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<ノベル>
朱鷺丸は、借家のあまりの暑さに耐えかねて外へと繰り出していた。「くーらー」なるものが効いている涼しい場所には行きたいが、こうも暑い日が続くと手持ちも不安になる。それにあんまり長居しては店員の目も気になるので、自然の涼を頼らざるを得ない。
どこが一番涼しいかと僅かの風を頼りに足を向けた先は、星砂海岸。波の音も心地好く過ごしやすそうだと破顔して砂浜に下り、岩陰に腰を下ろしてぼんやりと海を眺めていた。
こうして穏やかに、ただ海を眺めていられる時間というのはどれだけ得難い僥倖だろう。
勿論、銀幕市だってただ平和なだけの場所でないことは分かっている。今まで彼が携わってきたことには耐え難い苦痛も悲しみも伴っていたし、この町の存亡さえ賭けた戦いもあった。けれどそれらをどうにか乗り越え、取り戻した平穏には尚更の価値があるはずだ。
(例えどれだけ甘いと言われようと……、こんな風に、世界が穏やかになればいい)
日常の、ささやかな問題は生きていく上で幾つも発生するだろう。分かり合えないと嘆いたり、些細な行き違いで憤ったり、突き刺さった言葉の棘が抜けなかったり。そんな哀しい想いが絶えることはないだろうが、そこに暴力が伴わなければいいと切実に願う。
平和の世に武士は必要なくなるが、今の彼はここでの生活を十分に楽しんで生きている。通りすがりにこんにちはと笑いかけられたり、遠く姿を見つけて笑顔で手を振ってくれたり、腰に提げた銀雷を抜く機会が少ないほど笑顔の比率も増えている気がする。
かといって銀雷を手離す気にはなれないが、それは彼にとっての「守る意思」だからとも言える。例えば彼に何の含みもなく無邪気に笑いかけてくれる笑顔、知り合いであれ初対面であれ彼らのその笑顔を守る為にこそ戦ってきたし、これからだってそうあるだろう。
真面目にそんなことをつらつらと考え、朱鷺丸が思わず面映く身動ぎした時。
「今光ったか、何かちょっと光った気がしないかっ!?」
唐突な叫び声が耳を打ち、顔を巡らせると少し離れた場所で砂に顔を埋めるようにしている誰かを見つけた。
鮮やかなスカイブルーの髪は人目を引くが、とりあえず見た目三十代の野郎様が砂浜に這い蹲っている姿というのは、精神衛生上、甚だよろしくない。思わず目を逸らした朱鷺丸を責められる者は、誰もいないだろう。
とはいえ困っている人間を見捨てるのは、武士の名折れだ。あれが趣味だというのなら即座に踵を返して記憶の中からも綺麗に抹消するが、何かを落として探しているのだとすれば手伝うことは吝かではない。
だからと勇気を振り絞ってもう一度視線を戻すと、さっきは気づかなかった深紅の髪の青年が、スカイブルーの髪の男性の側にいた。
「うっせぇな、ちらっとも光ってねぇよ。喚いてないで真剣に探せ、この馬鹿兄貴」
「っ、長庚(ゆうずつ)! 前から思っていたんだが、お前は兄ちゃんに対する愛が、」
「弟を相手に大人気なくむきになっている暇に早く探せ、真昼」
俺はそろそろ暑い上に暑苦しくて暴れそうだと淡々とした声で、抗議しかけた男性の後頭部を踏みつけて吐き捨てているのは濃紺の髪の男性。ちらとも表情を変えないで真昼と呼んだ男性を踏みつけたままでいるのだが、あれはそろそろ踏みつけられている側の窒息を指摘すべきではなかろうか。
「まぁ、別に馬鹿兄貴がどうなろうといいんだけどな。そろそろそれ、やべぇんじゃねえの、暁闇(あかときやみ)」
長庚と呼ばれた青年があまり気乗りしなさそうに突っ込んだそれに、暁闇と呼ばれた男性は僅かに赤みを帯びた黒い瞳を動かしたが。
「気にするな、窒息死するのは俺じゃない」
「窒息以前に火傷するわ、この愚弟どもーっ!!」
お兄ちゃんを足蹴にするなと勢いをつけて起き上がった真昼と呼ばれた男性に、弟らしい二人はちっと舌打ちを揃えている。
朱鷺丸はどこか遠くそれを眺めた後、見なかったことにしてもいいだろうかと呟きながら視線を逸らした。
(別に困っている相手の男女の別は問わないが、良識の有無は問いたい気がする……っ)
せめて。せめてもっと真摯に困っていてくれないものだろうか。手伝いましょうかと声をかけられるほど、相手にも隙があってほしい。
