オープニング

 新たなロストメモリーを生み出す儀式が行われる。
 その裏で、もうひとつの作戦がひそやかに敢行されようとしていた。

「みなさんにお願いしたいのは『流転機関』を入手することです」
 作戦の目的を、レディ・カリスは告げた。
「『流転機関』はチャイ=ブレが生み出す生体部品で、これによりロストレイルに大きな推進力をもたらすことができます。かつてロストレイル0号にとりつけられ、それによって前館長エドマンドは『因果律の外の路線』へ送り込まれました。……もっとも、その流転機関はチャイ=ブレが世界樹との戦いで大きな打撃を受けたことで作動を停止したと推測されています。ですから0号は現在、ディラックの空を漂流状態にあるはずです」
 そういうことであるらしい。
 顔を見合わせるロストナンバーたちに、カリスは続けた。
「今、新たな『流転機関』を入手すれば、それをもってロストレイル13号を発進させることが可能です。0号を救助することももちろん、そのまま『ワールズエンドステーション』へたどりつくこともできるでしょう」

 『ワールズエンドステーション』とは。
 世界群の中心とされる世界。
 理論上、その存在が想定されていながら、誰もたどりつくことのできなかった場所だ。
 そこからなら、すべての世界へ到達可能とされるため、ロストナンバーが故郷の世界を発見するのに大きく寄与することだろう。

「ここで問題があります。かつて『流転機関』は儀式によりチャイ=ブレから賜ることができました。ですが、その儀式を行えるダイアナ卿のいない今、同じ方法は使えないのです。そのため、みなさんは『チャイ=ブレの体内を探索する』ことで、流転機関を発見していただきます」
 それが今回の作戦でロストナンバーたちに課せられる使命なのであった。
「これが可能なのはロストメモリーを生み出す儀式が行われる今のタイミングだけです。儀式を行う一方で、儀式が終わるまでのあいだに事を終える必要があります。チャイ=ブレがロストメモリーの記憶を吸収している隙に行うということです」

 流転機関は世界計の一部のような機械めいた形状だが、別のなにかに擬態していることもあるという。だが、「見れば必ずそれとわかる」らしいので、ありかに到達できればそれで入手は可能だ。
 ただし……チャイ=ブレの体内はそれ自体が複雑な構造の迷宮と化している。
 そのうえ、寄生ないし共生している小型のワームに遭遇する可能性もあれば、チャイ=ブレの自身の「抗体」により異物とみなされた侵入者が撃退される可能性もあるのだ。
 また、吸収した情報が露出して、チェンバーのような別空間になっている箇所もあるという。
 ある程度、深部まで探索を進めなければ目的は達成できないが、踏込みすぎると危険度は跳ね上がる。

「広大な体内を効率よく探索するため、少人数のチームを複数編成します。ここから先は、担当の司書から説明を聞くようにして下さい。大変、危険な任務となりますが……よろしくお願いします」


‡ ‡ ‡ ‡


 §チャイ=ブレ胎内


『――α区画一番隊マクバートンより世界司書へ定時連絡。
 チャイ=ブレ胎内を潜行中、途中『抗体』と思しき不可思議な物体と交戦するも被害なし。
 行軍順調です、どうぞ』
『――司書室リベル・セヴァンより返信します。
 マクバートンさん達に担当頂ている区画は、四部隊による探索が行われています。現在、流転機関の情報及び極めて重大な危険は報告されておりません。しかし、チャイ=ブレの胎内では如何なる事態が発生するか分かりません。ゆめゆめ油断などされませんようお願いします』
 マクバートンはトラベラーズノートに浮かんだ、堅苦しい司書らしい文言に軽く苦笑を浮かべる。

 ――カチ――チチチチチ――カラカラカラカラ――――

 何かスイッチが入るような音が響き、奇妙な巻き上げ音が続けて鳴る。
 警戒心を露わに構えるロストナンバー達の姿を光が覆った。


‡ ‡ ‡ ‡


 ――将軍、起きてください、マクバートン将軍

 どうやら、うたた寝していたらしい。
 薄っすらと開いた瞼の先には、最近ようやく顔を覚えたばかりの若い兵士の姿。
 眼の奥に残る強い疲労を指先で押さえ込みながら、精一杯の重苦しい表情を浮かべる。

 俺はマクバートン将軍――圧政を敷く元老院を廃すべく立ち上がった革命軍リーダー。
 己の双肩にかかる期待と重責を思えば、疲れたなどと言っている時間などないのだ。
「将軍、御休のところ申し訳ございません。火急の電信でございます」
 余程の朗報か、興奮した言葉と共に手渡された紙切れはだいぶ皺が寄っている。
 戦勝の一喜一憂に感情を動かすのは若さかと苦笑を浮かべながら書面に目を落とす。


