身世界では、ネズミがサンタなのか? だが彼の姿を見れば納得できる。バナーはリスの獣人だ。
「次は木材かなー」
 紙粘土を乾かしている間、バナーは庭へと降りる。
「危ないから、そこからみててねー」
「はーい」
 木材を切り出す道具に、くっついてきたエーリヒが触れないよう、バナーは窓の部屋側から出ないようにと注意をしながらノコギリやカンナを動かしていく。その手際はさすがに無駄がなくて素早い。エーリヒでなくてもその手際に見とれてしまう。
「さすがなのですー」
「木工とか細工は得意だからねー」
 ノラ声に答えながらもバナーの手元は揺らがない。ミスなどするはずもなく、さささっと必要な部品を切り出して。ツリーに飾る用だから、こちらの部品もかなり小さい。それがバナーの手にかかれば、あれよあれよという間に組み上がっていく。
「これを乗せてー」
 ひょい、出来上がったものにサンタの紙粘土人形を乗せれば、ひと目でそれがソリだと分かる。
「ソリだー! いいなー!」
「エーリヒくんにも作ってあげようかー?」
「うん!」
 木材がまだ余っているので、バナーはソリを大量生産することにしたようだ。プレゼントに配る用に幾つかとっておくとしても、念の為に余分に持ってきた木材で人数分くらい作れそうだ。
「なら、この人形が乗るくらいにして欲しいのですー」
 ノラが差し出したのは蝶の羽のついたぬいぐるみ(綿入れ前)。ひと目でエーリヒだと分かるそれに少年は目を輝かせて。
「任せてー」
 バナーは快諾してみせた。彼の腕前にかかれば、サイズ調整なんて朝飯前なのである。