(いや、色んな意味で隙だらけと言えばそうなんだが。声をかけ難い隙はいらないだろう)
寧ろ目が合ったら負けだ。と固く信じたくなるような掛け合いなど、生温く見守る分にはいいが関わり合いにはなりたくない。
「うわー、何あれ、すげぇうぜぇ。真夏に何つー迷惑行為」
そう思わなくね? といきなり話を振ってきたのは、涼しげな色をした「あいすきゃんでー」らしきものをくわえた十代後半らしい少年。ピュアスノーのバッキーが鞄からちらりと朱鷺丸を一瞥し、まるで挨拶をするように重々しく頷いた。
思わずどうもと反射で頭を下げている朱鷺丸を気にした風もない飼い主は、先ほど彼が目を逸らした三人を興味深そうに眺めている。
「つーかマジうざいんだけど。ああいうのって、冬にやれっつー法律作ればいいのに。そう思わんっすか?」
とりあえず朱鷺丸がそこにいることは認識しているらしく尋ねるように語尾は上げられるが、答えは求められていない気はする。
いや、答えなど求められてもものすごく返答には困るのだが。
(同意以外に言葉が見つからない……)
ちょっと目を離している隙に、過激な兄弟の力任せのじゃれ合いは真昼の圧倒的敗退で終わっていたらしい。それで終わっていればまだましだったのだが、そこから起き上がった真昼が二人の弟に対して泣きながら抗議という、むさ苦しいのを通り越して薄ら寒くなるような状況に展開している。
「何つーか、あれはムービーハザード認識でいいってことすかね? やっていーんかな」
いいに違いないと何故か持っている扇風機をぐっと握り締めている少年を、止めはしておくべきだろう。
うっかり加担したくなる前にと声をかけた朱鷺丸に教えるように、彼が前方を指差した。少し離れたところで未だにぎゃーぎゃーと騒いでいた三人に、近寄っていく人影があった。
夏休みの宿題も早々と終わらせてしまった成瀬沙紀は、何をしようかと考えながらお散歩していたところで星砂海岸にいるムービースターが困っているという話を聞きつけた。
(困っている人は助けてあげなさいって、パパもママも言ってたわ。それに、これはチャンスかもしれない)
せっかく銀幕市という特別な場所にいるのだ、ムービースターと親しくなりたいという密かな願望が沙紀にはあった。困っている人を助けてあげられて、且つムービースターともお近づきになれるならこんなチャンスを逃す手はない。
「それに、願いの砂ってどんな風に願いを叶えてくれるのかしら」
願いに反応して、きらきら輝くという砂自体にも興味がある。それを見つけられたら、どんなに素敵だろう。
考えるだけでわくわくしながら、沙紀は急いで家に戻った。お散歩ではなく探し物をするなら、色々準備をしなくてはいけない。
「忘れちゃいけないのは、自由研究で使った虫眼鏡でしょう。それから水分補給は忘れちゃ駄目よってママが言ってたから、……うん、この水筒にしようっと」
それからお出かけの際には欠かせない、さっきも被っていたお気に入りの麦藁帽子。さあ、これで後は探しにいくだけだ。
準備万端で家を出た沙紀は星砂海岸に向かいながら、落とし主のことを考える。
「神様なのに、落し物をしたのよね?」
よっぽどお爺ちゃんなのかしらと呟きながら、その神様の姿を想像する。
神様と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、絵本の類に出てくるつるっぱげなのに髭だけ伸びている瓢箪みたいな頭のお爺ちゃんだ。そんな風なお爺ちゃんなら、落し物をしても仕方がないのかもしれない。
田舎のお祖父ちゃんやお祖母ちゃんのことも、大好きだった。だから、あんまり会えないお祖父ちゃんたちの代わりに色々お話を聞かせてくれるなら、友達にはなってあげてもいい。
「縁側で日向ぼっこ、お茶にお煎餅。……マジカルヒロインの姿からは程遠いけど……」
お年寄り孝行も、大事な役目の内だろう。多分そう。きっとそう。
香玖耶・アリシエートは七瀬灯里から話を聞いて、即座に星砂海岸に向かった。依頼をこなしついでに願いも叶えてもらえるなんて、おいしい話だ。
「少しだけ、って辺りが引っ掛かるわね」
割のいい仕事を頼んで、ただ仕事だけが大量に舞い込んできたらどうしよう。しかもこう、体力勝負で頭数のいる仕事が複数だったりしたら、泣く泣く断らなければならない羽目にもなるのでは?