『打電:一○三○
 北方軍第三師団を糾合した我が統一革命軍第一旅団はリステン要塞を突破
 首都カンザスタン元老院は無条件降伏を表明』


 言葉の咀嚼と共に湧き上がる感情を押さえつけることができたのは、兵卒の前で自ら律せねばならない将軍の矜持故だった。
「演説の準備をしろ、各方面に声明を発表する」
 最敬礼を取り、大きな足音を立て駆け去る兵士。
 廊下を木霊する軍靴の音が次第に消え、静かになった自室の中で勝利の実感が湧き上がり、己の成したことを思い震えた。
 
 ――とうとう勝利した、だが我が道程は始まったばかりだ
 ――我が軍勢が待つ場に出なければならない……革命軍のリーダとしてではなく国を代表するものとしてだ


‡ ‡ ‡


 §チャイ=ブレ胎内


『――こちらα区画一番隊三原、世界司書へ定時連絡を行う。
 チャイ=ブレ胎内を探索中、途中『抗体』と思われる怪物と接触、遠距離からの攻撃にて排除、同行の砂山が軽傷を負ったが探索に支障はない』
『――司書室リベル・セヴァンより返信します。
 三原さん達に担当頂ている区画は、三部隊による探索が行われています。現在、流転機関の情報及び極めて重大な危険は報告されておりません。しかし、チャイ=ブレの胎内では如何なる事態が発生するか分かりません。ゆめゆめ油断などされませんようお願いします』
 三原はトラベラーズノートに浮かんだ、堅苦しい司書らしい文言に気を引き締める。

 ――カチ――チチチチチ――カラカラカラカラ――――

 何かスイッチが入るような音が響き、奇妙な巻き上げ音が続けて鳴る。
 警戒心を露わに構えたロストナンバー達の姿を光が覆った。


‡ ‡ ‡


 小高い丘の上に続く石畳の道。
 照りつける日光に響く蝉しぐれ、少しむっとした空気の中に樹木の香りが紛れた。
 額の上に作った手庇で陽光を遮り行く先を眺める。
 ずっと、忘れることなど無かった我が家に至る道。

 乳飲み子であった娘は健やかであろうか?
 もうあの子は就学している年頃だったか?

 赤い屋根が見える、ここに二人で、いや三人で住もうと決めた。
 少し不便な田舎暮らしも互いを助けあい充実した生活だった。

 彼女は……俺を待っていてくれるだろうか。
 己の名を刻んだ表札を見つめ過ぎた時間を問う、扉を叩くには多分に勇気が必要だった。
 
 突然の誰何に家人が慌てた様子で立てる足音。
 それだけで全てが分かる。 
 キィキィと鳴る床の音が足音に混じった。
 (そうだった、床の修理をせずに出てしまったんだ)
 胸の内から込み上げるものはなんであったのか。

 ――扉が開いた
 そこに覗いたのは幾星霜経とうとも記憶の中にあった姿。

 震える手から旅行鞄が滑り落ちた。
 それは、もはや必要ない。
「……待たせたな」
「…………お帰りなさい、貴方」
 広げた両手に収まり、嗚咽をあげる妻の肩は少し痩せたように思えた。
「ねえ、ママぁー、なんで泣いているの? おなかいたいの? ねーこのひとだれぇー?」
 妻によく似た少女が心配げな表情で自分たちを見ていた。


‡ ‡


 §チャイ=ブレ胎内


『――こちらα区画一番隊ベスよ、時間なんで連絡しまーす
 チャイ=ブレの中だけど、なんかねちょねちょしてて気持ち悪いわね。スライムみたいなのが居たけど焼却しておいたわ。とりあえず探索に問題はないわよ』
『――司書室リベル・セヴァンより返信します。
 ベスさん達に担当頂ている区画は、二部隊による探索が行われています。現在、流転機関の情報及び極めて重大な危険は報告されておりません。しかし、チャイ=ブレの胎内では如何なる事態が発生するか分かりません。ゆめゆめ――』
 ベスは、トラベラーズノートに浮かぶ堅苦しい司書らしい文言を最後まで読まずノートを閉じてしまう。

 ――カチ――チチチチチ――カラカラカラカラ――――

 何かスイッチが入るような音が響き、奇妙な巻き上げ音が続けて鳴る。
 臆すること無く傲然と構えたロストナンバーの姿を光が覆った。


‡ ‡


 歪と言っても良い程の華美に飾られた高い天高の部屋に響くのは甲高い嬌声。
 部屋の中央、一段高みにあるけば――いや豪奢な椅子にだらしなく身を横たえる半裸の女の声。

 女は浅黒い肌で筋骨隆々の男が捧げ持つ金皿から葡萄を一房掴み食む。
 芳醇な味わいは口腔で収まりきること無く零れ、女の肢体をねっとりと濡らす。
 傍らに侍る申し訳程度の布を纏った美少年が、主人の不浄を灌ぐのに許された手段は口唇のみ。
 己の体を啜り舐めとる少年の首筋を撫ぜながら女は嗤った。

 ――金銀財宝、いい男、美味しい食べ物。みんなみんな私のものよ、私が全てを独占するの

 ここは彼女を首上と仰ぎ、彼女だけが奉仕され、彼女の望む全てが手に入る世界





 §チャイ=ブレ胎内

『――司書室リベル・セヴァンより定時連絡を致します。
 みなさんが探索している区画は、員数の都合上みなさま以外の配置は行っておりません、負担をかけ申し訳ございませんがよろしくお願いします』
 トラベラーズノートに浮かんだ、堅苦しい司書らしい文言を読むロストナンバーの耳に不可思議な音が聞こえた。

