★ 三千世界の沈黙 ★
クリエイター木原雨月(wdcr8267)
管理番号314-5522 オファー日2008-11-30(日) 01:33
オファーPC 昇太郎(cate7178) ムービースター 男 29歳 修羅
ゲストPC1 ミケランジェロ(cuez2834) ムービースター 男 29歳 掃除屋
<ノベル>

 闇の中に白が一つ
 掻かれた白は冷たい弧を描く
 静寂の中白に赤が色を添え
 静粛で鮮烈な赤は艶めかしく光る
 囂然たる中で赤紫は鷹揚に躍り
 薄く笑む背では紫の双眸がまた笑む
 妖艶な銀を従え紫眼は冷たく光り
 冷たい銀が迸り血煙を上げる
 濡れた銀は瞬き血珠を列ね
 闇にまた一つと血色で染め上げる

「膝ぁ付いてどうした。もう終いか」
「お前こそ、獲物も持てなくなったんか」

 背中合わせに立ち
 その腕を支え
 その口元には薄く笑みすら浮かべ
 軽口を叩き合う
 その姿
 それは神か
 でなくば修羅か羅刹か
 煌めく双刃 閃く刃
 深紅に彩られた二人の鬼神
 三千世界の鴉さえ
 赤紫の前には沈黙する

「ったく、何のハザードだこりゃ」
 緩く波打った銀の髪を掻き混ぜて、ミケランジェロはため息を吐く。
 二人は、ただ歩いていただけだった。昇太郎は温かい茶を啜りながら気に入りの団子に舌鼓を打とうと出かけた。ミケランジェロは、毒舌家の助手がもぎ取ってきた仕事の帰り道だった。奇しくも二人はその道でかち合い、この煤茶けたムービーハザードに巻き込まれたのだ。ハザードに巻き込まれるのは、二人にとっては既に日常と化している。だから少しの嘆息はあるものの、驚きも動じもしない。ミケランジェロの咥え煙草のその隙間から、白い煙が吐き出されては殺伐とした風の中に霧散していく。
 空にはただ薄墨を流したような曇天が広がり、奇妙な丸みを帯びた岩柱が点々と立ち並び、見渡す限り煤けた世界を映し出した。奇岩の合間を縫う風は奇妙な濁りを織り交ぜて二人の体に吹き付ける。
「取り敢えず、あの岩んとこまで行ってみんか」
 じっと突っ立っていても仕方がない。この荒涼とした大地では、なおさらだ。だから、目に付いた奇岩を目印にしてみた。昇太郎が指さしたその奇岩は、半ばで奇妙に反り返って赤茶の無骨なアーチを作っている。ミケランジェロは頷く代わりにモップを担ぎ直して歩き出した。
 風はびょうびょうと泣いている。まとわりつく生ぬるさが気持ち悪い。濁った風はいくら吹いてもべったりとしたソレを、吹き流してはくれなかった。
 ――――――…ィ……。
 ふいに風の間隙に、低く高く羽音が紛れ込んだ。二人の耳は、確かにそれを捕らえた。
 初めは砂嵐かと思った。黒々としたその集まりが近付くに連れて、それが人型をしていることを知る。耳に届く羽音は、その背に生える虫の翅。数百、数万と集まった羽撃きは暴風となり、二人の髪を掻き混ぜ服を乱す。
「カンゲイされてるみたいじゃのう」
 目の前に現れたそれは、虫の翅を持つ人型をした魔物。その顔は髑髏に似て、姿は蜂に似る。苔生した色の体は薄い翅が生み出すその素早さには、然しもの二人も目を見張った。逃げる事は許さないというように、四方八方取り囲んで縦横無尽に飛び交う。
「っは、言うじゃねェか」
 二人は薄く笑った。互いの肩が触れ合う。チキと鍔が鳴る。ミケランジェロが紫煙を吐き出し、指先に挟んだ吸い殻を弾く。びょおうとむせぶる風がそれを吹き飛ばし。魔物共の中に、二人は躍り込んでいった。

 どれだけの時が過ぎただろう。
 地を蹴り、その腕を振り、髑髏の顔した蜂を斬り伏せていく。踊るように舞う二人の肌には赤い筋が幾つも走っていた。斬っても斬っても湧いて出るこの魔物共。羽撃き一つ、体一つはひどく矮小で脆弱だ。けれど際限なく現れるそれは、確実に二人の体力を削り、精神をも疲弊させていった。