 *-*-*


「夢乃さん、赤い花ってどれがいいかな? 好きなの選んで!」
 緋穂が持って来たバットには赤い花が大小色々並べられていた。プリザーブドフラワーにしてあるので、枯れるのを心配しないでいい。
「えーと、このサイズがいいかなー」
 夢乃が選んだのは大きめの赤い花。赤いリボンを巻いたリース地にまずは花を配置していく。その合間に赤い木の実と赤く色付けした松ぼっくり、赤いビーズを散りばめて。上手な固定の仕方をロキに教わりながらも何とか思い通りに近く飾り付けることができた。ちょっとずれてしまっているくらいはご愛嬌。仕上げに緑のリボンを緩く巻けばあとは接着剤を乾かすだけ。リボンを外せば日常飾ってもおかしくないものに仕上がった。素人にしては上出来だろう。
「サクラはどんな飾り付けにするんだ?」
「クッキーオーナメントが鈴なりについたリースが作りたいです」
「じゃあ、これの出番だな」
 ロキが取り出したのは、様々な形のクッキーとUVレジン液にUVランプ。。緋穂が急いで皿を取りに走る。彼女が持って来た大皿に広げたそれは、セクタン各種の形や星、丸、柊、ジンジャーマンなど多種多様。見ているだけでも楽しいが、やっぱり気になるのは香ばしいいい匂い。
「このレジン液とランプ、初めて見ます。これ塗るともう食べられないんでしょうか……先に何個か食べちゃ駄目ですか」
「おいしそ~!」
 サクラと緋穂が皿を覗きこむのを見て、ロキは笑って紙袋をもう一つ取り出した。
「飾りの分とは別に持って来たから、食べるならこっちな?」
 テーブルにもう一つ皿を置いて、サクサクのクッキーをいただきながら作業を続ける。ちょっと行儀が悪いかもしれないが、スイーツの誘惑に勝つのはなかなかに難しいものである。ちゃっかりとロキのセクタンのヘルブリンディもクッキーにかじりついていた。
「おいしいです。このジンジャーマンクッキー、レシピ教えてもらえませんか?」
「構わないよ。帰りに渡すよ」
「ありがとうございます! アニメキャラでお料理上手、意外と多いです。なりきりコスプレイヤーはそこも再現しなきゃならないので……」
 なるほど、なりきりコスプレイヤーたるもの、料理も手を抜けないというわけだ。
「クッキーにはこうやって……」
 UVレジンをクッキーに塗って見せるロキ。セクタン型のクッキーにデコストーンで目を入れれば、一気にそれらしくなる。ロキはロボットフォームのクッキーをUVランプに当てている間、ポンポコフォームにもコーティングと目入れを施した。
「サクラと緋穂もやってみるか?」
「はい!」
「うん!」
 やり方を見ていた二人にもレジン液を渡して、ロキはシリコン型を取り出した。寄ってきてクッキーを食べていたエーリヒと目が合う。
「エーリヒ、ちょっとこの星型を見てくれ」
 ちょっと驚かせてみたい、そう思ったから、エーリヒの視線を星のシリコン型に引きつけて。オーロララメとUVレジンをシリコン型に流しこむ。それにUVランプを当ててシリコン型から外せは……。
 ころん……飴のようなキラキラ輝く星の出来上がり。
「わあぁぁぁぁっ!」
 目の前に星が落ちてきたエーリヒは目をまん丸くさせて。口を半ば開けてテーブルの上の星を見てる。
「飴に似てるけど、食べられないからな?」
「お兄ちゃんすごい! もっともっとつくって!!」
 乞われるがままにロキはキラキラ星を量産していく。そのうち一つをエーリヒの掌にコロンとのせてあげて。食べられないからな、ともう一度念押し。残りの星はリースにランダム気味に散らして。リース最下部には先にコーティングしておいたロボットフォームとポンポコフォームを仲良く並べて固定する。
 ふと、作りながら思うのはプレゼントする相手のこと。ロキのバイト先が飲食店なのが災いして、昨年はシングルベルという寂しい思いをさせてしまったのだ。だから今年こそは何とかせねばという強い思い。
 後は接着部分が乾くのを待つだけとなり、ロキは周囲に視線を走らせる。元が器用なサクラと緋穂は一緒に黙々と、だが時折何かきゃあきゃあ話しながらクッキーをコーティングし、リースにちりばめている。
「盛況だな」
「後は綿を詰めるのですー」
 ノラは作ったぬいぐるみにちまちまと綿を詰めて、詰め口をちくちくと縫っている。バナーはソリの部品にひとつひとつ丁寧にヤスリをかけていた。
「うわっ……」
 夢乃はというと、カラー紙粘土でサンタを作っていた。それも、大量に。夢乃の前に居並ぶサンタクロース達を見て、思わずロキが声を上げたので、皆の注目が集まった。
「随分と量産したな」
「あははー。なんだか欲が出てしまったのですよー」
 最初に作ったのは伝統的なサンタ数体。作ったはいいものの、なんだか物足りないというか、カラー紙粘土を見ているうちに出来るかもしれないと思ったのか、夢乃の手はウキウキと動いて。
「金髪のはロキくん。リスのバナーくん。サンタお姉さんなサクラさんは眼鏡なしで。ネコ・サンタなノラちゃん」
 夢乃が指さしていくのは、この場にいる皆に似たサンタ人形。