 ――カチ――チチチチチ――カラカラカラカラ――――


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!注意!
イベントシナリオ群「チャイ=ブレ決死圏」およびパーティシナリオ「ロストメモリー、記憶献上の儀」は同じ時系列の出来事を扱っています。同一キャラクターによる複数シナリオへのエントリー・ご参加はご遠慮下さい。
また、特別ルールをよくご確認下さい。このシナリオでは参加キャラクターの死亡が発生することがあります。

※このシナリオでルイス・エルトダウンとその関係者との遭遇は起こりません。
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品目シナリオ 管理番号2907
クリエイターKENT(wfsv4111)
クリエイターコメントこんにちは見えてる地雷使いのKENTです。
今回はチャイ=ブレさんのお腹の中に地雷を仕込んでまいりました。

さて、今回みなさんが探索する区画では、チャイ=ブレの胎内に存在する抗体なのか共生生物なのか強力な化性が存在します。
化性は特定個人が最も希求する世界を極めてリアルな幻覚としてみせ、その世界を是としたものを消失させます。
この消失は、死ではなく消失の運命によって消えたものと同様に存在した記録毎なくなります。
OPにおいて、リベルがノートに書き伝達した部隊数が減っているのは化性と接触した部隊が消失し、存在を失ったため、初めから少ない部隊数を派遣したと事実が改変された結果です。

化性は曖昧な空間の狭間に存在し、直接間接問わずに攻撃する手段は存在しません。
唯一幻覚が打ち破られた時のみ実体が露わとなり攻撃が可能となります。
その戦闘力は赤子以下です。

プレイングでは如何なる幻覚の世界を見たいか及び如何にそれを喝破するか記載頂ければと思います。

本シナリオは以下の条件で速やかに死亡します。
・参加プレイヤー全てが幻覚を打ち破ることができなかった。
・幻覚を喝破した上で特定の条件を満たす。特定の条件は地雷を踏む系ではありません。

またシナリオ群共通のルールとして以下の特別ルールが存在します。
ご留意いただけますようお願いします。

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●特別ルール
このシナリオにご参加の方はプレイングの最初に
【探索深度】と【個人方針】をお書き下さい。
記入のない場合は【1】【A】を選択したものとみなします。

・探索深度
探索深度は1~10の範囲の数値(整数)をお書き下さい。数値が大きいほど積極的に探索をしたということになります。同じシナリオに参加している人の探索深度の合計が「基準値以上」であれば流転機関を発見できます。「基準値」はシナリオごとに異なります。

合計探索深度が「21を超える」(22以上になる)と、深く踏み込みすぎたことによりチャイ=ブレに消化される危険性が発生します。そのシナリオでは撤退が行われ、撤退に失敗すると全滅(全員、死亡)します。

・個人方針
個人方針は【A】【B】【C】のいずれかをお書き下さい。

【A】流転機関発見に集中する
本来の目的である流転機関の発見のための探索を行います。この選択肢を選んだ人がひとりもいないシナリオでは探索深度が基準値以上であっても流転機関は発見できません。

【B】自分の目的のために行動する
チャイ=ブレの体内からはアーカイヴ遺跡に保存されたさまざまな情報にアクセスできます。プレイングで「自分が欲しい情報」を具体的に明記して下さい。合計探索深度が基準値以上で求める情報が存在する場合、それを発見できるでしょう。

【C】戦闘に備える
撤退することになった場合や、戦闘が発生した場合の対応を行います。撤退が発生したとき、この選択を選んでいる人が一人もいなければ全滅の可能性がかなり高まります。
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以上です、よろしくお願いいたします。

参加者
ヌマブチ(cwem1401)ツーリスト 男 32歳 軍人
メアリベル(ctbv7210)ツーリスト 女 7歳 殺人鬼/グース・ハンプス
シャチ(cvvp9290)ツーリスト 男 20歳 放浪の戦闘料理人

ノベル

『わい、正直言うとな。流転なんとかっちうのには興味あらへんし、何か知りたいとか何かしたいやら、ここに目的があるわけでもないんや。
 やけど図書館には、今まで世話になっとるし何か恩返しがしたくてな。どんな事があっても2人は絶対に守る。わいを犠牲にする事になってもや』