 昇太郎は西洋剣を振るう。付き合いが長くよく手に馴染んだこれは、昇太郎の思う通りの軌跡を描いた。まるで空を切り裂くように、大きな衝撃を手に感じさせることなく、魔物共を斬り裂いた。
 しかし、蓄積された疲労は一瞬の隙を生む。
 振り抜いた腕。ふと息を吐き出した、その時。一匹の蜂が、死角から突如として現れた。咄嗟に顔を背けたのは、昇太郎の素晴らしい反射神経があったからこそだろう。けれどその鋭利な翅は額を切り裂き、流れ出た血が翠の瞳を翳ませた。その隙を、本能で感じ取った魔物は右肩から袈裟懸けに鋭利な翅を奔らせる。
「―――っ!」
 赤の着物が引き裂かれる。その衝撃に昇太郎は思わず膝を付き、その剣を突き立て息を詰まらせた。その背に迫る、疾風。小さく舌打ちをした、その時。ふわりと降りる、銀の髪。迫り来るそれを薙ぎ払う、刃。紫の瞳が煌めき、その口端が笑みを作っている。
「膝ァ付いてどうした。もう終いか」
 それにくつと笑み返して。
「ド阿呆」
 ミケランジェロが地に着いた、モップを握る右腕を支えて。
「お前こそ、獲物も持てなくなったんか」
 状況は絶体絶命といって構わないだろう。しかし、その表情に笑みが消えず、軽口を叩き合えるのは、その背に絶大な信頼があるからだ。
 独りで戦うのが好きだった。守りたいものは何もなく、失うものも何もなかった。誰かがそこに在れば気が散って集中ができないと思っていた。けれど。
 前に迫る翅を、斬り裂いた。茶に近い赤が飛沫き、爆風に舞う。
 支える腕に、力を込めた。
 この背中は、独りでいるよりも安心して戦える。それに気付いた時、奇妙な苛立ちが沸き上がったものだった。それが今はとても心強く、心地良い。
 ミケランジェロもまた、笑みを深めた。腕には細かな傷があり、白い軍手を汚している。けれど、自分に寄せられる信頼が合わせた背中から、自分を支える腕から力強く伝わってくる。それが、心地良くて。
「俺はこれから本領発揮だ」
 いっそう笑みを深めて、ミケランジェロは細身の刃を振り払う。振り払って、いつものように気怠げに柄を元に戻した。それは鋭利さの欠片もない、ただのモップだ。ただのモップだが、芸術の神たるミケランジェロが振るえば、それは一瞬にして絵画を描き出し、
「消えろ」
 一瞬にして、掻き消す。
 ごぉ、うと凄烈な風が吹き荒れる。昇太郎は両腕で顔を庇い、風が収まって腕を下げればそこには翅の一枚も残さず魔物共の姿は消失していた。
 全身を覆っていた殺気が解け、昇太郎は大きく息を吐いた。視線だけ上げると、芸術の神は鮮烈に輝いていた紫の瞳にいつもの怠惰を滲ませて笑っている。それに昇太郎は軽く拳を掲げた。コツリとぶつかる拳は確かな信頼がそこにあって、知らず頬は緩んでいた。
 しかし、それもつかの間の事で。再び濁った風が吹き出した中には、彼の羽音。二人は顔を上げてそれを視界に捕らえる。
「くそったれが」
 ミケランジェロが吐き捨てる。
 二人の体は限界だとは言わないが、疲労しきっていた。それは一度は退けたことによる安堵からも来ている。苦虫を噛み潰したように顔を歪め、それから息を吐いた。昇太郎はゆらりと立ち上がる。剣の柄を強く握りしめた。羽音が迫り来る。二人が構え、干涸らびた大地を踏みしめた時。
 その裾を引くものがあった。振り返った先には、場違いな程に美しく煌めいたエメラルドグリーンの瞳があった。
「こっち」
 少年の声。二人は一瞬視線を交わし、少年が示す岩場に飛び込んだ。

