★ 黒木さんち。 発言 ★
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[78] 大広間 2008-04-22(火) 03:14
ブラックウッド(cyef3714) かつては大勢の客人をもてなすためのダンスホールとして
使われたのであろうことが伺える大広間。
1階の玄関ホールから続く長い廊下の突き当たりにある。
整頓はしてあるものの、使用頻度はあまり高くない様子。

壁にはギリシア神話をモチーフにしたルネサンス期の絵画
『猛獣たちを従える魔女キルケー』が飾られている。
   [79] わー…… 2008-04-23(水) 06:29
「え? 包帯使いすぎって? ……いや、判ってるんだけどさ」
理月(cazh7597)
(天井を見上げながら、広間の真中に立っている)

……いつ見ても広いなぁ、ここ。
でも……何に使ってるんだろ、黒木さん。
ダンスホール……なんだよな?

(黒木さんが淑女の手を取ってダンスをしている所を想像)
……あー、うん、すげぇ黒木さんらしい、な。
如実に想像出来ちまうのがすげぇ。
   [80] 偉そうな挨拶(苦笑) 2008-04-23(水) 22:48
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) (三本足の烏が舞い降りる。気がつくとそこに烏の姿は無く、夜だと言うのに日傘をさした少女が立っていた。)
御機嫌よう。だれかいるかしら?玄関からここまで一直線だったから、勝手にここまで来てしまったわ。

…あら、先客がいるわね。貴方もこの館の住人なのかしら?

私はエルヴィーネ。エルヴィーネ・ブルグスミューラーよ。最近この杵間山に実体化したムービースターよ。…そうね、一般的には高貴なる『血の一族』に分類されるわね(微笑)

今日は転居後の近所回り、ということでわざわざここまで来だけど…誰もいないのかしら?
   [84] ??? 2008-04-25(金) 02:49
ブラックウッド(cyef3714) (誰もいないホールの中。磨き抜かれた大理石の床に、
 黒い線のようなものがにょろにょろと描いてある。
 近づいてよく見ると、それはクレヨンで描かれた
 ちょっと不格好な線路だ。くねくね曲がりながら、
 壁際におろされた緞帳の後ろに続いている。
 緞帳の後ろが終点になっているらしく、
 終点間近には短くなったクレヨンや、
 木でできた小さな列車のおもちゃなどが転がっている。
 見れば、緞帳の後ろがちょっと膨らんでいるようだ。)
   [91] (線路を発見した模様) 2008-04-27(日) 10:21
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) あら、何かしらこの線は…
子供の落書き…?
(訝しみ、若干警戒しながらも線を追って行く。そして緞帳の後ろ側に目をやった。)
   [94] ひみつちき 2008-04-28(月) 01:47
ぷぎゅ!
ブラックウッド(cyef3714)
(緞帳の裏を覗くと、床に黒いクレヨンで
 『ひみつちき』と書かれた場所がある。
 『たからぼこ』と書いてあるお菓子箱の中に、
 ちょっと泥のついたカラフルなBB弾の瓶詰めとか、
 お菓子の包み紙コレクションとか、何かのフタとか、
 ビー玉とか、どこかで拾ってきた謎の部品とかがいっぱい。
 それらに囲まれて、ちびた黒クレヨンを持っている
 黒いコウモリのようなぬいぐるみ(?)が横になっている。
 …何となく、生き物っぽい感じもする)
   [99] なんとなく察知 2008-05-01(木) 18:15
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) (エルヴィーネは何か感じたようだが、気付かないふりをすることにした。その方が楽しそうだからだ。)
…まあ!こんなところに黒いお人形が落ちているわ!
誰かが遊んで片付け忘れたのかしら?
(と言いつつ、黒い物体を摘み上げようとする。)

なんだか、柔らかくて面白い感触ね…
   [103] むにゃむにゃ。 2008-05-02(金) 15:07
ぷぎゅ!
ブラックウッド(cyef3714)
ぷむー、むにゃむにゃー。
(つままれながら、なんか寝言言ってるっぽい。
 ちょっとしっとり、かなりもちもちな触感を
 しばらくお楽しみください)

んー、むー、うめぼしー…
(すっぱい顔してうなされてる。
 使い魔たんはうめぼしがきらい)

あーいす、うまうまー…
(しあわせそーな顔になった)

…ぷきゅっ!?
(あ、起きた)
あいす!あいす!?
(きょろきょろした。アイスを食べようと
 した途端に目が覚めたようだ)
   [106] あらあら 2008-05-04(日) 03:44
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) …あら、よく見るとただの生き物じゃないじゃわね。あ、起きた。
(それでも掴んだままである。)

梅干とアイス?ああ、もしかしたら持っていたかも。でも…そうね、玄関とここを10回往復したらあげても良いわよ?
(どう聞いても胡散臭い話だが、本人は笑いながらそう言った。)
   [116] 寝起きでぼけぼけ 2008-05-10(土) 01:48
ぷぎゅ!
ブラックウッド(cyef3714)
ぷきゅー、あいすー、あいすー…
(アイスが目の前にないのでしょんぼりした)

うめぼし…!(ぶんぶんっ)
(うめぼし、と聞いた途端に頭を横に振って
 拒絶反応。すっぱいのは嫌いらしい)

あいす、ぷぎゅぷ?
(あいす、くれるですか?)
(この使い魔、10往復やる気マンマンである。
 つままれながら準備体操っぽい動きを始めた)
   [122] ずっとここで遊んでいるわけにもいかないわ 2008-05-12(月) 21:52
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) (ようやくつまむのをやめた。言葉は大体理解している模様。)
そうねぇ…その前に、あなたの主人の所に案内していただけるかしら?一応、本来の目的は転居の挨拶なのよ。

その後で10往復するのなら、アイスをご馳走して差し上げてもよろしくてよ?…どうかしら?(微笑)
   [125] いつからそこにいた(笑) 2008-05-13(火) 01:27
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
>エルヴィーネ嬢
…呼ばせる必要はないよ。
それ(使い魔)は私の目そのものだからね。
(いつの間にかホールの最奥、窓を背にして
 ひとつだけ設えられた椅子に体を預けている)

此処での出来事もずっと見ていたのだけれども、
少々声をかけるきっかけが掴めなくてねえ。
(苦笑しつつ、すっと立ち上がり一礼)

…挨拶が後になってしまって申し訳なかったね。
私の名はブラックウッド。貴女のような
お美しいお嬢さんにお会いできて光栄だよ。
(ナチュラルにここまで言って微笑した。
 噂のフェロモン爆弾が炸裂したかもしれない)

(近づきつつ、しょんぼりたれ耳の使い魔に目をやり)
あそんだあとは、きちんとかたづけるのだよ(にこ)。
(ホールの床に描かれたクレヨン線路を指して言った。
 いつものことらしい。でもまだ「あいす…」と鳴いてた)
   [127] 裾を持ち上げて一礼 2008-05-14(水) 16:43
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) あら、貴方なかなか意地悪な方ね。
私にとっても、その子(使い魔)にとってもね。
…もしかして貴方もアイスが食べたかったのかしら?
(悪戯好きの子供のような笑い方で笑った)
でも、別にいいわ。楽しかったもの。

まあ、そんなに褒めて頂いてはいくら事実でも恥ずかしくてよ。
年端のいかない少女にいきなりそんなことを言うなんて、なかなか面白いおじさまね。
貴方みたいな素敵なおじさまにお会いできるなんて、今日は素敵な日になりそうね。
(そしてナチュラルに正面から返す奴。どう見ても恥ずかしがってなどいない。)

私はエルヴィーネ。エルヴィーネ・ブルグスミューラーよ。最近この杵間山に実体化して、そこに住んでいるの。だから貴方とは隣人よ。よろしくお願いするわね、黒木さん。(どうも表札の名前で呼ぶ気らしい…)

私は『血を操る種族』。貴方は『血を飲む種族』でしょう?そのくらいはわかるわよ。
貴方の出で立ちとか、館に充満する微かな香りとか、そういったものから…
…と言っても確証はないのだけれど。間違っていたらごめんなさいね?
(どこまで本気なのか微妙にわかりづらい)
   [128] おそうじ使い魔たんを横目に 2008-05-17(土) 19:59
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
それほど意地の悪いことをするつもりはないのだけれども、
もしお嬢さんのお気に触ったのなら謝らなくてはね。
(「ひみつちき」からウエットティッシュを出して
 床の線路をふきふきし始めていた使い魔を見て)
…それが終わったら、おやつの時間にしようか。(にこ)
(黒いのはぷっぎゅ!と敬礼のポーズをした)