 トラベラーズノートに担当司書リベルの言葉が浮かび上がり、シャチの口が人目には分かりづらい皮肉を刻む。

『わいは流れ者の旅人。そのほうが悲しむもんも少なくて済むやろ?
 ……なんてな~。わい、死ぬつもりなんてないけどっ』

 奇妙な明滅が視界を照らす。
 瞬きの先に揺れる風景が己の心に問いかけているように見えた。

『わい、ちょいと憧れていたんや、ヒーローっちうもんに――』


 ――カチ――チチチチチ――カラカラカラカラ――――





「さぁーみなさん海門市恒例、二十食傑天稟戦は今や佳境を迎えております。
 決勝戦の一騎打ちを演じておりますのは、過去五回の天稟戦において第一位食傑の座をその掌中に収めた、雄々しい角を振るイッカク氏。
 対するは期待の超新星。海門市に突如現れた風雲児、何の後ろ盾もないままその身一つで立ち上げた店、今や推しも推されぬ大料亭『鮟鱇庵』の料理長、奇跡の料理人ことシャチ氏です。
 さあ、この勝負どうみます? 解説の中野さん」
「そうですねぇ――」


 かつてロストナンバーであったシャチ。
 今は己にとって理想的と思える世界を見つけ再帰属を果たしていた。
 そこは綺麗な水と山の幸、海の幸、多種多様な『食』に満ち溢れた世界。
 殊にシャチが店を構えることを決めた海門市は、全ての道は海門に通じるとまで言われた交通の要所であり古今東西のありとあらゆる食材が流通していた。


「よぉ新参もん、どっから流れてきたか知らんがお前さんみたいなぽっと出に第一位の座はやらんで。ちょいと人気か知らんが高うなった鼻っ柱へし折ったる」
「おおっとここでイッカク氏、代々受け継いだと言われる曰くつきの角に巨大な魚を突き刺し、柳刃包丁二刀流で刻みまくるーー!!」
「抜かせやロートルおっさん、そっちこそ、その高くなりすぎた角へし折っちゃるからよう見とき」
「おおっと対するシャチ氏、こちらも負けじと自慢の庖丁【鮫牙】取り出すとその強度鋼鉄の如しと言われた海竜の鱗を寸刻みだーー!?。
 いやぁー今年の天稟戦は大変レベルが高いですねえ、ねぇ解説の中野さん」
「そうですねぇ――」


 森羅万象に『素材』が存在し、それ故に、世界に住まう者達の『味』への意識は高い。味への期待に答えるべく常に高みを目指し鎬を削る料理人達は、この世界において一種英雄的な職業として崇められていた。
 二十食傑天稟戦に代表される料理大会。富裕層による余興として始まったものであったが、それが何時しか権威を持ち料理人として名誉を約束するものとなっていた。


「――海竜の造りで見事初優勝を飾ったシャチ氏。まず、この気持をどなたに伝えたいですか?」
「わいは一人もんやから、まずは神棚のお師匠はんに報告やな。
 いっつもいっつもわいのこと半人前扱いしとったお師匠はんやが、今回ばっかりは認めてくれるやろ」
「流石のご謙遜です。
 さて、この後はシャチ氏の第一位食傑としての初めての仕事、大会関係者に、そして海門市民に満漢全席が振る舞わうこととなります。
 それではシャチ氏、みなさんに向けて最後に一言お願いします」
「みんな、応援ありがとな。わいの料理はみんなを楽しませるためにあるんや、『鮟鱇庵』来たってや」


 価値が存在するならば、其の多寡は必ず存在する。
 『味』を多く得るものがいるならば、極僅かしか手に入れることのできないものがいる。


 深夜、祝宴も闌となり人も疎らとなった店の勝手口。
 酒気に火照った肌を夜の冷気に晒し、シャチは一人余韻に浸り酒を呷る。

 ――ガタッ!

 陶然とした微睡みを遮る無粋は、何かを漁る音。
「なんや盗人か、このシャチ様が相手になってやるから出てこんかい」
 警告と苛立ちの混じる誰何への返事は、きゃっとした悲鳴と小柄な影。ぱっと見に性別も分からない程、ガリガリに痩せた子供。
「見逃してください、なんでもするからお願いします。もう三日も何も食べていないんです」
 怯えながら地面に這いつくばって詫びるのはボロを纏った少女。
「なんや、びっくりしたて損したわ。盗人かと思ったら餓鬼かいな……飯なら、さっきたっぷり配ったろう。食べんかったんか?」
「……わたし、市民じゃないんです。それにこんな汚い格好じゃ……」


 富めるものは『味』を貪り、その意に叶うものは『味』を得、枠組から弾かれたものは貧しく飢える。


「ねえ、おじさん。あっちでもみんながお腹空かせてるの……呼んできてもいいかなぁ?」
 貪るようにお粥を四杯、平らげた少女。
 ようやく人心地つけたのか、ご飯粒塗れの顔をあげてシャチに懇願した。
「誰がおっさんじゃ、わしゃぁぴっちぴっちぷるぷるん二十代やぞ。まあ、ええから呼んでこい。まだまだ材料は残っとる」
「うん、わかった。ありがとう、またあとでね」
 少女は嬉しさのあまりか、跳ねるように駆け去った。
「おいおい飯は逃げんから、そないに急ぐと腹いとぉなるで」
 シャチはヒレを振りながら声を上げる。


 ここには、生活に困ることのない糧がある。
 ここには、共に切磋琢磨するライバルがいる。
 ここには、生き甲斐がある。

 ――そして

『わいはな、ヒーローってのに憧れとったんや』
 ここでは、彼はヒーローだった。
 数多くのライバルを制し料理界に燦然たる名を刻み、一転貧しきものに心を砕くことを忘れない。