 二人は少年の後ろを歩いていた。ここは、この堅い大地をくり抜いて作った洞窟のようだ。洞窟は僅かに傾斜しており、一人がようやく抜けられるような幅だったが、高さはあってミケランジェロも真っ直ぐに立って歩ける。灯りは少年の持つ松明だけで、三人の影をゆらゆらと蠢かせた。洞窟は右へ左へと別れ道を造りながら曲がりくねり、複雑に入り組んでいた。まるで蟻の巣のようだと、ミケランジェロは思う。もしも二人だけで入り込んだならば、確実に迷い込んでしまうだろう。少年は時折振り返りながら先を急ぐ後ろを追った。
 やがて細い洞窟はいくつも別れ道のある広間に出た。木の扉、鉄の扉、何も嵌っていない洞穴。少年は迷わず何も嵌っていない洞穴に潜り込む。
「落ちる、気をつけて」
 少年のエメラルドグリーンが松明の中で煌めいて、下方へと消えた。真っ直ぐに進む道もあるが、足下には垂直に縦穴が掘られ、鉄を打ち付けた梯子が続いていた。ミケランジェロはちろりと昇太郎を見やる。昇太郎はなんの躊躇もなく少年に続いて降りていって、それに小さく嘆息してミケランジェロもまた降りていった。
 降りた底は、四角い部屋。壁に掲げられた松明一つで照らし出される程度の、小さな部屋だ。
「ここまで来れば、ひとまず安心」
 少年が頭に被った布を落として、屈託のない顔で笑った。目を惹いたのは、やはりその瞳だった。濃い赤暗色の肌の中で、目の覚めるようなエメラルドグリーンが松明に揺られて宝石のように煌めいている。
「ありがとな、助かった」
 その笑みにつられるように、昇太郎もまた笑み返す。日に焼けたアンバーの髪をくしゃりと撫でると、少年はくすぐったそうに笑った。
「怪我」
 言って、少年が壁をくり抜いて作られた棚から小瓶を取る。中には薬草でも入っているのか、緑の葉が透明の液体に浸されて詰まっていた。それを開けようとするのを、昇太郎の手が制す。戸惑ったように顔を上げる少年に少し微笑んで、昇太郎は懐に潜り込んでいた金の鳥を指先に乗せる。金の鳥は澄んだ声で高く鳴き、一瞬にして昇太郎の全身の傷を癒す。少年が息を呑む音が聞こえて、昇太郎は苦笑した。
「不気味か」
 わかりきった事を、口に出す。そう、これは「普通」ではない事なのだ。だから恐れられても、仕方がないと昇太郎は諦めたような顔で微笑む。
 少年はまじまじと昇太郎の体を見ていた。無駄なものをすべて削ぎ落とした体には、先ほどまであった傷は消えてなくなっている。ただ破れた服だけが、確かにそこを傷つけられたのだという事実を表している。沈黙する少年をオッドアイの瞳で見つめた。そこには、昇太郎の予想していた表情はなかった。
「すごい」
 少年は感嘆した声を上げた。昇太郎は目を見開く。
「不気味じゃと、思わんのか」
 少年はきょとんとした顔で首を横に振り、エメラルドグリーンの瞳を向けた。
「怪我治る、とてもいいこと」
 そう言ってあの屈託のない顔で笑った。
 昇太郎は胸が詰まるような思いがした。それは、苦しくてではない。自分が住んでいた世界では、決して有り得ない反応に、ひどく戸惑った。
「でも、怪我したところ、痛くない?」
 そう覗き込んでくる瞳が、とても優しい。その感情に昇太郎は戸惑いながらも、嬉しく思った。なんだか鼻の奥がつんとして、笑った。
「大丈夫じゃ。ありがとうな」
 くしゃくしゃと髪を掻き混ぜると、朗らかな声でくすぐったそうに笑った。
 それを壁にもたれて、ミケランジェロは知らず微笑んでいた。いつの間にか抱いていた警戒心も解けている。
「体、拭くといい」
 傷は治っても、血の跡までは消せない。差し出された布を受け取る。それは何かが染み込んでいるようで、ほのかに甘い香りがした。
 驚いたのは、ミケランジェロだった。昇太郎程ではないにしろ、彼も神だ、常人とは比べものにはならない程の治癒力がある。血は止まっているが、傷が完全に塞がっているわけではなく。しかし、その布で傷の部分を幾度か撫でていると、確かにその傷が塞がっていくのがわかった。ミケランジェロは少年を見やる。少年はにっこりと微笑んだ。