獲らぬ狸の何とやら。けれど本人は至って真面目に、でも内容次第では幾つか掛け持ちだってできるんじゃないかしら等々を真剣に考え込んでいる。
しばらくして三日間ほぼ貫徹くらいの勢いで銀幕市中を駆けずり回る悪夢のようなシミュレーションが一通り終わった頃、何だか想像だけでぐったりした香玖耶は辿り着いた先で海岸を見下ろし、何となく言葉を失った。
「……あそこで思いきり元気よく誰かを巻き込んで駆けずり回っていらっしゃるのは……」
どことなく遠い目で追いかける姿は、相変わらず兎リュックを背負って釘バットを振り回しながら海岸を縦横無尽に走り回っている。兎耳はどんな速度で走っても脱げることなく、楽しそうねーと微笑ましく呟きたくなるとかならないとか。
「玄兎さん、よね。どう見ても間違いようがなく」
以前の依頼で一緒になったことがあり、その時も彼の印象としては兎。釘バット。走り回るの三点セットだったが。今日も元気に力一杯、スカイブルーの鮮やかな髪をした男性を追い回している。
そろそろやめてやったらどうかと控えめな声が、少し離れた場所からかけられる。腰に刀らしきものを佩いてはいるが、それ以外は穏やかでいい人そうなお兄さんだ。思わず同意してうんうんと頷いてしまうが、玄兎は気にした風もない。
「だいじょーぶだいじょーぶ、オレちゃんもちゃんと考えてるしー? こうやって走り回ってたら、願いの砂も隠れてられないって出てくるじゃーん?」
「いや、……うん? さっき受けた説明とは大分違うようだが」
そうだったかと困ったように返す太刀の人に、そーに決まってるオレちゃんが今決めたー! と素晴らしく無根拠に自信たっぷり言い切る玄兎が潔い。もはや何から突っ込めばいいのかと困っているらしいその人の側では、けらけらと笑い転げている少年がいる。
「すげぇ、さすが玄兎様! ぶらぼー、ボク好きっすよその発想!」
止める気はまったくなく寧ろ嗾けるような少年の側では、濃紺の髪の青年がかなり他人事といった様子で逃げ回っている男性を眺めている。
「真昼、せっかく名乗り出てくれた協力者の機嫌は損ねないように留意しつつ、願いの砂は探すようにな」
「って、お前らには兄ちゃんを助けようってな兄弟愛はないのか!」
「馬鹿兄貴に関しては一切ねぇ」
「黄昏のみに適応する愛なら溢れんばかりに持ち合わせるが?」
深紅の髪の青年がきっぱり断言し、何か問題でもあるのかとばかりに濃紺の髪の青年が続ける。真昼と呼ばれた男性は大仰にぐらりとよろめき、すぐ側で振り回された釘バットを辛うじてのところで避けている。
「何てひどい弟たちだ……、黄昏ーっ、兄ちゃんが愛してるのはお前だけだぞーっ!!」
「その愛してる黄昏から貰った物を失くしたのは、他でもない馬鹿兄貴だけどな」
だからお前に預けるのやだったんだよと吐き捨てた深紅の髪の青年の言葉で、どうやらあの派手な髪色をしているのが今回の依頼人らしいと見当はつけたのだが。
「……あれが神様なの?」
ぽつりと呟いたのは、うっかり洩れた香玖耶の本音ではなく少し下から聞こえた。ふと視線を下ろすと麦藁帽子を上げて呆れたように海岸の様子を眺めている、小さな女の子がいた。
「こんにちは。あなたも、願いの砂を探しにきたの?」
「こんにちは、お姉さん。そのつもりで来たんだけど……、」
ちょっと考えたいわと大人びた仕種で肩を竦めた少女に、確かにねと少し笑う。と、彼女も嬉しそうににっこりして、少しきつい印象を和らげた。
「私は香玖耶・アリシエートよ。正直なところ彼らだけじゃ頼りないから、一緒に探してあげない?」
「成瀬沙紀です。お姉さんが一緒なら、心強いわ」
頼りない神様を助けてあげましょうと差し出された手に、頑張りましょうと頷いて強く握った。
柏木ミイラは相変わらず依頼人の一人──ここは一柱と呼ぶべきか?──である真昼を追いかけ回しつつ、願いの砂ーと呼びかけている玄兎を楽しく眺めていた。
願いの砂を探してほしいの依頼を、別に蔑ろにする気はない。単に海でも眺めるかと思って足を向けただけだが、こうして面白い事態に遭遇できたのだからその感謝も込めて砂探しくらいしてもいい。
「でもボク、無欲なんだよねー」
特に願い事なんてないしと肩を竦めると、台無しなこと言わないの! と、すかさず突っ込みが入る。先ほど沙紀と一緒に海岸に下りてきた香玖耶で、彼女はさっきから長兄をあっさり見捨てた弟たちに話を聞いている。
「それで、あなたたちは願いの砂に何て願ったの? 聞いてもらえない願いの傾向が分かるかもしれないし、差し支えがなかったら教えてほしいんだけど」
「そんなの決まってる、黄昏がさっさとアラゴルを見捨てますようにだ!」
「俺たちの可愛い黄昏が、馬鹿に構うのをやめますようにとか」