「なあ師匠、わい立派になりよったんやろ。まだまだ師匠にゃぁ及ばんかもしれんが、この世界で…………」
 パンパンと二度拍手し神棚を拝む。
 黙祷して俯くシャチの頭をポカンと何か打つかった。
「あた!? なんや……師匠の急須やないけ。バランスわるなってたかな」
 シャチの頭を打ったのは提灯鮟鱇を模した急須。
 落下の衝撃で外れてしまった蓋を探しながら、シャチはなんとなしに急須を眺める。


『師匠、師匠はなんで店を構えないんですか。師匠の腕前は一流なんて言うてる彼奴等よりずっとずっと上やないですか、師匠はそりゃ厳つくて子供さんや女子がぎゃんぎゃん泣いてしまうほど怖いですが料理には関係無いでしょう……あた!?』
 提灯鮟鱇の師匠は息巻くシャチの頭を急須で叩く。
『シャチ……料理ってのは誰のためにあるんだ? 一流とかいう店に来る客だけのためか? わしはそうは思わん。
 わしはな、一人でも多くの人にわしの飯を味わって欲しいんや。一人でも多くの人にわしの作るおまんまが美味うて幸せやって言って欲しいんや……』

 わいは、そうして師匠の教えてくれた味を、師匠の教えてくれた心を、多くの人に食べてもらおうと旅人になったんや。
 ずっとずっと旅して、ロストナンバーになってもずっとずっとずっと――

 ――そして

 もう分かったわ……これは夢や、わいの夢やな。
 料理人が、わいがヒーローになれる世界――遠い昔に夢見た幻想や

 師匠……わいはまだ未熟やな、師匠には助けられっぱなしや……。


 事実に気づいた時、幻は露のように消える。
 己が思い描た料理人らしい装いは消え、身に纏う装束は旅人のもの。
 理想とする豪華な料亭は姿を消しそこに居た人達も消える。

「名残惜しいけど、わいの旅は終わらへん。元気でなっ。縁があったらまた戻ってくるな~」


‡ ‡


 ――人の生きる意味とは何か

 深淵にして蒙昧なるその問いは、古来より哲人や宗教家によって議論され、今日まで文学家や芸術家、果ては心理学・精神医学の分野において追求され続けた。
 しかし如何な叡智を結集しようとそこに一意の解などは存在しない。

 あるものは言った、人生の意味とは種の保存に他ならない。故に最大多数の幸福を追求することが人生の意味に他ならないと。
 あるものは言った、人生に意味などと言った客観的価値は存在しない。故に己自身に生きたいと思わせる目的の存在――主観的価値にこそ人生の意味を求めるべきであると。
 あるものは言った、人生とは全てが悟りに至るための修業である。故に人生の全ては意味があると。
 あるものは言った、人生の意味を問うことに意味は無い、なぜならば生物学的生が人生の意味そのものであるからと。
 あるものは言った、人生の意味とは学問や思索によって生まれるものではなく、ただ「自分の命を懸命に燃やす」ことによってのみ見出すことができると。

 男も幾多の迷い人と同様に、己の心に浮かび消えることのない問いへの解を希求していた。
 滑るようなチャイ=ブレの内腑を踏みしめ、心中に浮かぶは俄な期待。
 情報の宝庫たるイグシストならばあるいは――

 トラベラーズノートの明滅と共に浮かぶ担当司書リベルの言葉。
 それは己の浅はかを嘲弄する理性を呼ぶ。

 ――己が欲するものはチャイ=ブレとは真反対に位置するもの

 故にチャイ=ブレの腸から流転機関を探り出すためだけに己はここに在る。

 奇妙な明滅が表情の薄い男の頬を照らす。
 陽炎の中に浮かび上がる景色が己の心に問いかけているように見えた。

『己が欲するは情報に非ず、人の心――』


 ――カチ――チチチチチ――カラカラカラカラ――――





『ここには友との語らいを心から楽しむ己が居る』

 ターミナルの駅前から少し離れた一角、楽しげな笑い声が響いている。
 日の高いうちから――もっともターミナルに日照時間なる概念はないが――山ほどの酒盃を煽り、戯言を交わすのは二人の男。

「先日の遊戯、なかなかの興でありましたな。もっとも某向きではないようでありますが」
「ぬふぁあ、ヌマブチ殿は些か表情が豊か過ぎる。拙者のように鉄面皮を保たねば、かような遊戯に勝つことはできん」
「はっはは、手痛い指摘でありますな。しかし、貴殿は鉄面皮を保っているのではなく鉄仮面を被っているだけでありましょう、それは卑怯と言いませぬか?」
 酒気を帯びながら高らかに上がるは笑いの二重奏。
 鉄仮面に肉襦袢の男と軍服姿の男は、今日何度目となるか分からぬ乾杯のために杯を掲げる。

 ――――ッ!!!