外見から推測される年齢がどれほどあてにならないかは、
長く生きる者たちの中で知らぬ者はないだろうからね。
私のことは、お嬢さんのお好きなように呼んで構わないよ。
…ああ、あの表札を見て頂けたのだね。
実のところ、少々気に入っているのだよ。(にこにこ)
隣人同士、今後とも宜しく。
   [131] 使い魔が気になるお年頃…? 2008-05-18(日) 21:01
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) あらあら、冗談を真に受けたらダメよ
ちょっと意地悪だったかしら?これでお互い様ね。
(そう言いつつクスクスと笑う。)

そうね、年齢ほどあてにならないものも無いわね。
どちらが年上かは知らないけれど、まあそんな事はどうでも良い事かしらね。
…そう、気に入っていたのね。じゃあ今後とも「黒木さん」と呼ばせていただくわね。
よろしく。(にっこり)

そういえば、その黒い子は貴方の使い魔なのよね…
いいわね。私も似たようなことは出来るけど、自我を持たせることはできないのよ。
だから愛着がわかないと言うか、つまらないと言うか…
ちょっと寂しい…のかしら。

まあ、最後のところは半分くらい嘘よ。
(一体どこから嘘だと言うのか)
   [138] せっせと床磨きな使い魔を横目に 2008-05-20(火) 02:19
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
貴女のようなお嬢さんの仰ることを、
冗談と笑って済ませることはできない質でねえ。
(微笑を絶やさずに答えた)

(だいぶ綺麗になってきた床と、
 ごしごしがんばる使い魔を見ながら)
あれ(使い魔を指し)は、もともと影に潜む
悪戯好きな霊の一種でね。人や物の影を
真似て見せたり、時には鏡などに潜んで
覗いた者をおどかして無邪気に喜ぶ類いのものさ。
本性が「影」である彼らと、「影」を持たぬ我々は、
言わばお互いが補い合う関係と言っても良い。
だから、本来は独立した自我を持つ存在を捕え、
契約によって使い魔にしているということになる。
大概は契約時に、自我も奪ってしまうものなのだけれども。

…使い魔とは、言ってしまえば術者の道具だからね。
道具に自我が必要かと問われれば、
却って邪魔になるという考えも理解できるよ。
私の知る者にも使い魔を持つ者は多かったけれども、
自由意志を認めている者はあまりいなかったねえ。
   [139] 話に食いつく学者肌 2008-05-20(火) 20:19
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) あら、紳士なのね。

…なるほど。やはり似た世界から来ているようで、
それぞれ微妙に異なっているのね。私の世界にいた
吸血鬼達はみんな影を持っていたわ。だから使い魔を
持たない吸血鬼も多かった。

私のいた世界でも使い魔や式神と呼ばれるものは
ただの道具に過ぎないものだったわ。ただし、召喚した
魔の者と契約を交わすわけではないの。『器』を用意して、
そこに動作内容を入れるのよ。要するに
最適解を得る為の方程式、と似たような扱いね。
人間はこのことを『プログラミング』とか言っていたわね。
でも、自我を持たない使い魔は複雑な状況判断に
弱いと言う欠点があった。それで皆自我を持たせることに
必死だったのよ。自立型の僕はやはり役に立つものだから。

私も血人形を器として、使い魔を創ることは出来るわ。
でも、単純動作が限界。従者や護衛なんて無理よ。
おそらくは、貴方達の使い魔は自我が無くても複雑な
動作が可能なのね。だから自我を求めない。
まだまだ学ぶべきことは沢山あるって事ね…
(一気にまくし立て、そして苦笑した。)
   [144] 生活の知恵 2008-05-24(土) 17:22
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
ヒトとの接触を最低限に留め、己の領域に篭るか、
もしくは己の本性を晒しても安全な環境を造るか…
そうでもない限り、ヒトの世で生きていくためには
「影」を纏うのは必要なことだったからね。

私のように使い魔を「影」とする者は、
実はそれほど多くはなかったのだよ。
大抵の者は幻術で済ませていたかな。
ほんの少し、己に向けられる好奇の目の
方向をずらすだけで済むのだから、
使い魔を持つまでの術式の煩雑さと比較すれば
格段に楽ではあるのだけれどもね。
幻術は術者が常に意識していなくては持続できず、
集中が途切れれば容易く破れる。その集中部分を
使い魔に一任できるというのはやはり大きいよ。

君の世界で言う使い魔や式神というものは、
私の知る中では言わば自動人形に当たるものかな。
あれは、器となるものを用意し、術者が
簡単な命令を書き込んで動かすものだったからね。
君の言うように、予め指定していない行動はできないから、
不測の事態が起きた場合にも対応はできなかった。
ただ、頑丈に造ったものを己の墓所に配して
昼夜を分かたぬ守護者として扱う者もいたねえ。

(使い魔は長話の間もがんばっておそうじ中)
   [145] 実に興味深げ 2008-05-26(月) 21:13
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) 必要は発明の母、といったかしら?こちらの世界では。
まさにそう言うことかもしれないわね。
必要であれば創るし、必要なければ創らない。全ての基本ね。
まあ、私は気分次第で何でもするのだけど。

人間の目を避けること、これが最重要だったわけね。
私の世界では妖怪と人間は同盟を結んでいたから
そんな心配はなかったわ。一部抵抗を続ける者も居たけれど。
互いに互いの力を恐れていた、と言うのが本当のところでしょうね。
私達妖怪は元より高い身体能力を持っていたから
進んで魔術の勉強をしよう等と言う者は稀だったわ。
おかげで人間達と一緒に魔術の研究をする羽目になって、
殆どの術が人類技術に傾倒してしまったのよ…
貴方が言う、自動人形みたいにね。
私の世界の使い魔は、一般的には「ゴーレム」
とか呼ばれるのかもしれないわね…

ふふ、少しは魔術らしい魔術を習おうかしら。
この街には私に魔術を教えることが出来るレベルの
住人が沢山居るもの。

…ただの挨拶のつもりが大分長くなってしまったわ。
もうしばらくここに居座ってもいいかしら?
私はどうせ暇だから、お茶菓子があれば全然大丈夫よ。

(何の脈絡も無く茶菓子を要求するとはふてぶてしい客人である。
追い返すなら今のうちかもしれない。)
   [148] 歴史の裏側 2008-05-29(木) 00:58
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
ヒトと同盟に近いものを結んでいた例も知っているけれども、
やはりあまり例のないことではあったね。我々は、
常にヒトの刻む歴史の裏側を歩んできた存在だから。
人ならざる者としての過ぎた自己主張は、
『狩る者』たちを呼び込むだけだったものだよ。
時代が下って、我々の存在は迷信と伝説の彼方に
押しやられようとしているけれども、
存在を信じられていないほうが
過ごしやすくなったというのも、実に皮肉な話だ。
(薄く笑みを浮かべた)

ふむ…そうだね。私は魔術の専門家とは言えない、
言わば好事家の類いだけれども、本物の専門家は
この街に大勢いるからねえ。彼らの理論と実践を学ぶことは、
例え魔術体系が違うものであろうとも、大いに参考になるだろう。
智識へと至る道は、どこまで歩もうとも
尽きるものではないらしいからね。(にこ)

ふむ…確かに、長らく話し過ぎて、少し喉が渇いたね。
今、使用人に用意させよう。お嬢さんさえ宜しければ、
もう少しここで、この年寄りの話し相手になってはくれないかね。
(にこりとして、ホールの隅にある呼び鈴の紐を引いた)

(使い魔はおそうじ疲れで、『ひみつちき』にて
 いつの間にか寝てた)
   [149] 長話が好きな年寄り衆(笑) 2008-05-29(木) 21:23
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) あら、歴史に表裏なんてあったかしら?(くすりと笑って)
私達は同盟を結んでいた、と言うよりお互いに賢かっただけよ。
下手に対立しても寿命を縮めるだけに終わるって分かっていたのよ。
過去に一度、人間と妖怪の戦いがあったわ。色々あったのだけど、
最終的にはお互いに協力することに決めたわ。東洋妖怪達は
神秘性だとか、妖怪としての誇りだとかを掲げて徹底抗戦していたけれど。
…おかしな話ね。迷信と伝説の存在としての妖怪になろうとした
東洋妖怪達は滅んで、社会に溶け込むことを選んだ私達は
生き残ったのよ。貴方の世界と正反対じゃない!(くすくすと笑っている)