「黄昏が兄ちゃんたちの元に戻ってきてくれるのが一番の願いに決まっているーっ!!」
玄兎から逃げ回るのに必死なように見えて話を聞いていたらしい真昼までが答えると、香玖耶が呆れたような顔をする。ミイラは小さく肩を竦めて、その発想が分からんと切り捨てる。
「家族が増えるのはいいことじゃん? そのお姉さんの幸せとか、考えてやったらー?」
「そうだな、愛し合う二人を引き裂くのは野暮というものだろう。想いを交わしているのなら尚更、……家の都合などで引き裂くものではないぞ」
彼より先に海岸にいた朱鷺丸と名乗った太刀の人が眉根を寄せて諌めたそれに、いやいやと弟神様の片割れ──紅いほう──が突っ込んだ。
「家の都合って、俺ら神様だぞ、一応。家とか関係あるか」
「そうだとも。単なる俺たちの都合だけだ」
きっぱりと、いっそ清々しく言い放つ二人に話になんねと小さく舌を出す。ただ、好きな人を奪われたくないという気持ちは分からないではない。
(奪う側は勝手だ、いつだって。──奪われる者の都合なんか、お構いなしだかんな)
理不尽だ。相手が災害であれ、悪意の行動であれ、恋人であれ。事態はいつも、自分を置いた知らないところで展開する。そうして残される側は、その結果を突きつけられるだけ。
「なぁなぁ、あんた何やってんの? なぁなぁ、オレちゃんにも教えろよぉ」
面白いー楽しいー? と不思議そうに楽しそうに語尾を伸ばしている玄兎の声に気づいて、ミイラは知らず伏せていた目を開けた。顔を巡らせると彼らの側で、しゃがみ込んで何かしているらしい沙紀を上から覗き込んで絡んでいる玄兎を見つける。どうやら真昼を追いかけ回すのは飽きたらしい。
沙紀は、なぁなぁなぁとしつこく尋ねる玄兎を邪険に扱うでもなく、砂が見分けられないかと思ってと虫眼鏡で熱心に砂を眺めている。おおおおお、とゴーグルの下で目を輝かした玄兎は、オレもやるー! と宣言して砂を両手で掬い上げ、ざはざはとそのまま落とし始めた。虫眼鏡で探すのとは随分やり方は違うが、あれは玄兎なりに砂を見極めようとしているらしい。
「途中までは、彼も間違ってはいないんだがなぁ」
結果がなぁと苦笑めいて呟いた朱鷺丸に、よかったらーと鞄からごそごそと虫眼鏡を取り出した。
「朱鷺丸様も探したいなら使っていっすよー」
「ああ、忝い。後から来た彼女が準備してきたのは分かるが、用意がいいな」
「用意がいいつかー、それボクの武器だし」
にっこり笑って答えると、朱鷺丸が不思議そうな顔をする。日用品を武器に使うのが得意なミイラにとっては鞄に入っている物は、須らく武器だ。ただ別にどれも全てに改造を施しているわけではないので、渡したそれはただの虫眼鏡だ。多分。
とりあえず朱鷺丸はありがとうと礼を述べて、仲間に入れてもらってもいいだろうかと律儀に沙紀に声をかけている。
「ふむ、なかなかに難しいものだな」
「本当に。何か目印があればいいのに」
「そうだな、願いを叶える時に輝くというのなら、最初から少しは光を帯びているとは考えられないだろうか」
「光る砂なんてー、今この辺全部そうじゃーん!」
ほらなー! と語尾を上げながら勢いよく砂を巻き上げた玄兎は、アヒャヒャヒャと笑って何度も繰り返す。空気中に舞い上げられた砂は、太陽の光を受けてきらきらと輝いているのだが、それに見惚れる暇なんかはっきり言ってない。
「ぶぺっ。ひ、ひでっ、玄兎様、口ん中じゃりじゃりじゃん!!」
「玄兎さん! 自分が砂浜に転がるならまだしも、他人様にご迷惑をおかけしないっ!」
目が痛いとこちらも被害甚大だったらしい香玖耶が叱りつけると、ぴたりと動きを止めた玄兎は彼女をじいと見上げた。それから首を傾げるようにして、ごめんちゃいと多分に彼の中では最大級に詫びた。なまじそれが分かるものだから続ける言葉に困ったのだろう、分かってくださればいいんですと香玖耶が頷くと玄兎は、にいと嬉しそうに笑った。
「それじゃオレちゃん転がっとくー!!」
「って、別に転がり推奨してませんけどーっ!?」
服が砂塗れにーっと我がことのように悲鳴を上げて香玖耶が構うものだから、玄兎は余計に悪乗りして楽しんでいるらしい。微笑ましくはあるのだが、口の中が思いっきりじゃりじゃりする気がしてミイラは大きく舌を出した。
「あうあいういんあああうああいえ」
「舌を出したまま喋るから、ちっとも通じないが。言いたいことが分かる気はするくらい、俺も砂塗れだ」
楽しいが少し迷惑だなと服の砂を払った朱鷺丸は、大量に砂を被ったまま虫眼鏡を持った手をふるふるさせている沙紀の頭を軽く撫でるようにして砂を払ってやっている。
「やれやれ、とんだ災難だな。せっかくの可愛い服が勿体無い」