 疼くような痛み。
 打ち鳴らしたコブレットが掌から弾け、零れたアルコールがテーブルと床を濡らす。
「ふむ粗相であるな? 酒量が過ぎたか、そろそろ潮時であるな」
「あ、ああ、すまない」
 鉄仮面の隙間から酒精を吐きながら店員を呼びつける友。
 彼を尻目にヌマブチは、語らいの刻を中座した『左腕』をまじまじと見つめていた。


『ここには敵との戦いに心の底から憤怒を頂く己が居る』

 屈めた体の上を鉄の弾ける音、幾筋もの見える赤は容易く人屠る死線。
 僅か数日の時間であるが共に過ごした現地の兵士達と轡を並べたヌマブチ。
 蹂躙の末に動きを止めた戦輪を防壁とし、機械仕掛の悪魔を迎え撃っていた。

 幾重にも束ねた化物が吐く鉄が防壁を激しく揺すり、傾いた質量は死の使いとなって襲いかかる。
 咄嗟に飛び出したヌマブチ達を衝撃と粉塵が包み込む。

「――殿、無事でありますか!!」
 視界の効かぬ土煙の中に頼みとするのは己の大音声。
 仲間の安否を気遣うヌマブチ。果たして煙を裂き倒れかかったのは、綺麗に両断された兵士の断面姿。

 粉塵が晴れ浮かび上がる敵の姿は、返り血に塗れた機械の蟷螂。
 己と重ねながら聞いていた兵士の故郷語りが脳裏に浮かんだ。

 喉を震わせるは音にならぬ憤怒。
 ただ只管に引き絞った鉄は、主の代わりに雄叫びを発する。

 ――――ッ!!!

 機械の蟷螂を打ち据えていた銃弾の連続、ヌマブチの怒りは突如として途絶える。
 『左腕』に走った耐え難い痛み――支えを失った銃身は己の振動に抑え込めず、明後日の方向にはじけ飛ぶ。

 ヌマブチは痛みに震える『左腕』と迫る敵を見つめながら呆然と佇んだ。


『ここには悲哀の情に滂沱を流すことができる己が居る』

 世界樹旅団との激戦も終わり復興中のターミナル。
 半壊した長屋の自室、仮住まいではあったが悲惨な有り様に思わず嘆息が漏れる。
 慣れ親しんだ家具をどうにか直せぬものかと思案したが無駄を悟り、それでも後ろ髪を引かれる思いで一つまた一つと廃棄していく。

 床に散らかっていた家具を一頻り片し、瓦礫が落ちボロボロとなった畳を捲り上げた時、ふと床板の隙間に箱のようなものがあることに気づく。

 己の所有物ではない――心音が跳ねた。
 ここはかつて父が住んでいた場所、もしや――

 床板の奥から取り出した箱は、紐で封された文箱。
 揺れる感情のせいか痺れたように動かない『左腕』に苦戦しながら封を解く。
 ヌマブチの想いは過たず、存在したものは紙の束、父の書いた手紙。
 幼い頃に生き別れた父の記憶などほとんどない。
 しかし、しかし、手紙に刻まれた己を想う父の心、母を想う父の心、遠い異郷で果てねばならなかった父の悲哀は伝わる。
 手紙を持つ手の震えは全身に伝わり、想いを支えきれぬ両脚は膝をつき、頭を床板に打ち据えヌマブチは嗚咽を漏らす。

 ――――ッ!!!

 激情の海に屈していたヌマブチは、突然、畳の禿げた床板をのたうち回る。
 手紙を握りしめた『左腕』が耐え難い程の痛みを発しヌマブチの激情を塗りつぶす。



 ――違うのではありませんかな

 人の心を理解でき、情に心を揺らすことができる、そんな己が居る世界。
 希求した己の姿が存在する世界。
 ヌマブチの心は是としようとする、しかし――

 夢想に否やを唱えるものがいる。
 
 ――失ったはず『左腕』

 片腕のお前に友と語らう笑いはない。
 酒盃を鳴らす両腕の男はお前ではない。

 片腕のお前に憤怒などない。
 怒りにふるえて銃を乱射する両腕の男はお前ではない。
 
 片腕のお前に悲哀などあろうはずがない。
 父の悲哀に共感し打ち震える両腕の男はお前などでは決してない。

 ないものを是とするのであれば、某は主張を続けるしかないのであります。
 ヌマブチを見つめる『片腕』のヌマブチが無表情に告げる。






 ――そうでありましたな

 友と語らう男が剥離し、片腕の己は取り残された。
 怒りに任せて敵に突撃する男は、片腕の己を置いていった。
 滂沱のごとく涙を流す男の傍ら、片腕の己は無感情にゴミを始末する。

 両腕の男は己を置いて消え去り、情に浮かれた風景も消え、何もない空間に取り残されたヌマブチと『片腕』のヌマブチ。
 訴えをやめた『左腕』見つめる眼は、如何なる光も見せない。