単に魔術関連の図書館があると言うだけでも十分よ。
この街ではそれぞれのスターがそれぞれの設定を持ち越してきている。
もしかすると、魔術体系もスターの数だけあるのかもしれないわ。
でもそうすると、スターの存在が少なからずこの街の「ルール」に
影響を与えていることになるわね…
何にせよ、私にとっては色々と考えが尽きなくて良い暇つぶしになるわ。

…じゃあ、お言葉に甘えて居座らせていただくわね。
(そう言うが速いか、指先に傷を創り、血で空中に立体魔方陣を描いた。
すると何も無い空間に椅子が現れた。それに腰掛けて)
まあ、年寄りの話し相手ですって?五分前世界創造仮説って知ってるかしら?
私たちにとっては仮説ではないけれど…
私も貴方も、生まれてまだ2歳にもなっていないでしょう。
まだまだ若いものよ?(にやにやと笑ったままだ。)
   [151] 背負った時の長さは 2008-05-30(金) 00:42
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
おや、失礼。
我々の世界では、と言い直すべきだったかな。(くす)
我々は「いてはならない存在」であったし、魔術の術式も、
広く万人に存在を認められていたわけではなかったものだから。
ヒトと魔は完全な二項対立を成していたわけでもなかったしね。
争いがあったとしても常に水面下のものだった、ということさ。
拡大する前に互いに手打ちをしていたということもあるね。

…東洋の事情には、私は少々疎いと言わざるを得ないけれども、
私には、『彼ら』のほうが共存が上手かったように思えるねえ。
私の活動圏は長らく欧州全域にあったけれども、
キリスト教がヒトと魔の二項対立を強調し、ヒトもその教えに
従った結果、対立が先鋭化していたように思うよ。

それに、伝説の存在となることと、ヒトの社会に溶け込むことは
相反するものではないよ。存在が一般に「信じられている」よりは
「信じられていない」ほうが、色々とやり易い。
特に我々のようなものにとっては、ね。(微笑)

…それは有名な仮説だけれども、懐疑主義に傾けば、
究極のところ、何ひとつ確実なものはなくなる。
我思う故に我ありとも言えなくなるねえ。つい先日も、
存在と非存在を問うような事件がこの街で起きたばかりだから、
余計にそう思わされるよ。しかし、この先何が起ころうとも、
私は私の信ずる道を往くだけさ。
…なに、老いの繰り言と思って
聞き逃してくれたまえ。(おじいやんの微笑で)

…ああ、来てくれたね。
(黒髪のメイドがティーセットをワゴンに載せてホールに来ると、
 無駄のない動きで給仕を始めた。カップから湯気が立ちのぼる)
さあ、どうぞ、お嬢さん。
一言言ってくれれば、椅子もこちらでご用意したものを。
(ちょっと残念そうに笑った)
   [152] 捨てた荷の重さは 2008-05-31(土) 03:06
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291) (にやにや笑っていたのが急に真面目な顔つきになって)
…私は妖怪よ。妖怪の視点でしかモノを語れない。
居てはならないだとか、魔術などあるわけないだとか、
そういった人間主体の御都合主義なんて認めないわ…絶対に。
貴方の思考は…貴方の世界はヒトと魔を分かつことに躍起になってる。
「ヒト」だとか「魔」だとか言うのも、結局はただの概念に過ぎないと言うのに…
(また何の前触れも無くにっこりと笑って)
まあ、半分くらいは冗談よ。聞き流して頂けるかしら?

そうねぇ。東洋の妖怪は一般的には人間と仲が良いみたいね。
何の代償もなしにその力を分け与えることもあると言うし…
ただ、人間達は私達よりも儚い存在なのよ。
彼らが加護を必要としなくなったとき…
彼らが欧州との同化を始めたとき…
果たして東洋の妖怪達は時代の変化についていけるのかしら?
…まあ何と言っても、世界が違うことには話は纏まりそうに無いわね。
それこそ、我々の世界では、と言い直すべきだったかしら。
(くすり。まさに鸚鵡返し。)

説明不足だったみたいね。私が言った「溶け込む」と言うのは、
誇りを全て捨てて、人間の望む妖怪のあり方に従うことよ。
土着神として君臨したり、信仰の対象になったりする場合は含まないの。
後者の意味なら、確かに伝説化と共存を両立できるかもしれないわね。

確実なモノねぇ…まあ、私には関係の無いことよ。(微笑んで)
私は私。私が私でないなら、それは私が私でないと言うだけのことよ。
私は楽しければ、何でも良いのだもの。当面は問題にならないわ。
…いいのよ。気にしなくて。
子供の戯言だと思って聞き逃して貰えれば。
(鸚鵡返しパート2。鬱陶しいことこの上ない。)

あら、ありがとう。紅茶、頂くわね。
ああ、椅子の件は良いのよ。私が魔法を見せびらかしたかっただけだから。
(もはや恒例のにやにや)
   [153] 何を矜持とするか 2008-05-31(土) 20:37
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
私は魔に身を置いて久しいけれども、
もともとのヒトの意識を未だに引きずっているのでね。
私は魔として生まれついたわけではなく、
後天的に魔として変質するに至った。
だから、君のような「純血種」の考え方とは
また違う考え方をしていることは自覚しているよ。
君にしてれば、私の考え方は
どっちつかずの蝙蝠に見えるのだろうねえ。(苦笑した)
体は魔でありながら、魂はヒトのままなのだから。
その魂も、年月を経て多少は変質しているのだけれども。

確かに、…彼らが時に声高に叫ぶ「彼らの正義」は
傍迷惑なご都合主義とも取れるけれども、
それを上手くこちらの良いように使うという手段もある。
悪いことばかりではないさ。盗泉の水を飲みたくないと
いうのなら、また別の交渉の仕方もあるだろうけれどもね。

なにぶん、辿ってきた歴史の違う世界のことだ。
こうした話は水掛け論になりやすいものだけれども、
互いの世界の違いを認識するのも悪くはない。(にこ)

客人である君に力を使わせたりするのは、
例え君にとってはほんの僅かの労力であっても、
済まない心持ちにさせられるのだよ。
(言いつつ、 黒髪のメイドに目で使い魔を指し示した。
 彼女は、紅茶と一緒に使い魔ご所望の
 棒アイスも持ってきていたらしい。隅で寝ているのを
 指先でつついて起こすと、ぷぎゅぷぎゅ喜んでた)
   [155] どうも一貫しない意見(確信犯?) 2008-06-01(日) 22:34
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
確かに私は先天的な魔の者かもしれないけれど、
少しは人間らしい部分も持っているわよ?
「映画監督は人の上に人を作れず」って言うじゃない。(言いません)
蝙蝠ねぇ…
年月を経れば貴方も蝙蝠に変質するかもしれないわよ?(くすり)

まあ、私はそうさせてもらっているわ。
現に私は彼らの理論を学び、魔法に応用しているもの。
人間が嫌い、という一般論と私の考えには何の関係も無いわ。

そうねぇ、私達二人の会話を通して戦っているのは脚本家ね。
彼らが如何に世界を創りこめたか…私達の会話は
その代理戦争みたいなモノですもの。(にっこり)

あら、お気遣いありがとう。
郷に入っては郷に従え、という奴かしら?
人様の家では主人に従うべきだったわ。御免あそばせ。
(そういいながら裾を摘み上げて一礼した)
   [156] また楽しからずや 2008-06-05(木) 00:55
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
そこは、我らを造り賜いし神々の、
匙加減ひとつなのだろうねえ。
私とて、姿は蝙蝠に似せることができるけれども、
これから私の本質がどう変わってゆくかは、
実に神々のみぞ知るといったところだ。(微笑)

…おやおや。
お嬢さんの口から、戦いや代理戦争といった類いの
穏やかならぬ言葉を聞くことになるとはねえ。

我々は互いに別の世界と歴史を背負っていて、
幸いにもこのように出会う機会を得た。そして、
こうして言葉を交わすことによって、世界が如何に
多様性に満ちているかを知る…私はそれで充分だよ。(にこ)

では、次にお嬢さんがいらした時には、
今度こそ心置きなくもてなすことにしよう。
客人と語らう時を共にするのは楽しいからねえ。
(言いつつ、メイドが運んできたワゴンから、
 デキャンタの横に添えられた小ぶりなグラスを取り、
 喋り通しで渇いた喉を少し湿らせた)
   [159] 口から出任せ風味 2008-06-07(土) 09:41
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
我ら造り賜いし神々…この町には沢山居るわね。神も、映画監督も。
そうねぇ、私も放っておいたら身も心も烏になってしまうかも。