 ふいに壁の一つがごとりと音上げて、二人は反射的に構えた。そこから現れたのは、少年と同じくアンバーの髪をした男だった。ただ、その瞳は髪によく似た茶である。
「カルム、無事だったか」
「ユーイ!」
 カルムとは少年の名前だろうか、その腕に飛び込んでいく。ユーイと呼ばれた男はカルムを抱き留めて、それから昇太郎とミケランジェロに目を向けた。
「間に合ってよかった。こちらへ」
「大丈夫。ユーイ顔恐い、でも恐くない」
 ユーイは片眉を上げる。くすくすと笑うカルムに思わず吹き出しそうになる。それにユーイは肩を竦めて、憮然とした顔で抜けてきた穴へ戻る。カルムが来い来いと手を振るので、続いて潜り抜けた。
 その先で、わっと歓声が上がった。どうやって生活しているのか、そこにいたのは百人は超えるであろう人々。驚いていると、人々は二人に、カルムに、声をかける。
「よく無事だったねぇ」
「カルム、お手柄だな」
「怪我はないかい?」
「大丈夫。カルムなんともない。二人も元気」
 カルムが応えると、人々は安堵の息を漏らした。よかったと暖かな声が降り注いで、昇太郎はくすぐったかった。
「疲れているんだ、道を開けろ」
 ユーイが呆れたように声を上げて一歩踏み出すと、人垣が割れていく。それで彼がここでは長なのだろうかと、昇太郎は思った。
 二人が案内されたのは、やはり洞窟をくり抜いて作られたらしい場所だった。入り口には彼らが被っている布と同じ色のものが下げられている。中へ入ると、先ほどの小さな小部屋のような造りの部屋になっている。床に敷かれた布や壁をくり抜いた棚に大小様々な瓶や皿、奧にはベッドと思しきものが見え、ここが住居である事がわかった。
 ユーイは二人に座るよう手で促す。カルムが腕から飛び降り、二人の手を引いた。それに小さく笑って、昇太郎は座る。その膝の上にカルムが飛び乗った。
「うわ」
「っ、嫌?」
 驚いて声を上げると、カルムがエメラルドグリーンの瞳を向ける。その真っ直ぐな眼差しに、昇太郎はやはり微かな戸惑いと嬉しさが沸き上がる。くしゃくしゃと頭をかき混ぜて笑った。それにくつとミケランジェロが笑う。
「なんよ」
「別に」
 ミケランジェロは口端を歪めてその隣に腰を下ろした。
「騒がしくて済まない。外に出る者はまずいなくて驚いたんだ」
 二人の前に腰を下ろして、ユーイは巻いていた布を外した。下から現れたのは目の覚めるようなエメラルド。カルムの瞳と同じ色の、この土色の世界には似合わない首飾りだった。
「構わんけぇ。俺らは助けて貰って、感謝してる」
 それにユーイは微かに笑んだ。
「俺はユーイという。一応、この集落を預かる長だ。名を聞いても?」
「昇太郎じゃ。こっちがミゲル」
「ミケランジェロ」
 間髪入れずに訂正して、ミケランジェロは胡座を掻いた膝に肘をあて、頬杖を突く。それに昇太郎は軽く肩を竦めた。
「で、ここは一体なんなんだ」
 ミケランジェロに、ユーイは真剣な眼差しを向ける。
「一言で言うなら、隠れ家。こうした集落は幾つかあるようだが、交流はない。新たに掘り進めるには、この岩盤は固すぎる」
 ユーイの言葉は短く無駄がない。しかしミケランジェロは、眉をしかめる。
「じゃあ、この蟻の巣みてェな洞窟はどうやって造ったんだ」
「これは大地の民が造り出した。大地の民は名の通り、土の声をよく聞いたという。昇太郎とミケランジェロを助けられたのも、そのお陰だ。この首飾りも、大地の民が採掘し加工した」
 ユーイはエメラルドの首飾りを手に乗せた。壁に掲げられた松明に照らされて、ゆらゆらと煌めいた。