 ヌマブチは暗闇に一歩踏み出し『片腕』のヌマブチに重なる。
 ぬちゃりと湿った音が立つ、風景はいつの間にかチャイ=ブレの臓腑へと戻り――

『左腕』は小さな司書を弑した時から存在しない。

 ――己の問いへの解は己で見出す
 空の袖を揺らし軍人は瞑目する。
 
 与えられたものを貪る家畜となる心算はない。
 例えそれが己の望みを形にしたものであったとしても。


‡ ‡


 メアリは知りたいメアリのお唄。

 大きくて醜いチャイ=ブレは、頭でっかちの物知りさん。
 きっときっとメアリのお唄を教えてくれる。

 だから、メアリはずんずん行くの、ペチャクチャペチャクチャお口の中を。
 だから、メアリはどんどん行くの、ピチャピチャピチャピチャお腹の中を。

 メアリは知りたいメアリのお唄。

 ピカピカピカピカ、ノートの文字は煩い煩いミズ・リベル。
 ガミガミガミガミ、おばさんのお説教なんて無視してしまえ!

 ――ペチャ

 ミスタ・ハンプを跳ね飛ばし、暖かいお腹を深く深く深く潜っていくの。
 そしたらそしたらそしたらね、奇妙な灯が訪ねてきたわ。

 可愛い可愛いお嬢さん、小さな小さなお嬢さん、貴方の欲しいのなんなんだい。
 カチカチ、チチチ、カチ、チチチ。

 ゆらゆらゆらら灯さん、ふらふらふらら灯さん、ステップしながら答えるわ。
 ペタペタ、ペタタ、ペタ、ペタタ。

 メアリは知りたいメアリのお唄。
 ずっとずっと探してる。

 僕は知ってる貴方のお唄、僕のお目目を見てご覧!

 ――カチカチ――チチチ――カラカララ――――





 朱くて小さなお口から明るい歌が零れて響く。
 白黒タイルに広がる世界に、お姫様がご帰還なさる。

『あら懐かしい、ここはマーダーグースガーデン』

 ――I murder So That. I may come back.

 皆がメアリの唄を口ずさみ、メアリの帰還を祝ってくれる。

 ――Suck of,we murder watch out FaNNy and FAggot

『お久しぶりねジャック・ホーナー、今日はご機嫌如何かしら』
 真っ赤な真っ赤なクリスマス・パイから、ぷにぷにプラムをほじくり返して小さなジャック。
 ギョロッとまん丸プラムを見せながら、にっこり笑って答えて言った。
『おかえりなさい、僕らのメアリ。僕と一緒にパイを食べよう、特別製のパイはパパの味さ』

 ――WE did murder Martain Brown. FUCK of you Bustard

『お久しぶりねミス・マフェット、今日はご機嫌如何かしら』
 乳白色のチーズを舐め取りながら、真っ黒真っ黒、お尻に染みつけた幼いマフェット。
 チョコレートと苺で唇を染めて、にっこり笑って答えて言った。
『おかえりなさい、私達のメアリ。私と一緒にチーズを食べましょ、脅かす蜘蛛はもう居ないから』

 ――YOU Are mckey,BECUSE WE MurdErd MArtain GO Brown.

『お久しぶりねジョージィー・ポージィー、今日はご機嫌如何かしら』
 ぐったり女の子に口づけていた、甘いマスクのジョージィー少年。
 新鮮なお肉を咀嚼して、頬を赤く染めにっこり笑って答えて言った。
『おかえりなさい、僕らのメアリ。僕と一緒にこの娘を食べないかい、下唇なら分けてもいいさ』

 ――yoU BetE looK Out. there are MurderS aBout By FANNY AnD auld Faggt


『おかえりなさい僕らのメアリ』
『おかえりなさい僕らのメアリ』
『おかえりなさい僕らのメアリ』

 みんながみんなが祝ってくれる、メアリの帰還を祝ってくれる。
 
 感激、メアリはみんなに提案。
 輪っかになって踊りましょ! 

 みんなは頷き、メアリを囲んで口遊む。
 得物を掲げて叫んで唄う、そしてみんなが殺し合う!
 
 斧で! you screw
 ナイフで! you screw
 鍬で! you screw
 鋏で!you screw
 硫酸で! you screw
 鉈で! you screw
 荒縄で! you screw
 銃で! you screw
 剣で! you screw
 杭で! you screw

 感激、メアリの歓迎パーティ。
 メアリもまぜてメアリもまぜて。

 斧をぶんぶん振り回し お友達を微塵に刻んで挽き肉に。
 腸 脳味噌 血飛沫 懐かしい匂い 心地よい感触。

 ああ楽しい マーダーグースガーデン 血沸き肉躍るワンダーランド。

 ――I murder So That. I may come back.......