あら、私がそんなに穏やかな人種に見えまして?
戦争、対話…全ては複数人の間で起こりえる事象。
たいした差なんて無いと思わない?
互いの多様性を理解し合わせることと
互いの多様性を否定し淘汰することの間には
「没個性的になっていく」と言う点で共通点があるのよ。

ああ、私は「理解しても合わせようとしない」から大丈夫よ。
お互い相手の言論に染まらずに、内容の確認だけを行っていく
というのもなかなかに面白い作業ね。
大抵の場合、片方がもう片方に感化されてしまう物だけど。
私達はそういう心配は無さそうね。歳で頭が凝り固まっているから(くすくす)

あらそう。それはありがとう。
次来た時は椅子を抱えて持ってくることに致しますわ。(にこにこ)
   [160] グラスでちびちび始めました 2008-06-10(火) 00:54
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
可憐なお嬢さんの口から出るには、
あまり似つかわしくない言葉だと思っただけだよ。
(僅かに笑み、再びグラスに口をつける)

戦争とは、あらゆる平和的な対話が不可能となった時に、
最終局面で発生する「力による対話」に等しいからねえ。
確かに、外交手段としてならば並列して語ることもできる。
しかし、互いの確固たる観念や概念を交換し合うだけならば、
何も意見を戦わせることもないと思うのだけれどもね。
ふたつの意見をすり合わせて、ひとつの結論を出す必然性に、
我々は迫られていないのだから。(にこ)

お嬢さんがそうしたいというのならば、私は拒まないけれども、
それはまた随分な大荷物になりそうだねえ。
(楽しそうに笑い、グラスを干す。
 ふとクリスタルのデキャンタの中を見て)
…あとこれだけ、か。
(名残惜しそうに溜息をついた)
   [161] ちびちびと飲むわけにはいかないお年頃 2008-06-12(木) 00:57
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
戦争とは、平和的に話を進めるために振り回す詭弁の様な物ね。
平和的にアプローチしながらも、最大の利益を得なければならない
というチキンレース…そこで互いが止まり損ねた時に戦争が起こるのよ。
まあ、今回は特に関係の無い話ね。

意見を戦わせると言うのは、まさにこういう状態を言うのではなくて?
互いに相手の意見に何の感情も抱かなければ、聞き流して同意さえ
していれば良い。でも実際には口を挟みたくなるじゃない?
例えば「戦争」という細かい言い回しの一つさえ、こうやって議題に
成り得るのよ。
意見を戦わせることと決着をつけることは別よ。でも、結論の出ない
議論も中々興味深い物ね。

(つられてデキャンタを見て)
そうねぇ、椅子だけじゃなくワインも持ってこようかしら。
こっちでは私みたいな「子供」は外では酒を飲むわけには行かない様だし…
勿論、ストックがあるでしょうから変わった物を持ってくるわね。
それこそ、こっちの世界では取れないような物をね。
   [162] グラスの中身 2008-06-12(木) 02:26
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
外見は子供でも、既に充分飲める年齢ならば、
無理に遠慮することはないと思うよ。(にこ)
お嬢さんも酒のたしなみがあるのなら、
是非ともご一緒したいものだけれども。
(すう、と目を細めて)…ただ、私はどれほど飲んでも
もう酔えない体だから、味わいを楽しむ程度なのだよ。

気持ちよく酔いたいときには、これの方がいい。
(デキャンタの残りをグラスにあけた。
 広間を照らすランプの薄明かりに透かすように
 軽くグラスを掲げる。葡萄酒よりも濃く、不透明な赤。
 残り少ないそれを、惜しむように少しずつ味わう)

(デキャンタを目で指し示し)…ここに入れておくと、
呪法で1週間ほど長持ちするようになっていてね。
(言いつつ、口中で伸びかけた牙を舌でなぞった。
 色の薄い唇も、今は僅かに赤味が増している)
   [165] 何故か感慨深げ 2008-06-13(金) 23:08
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
あらそう、じゃあワインを少し頂こうかしら?
普通のワインで結構よ。貴方が今飲んでいるそれは
私には必要のない物でしょうから。(くすっと笑う)
採れたての新しい「それ」を直接グラスにあけることも出来るわよ?
(そう言いながら右の手首を左手でさすった)

酔い…それは意識の揺らぎ、存在の揺らぎ。
貴方のように「不変であること」が存在を規定するような者からは
失われる物だというのも、なんとなく納得できるわね。
擬似的に酔いを再現することくらいの魔術なら訳ないけれど、
それは無粋というものよね。失った物は返ってこないのが道理だもの。

意外と魔術や呪術って日常生活の上で便利な物よね。
流石に年単位の期間が開くと管理された品質保持には及ばないけれど。
そういえば、うちも殆どの家具が魔術で動かせるようになっているわね。
この椅子も作ったのではなく家から転送した物なのよ。
こういうのを今風に「ユビキタス」とか言うのだったかしら?
普通は電気式の物を言うようだけれど。
   [168] 喪われた体温を求めて 2008-06-15(日) 19:50
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
では、今ご用意するとしようか。
何が良いだろうねえ…貴腐葡萄酒などはどうかな。
先日取り寄せたばかりの、シャトー・ディケムの
当たり年のものだよ。熟成するまでの年月を
閉じ込めたような琥珀色の輝きが美しい逸品でね。
きっとお嬢さんのお気に召すと思うよ。(微笑)
(再び呼び鈴を鳴らし、現れたメイドに申し付ける)

そう、喪ったものは返って来ないものだ。
一時的に呪法などで誤魔化すことはできても、ね。
この身にも、かつては温かな血が
通っていた時があったのだけれども。
…これを頂くときだけは、
少しの間だけ生き返ることができる。
(言いつつ、再びグラスに口をつけた)

(右手首をさするのを見て)
おや、ご親切に有難う。(にこ)
…けれども、お嬢さんから頂くのは止めておくよ。
そうすることで結ばれる一方的な『血の絆』は、
お嬢さんにとっては厄介なものになるだろうからね。
それに、この市内には既に『協力者』がいる。
渇いた時には彼らから提供を受けることにしているから、
心配は要らないよ。(グラスの淵の雫を舐めた)
   [171] 不変であると言う事は失うという事 2008-06-17(火) 19:50
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
そうね、それで結構よ。
それにしても、かなり良いワインをお持ちのようね。

誤魔化す…その表現は実に適切ね。
手に触れられる物は取り返すことが出来ても、
手に触れることの出来ない物までは取り戻せないものね。
魔術、技術も全ては夢の投影機に過ぎないわ。
だから皆失った物を取り戻す方法を模索してきたけれど、
結局肉体は蘇生できても魂は蘇生できない物だと分かったに過ぎなかった。

…この言葉は貴方にとって皮肉になるかもしれませんわね。
(と言いながら苦笑した。)

協力者が居るのね。それなら食事には事欠かないわね。
それと、ご心配には及びませんわ。『血の絆』は決して一方的になんて
ならないんですもの。私の体内を流れるそれも、魔力を含んでいるから。
それに、そうやって貴方達の種族と取引してきた種族なのよ、私達は。

…他人の体内を流れるモノが体内に入ってくると言うのに、
摂取した方が支配権を握るなんて、可笑しい事だと思わないかしら?
少し考えれば可笑しいと分かることなのに、不思議な事よね。
   [173] 喪失を前提とした不変 2008-06-20(金) 01:44
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
(再びワゴンを押して現れたメイドを呼び寄せ、
 琥珀色の輝きに満たされたグラスを横目に見遣る)
さあ、ご堪能あれ。
私は「酔い」を味わうことはできないけれども、
この場に満ちた香気だけでも充分だからね。
(言いつつ、己のグラスに残る赤を飲み干した)

…本当は、グラスで味わうよりも直接頂いた方が
断然良いのだけれどもねえ。こうした『取り置き』は、
(と言いつつ空になったグラスを軽く掲げた)
あくまで『飢え』を抑制するための手段に過ぎない。
血を媒介した生命力のやり取りは、直接触れ合い、
魂の奥底から交歓し合ってこそ意義深いものとなるのだよ。

君の世界に於ける私の『同族』が、
どのようなものとして規定されていたかは
私の知るところではないけれども…
少なくとも私と、私の知る『同族』にとっては、
血は単なる物質以上のものでね。
単純に「物質的に取り込む」ことと、
『血の絆』や精神の従属を促す呪術的な変成は、
その依って立つ理論を異にしているということさ。
(椅子の背もたれに体を預け、軽く目を閉じた)
   [174] 両面真実 2008-06-21(土) 22:23
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
(デキャンタを見て)
一体どんな方法でそれをボトルに詰めているのか
少し気になるけれど、それは大した問題じゃないわね。
(結構真剣に考えている顔をしてみせた。)