「サンタドレスな緋穂ちゃん、蝶翅サンタはエーリヒくん」
 他には、誰かに似せたわけではないけれど、黒髪短髪、深い意味はなかったはずなのになぜか黒縁眼鏡を足してしまったサンタとか、アリッサ・サンタや何故か角の付いたシド・サンタ。上手というわけではないが、特徴を上手く捉えているのでとても可愛らしく、愛着の沸くような仕上がりになっている。
「すごいです。リクエストしてもいいですか?」
「勿論だよー」
「ノラとリーダーも作れるのですー?」
「うく、その人の特徴教えてねー」
 サクラやノラのリクエストにも快く応じて創りあげていく夢乃。
「ソリが出来たよー」
 と、バナーが組み立てたソリを持って来てくれた。ヤスリがかかっているので、手触りがなめらかになったソリ。バナーは自分の作ったネズミサンタののったソリを持って来て。
「故郷のクリスマスはたしか、こんな感じだったと思うんだよー」
 違いはサンタがネズミに置き換わっているくらいであった。
「あ、そうだ。夢乃、この人形借りていいかな?」
「いいよー。みんなに似せたものも、そうでないものも気に入ったのがあったら持って行ってー」
 ロキの問いに笑顔で答えて、夢乃はリクエスト品制作にかかる。作り上げてしまうとそれだけで満足してしまい、あまり愛でたりする気にはならないのだ。
(あ、でも……)
 一つだけ持って帰ろうかな、そんな気になって手を伸ばしたのは、黒髪短髪に黒縁眼鏡のサンタ。無意識に作ったにしては誰かに似ていて、じっと見てくす、と笑んだ。
「この人形をバナーのソリに乗せて……」
 ロキが自分を模した人形をバナーの作ったソリに乗せると、丁度、自分がサンタクロースとなってプレゼントを届けるようではないか。
「サイズぴったりでよかったよー」
 バナーや他のみんなも、ソリに自分を模した人形を乗せて。見つめるその目はキラキラしている。
「ノラの方もできましたのですー」
 ノラはエーリヒを模したぬいぐるみを、もう一つソリをもらって乗せる。そしてその後方に、白い袋を乗せた。
「さっきの絵本を見て、思いついたのですー。プレゼント袋が必要なのですー」
「わーい、ノラお兄ちゃん、バナーお兄ちゃん、夢乃お姉ちゃんありがとう!」
 二つのソリを手に持って嬉しそうなエーリヒ。ロキから借りたベアの前において、説明してあげている姿も可愛いものだ。
「皆さんにもプレゼント袋なのですー」
 ノラは他の皆にも小さな袋を手渡していく。
「あっ」
 緋穂がいきなり声を上げてキッチンへ走っていったかと思うと、綺麗な瓶を持って戻ってきた。
「袋の中、空っぽじゃ寂しいでしょ? これ入れたらどうかなぁ?」
 その瓶の中身はキラキラの金平糖。星屑みたいなそれは様々な色がとても美しくて。
「素敵です! サンタの袋の中身に星屑が、という感じですね。ロマンティックです!」
 サクラの言うとおり、ちょっとした好奇心で袋を開けた人も感激するに違いない。
「じゃあ、金平糖を入れようか……ってヘル!」
 ロキが、物欲しそうに緋穂に近寄るセクタンを止める。緋穂は心得ているため幾つか金平糖を取り出して、ヘルブリンディにあげた。これで暫くは大人しい……かもしれない。
 透明なセロファンを正方形に切って、金平糖を幾つか載せて。くるくるくるっと包んでしまえば完成。袋を開けた途端に鮮やかな色彩が目に映るように詰めて。
「これで出来たー!」
「ああ、完成だな」
 バナーが声を上げてバンザイをするのに、ロキは笑みを向けて。それぞれの持てる技術をあわせて、素敵な飾り達が出来上がった。
「あ、ちょっと待って下さい」
 出来上がった飾りをそれぞれしまおうとするのをサクラが止めた。ガサゴソと荷物をあさって取り出したのは。
「あ、靴下だねー」
 そりれは手提げ紐兼用の吊り下げ紐がついたフェルト製の巨大クリスマスソックスだった。高さは50cm、幅は35cmある。全体的に赤地で、口の部分が5cmほど緑だ。一番広い所にサンタ服の雪だるまの柄がついている。
「せっかく作ったからクリスマスっぽい物に入れて持って帰った方が楽しいと思います。1人1足作ってきたのでどうぞ」
「いいのですー?」
「はい。本当は手編みにしたかったのですけれど、時間の都合でフェルトにしました」
「ありがとなのですー」
 ノラを始めとして、みんな意外なプレゼントに嬉しそうだ。それぞれしまいこんでいるうちにサクラは緋穂に向き直る。
「こっちは緋穂さんとエーリヒの分です。今日はどうもありがとうございます」
「え? 私達も貰っちゃっていいの?」
「もちろんです」
「サクラお姉ちゃん、ありがとう!」
 寄ってきたエーリヒが嬉しそうに笑う。素直に喜ばれるとサクラも嬉しい。
「あれ、これ中に……」
 緋穂が靴下の中に手を入れれば、ミント味を除いたキャンディーフラワーと、ドングリフォームとロボットフォームのセクタンのぬいぐるみが入っていた。
「サクラさん有難う! サンタさん一番乗りだ!」
 緋穂も、嬉しそうに笑んだ。