「っ、ありがとう。でも、もういいわっ、開き直ることにするっ。ここまで砂塗れになったんですものっ、意地でも願いの砂を見つけてこの髪の砂を何とかしてもらうのっ」
シャワーくらい要求したい気分よと憤然と顔を赤らめる沙紀は、けれど言葉のまま憤っているというよりもどこか楽しんでいる風もあった。服が汚れた程度で泣き喚く子供よりは好感が持てるとミイラも少し笑い、目の上に手をかざして砂浜を見渡す。
「今の願いには、無反応ーって感じだなぁ」
「そのようだ。だが、こうも明るいと、どんな輝きを放つか分からんが見落とさないか? 夕暮れを待ったほうが確実に見つけられるようにも思うが」
どうだろうと朱鷺丸が問いかけるのは、玄兎が砂を巻き上げる気配を見せた時には遠く離れて避難していた弟神様たち。協力者を見捨てやがったと軽く目を眇めたが、巻き込まれなかったはずなのに一番砂塗れの長兄を見ると抗議もし難い。
「つーか、何で長兄様がそんな汚れてんすか。何やってんすか」
「何って、勿論願いの砂探しに決まっているっ。このままでは黄昏に合わせる顔が……!」
兄ちゃんは黄昏に会いたいぞーっと相変わらず自分の姿を省みない真昼が年甲斐もなく号泣する様に、弟たちが遠慮も容赦もなく蹴りで突っ込んでいる。そうして兄を踏みつけたまま、青いほうが朱鷺丸に向き直った。
「夕方になったほうが、願いの砂の輝きを見つけやすいというのは確かだろう。だが、夕刻はまずい。黄昏に発覚する。それだけは何があっても避けてほしい」
「まぁ、既に黄昏は知ってる気もするんだけどな。何せ、アラゴルの野郎は性格悪いから」
何であんなのがいいんだとぶつぶつ愚痴り始める紅いほうに、青いほうも深く同意して頷いている。
「どうせ判明しているなら、黄昏さんに助力を求めたらどうかしら?」
素直に謝ることもできるじゃないと声をかけながら戻ってくる香玖耶は、まったく歩く気のない玄兎の兎リュックを押しながら連れ戻してきたらしい。
「あ。玄兎様、捕まったんすねー」
「アヒャヒャヒャ、カグちょん、女王様だっしー? すっげぇのー!!」
「か、かぐちょん!? それって私のことなんですかっ!?」
ものすごく不本意ですよと全身で抗議する香玖耶に、女王様は許容範囲なのか……と、ぼそりと朱鷺丸が呟いているが聞こえていないようだ。
沙紀は賑やかな大人たちのやり取りを眺めて肩を竦めると、お姉さんの提案は聞き入れられないの? と弟神様たちに尋ねている。
「なしだな、凄まじく有り得ない。却下。不許可!」
「黄昏が知っていようといまいと関係ない、それだけは無理だ。絶対にしない」
何があってもだと声を揃える弟たちに、どうしてと沙紀が不審そうに聞き返すと。
「それが兄ちゃんたちの威厳で面子で沽券だからだっ!!」
どきっぱり言い放ったのは、ようやく砂から顔を上げて立ち上がってきた真昼。今まで長兄を心から馬鹿にしていたらしい弟たちまでが、それにはものすごく深く頷いて同意しているのを、思わず遠い目で眺める。
「──うわぁ、どーしよー、すんげぇ馬鹿がいるー。タスケテー」
思いっきり棒読みで誰にともなく助けを求めたミイラの言葉は、幸か不幸か協力者全員の同意は得られそうだった。
「まぁ、とりあえず一度は引き受けた依頼だ。願いの砂を探すことは吝かではないが、思い思いに願いを口にすると見落としかねないな」
少しは頭数があるのだから協力しないかと朱鷺丸が問いかけると、沙紀が賛成と頷きながら虫眼鏡を片付けている。
「何事もチャレンジだと思って、頑張ってはみたけど全然駄目。まったく見分けなんかつかないもの」
願い事をして輝くのを待つほうが賢そうよとしみじみと告げる沙紀に、それじゃ沙紀様はー? とミイラがすっかり食べ尽くした「あいすきゃんでー」の棒を咥えたまま揺らした。
「沙紀様の願い事って何さ?」
「わっ、私は……いいのっ、後でいいのっ。私よりお兄さんのほうが先にいたんだから、お願い事をする権利はそっちからあると思うのよねっ」
「ふーん? そう言われるとそうなんか? でもその理屈だと朱鷺丸様からじゃん?」
「いや、俺も後でいい。よければ……、」
確か後二人いたがと思って視線を巡らせると、朱鷺丸が借りた虫眼鏡をいつの間にか手にして砂浜に寝転がっている玄兎は、今は自力での砂探しがお気に召しているらしい。
残る香玖耶もお先にどうぞと勧めると、ミイラはあまり気乗りしていなさそうに空を眺めた。
「まじ切実に欲しいものっつったらやっぱ金でしょ。遊んで暮らせるだけの金とか降ってきたらぶらぼー!」
言いながら腕を突き上げはしているが、勢いに欠ける。と、ミイラはその体勢のままにやりと笑って、頭の後ろで腕を組んだ。