「その大地の民は? 礼を言わんと」
「そこにいる」
 ユーイが言うと、昇太郎はぽかんと茶色の瞳を見返す。
「カルムが、大地の民だ」
 カルムはエメラルドグリーンの瞳を向けて、にこりと笑った。その笑顔に思わず頬を緩めて、ありがとうなと微笑む。カルムはくすぐったそうに笑って顔を首に巻いた布の中に埋めた。
「大地の民と言うには、一人だけじゃないだろう」
 ミケランジェロが言うと、ユーイは困ったように口を噤む。訝しんでいると、幼い声が呟いた。
「カルムだけ」
 昇太郎はカルムを見た。その表情は見えない。
「ペールもメールも、ファミーユはみんないなくなった」
 昇太郎の顔が歪む。単語の意味をはっきりとはわからないが、みんないなくなった、それが胸に痛かった。ミケランジェロは軽く片眉を上げただけだ。ユーイはカルムが口を開いたからか、小さく息を吐いて続けた。
「我々人間は、魔物共に迫害されている。大地の民は元々こうした洞窟を掘って暮らしていた一族。魔物共が襲いかかってきた時、人間を生かす為にこの地下都市を建造した。そして、真っ先に標的となった」
「……どうして」
「大地の民はこの不毛の大地で生きる術を持ち、技巧に優れ、そして優れた戦士だった」
 それは、あまりに必然だった。ユーイは首飾りを握り締める。沈黙が降りて、それからカルムがぴょこりと立ち上がった。
「ショタロ、ミケロ、泊まる?」
「混ざってるのか間違えてるのかハッキリしてもらいてェ呼び方だなオイ」
 がくりと手から頭が落ちて、ミケランジェロは気怠げにその銀髪をかき混ぜる。
「別になんでもええじゃろうが。ミケロでもタマでも」
「わかったこの際ミケロはよしとしてだがしかしタマは聞き捨てならねェ」
「なんじゃ、タマ」
「この野郎」
 ギチギチと昇太郎とミケランジェロの獲物同士が今にも音を立てそうなところで、カルムが朗らかな笑い声を上げた。見れば、ユーイまでもが声を殺して顔を背けて肩を振るわせている。思わず顔を見合わせたところで、後ろからも笑い声が聞こえて振り返った。ずっと話を聞いていたのか、入り口には村人たちが詰めかけていて、大笑いをしている。
 二人は再び顔を見合わせ、笑った。

 昇太郎とミケランジェロは、カルム一人では広すぎる部屋に泊まる事になった。部屋は集落の端にあり、部屋の中央に篝火があるだけだ。ユーイの部屋も質素だったが、ここはもっとがらんとしていて、寂しくすらある。
「ユーイたちと眠らんのか?」
 意気揚々と布を広げるカルムに、思わず昇太郎は声をかけた。カルムはきょとんと昇太郎を見返して、それから小首を傾げた。
「カルム、よく外出る。誰かと一緒、迷惑かける」
「外へ?」
 思わず聞き返すと、カルムはやはりきょとんとして頷いた。
「危ないじゃろ、一人で行くやなんて」
「誰かと一緒、危ない。外、薬出来る草あるところ、ある。魔物来る、カルムわかる。カルム、隙間いっぱい知ってる。カルムしか入れない隙間、いっぱいある」
 昇太郎は唸る。カルムはこの小さい体で、人知れず集落を守っているのか。
 大地の民。
 それは、誇り高き戦士だったと、食事の席でユーイが話してくれた。村人達もまた、口々に彼らを賞賛する。ユーイが首飾りを贈られたのはカルムが五つを数える頃だったという。それは、信頼の証。そして、もしもの時は幼いカルムを頼むと、カルムの父から戴いたのだと言って、それは誇らしげに笑ったのだ。
「でも、カルムが怪我したら、みんな心配するじゃろう」
 膝を折り、オッドアイの瞳でエメラルドグリーンの瞳を見つめる。