 *-*-*



 片付けが一段落して。夢乃が持参してくれたいろいろな種類のカップケーキでお茶休憩。その間にロキは壱番世界のクリスマスについての話をすることにした。
「じゃあ、簡単にクリスマスについての話をしようか」
 ロキは壱番世界のクリスマスについての話をすることにした。エーリヒにもわかるように、聞き手の誰にでも理解ができるように、わかりやすくを心がける。緋穂が温かい飲み物を配り、皆がロキの話に聞き入る準備。

 クリスマスとは救世主イエス・キリストの「降誕を記念する祭日」であり、厳密に言うとイエス・キリストの誕生日と考えられているわけではない。誕生日を特定する記述は、新約聖書には無いのだ。
 キリスト教圏ではクリスマスは主に家族と過ごす。クリスマスツリーの下にプレゼントを置いて、プレゼントを贈り合う気持ちの『愛』の日だ。
 ロキの出身国のイタリアや、ポーランド、スペイン、フランスなどではクリスマスは12月25日に始まり、1月6日の公現祭に終わる。24日をクリスマス・イヴとして夜を祝うが日本と違って子供達がプレゼントを貰うのは1月6日だ。
 サンタクロースの起源は、東ローマ帝国・小アジアのミラの司教、聖ニコラウスの伝説であるが、子供達にとっては起源よりもその存在が大事であるからして、そこは黙っておく。
 ちなみに、グリーンランドの長老サンタクロースの補佐をする公認サンタクロースを決める試験はかなり厳しいらしい。

「サンタクロースは白いひげをたくわえて赤い服を着ているのが一般的だな。トナカイの引くソリに乗って来るんだ。いい子のいる家に煙突から入って、枕元にプレゼントを置いていくんだ」
「ノラのところには煙突が無いですー」
「この家もないよ! サンタさんこないの?」
 ノラとエーリヒが悲しそうな顔をしてしまったので、ロキは慌てて付け加える。
「最近は壱番世界でも煙突のない家が多いから、その場合は窓とかから入ってきてくれるから心配するな」
「なら安心なのですー」
「よかったー」
 ほっと胸を撫で下ろす二人に、自然、笑み漏れる一同。
「二人はサンタさんに何をお願いするの?」
「ノラはですねー――……」
 楽しげな声が響く。
 今年も良いクリスマスが迎えられそうだ。

 後日、ロキのもとに包みがひとつ届いた。サクラからだ。
 中身を開けるとそれはサンタ服で。
『先日はワークショップありがとうございました。孤児院でのサンタさん役頑張って下さい』
 そのメッセージカードと衣装を見て、ロキは昨日作ったリースに視線を移した。
 これも、サンタに扮して届けに行ってみようか?


   【了】

クリエイターコメントこの度はオファー、ありがとうございました。
そしておまたせしてしまい申し訳ありません。
クリスマスまでに、せめて年内にお返ししたかったのですが、年末に突発的に入ってくる用事に振り回され……言い訳にしかならないので、すが本当に申し訳ありません。
途中まで書いたものの一から書きなおしたのも遅くなった原因です。
その分、楽しさが伝わるものになっていればとおもいます。
楽しい企画、ありがとうございました。
緋穂とエーリヒへのお心遣いもありがとうございます。
とても楽しかったです。
重ねてになりますが、オファーありがとうございました。
公開日時2013-01-05(土) 22:00

 

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