「ちゅーてもまぁ、そんなしょっぱい願いなんて砂も叶えたくないだろうしー。あ、これ当ててくれたんでいーけど」
どうやら「当たりつきあいす」だったらしいそれを揺らすのが、ミイラの願いなのだろう。砂が光りはしないかと目を凝らすが、どうやら見ている全員発見できなかったらしい。
「うーん、駄目みたいね。他には何かないの?」
「や、だからボク無欲なんで」
「灯里さんが言ってたみたいに、浴槽プリンでもいいのよ?」
「いやいや、それヤクルトジョッキの野望には叶わんでしょ!」
寧ろそっちのほうが希望と今まで以上に握り拳を作ったミイラの言葉でも、砂が光る様子はなかった。食べ物は無理なのかもしれんなと些かがっかり呟くと、お兄さんは? と沙紀が見上げてきた。
「ひょっとして、プリンが食べたかったんじゃない?」
「プリンというよりは、まぁ、甘い物が食べられたらなと」
普段は食費的制限があるからなと苦笑すると、香玖耶が分かりますと身を乗り出してきた。
「せっかくの機会です、食べたい物を思いっきり食べたいですよねっ」
「ああ、けーきたわー、などいいと思わないか? 叶えば皆で分け合えるしな」
「いいですねーっ。朱鷺丸さんはどんなケーキがお好きなんですか!?」
「ふるーつたると、などは美味いな。甘みの少ないかすたーどくりーむに、旬の果物をふんだんに乗せてあると尚いい」
「私はティラミスが好き!」
はいはいと沙紀も何故か挙手をして発言し、香玖耶も同じく手を上げてガトーショコラは外さないでと主張する。
「オレちゃん、アイスがいーってのー」
「確かアイスケーキってあったですよ、姉ちゃんが一回買ってきてたし」
「それらがこう、段々に詰まれたけーきたわーの山ほど大きな物を願えば、皆に行き渡る程度の大きさにはなると思うんだが」
ちゃっかり聞いていたらしく主張した玄兎の意見も取り入れて思わずケーキタワーで盛り上がってしまったが、はたと我に返ったところ誰も砂の様子を見ていなかった気がする。しまったと顔を巡らせると、少し離れた場所でこちらを眺めている長庚と目が合い、残念でしたと肩を竦められた。
「せっかくここまで盛り上がって、お預けなんて……」
「はは、仕方ない。やはり食べ物では反応してくれないようだな」
次の願いはどちらが? と促すと、沙紀が後でいいと頭を振るので香玖耶がそれじゃあ私がと意気込んだ。
「割のいい仕事が欲しい、美味しい物……は駄目っぽいから素敵な洋服が欲しい! タイムセールで気合負けしないだけの根性が欲しいーっ!!」
何故だろう、香玖耶の後ろにざっぱーんと波飛沫を上げる崖が見えたような気がするのは。浜辺だが。海岸だが。ロケーションエリアでも展開したのかと、一瞬錯覚した。
いやいやある意味すげぇ根性入ってたすよ今とミイラが突っ込んでいるが、きょろきょろと砂が輝かないかを確認している香玖耶は幸いにして聞いていなかったようだ。
残念ながら、と今度は暁闇が口を挟んできたそれで、香玖耶はむきになったらしい。明日天気になりますように、世界が平和になりますように、タイムセールの目玉商品が買えますように等々、規模が大きいんだか小さいんだか分からない、願い事ともつかないそれらを次々と並べていく。
朱鷺丸は少し笑ってしばらく見守っていたが、まだ口を噤んでいる沙紀に視線を変えた。
「それで、願い事は決まったか?」
「……決まってはいるの。決まっては……、いるんだけど」
今まではきはきと喋っていた彼女にしては珍しく口篭り、僅かに頬を赤らめている。けれど一つ息を吸うと、いいわと覚悟を決めたようだった。
「お兄さんたちの願いは聞かせてもらったんだもの、私も言わなくちゃフェアじゃないわ。私ね、……友達が欲しい。ムービースターなら尚更嬉しいけど、そうじゃなくてもできるだけ沢山の。──子供っぽい?」
いいのよ別に笑ってとちょっと拗ねたみたいに早口で続けた沙紀に、朱鷺丸はまさかと頭を振って目線を合わせた。
「だけどそれは、願いの砂でなくとも叶えられそうだ。俺では友になれないか?」
「っ、……いいの!?」
「あら、私たちは仲間外れ? 私も友達の中に入れてほしいわ、沙紀さん」
「ボクはムービースターじゃないけど。毛色の違うトモダチもいいもんじゃね?」
へらへらと笑いながらミイラが続けたそれで、沙紀はひどく嬉しそうに笑顔を広げた。あんまり嬉しそうなこちにこちらまで喜んでいると、人としては正しい姿なんだがと長庚がぼそりと呟いたのが聞こえる。
「自分たちで叶えてしまっては、願いの砂の出番がない」
「光りようねぇよなぁ。……もうそろそろ日も傾き出す。俺たちの時間だ」
そっと切なく長庚が溢した溜め息が、夕暮れを告げる風に変わった。
玄兎は虫眼鏡で砂を覗きながら、ひどく楽しくてうずうずしていた。