(空になった黒木さんのグラスを見て)
…私は血を弄ぶ種族。だからそれの意味を
少し忘れていたようね。
それは体外に排出された時点で「命の象徴としての生」を
失ってしまうモノ。「死んだ」モノをいくら摂取しても不死者の
貴方にはあまり足しにはならないのでしょう?
貴方達は物質としての血ではなく、生の象徴としての
意味を飲んでいるのね。命の一端を掴まれた者は、掴んだ
者の支配には抗えない。それが『血の絆』の正体…

私は物質としての血を孕む。私の血は魔を運ぶ。
貴方は概念としての血を啜る。貴方は血で命を飲む。
そういうことで、一つどうかしら?(悪戯っぽく微笑んだ)
   [177] ややご機嫌↑ 2008-06-27(金) 01:10
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
余裕のある時に、手首から詰めて貰うように
しているよ。あまり多くは頂けないのだけれどもね。
零して無駄にしてしまわないように、
詰める時は付き添うことにしているよ。

…そう、まさにその通り。(微笑)
「死んだ」血は我々にとって意味を成さない。
そこに在る象徴的な意味こそが大切なのでね。
既に死した肉体は自ら生命力を生み出すことができない。
なればこそ、他者から直接的に供給した濃密な生命力で
本来動かないものを動かしているのが実情だ。

(椅子の背もたれに身を預け、目を閉じたまま)
『血の絆』は便利なものでね。絆を結んだ『協力者』の
体と心の状態が大まかに分かる。それと、
『協力者』が眠っている時に限られるけれども、
その知識と記憶の一端も僅かながら引き出せる。
だから『協力者』を通じて、この街に現れた
同族の噂や情報を集めてもいるのだよ。
   [178] 筋肉痛は数日後に来る(随分間が空いてしまいましたorz) 2008-06-30(月) 22:11
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
ふぅ。結構穴の中は疲れるものね。

なるほど。手首から、ね。と言う事は、私の
先日の行動は正しかったわけね、偶然にも。
(手首をさすったことを言っているようだ)
付き添いとは、実に貴方らしいわね。

あら、それでも貴方は生きているじゃない。
少なくとも、これから対峙するであろう鯨の怪物よりは
生きていると言えそうよ。良かったじゃない。
(悪戯っぽく笑う。もはやいつものことだが)

情報端末にもなるのね。吸血鬼って、夢魔の一族だったかしら…?
まあ、その能力が今回の掃討作戦で役に立つことは無さそうね。
皆寝ている場合じゃないもの。
貴方はどこかの部隊に所属するつもり?


…ってもう第2部隊に現れてるじゃない。
私もどこかへ所属するとしようかしら。
今度は全力が出せる、穴の外でね。
(そう言いながら作戦会議室へ向かった)
   [180] 作戦開始近し 2008-07-07(月) 01:48
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
お嬢さんは穴の探索部隊に参加していたのだったね。
私は撤退支援をしていたから、あの穴の奥へは
入らなかったのだけれども…それでも、穴を越えた
『向こう側』で活動する際の感触は分かったように思うよ。
感覚に多少霧がかかったような心持ちになったのは、
件の研究所の開発品をつけていた影響なのだろうねえ。

確かに我々は、夢魔に近い一族だと言われているね。
血を媒介とするかしないかだけで、していることの
本質はあまり変わらないからねえ。(微笑)
けれども、『協力者』との『血の絆』による結びつきは、
我々が結び得る血の盟約の中でも最も弱いものだから、
本人の意識がない時にしか『接触』することができないのだよ。
この力は、今回は活かす余地がなさそうだけれどもね。

…さて、私も腰を上げるとしようか。
まずはこの邸の呪的防護を構築しなくてはね。
   [182] お久しぶりかしら? 2008-09-07(日) 00:22
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
(さっと烏が舞い降りる。直ぐにその姿は傘を差した少女となった。)
…終わったわね、色々と。そして始まったわ。色々とね。
レヴィアタン討伐、あれは中々興味深い催しでしたわ。
私も食べられた時は驚いたけれど、まあ帰ってこれたのだから良い思い出ね。

さて、今度は心置きなくもてなされに来たわよ。人生暇ですから。(ふふっと笑う)
何か面白い話はないかしら?
   [183] 終わりは始まり 2008-09-11(木) 14:42
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
…おや。これは、エルヴィーネ嬢。
(寛いでいた椅子からすっと立ち上がり、一礼)
そうだね、お会いするのは大怪竜討伐戦以来だ。
討伐戦でのお嬢さんのご活躍のほどは、
ジャーナルの記事を読んで知っているよ。

私はあの作戦で腕をやられて、
鎮国の神殿で休ませて貰っていたのだけれども、
君達の部隊が飲まれたと聞かされた時には
少なからず場に緊張が走ったものだよ。
今回は、誰も喪われずに済んで、良かった。
(思い出して語る口調に安堵が滲んだ)

では、こうして再び出会えたことの幸運を祝して、
早速おもてなしさせて頂こうかな。
(にこにこしながらメイドを呼んだ)
丁度、季節の果物が手に入ったところでね、
簡単な焼き菓子を作らせたところだったのだよ。
(本日のおしながき:梨のブランデーケーキと紅茶)

話、というと…そうだね、私はもっと、お嬢さん自身の
話をお聞きしたく思っていたのだけれども。
例えば、君の種族としての特徴や、
古くから伝わるしきたりのようなものがあれば、
是非ともお聞きしてみたい。なにぶん、お嬢さんと
似た存在は、私の知る世界にはなかったものだからね。
   [184] そして始まる長話 2008-09-12(金) 02:48
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
そうね、確かに久しぶりね。最近は大抵のことを従者に任せてしまうから、
家からあまり出ないのよ。…悪い傾向かもしれないわ。

そういえば腕をやられていたわね。それも良い経験よ。
治癒能力が文字通り「人」並みになる経験なんて滅多に無いもの。
まあ、怪竜に飲まれた私に言えたことではないけれど。
(飲まれた時のことを思い出し)あれだけの歯を持ちながら、
咀嚼しないで丸呑みするなんて正に絶望的な知能よね。

私の話ねぇ…つまらない話でも宜しければ お話して差し上げましょう。
季節の菓子も頂いたことですし。(食器を手に取った。)

そうね、私の種族――鮮血鬼の特徴についてお話しましょうか。
生憎、私達は吸血鬼に寄生して生きていた所為で固有の文化や
しきたりといったモノが薄いのよ。個体の絶対数が少ないのも原因のひとつね。
まあ、全く無い訳でもないし、ネタが尽きたらお話致しますわ。
…それで、特徴の話だったわね。鮮血鬼の特徴「血」の扱い方にあると思うわ。
吸血鬼は血の精神的な側面を重視するものでしょう?
鮮血鬼は血の物理的な側面を重視するのよ。
前に話をした時、私は血の精神的な意味について失念していた…
私がそのことに気付いた時貴方は嬉しそうだったわね?
そこに血に対する種族による認識のズレがあるのよ。
まあ、その認識のズレのお陰で鮮血鬼は生き残ることが出来たのだけど。
私達は吸血鬼に血を吸われても貴方達の傀儡にはならないのよ。
逆もまた然り、勿論吸血鬼は私達の血を飲んでも下僕にはならないわ。
私のいた世界では人類が高度に文明化されていて強かったから
食糧確保のために私達と同盟関係を結ぶしかなかったというわけね。

…取り敢えず、こんな感じかしら。ざっと説明してみたけれど。
   [185] 歴史は改竄を決して(ry 2008-09-13(土) 03:50
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
お嬢さんは、それほど出歩かないのだね。
私は数日に一度は出かけることにしているよ。
良書との出会いを求めて書店をはしごすることもあれば、
この街に住む親しい友を訪ねることもある。
宜しければ、次の機会にはお嬢さんの住まう城を
お訪ねさせて頂きたいと思っているのだけれども。
いつもご足労願ってばかりでは申し訳ないからね。(にこ)