 それは、最近になってようやく理解し、実践し始めたことだ。誰かが傷つくのは哀しい。だからその代わりに自分が傷ついてもいいからと、昇太郎は自らの身が傷つく事など、気にしなかった。けれど、それは大きな間違いだった。自分が傷ついても、胸を痛める者が居る。居てくれる。それがどんなに嬉しくて、今までの自分がどんなに辛い思いをさせてきたか。自分は死ねないからと笑っていたあの頃があるからこそ、昇太郎の言葉は真っ直ぐに無垢な少年へと伝えられる。
 カルムはじっと昇太郎を見つめ、ぽつりと呟いた。
「メール、言った。昔、草いっぱいあった。とても綺麗、とても安らか」
 昇太郎はその瞳を見つめ返す。
「みんな隠れて暮らす、嫌。みんな安らか、暮らしたい。大きな魔物いるところ、カルム知ってる。カルム言うと、みんな戦う。カルム、戦わない」
 エメラルドグリーンの瞳が揺れて、昇太郎はカルムの頬に手を伸ばした。その頬は昇太郎の手にすっぽりと収まってしまう程に小さい。
「だからって、カルムが怪我したり辛かったりしたら、駄目じゃ。カルムが心配するように、みんなもカルムを心配してる」
 昇太郎とミケランジェロが、カルムの部屋に泊まると言ったときの、安堵した顔が目に浮かぶ。こっそりと村人の一人が耳打ちしてくれた。あんたらが泊まってくれるなら、安心だと。それの意味が、今ならよくわかった。
「みんなは、みんなで笑って暮らしたいから戦う。その「みんな」の中に、カルムもおるんじゃ」
 ふいに大粒の涙が零れて、昇太郎はその頬を拭う。声を殺す小さな肩を引き寄せた。ここは声が良く反響する。子供の声なら、なおさらだ。奥歯を噛みしめるカルムを、昇太郎は抱きしめた。
「独りじゃないんじゃ、カルム。我慢するな。お前が怪我したりしたら、俺も悲しいけぇ」
 途端、カルムは声を上げて泣き出した。自分の服を握り締める小さな手が、愛おしかった。震える小さな体を力強く抱きしめた。いつか自分が子供のように泣きじゃくった時、そうしてくれたように。
「なぁ、ミゲル」
「あァ?」
 泣き疲れたか、眠ってしまったカルムを抱きしめたまま、昇太郎は布を被って寝転がっている。頭の上から、気怠そうな返事が返ってきた。
「俺も協力できるじゃろうか」
 珍しく疑問系で、しかし疑問になっていない言い方に、ミケランジェロは息を吐く。きっとそう言い出すであろうことは、わかりきったことなのだ。
「──ったく、このお人好しめ」
 呆れて呟けば、こちらを訝しげに見る昇太郎が目に浮かぶようだ。実際に身じろぎする音がするから、そうしているのだろう。ミケランジェロは一つ息を吐いた。
「ミゲル?」
「俺は寝る」
 カルムが引っ張り出してきた布を頭まで被って、ミケランジェロは丸まった。この洞窟はどういった構造になっているのか、暑過ぎず寒過ぎない。布の一枚でも被れば、まどろみの中に身を寄せるのは簡単な事だった。

 ミケランジェロが目を覚ましたとき、そこには昇太郎の姿もカルムの姿もなかった。
 小さく舌打ちをしてモップを掴んで飛び出した。昨日、昇太郎と二人で迎えられた広間へ続く道を行く。その途中で、鬨の声が響いてきた。駆け込んだ広間には、案の定人々が集まっていた。前にはユーイ、カルム、それから昇太郎。ミケランジェロは怠惰にその髪を掻き混ぜた。ユーイが先頭に立って、人々は既に地上へ向かうべく穴を移動しだした。その中を、不愉快に顔を歪めながら掻き分けていった。
「何やってんだ、テメェ」
 声に、昇太郎が薄翠と銀のオッドアイを向ける。その目には呆れ顔の掃除屋が気怠げにモップを担いでいる様子が映った。
「……魔物の親玉を倒しに行く手伝い」
 ミケランジェロは大きく息を吐いた。不安そうに見上げるカルムをちろりと見て、ミケランジェロは煙草を取り出した。
「ミゲル」
「言っておくが」
 小さく音を立てて、火が付く。白い煙を吐き出して、怠惰な紫の瞳に昇太郎を映した。