銀幕市は、彼の理想の場所だ。誰もが彼を彼として認識し、構ってくれる。玄兎、と呼ばれる名前にどれだけ棘が混じっていようと、それが自分を指すのだと思うと嬉しくて仕方がない。
この時間が、永遠に続くとは思っていない。夢は、やがて終わるものだ。彼はまた、自分がいるべきあの空間に戻るのだろう。けれどだからこそ、今この時間がとても愛しかった。
それをはっきりとした認識として持ち合わせるかどうかなんて、問題ではない。ただ、この場所が好きで。楽しくて。皆がずっと続けばいいと思うほど、より楽しくなりたいと強く願うだけ。
『そう、それがあなたのネガイ?』
小さく小さく、誰かに尋ねられた気がして玄兎は身体を起こした。それから今の問いかけにちょっと考え込み、胡坐をかいて座りながらうーんと首を倒す。
「楽しいのが一番じゃーん。皆でわー! って騒いだら、ちょーわくわくだしー?」
だから鬼ごっこがいいと、玄兎は思わず拳を握り締めた。
「二十四時間耐久鬼ごっこ!! 勿論、鬼は俺様!!」
決定と強く言い切ると、何だか首筋がちりちりし始めた。依頼人たちのほうに気を取られていた全員がはっとした様子で振り返ってくると、肩! と朱鷺丸が彼の左肩を指した。
ちらりと視線をやると、彼のパーカーの中から何か小さな光った物がふわふわと浮き上がっている。
「願いの砂、そんなところにあったの!?」
「いやそれよりも玄兎様の願いが叶うってことはー……、まさか二十四時間耐久鬼ごっこ、が……?」
「一日中鬼ごっこなんて無理ーっ!!」
絶対無理とその場にいる全員が多かれ少なかれ頭を振っているが、きらきらと輝く砂は傾いて赤くなり始めた空間の中で唯一の星みたいに瞬いている。
知らず、わくわくと期待が胸に満ちる。その小さな輝きはそれでも確かに強く、くるくると玄兎の周りを回った後に時間帯の名前がついた神様たちのところに向かった。大事そうにそれを受け止めたのは長兄たる真昼で、ほうほうと何度か頷いた。
「成る程、砂が気に入りそうな『純粋』だ」
「見つけてくれた礼は、しなくてはな。それが今回の『契約』だ」
「それじゃあまあ、お膳立てはしてやろう。二十四時間は無理でも願いは叶える。それが俺たちの『意義』」
これなら俺一人でもよさそうだと笑ったのは、深紅の髪の長庚。ぱんと音を立てて手を打ち鳴らし、口の中で何事かを呟くと砂の行く手を追っていた四人から一つずつ、ふわりと何かが浮いた。
「やだ、いつの間に鞭を!」
「待て、財布は困るっ」
「私の水筒!」
「……ラジオ、お前何やってんの……」
持ち(飼い)主がそれぞれ呟いた時には、真っ白のバッキーを含むそれぞれが長庚の手に渡っていた。
「大丈夫だ、ちょっぴり借り受けるだけで危害は加えない」
「返してほしくば、そこの兎耳から見事逃げ切るがいい。ふははははは!」
「……馬鹿兄貴、今度は何の映画を見たんだ……」
どこの安い悪役だと額に手を当てて嘆いた長庚は、返してくれと朱鷺丸が伸ばした手を避けるようにふわりと宙に浮いた。そうしてちらりと空の様子を窺うと、ぱちんと指を鳴らした。
「さあ、頑張って鬼ごっこをしてくれ! それが今回、俺たちが叶える『願い』だからな!」
「ちょっと待って、玄兎さんから逃げ切れなかったらそれらはどうなるの!?」
「バッキーはひどいと思うの、お兄さんに返してあげるべきだわ!」
「ラジオもちょっとは抵抗とかしろよお前情けねぇつかまじ何やってんの」
助けてやんねぇぞてめと目を据わらせているミイラに、長庚の掌にちょこんと座った真っ白のバッキーが唸るように息を吐いている。
それを面白そうに眺めながら、暁闇が小さく肩を竦めた。
「別に、逃げ切れなくても問題はない。何れは返す。願いを叶える為に、しばし預かるだけだ」
「それに、兎耳は随分やる気みたいだぞ。時間制限は特にしない、飽きるまで楽しんで来い」
始めと楽しんだ様子の真昼が手を鳴らしたのを聞いて、玄兎は堪えきれずに大きく跳ねた。
「たのしーい、サイコー!! 誰かが逃げ切るまでずーっと鬼ごっこ続けるしー、嫌なら本気で逃げたほうがいいぜぇ!!」
オレちゃんチョーやる気ー! と雄叫びを上げると、殺る気じゃないすよね!? と聞き返しつつミイラが真っ先に逃げ出した。香玖耶は朱鷺丸と視線を交わすと頷き合い、ミイラとは別方向に駆け出す。朱鷺丸は落ちないようになと声をかけて沙紀を抱き上げ、二人とも違う方向に駆け出す。
鬼ごっこ開始ーっ!! と両腕を突き上げた玄兎は、最初に逃げ出したミイラから追いかけ出した。奇声じみた笑い声を上げながら追いかけ回すと、怖いってー! と突っ込みながらも全員どこか楽しそうだ。
やっほう! オレちゃんもチョー楽しい!