しかし、なかなか癒えぬ傷を負わされた時には
不死者に対抗するために特別に作られた武器で
傷つけられたようなもどかしさを覚えたよ。
まだ若かった駆け出しの頃には、時折無茶をして
『狩る者』のお世話になりかけたこともあった…
その頃のことを思い出すような体験だったねえ。
(懐かしそうに遠くを見るような目をした)
…あの歯は、備わっていることの意味を
成さぬものなのかも知れないね。あの怪竜は、
存在から成り立ちまで、全てが異様なものだから。

そう、お嬢さんの話だよ。
私で良ければ君の、話し相手になりたい。(にこ)
…私の知る種族の形態が、お嬢さんの知る世界の
形態と同じかどうかは分からないけれども、
話を聞く限りでは、お嬢さんの『同族』は絶対数が
相当少ないのだねえ。不死者でさえ、
その数はヒトと比べれば少ないというのに。
種族的な古さはどれほどまで遡れるものなのかな。
不死者からどこかで枝分かれした種族と言えるのか、
種族の来し方にまつわる言い伝えなどがあるのか…
聞けば聞くほどに興味をそそられるねえ。
(一息にそこまで言ってから、目の前の紅茶を一口啜った)
   [186] 凄まじい聞き下手具合 2008-09-14(日) 02:34
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
そうね。うちに色々と揃い過ぎているのが問題なのよね。
なまじ城ごと実体化してしまったばっかりに…
例えば本。うちの図書館は底が見えない吹き抜けになっていて、
その壁面にびっしりと本棚が詰まっているような状態になっているのよ。
まあ、こちらの世界の歴史や科学についての蔵書はないから、最近は
多少は買い増ししているのだけど…
それに親しい友というのも、生憎あまりいないのよ。
こればかりは仕方ないわね。元来仲間への執着が薄い種族ですもの。
その上、実体化して日も浅いのだから仕方ないことですわ。

…私の住む城、興味がお有りかしら?
家の主であるところの私にさえウチの構造が把握しきれていない魔の城だけど。
遺跡の上に作られた城であるとか共同墓地だったとか色々言われていたけれど、
取り敢えず今は広くて快適な家よ。ただ、窓が無いから昼でも蝋燭が必要ね。
まあ、機会があったらお呼びしますわ。門を開くには友人が少なすぎますから。

不死者に対抗する為の武器ねぇ…
そうね、これは私の居た世界の話と一緒に話しましょうか。
貴方の居た世界の吸血鬼――毎回こう呼ぶのも面倒だから
ヴァンパイアと呼ぶわよ――はこの世界の伝承の吸血鬼の姿に
かなり忠実みたいね。『不死者』という言い方からして人間から変化した
魔的な種族なのでしょう?
私が居た世界の吸血鬼――こっちはノスフェラトゥと呼ぶわ――は生まれつきの
吸血鬼なのよ。人間から変化した何かではなく、単一の種族と言うわけね。
ノスフェラトゥはそもそもが魔的な存在ではないのよ。だから体温が有り、
かなりの個体数を擁し、長いとはいえ寿命が有るのよ。
だから聖別されたとか、銀だとかの魔的な武器はあまり意味を成さないわね。

前置きが長くなったわね。ある程度認識を共有しておきたかったのよ。
鮮血鬼はノスフェラトゥからある時期に分化した種族だと言われているわ。
これが来し方にまつわる言い伝え、と言えるかどうかは疑問だけれど、
個体数が少なかったがためにあまり資料も残っていないのよ。
この説を信じるならば鮮血鬼はかなり新しい種族だと言うことになるわね。
鮮血鬼には美しい女性しか生まれないわ。私のようにね。(笑いながら)
このことと、ノスフェラトゥ・ヒト間の過去のいざこざが鮮血鬼の繁栄に
関わってくるのだけれど……少し一気に話しすぎたわ。(紅茶を少し飲んだ。)


貴方のようなヴァンパイアの由来や言い伝えなんかも聞きたいわ。
こちらばかり話しているのでは損ですもの。
   [187] 色々と語る。 2008-09-17(水) 06:24
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
(図書館の話を聞いて、ほう…!と感心した様子で)
それは是非とも、一度拝見してみたいものだ。
無限に続くかのような吹き抜けに書物が並んだ様子は、
まさに知の殿堂とも言うべき壮観だろうからね。
(本好きなのですごく嬉しそう)
窓がない、か。けれども、私に灯りの心配は要らないよ。
私の目は、全き闇の中でも物を見ることができるからね。

(ひとしきり、黙って話に聞き入っていた)
成程、よく理解できたよ。君達の言うノスフェラトゥと比べると、
我々…ヴァンパイアはより霊的かつ概念的な存在であるということかな。
では、概念の世界に在る我々の話を少し語らせて頂くとしよう。
君にとって興味深い話になれば良いのだけれども。(にこ)

君が言った通り、『不死者』という別称を持つ我々は、
本来は皆ヒトであり、殆どの者が生前の記憶を持っている。
稀に生前の記憶をなくしている者もいるけれども、
それは経験した『死』の衝撃が大きかったことによる、
一種の記憶喪失のようなものだと言えるね。

『不死者』とは、『死してなお死なざる者』という意味でね。
人生を、『誕生』を起点とする紐に例えて考えると、
その紐は『死』という一点で断ち切られるものだ。
けれども、その鋏の入り方が甘く、紐が切られ損ねることがあれば
どういうことになるか。人生に『死』は一度しか訪れない以上、
その紐は断ち切られる機会を永遠に喪うことになる。
…これが、不死者は何故死なないか、という理屈だよ。

しかし、不死者も専用の武器によって滅ぼされることがある。
それは『死』ではなく『滅び』と呼ばれていてね。
『死』は肉体の滅びだけれども、『滅び』は魂をも滅する、
言わば絶対の死だ。換言すれば、魂までもを根源から
絶やさねば、我々は死することがないとも言えるね。

我々の種族はいつ始まったか…これには諸説あってね。
実を言うと、はっきりしたことは誰にも分からないのだよ。
ヒトがヒトとして歩み始めた頃、時を同じくして発生したと
いう説もある。もう少し神話的な話だと、赦されざる罪を
犯し、ヒトの世より追放されたまま死した男女が
『始祖』であるとも言われているけれども。

(ここで、残っていた紅茶を飲み干した)
さて、だいぶ話が飛び飛びになってしまったけれども、
我々という種族を僅かでもお分かり頂けたならば幸いだよ。
…今度はお嬢さんの番だね。(にこ)
お嬢さん方の種族に、何故女性ばかりが発生するのか、
話を聞いていると、それにまつわる因縁がありそうだねえ。
もし宜しければお話頂けないかな。
   [188] 奇妙な来歴 2008-09-19(金) 17:40
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
ええ。常に吹く風のお陰で中々良好な保存環境よ。
紫外線による紙焼けも無いわ。多少の魔術的保護もしてあるから。
貴方は暗闇の中でも物が見えるのね。
良かったわ、そこはヴァンパイアもノスフェラトゥも同じのようで。
むしろ明かりが必要なのは私のほうなのよね…(頭を抱える仕草をして見せた)

…ああ、魔的と言うよりは霊的な存在なのね。
その表現を使うなら、ノスフェラトゥも鮮血鬼も
魔的ではあるけれど霊的ではない存在、と言ったところね。

(紅茶を飲みつつ話を聞いていた。)
『死してなお死なざるもの』ねぇ…
聞いただけでも矛盾した存在だと言うことが分かったわ。
しかもその原因がアトロポスの職務怠慢とは…
まあ、便宜的に死なないと言っているものの、実際にはもう死んでいるのよね。
と言うより『死んでいるかどうか』という議論そのものに
決着がつかないとも言えるわね。まるでシュレーディンガーの猫ね。(くすっと笑う)

さて、発祥の話だったわね。
貴方達ほど神秘的な話ではないわよ?鮮血鬼の誕生は。
鮮血鬼がノスフェラトゥから突然変異によって分化したと言うのは前の説明の通りよ。
この時点で既に鮮血鬼には女性しか生まれなかった。
原因はハッキリしないわ…それこそ、突然変異によるとしか言いようが無いわね。
とにかく、『原因』は分からずとも『結果』は残った。
鮮血鬼は種族としては致命的過ぎる欠陥を抱えていたのよ。

本来ならばここで「はい残念、ご愁傷様」となるところだったのだけれど、
そうはならなかったのよ。
第一世代の鮮血鬼は長いこと耐えていたみたいだけれど、
社会情勢は彼女に味方したわ。
ノスフェラトゥの社会は規模が大きくなりすぎていたの。
食料となる人間を乱獲した為に食糧問題は急務になっていたのよ。
そこで血を無尽蔵に排出できる鮮血鬼は彼らに食料を提供して、
その見返りに伴侶を獲得したのよ。
ヴァンパイアのような『魂が触れ合う交歓』という霊的な概念は無かったということね。
この需給関係は私の代になっても続いていたわ。
とは言え、今度は人間がらみの問題が浮上してきたのだけれど…