「そいつを倒せばハザードを解消できるかもしれねェから、行くだけだ」
 そう言ってそっぽを向くミケランジェロに、カルムは昇太郎の大きな手を握った。
「ミケロ、怒ってる」
「いんや」
 その丸まった背を、昇太郎は笑った。
 まったく、素直じゃない。

 カルムの案内で、昇太郎とミケランジェロは別の道を行っていた。それは、ユーイと三人で決めた事だった。大人数で狭い道を行くのは効率的ではない。だから、村の男衆は少し大回りをさせる事になるが、少し広い道をカルムは示した。
 だけれど、それは昇太郎の意図とは異なる。別の道を行くと告げたとき、ミケランジェロは「お人好しめ」とまた呟いた。呆れ果てたその顔は見慣れたもので、昇太郎は笑っただけだ。それが気に入らなくて、モップの柄先で額を突いた。
「上、出る」
 曲がりくねった道をどれだけ歩いただろう。カルムが緊張した面持ちで振り返る。昇太郎は小さく頷いた。それに頷き返して、カルムは天井を持ち上げた。
 外に出れば、煤茶けた景色が眼前に広がり、びょうびょうとした風が吹き付けてくる。ただ一つ違うのは、巨大な一枚岩が背に聳えていることだ。その脇に、人一人が通れる程度のへこみがあり、そのへこみを白い岩が塞いでいた。
「あそこから、みんな来る。ショタロとミケロは、あっち」
 カルムが指したのは、一枚岩の反対側にある崖。覗き込んでみれば、細いが降りられそうな道らしいものがへばり付いている。
「カルムは降りたことあるんか?」
「ある。薬になる甘い草、生えてる。体拭くと、傷治る。塗っておくと、魔物安心する。眠る場所の匂い、する。ショタロもミケロも塗ってるから、近付ける」
 二人は顔を見合わせた。体を拭くといいと言われて受け取った、甘い香りのする布。あれに染み込んでいたものが、この下にあるものだというのか。昇太郎はどうしようもない思いに襲われた。それは、昇太郎にはひどく希薄な感情で、拳を握り締める以外にどうすればいいのかわからなかった。
 ゴス。
 そんな昇太郎をお構いなしに、ミケランジェロのモップがカルムの額を突いた。その衝撃に堪えきれず、カルムは尻餅を付く。エメラルドグリーンの瞳が溢れんばかりに驚きで見開かれている。
「馬鹿野郎が。なんだって俺の周りァ馬鹿が多いんだ」
 吐き捨てて、ミケランジェロはモップを担ぎ直す。担ぎ直して、さっさとその崖に取り付いた。声を無くしてへたり込んでいるカルムの前に、昇太郎もまた厳しい顔でしゃがみ込んだ。
「もう一人で行くんやないぞ」
 エメラルドグリーンの瞳が困惑した色でオッドアイを見つめている。
「薬ある。体、楽になる。どうして、怒る?」
 昇太郎は、どうしてやるせない気分になったのか、その一言で悟った。
 ああなんと、この少年の似ていることか。腕がもげようが目を潰されようが、制止の声も聞かずに駆け抜けていた自分を思い出す。
 昇太郎は少し赤くなっている額の前で、指を弾いた。
「──っ!? ……??」
 ああ。
 金の鳥が鳴く度に。
 自分はこんな胸の潰れるような思いをさせていたのか。
「もう二度と、こんな危ないことすな。恐い思いさせんでくれ」
 カルムはしばし呆然としたように昇太郎を見つめていた。しかしやがて唇を引き結び、力強く頷いて見せた。昇太郎は微笑む。
「生きろよ」
 いつか、誰かが言ってくれた言葉。
 昇太郎は立ち上がった。
「あのガキは」
 崖を降りきると、ミケランジェロが壁にもたれて気怠げに煙草を吹かしていた。その足下に広がる緑は、岸壁に囲まれて風から守られている。恐らくこれが、薬になる草なのだろう。この洞窟はむっとするほど湿気が多く、天井から滴る水が草の上に露を落としている。
「穴の中に居るように言うといた。多分、他の人らと合流するじゃろ」