 ――――……


 でもこれは嘘。
 とってもよくできた書割の偽物。

 両手を濡らす赤くて暖かい液体、喉を潤す甘露に混じるパンジェンシー。

『赤い髪、光る斧。殺人鬼の君』

 思い出したの、ミスタ博物屋の言葉。
 皆が唄うお唄は、メアリのお唄じゃないの。

 小さな少女、残虐な少女、嘘つき少女――大人になったメアリ・フローラ・ベル
 メアリのお唄は、メアリのお唄じゃない。

 ああ、楽しい歌が止まってしまう。
 ああ、愉快な踊りが止まってしまう。
 でも仕方がないわ、パーティーはもうお開き。

 だってメアリは、ミスタのお茶会にお呼ばれするの。
 此処にいたら、ミスタの紅茶は飲めないわ。
 此処では、おめかしできないわ。

 聞いてちょうだいミスタ・ハンプ。
 ミスタは殺人鬼のメアリベルを憶えていてくれると約束したの。

 ――forgotten?

 聞いてちょうだいミスタ・ハンプ。
 勿論、メアリはお仕置きにいくの、斧で叩き斬りにいくのがお約束よ。
 メアリはとっても素直なとってもいいこ 紳士との約束は守るのがレディの嗜み。
 四十二回叩き斬るまでに、ミスタはメアリを思い出してくれるかしら?


 おいでなさいなジャバウォック。
 あの時ミスタと一緒に話し合って生み出したとびっきり醜悪な異形の怪物。
 口から吐くのはドラゴンの炎とブリザード。
 巨大な翼で空を飛ぶ。
 メアリをのっけて親玉をやっつけるの。

 叫びを上げる醜いドラゴン。
 逃げる唄は飲まれて消える。
 吐息を上げる異形のドラゴン。
 燃える花火でパーティはお終い。



 メアリは知りたいメアリのお唄。
 ミスタ、紅茶を淹れてくれる?

 メアリは知りたいメアリのお唄。
 ミスタ、私を憶えている?

 メアリは知りたいメアリのお唄。
 ミスタ、続きを唄って頂戴!


‡ ‡


 ――カラカラカラカラ――カチ――カラカラ――カチン――ガシャ

「あかんで、お二人さん。そっから先は胃酸のプール、行き止まりや」
 シャチの声に、はたと足を止め振り向くは無表情な軍人とにこやかな幼女。
 最初に目についたものは、鰭に握られた大包丁の先端にぶら下がる映写機のような物体。
「こいつがわいらに幻覚をみせてたんや……ま、バレてまえばただの雑魚やな。さて、リベルはんから何回もメール着てる、深入りし過ぎやもう戻るで」
 シャチの言葉に軍人は少し考える仕草を見せ、幼女は不満気な声を上げる。
 しかし、もはや彼らの前に道はなくチャイ=ブレの腸より撤退するほか術はなかった。

クリエイターコメント見えてたら地雷じゃなくてただの爆弾じゃね。
どうもリア充粉砕爆弾搭載型WR KENTです。

今回のシナリオOPは死亡フラグが明示という条件があったため、万が一の時、如何に納得して死ねるかに腐心して作成したつもりでした。
消失のクローズアップや自殺可能なセッティングは覚悟のための導線、理想的な世界の幻覚は死を許容しやすくする環境という具合に。
まあ、あんまり自信がなかったので、それが上手く行っているかは分かりませんが。

さて上記のとおりですが、このシナリオにはイベントシナリオ共通以外の死亡フラグがありました。
フラグは
『幻覚を喝破した上で幻覚から醒めないこと』を選ぶです。
言ってみれば、シナリオクリアした上で死ぬことを選べば死ねるということです。
他の地雷は残念ながらこのシナリオでは用意されてません、明らかな蛇足ですからね。

なお、イベント共通のフラグに関しては以下とおりでした。
数値合計:26
フラグ:Aあり Bあり Cあり
数値がオーバーフローしたため探索は失敗、Cがあるため全滅はなんとか回避となりました。


続いて個別コメントです。

・巨大海洋哺乳類さん
パッと見た時に何故この世界がシャチさんにとって理想的な世界であるかというのが分かりませんでした。
端的に何故、食えない貧しい人がいる世界がシャチさんにとって理想になるかが分からなかったです。
とりあえず、プレイングにあったフレーズから燻った英雄願望を満たせる世界という感じに捉え仕立てたつもりです。少々悪意的な解釈な気もしますが


・ぬまぶっさん
ぐぬぬ
序盤のネタは実際に人生の意味について論じた人の話を簡略にしたものです。
暇ならネタ元当てでもしてもらえれば。
某シナリオに続きファウストネタがありますが他意はありません。
ヌマブチさんは超人思想とか合いそうな気がしますが、そんなラベルはどうでもいいでしょう。



・メアリベルさん
プレイングの時点で完成している気がしたので、そのまま貼っ付けようかなと思いましたが自重しました。
さて冗談はさておき、マザーグースをよく知らない自分にはなかなかの難題なプレイングでした。
付け焼刃的につかってもあれなんで名前が上がっているやつだけ調べて、後は別のネタを使いました。

英字部分はご存知だと思いますが某殺人鬼……シナリオにモロに書いてるから某でなくてもいいけどの手記ですね、邦語だと感じでないかと思ったので英語のままで。
大文字小文字は原文に合わせて書きました、多分これで正しいはず(といっても原文は相当読みにくいので合ってないかもしれません)


以上です、それでは又の機会に
公開日時2013-10-07(月) 19:20

 

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