…私の父は吸血鬼なのよ。鮮血鬼は生まれながらにしてハーフなの。
それでも力が薄まることはないし、鮮血鬼としての矜持を持って生きるものなの。

(ケーキにも手を付け始めた。)
…中々変わったお話でしょう?ひとえに運が良かったのよ、私達はね。
この奇妙な協力関係は生活様式にも影響を与えたわ。
例えば、鮮血鬼は月光に弱く吸血鬼は日光に弱いということ。
これが私の城に窓が無いことの理由なのよ。
互いに暗闇での生活には苦労しなかったもの。
ただ、今は人間の従者がいるからそうも言っていられないのだけれど…
   [189] いきているふしぎ 2008-09-25(木) 03:48
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
我々の視覚は、ヒトのものとはかなり違うからねえ。
特に動くものや温度の高いものは、闇の中にあっても
薄く光を纏って見えるのだよ。夜に棲む者として、
隠れた『獲物』を捜すために特化した視覚と言えるかな。
しかし、暗闇に対応し過ぎた視覚は、太陽のような
強い光の下では視界一面が白く塗り潰されて
何も見えなくなってしまうのだけれどもね。
歳を経て体が慣れてくれば、強い光を見ても
『切り替え』ができるようになるのだよ。

…我々は時折『死に損ない』とも称されるけれども、
それは我々の本質をよく表した言葉でね。
運命を紡ぐ女神も時折手許が狂うらしいのだよ。(苦笑)
『既に死んでいる』からこそ、『それ以上死ぬことがない』と
いうことのようだけれどもね。肉体的には死んでいるが、
霊的には死んでいない、とも言えるかな。
死んだ肉体を、生ある者から奪った生命力で
無理矢理動かして『生きて』いるのだからね。
猫は箱の蓋を開ければ生死が確定するけれども、
我々は棺の蓋を開けてもどっちつかずなのだよ。
(ふっと笑い、2杯目の紅茶に口をつけた。
 そのまま言葉を切り、発祥の話に耳を傾けた)

…君達の来歴、確かに聞かせて頂いたよ。
女性しか生まれなかった理由は、今も分からないのだね。
私が知る呪法に、赤子がまだ種のうちに効力を発揮し、
男女の産み分けをさせるものがあるけれども、
君達の発生にも多少、そのような要素があったのかな。
だが…、ヒトの『乱獲』というのは、少々宜しくないねえ。
それをしてしまえば自身の首を絞めるからこそ、我々には、
歳上の者が若い者たちに、上手に生きる知恵を
伝えるという『不文律』があったのだけれども。
ともあれ、幸運な利害の一致が、君達の種族の
存続を許した、ということなのだね。

君の言うノスフェラトゥは、子を成すことができるのだねえ。
この点でも、我々とは『違う』存在であることを実感するよ。
我々…ヴァンパイアは肉体が既に死んでいるから、
同族同士では子を成すことが決してできないのだからね。
子を『生む』ということは、読んで字の如く、
多大な『生』の力を必要とする難事だ。
借りものの生気では『生む』まで行かないのだよ。
ヒトとヴァンパイアのハーフ…いわゆるダンピールが
ヒトの女性との間に稀に生まれることがあるのは、
母方が生者で、『生む』ための生命力が供給されるからだ。
故に、母方が不死者である場合には、どうあっても
子を成すことはできないことになる。…よって、
我々は肉体の交わりに依らない、霊的感染による
『繁殖』の手段を別に持っているのだよ。
(僅かに牙を見せて笑うと、再び紅茶を啜った)

それにしても、君達の一族は多難な歴史を歩んできたのだね。
種の存続は果たせたものの、次の難題が待ち構えていそうな
話になってきたようだしねえ。『人間』にまつわる次の『問題』が
どのようなものであったのか、興味の尽きない話だ。
時は我らが味方と言うしね。存分にお聞かせ願いたい。
   [190] 現実と大して変わらぬ歴史 2008-09-28(日) 14:46
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
光が無くても者が見えると言うことは、きっと精気や魔力を
感知する魔的視覚を持っていると言うことね。
…実は我々は暗闇の中では物を見ることは出来ないわ。
聴覚と触覚を基本的な感覚として使っているから、実はあまり
視力は重要ではないのよね。お陰で本を読むときには苦労するわ。

死とは通常デジタルなものよ。
そこには0と1しか存在せず、端数の存在は許されないわ。
貴方が本当に意識を持っているのかを確認する手段が無い以上、
貴方が今0なのか、1なのかを観測することは出来ないのよ。
その意味では、蓋を開けても中にあるのは同じ箱と言ったところかしら。
生死が確認できないと言うより、確認しようが無いのね。
…やはり、『神のみぞ知る』と言ったところね。

(『不文律』の話を聞いて)
そうねぇ…寿命が長い貴方達がそのような繁殖方法を取れば、
年長者の数の方が新参者より少ないと言う事態は起きそうに
ないわね。そういう社会構造なら、『不文律』とやらで
統制することも可能でしょうね。私達の社会は人間社会と似た
構造をしているから、厳しく統制するのは難しいわね。

我々は、貴方達とは精神の構造が違うのよ。
これは私の私見が入るけれど…生物はその寿命に最適な内部時間を
持っているわ。寿命が長い生物は、その分精神の活動がゆっくりなのよ。
つまり、体感時間での寿命は全ての生物において一定と言うことね。
貴方達は永遠の命について苦悩するでしょう?
長すぎる生に精神が取り残されてしまうから。
我々は万の時を生きることを当然のこととして感じることが出来るわ。
その代わり、急激な変化についていけなくなってしまったけれど。

…ここからは次の『問題』も混ぜて話すわ。
乱獲によって食糧が足りなくなった件については話したわね。
その後、人間の狩猟については規制が行われるようになったのよ。
増加する食糧需要に対しては、鮮血鬼に積極的に子供を
産ませることで対処したわ。
しかし、我々が会議ひとつに数百年かけて対策をしている間に、
人間はもう復興を遂げていたのよ。
規制が始まった頃には火器による武装を開始していて、人妖の
パワーバランスは既に危ない状態に来ていらしいわ。
規制などしている場合ではないと言う意見が会議に出され、また
会議が始まったのだけど、もう手遅れだったのは言うまでも無いわね。
そして人類は支配的だった妖怪に反旗を翻し、人妖大戦が始まった
と言うわけよ。

(紅茶を飲み干し)
…さて、ここらで一区切り、と言ったところかしらね。
貴方達の『繁殖』についても興味があるわね。
霊的感染と言っても、全てが全く同じ『同族』になるわけでは
ないのでしょう?
その辺り、詳しく聞かせて頂けるかしら。
   [191] 血盟の親子 2008-09-30(火) 18:38
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
少なくとも、物理的に見えるものだけを見る視覚ではないね。
ヒトが霊視と呼ぶ種類の視覚も併せ持っているようだ。
…ヒトの目から見える世界がどのようなものだったか、
もはやはっきりとは思い出せないのだけれどもね。
(少し遠くを見るような、懐かしそうな目をした)

君の言葉を借りれば、「ある」か「ない」かの二択に
差し挟まれた「どちらでもなく、どちらでもある」選択肢が
我々ということになるのだろうね。(にこ)
箱は無限に入れ子になっているのかも知れないねえ。
(言いつつ、テーブルの上の菓子類がなくなったのを見て、
 メイドを呼んでおかわり要求。自分はあんまり食べないくせに)

(精神の構造と時間の話を聞き)
君の話は、実に多くの示唆を与えてくれるね。
我々はもともとが不自然な存在だ。君が言ったように、
零か一しかないはずのところに現れた端数なのだからね。
端数なのか虚数なのかは分からないけれども…
我々の精神活動は、おそらくヒトとそう変わりはないよ。
もともとがヒトだったのだから当たり前とも言えるけれども。

しかし、精神的時間の間尺が長いということは、
急激な変化に対する感応を遅らせることでもあるのだね。
気の長い会議がヒトの変化に追いつけなかったことが
招いた戦い、か。我々も、何らかの問題を抱えた場合には
『長老』が集まって開く『長老会』にて意思決定を行うけれども、
急を要する議題がある場合には即断即決が求められたものだ。
勿論、ヒトの時間感覚での「即断」だよ。…特に議題がなくとも、
時折集まって気長に話し込むこともあったけれどもね。(にこ)