「人間ってのは、たまに面白い生き物だよな」
宙に浮かんだ状態で胡坐をかき、走り回っている五人を眺めながら長庚が口許を緩めた。暁闇も何度か頷き、真昼の手から渡されたまだきらきらと輝く願いの砂を眺める。
伝わってくるのは、彼らを助けようとしてくれた五人の気持ち。好奇心だったり我欲だったりが混じっても、優しく響くのは純粋な善意。
「叶えてほしくない願いまで、暴き出すが」
変にテンションが上がってきたのだろう、半ば笑いながら逃げ回っている内の二人を思う。
会いたい、と、強く望む人がいる。もう絶対に会えないと分かっているからこそ、会いたいと思う。けれど本当に会うことは恐れ、口にすることを厭い、自分の内にあるのに見なかった振りをする。それでも彼らの根底に根差している、とびきり強く深い想い。
「叶えることは容易い」
「ああ。夢でもいいと願うのなら、尚更」
「だが、それは叶えまい。我ら兄弟の名に懸けて、例え夢でも」
相反する想いなら、強いのは否定、だ。望み、打ち消す。打ち消したことを悔い、再び願い、また打ち消す。
それらの葛藤は、誰かの口出しを望まない、許さない。中途半端に叶えることは容易いから、彼らが気に入らない人間だったなら手を貸しただろうけれど。
「望めないのなら、望めないまま」
「望めるようになることを祈って、そのままにしておいてやろう」
「だから今は、望める物だけ叶えよう」
彼ら兄弟が強く強く願う、大切な物を見つけてくれた皆に。彼らの大事な者が、触れてきなさいと告げたまま教えてくれた純粋な想いに。
感謝して、祝福して、持てる力を揮おう。この不思議な空間で出会うことのできた、偶然と奇跡に。
「黄昏。俺の片割れ。深更の兄貴が司る時間までは、俺たちの時間。お前を取り戻してくれたあいつらに、お前の祝福を」
暁闇の手にある砂に手を伸ばしながら長庚が優しく声をかけると、砂はふわりと彼の手に渡ってきてその輝きを強くした。そのままぱあっと空一面に光を撒き散らし、静かに降る光の粉に下で駆け回っていたら全員が彼らを見上げていた。
どうやら玄兎に捕まったらしい沙紀は、大きく息をしながら口に手を当てて呼びかけてくる。
「願いの砂、見つかってよかったわね。もう絶対無くしちゃ駄目よ? 大事な物は、肌身離さず持っていなさいってパパも言ってたわ!」
しっかり持ってなさいねと言いつけ、まるで自分の宝物が見つかったみたいに喜んで笑ってくれるのがくすぐったい。
砂の祝福が降り続ける中、兄弟は目を交わしてそれぞれ照れ臭そうな顔を隠したげにしながら、ありがとうと聞こえるように囁いた。
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クリエイターコメント | 今回は短めに纏められる……はず……だったんですが……。また、そこそこ長くなってしまいました。その分、少しでも楽しんで頂ける話になっていたらよいのですが。
最初のプレイングを拝見した時は、思いっきりシリアスに走れるかなとも思ったのですが。総合的に見てほんわかとした空気が強かったので、シリアスな願い事はちょっと形を潜めてしまいました。 個人的にはどれも叶えたい素敵な願い事ばかりでした、聞かせてくださってありがとうございました。 無事に砂を見つけることが出来たのも皆様のおかげです、空兄弟に代わって御礼申し上げます。鬼ごっこが終わったら、物質(生き物含む)はお返ししていますのでご安心くださいね(笑)。
それでは、ご参加くださいまして誠にありがとうございました。 |
公開日時 | 2008-08-28(木) 19:00 |
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