(メイドが戻ってくる。季節のお菓子、おかわり登場。
 今度は旬の栗をたっぷり使ったモンブランと、
 ケーキにしきれなかったマロングラッセが盛られた小皿。
 目にも鮮やかな黄色い小山を横目にひと息ついた)

…さて、我々が如何にして『殖える』か、という話だったね。
男女の交わりによって子を成すことができない以上、
我々はヒトを不死者に『転化』させることで
『子』を創ることになる…これは承前のことと思う。
我々が『子』を創る場合、創られる『子』世代は三種あってね。

先ずは、最も創り易く、そして最も殖え易い『屍鬼』だ。
しかし、これは本人の生前の意識も残らず、
『親』の命令と血の渇きにのみ従って動く人形に等しい。
『親』が意図的に力を断つことで、力を喪って滅びるほか、
力の供給源である『親』が滅びれば運命を共にする。
例えば、『狩る者』達の集団を相手にしなくてはならず、
多対少となった場合に、戦局を逆転させる我々の切り札では
ある…けれども、それ以上の何物でもない、とも言えるね。

次に『従者』があるけれども、これは生前の『子』の意識を
持ったままの『転化』になる。意志を持つことは許されているが、
より上位の『親』の意志には逆らえぬように縛られた『子』でね。
『屍鬼』よりは意志があるだけ上位の『子』だけれども、
『従者』も『親』から力を断たれれば滅びを免れない存在だ。
我々が使い勝手の良い同族の衛士や使用人を得ようと思えば、
まずは『従者』化に頼ることが多いねえ。

最後に、最も上位の『血盟の子』…通常は
『血盟』と呼び習わされている『子』世代についてだね。
結論から言えば、これが我々の『繁殖』に相当するものだ。
『血盟』の『子』は完全な自由意志を持ち、『親』に縛られず、
例え『親』が滅びても影響を受けない。その上、
『親』の持っている魔的な能力を継承することがある。

…『血盟』は我々にとって最も慎重を期す親子の盟約で、
これぞという者を見極めて施すものだ。選択を間違えば、
『子』も『親』も諸共に不幸になりかねないからね。
争いの種になることもある…『長老』として、
そうした争いの調停に乗り出すこともよくあったものさ。
(銀のフォークでマロングラッセをひとつ口に運んだ)
   [192] 久しぶりの 2008-11-01(土) 10:37
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
ふぅ。結局たいした収穫は無かったわね。
それでも電子妨害装置の研究が進んだだけでもよしとするべきかしら…
悪いわね、何も言わずに。
突然のことだったし、興味があったから飛んで行ってしまったわ。
(くすりと笑って見せた)


あら、ヒトであった頃の視界なら最近体験したのではなくて?
ほら…レヴィアタン討伐の時に…あの制限状態はほぼヒトの知覚レベルにまで
押し下げられるものだったと記憶しているわ。
それでも純粋なヒトの視覚は得難い物かもしれないわね。
貴方は別に後悔していないのでしょう?ヒトとしての感性の欠如を。

意思決定の迅速さは重要よ。
そのことは我々も認識しているつもりだったけれど、
やはり認識が甘かったようね。
私はその後の共同研究のお陰で、大分「人間」と言うモノに慣れたけれど、
そうでもしなければ到底分かり合える精神構造ではないわね。

(運ばれてきた菓子を早速食べる。どうやら食べることが生きることに繋がらない
家主に対しては、遠慮することよりも食べることが礼儀であると勝手に理解した
ようである。)

…なるほど。『植える』というのは言いえて妙と言う奴ね。
遺伝子的に変化がある訳でもなく、かといってクローンでもない。
まさに挿し木のようなものね。

『屍鬼』というのは自己判断機能付きプログラム、と言ったところかしら。
私が使役する血人形は大体このレベルね…
普通は血人形は自立行動などままならないものよ。
私は人間との共同研究によって彼らの制御技術を少し学んだから
多少高度なことも命令できるのよ。
うちのアイリーン(佳織のこと)は『従者』相当ね。
定期的に私の血を補給しなければ死んでしまうもの。

…話を聞いていると、最も辛いのは『従者』であるように聞こえるわ。
『血盟』は簡単に死ねないから辛いのでしょうけど、
自由意志の範囲と死への制約が
割に合っていないように感じられるわ。
好きなことが出来ない上、中途半端に死に難い。
しかも『血盟』ほどは調停の対象にもならないと来たら不憫で見ていられないわ。
まあ、これは部外者の戯言よ。

そうねぇ、やはり貴方達は血の精神的側面を重視するのね。
魂の一端をどれほど握られるかによって、どの程度の『子』になるかが変わる…
鮮血鬼にも血によって契約する手段はあるけれど、
血で仲間を増やすことは出来ない上、大した拘束力も無いわ。
元々鮮血鬼は【魅了】よりも【錯乱】に長けた種族なのよ。
…まあ仲間なんて元より有って無い様な物だし、別に頓着はしないけれど。
   [200] 長らく間が開きました 2008-12-14(日) 00:29
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
…彼らは早くも、この街に馴染み始めたようだね。(微笑)
今思えば、あの騒動は旧き神々が顕現する予兆だったのかな。
しかし、この街であの旧神達と出会うことになるとはね。
(感慨深そうに顎に手を当て、一息ついた)

あの穴の中での経験は、確かに通常では得られぬものだったよ。
それでも、君の考えている通り、純粋なヒトの感覚とは
かなり異なるものだよ。…ヒトだった頃の感覚が
どのようなものだったか、多少覚束なくはあるのだけれども。
何せ、見た目はヒトだった頃の姿を留めていても、
本質が全く異なる存在になって久しいからねえ。

…そうだね。後悔もしていないし、
我が身を呪わしく思うこともない。
いや、なくなった、と言うべきかな。
(ふと柔らかく微笑んだ)

(人間に対する態度の話を聞きながら)
我々は、生まれつき不死者ではなく、
もともとはヒトであったからこそ、
まだヒトを理解し得る位置に在るのかも知れないね。
ヒトならざる力を身に宿して生まれてくる者と言えば、
私が知る世界では人狼の一族がそれにあたるかな。
ヒトよりも力に優れ、平均して150年ほどの寿命を持つ…
彼らの祖も、本来はヒトの中で強い霊力を持った
シャーマンの一族から分かれたという話だけれども、
今や彼らはヒトと一線を画す別の存在になっているのだよ。

(おかわりの菓子は、ブランデーの利いたシュトーレン。
 気をつけて食べないと粉砂糖がたっぷりこぼれる)

『血盟』は『親』と『子』の合意の上になされるべきものと
『不文律』で決まっているからね。不慣れな者が
うっかり『血盟の子』を創ったことに気付かず、
『親なし子』が生まれてしまうこともあるのだけれども…
『血盟』は相手を選ぶ故に施されることが少ない。
その理由は、『子』が『親』の意志を裏切った場合に
『親殺し』が行われることがあり得るからだよ。
『不文律』では、望まぬ『血盟』を強いられた『子』は
『親殺し』も止む無しということになっているけれどもね。

『従者』に留めておけば『子』が『親』を裏切る事態は
防がれる上に、『血の絆』によって『親』は『子』に
力を与えることもできる。『血盟の子』になると、
『子』は『親』の支配は受けないけれども、それは同時に
『親』の力を借りられないことも意味するのだよ。

やはり、ここでも精神的な繋がりの有無が
問題となってくる。君の推論の通りに、ね。(にこ)
   [201] そろそろ 2008-12-27(土) 19:52
「お互い楽しまなくては損よ」
エルヴィーネ・ブルグスミューラー(cuan5291)
…なるほどね。色々と聞けて楽しかったわ。
そろそろ作戦が始まるかしら?

そういうわけで、お暇させて頂きますわ。
また、機会があればお会いしましょう。
(そう言って立ち去った)
   [202] また、ここで。 2008-12-28(日) 01:32
微笑
ブラックウッド(cyef3714)
件の作戦のことは、私も聞いているよ。
君も参加するのだったね。健闘を祈るよ。
祈る神を持たぬ私の祈りが、どれほどの力を
持つものかは分からないけれどもね。(微笑)

誰ひとり「囚われる」ことなく、
朗報がもたらされることを期待しよう。
そして、既に「囚われた」者たちの軛が
打ち砕かれることを願おう。

…送って差し上げなさい。
(使用人を呼び、外まで送るよう言いつけた)
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