「それは?」
 胸元で揺れるエメラルドに目をやると、昇太郎は微笑んだ。
「カムルがお守りに言うてな」
 それにミケランジェロは薄く笑って、びょうびょうと泣く風の中に煙草を弾いた。
「さっさと終わらせるぞ」
「おう」
 その背中を見送った者は、いない。

 地を蹴り、人の身体能力を遥かに凌駕した動きで高く跳躍し、上から剣を振り下ろす。高い金属音が鳴り響き、響いたかと思うと昇太郎は叩き付けられるように振り落とされた。背中が地面に着く前に昇太郎は体を回転させ、その足を目がけてミケランジェロが下から上へと柄を繰り出した。その頬を、あの髑髏の顔をした蜂が掠めていく。ミケランジェロは小さく舌打ちをして、地面に降り立った。
「重い」
「俺に言うてもしゃあないやろ」
 ミケランジェロの一撃で勢いを殺した昇太郎が、その横に着地する。
「ふん。ったく、馬鹿みてェにでかくなりやがって」
 頬の傷を乱暴に拭って、ミケランジェロはそれを振り仰いだ。
 それは、巨大な蜂。
 髑髏の顔をした、鋭利な翅を持つ、無数の兵隊に守られた女王蜂。
「気色悪ィったらねェ……っなァ!」
 襲い来る兵隊蜂を叩き付けるように薙ぎ払って、ミケランジェロは喘いだ。斬っても斬っても湧いて出る様はどっかの天使の毒舌のようだと、苦虫を噛み潰したような顔で迫る髑髏の蜂を斬り伏せる。
「はっ、今日は妙に、気が合うやないか!」
 再び跳躍し、頭上を飛び交う蜂共を斬り裂いて、下方から迫ってきた蜂を足蹴にしてまた跳躍する。ぼたぼたと落ちる蜂には見向きもせず、昇太郎は両手に携えた剣をまるで舞でも舞うかのように振るった。
 地に降りたってその背中を合わせ、合図もなく同時に地を蹴り舞を見舞ってまたその背を合わせる。知らず、二人は笑っていた。背を合わせるその瞬間の、なんとも愉快な感情。それがこの絶望的とも言える状況の中で、二人に余裕をもたらしていた。
 だが、あまり長引かせるわけにはいかない。この地で、生きる人々がいる。女王蜂に向かっては弾き飛ばされる度に、ミケランジェロはそれらを見つけていたのだ。
 蟻の巣のような洞窟の、あの天井部へ続く道を思い出す。ある地点から、あの洞窟は這うようにしなければ進めなくなっていた。それが微妙な上り坂で、なんてところだと毒突いた。しかし、このだだっ広い巣窟で縦横に走って、それに気付いた。それは、随分と皮肉なことだとしか言いようが無い。
「ミゲル!」
 昇太郎の声に、ミケランジェロは反射的にその場から飛び退いて転がった。一瞬先までいた場所に、女王蜂の巨大な足が突っ込む。それは洞窟を揺るがし、反響音が鼓膜を激しく叩いた。
「──っ!」
 ミケランジェロは声もなく倒れ伏した。それは鼓膜を打った爆音のせいではない。突っ込んだ衝撃でバランスを崩した女王蜂のもう一本の足が、まるで狙ったかのようにミケランジェロの体を下から叩き上げ、再び壁へと叩き付けたのだ。叩き付けられた背中は、黒い作業服が破れ赤く濡れた肌が覗く。喉に鉄さびの匂いを感じて、吐き出した。
「くそったれ、」
 睨め付けた先にあるのは、壁に取り付けられた松明を掲げる為の燭台。体を支えるはずの右腕はしかし頼りなく崩れ、倒れた視界に映るのは乾いた音を発する白骨。
 おそらくはこの場所に元々住んでいたのは、彼の住人達だろう。狂う風を防ぎ、砂を防ぎ、本来は適度な温度と湿度に守られた、天然の洞窟だったに違いないのだ。しかし、奴らはここを見つけてしまった。巨大な女王蜂と湧き出るような兵隊達が棲まうにこれほど適した場所は、奴らにとってもなかったのだろう。
「何しとんのじゃ、ド阿呆っ!」
 昇太郎の声。頭上で耳障りな金属音が響く。太く長いまるで数百年を経た大木のような女王蜂の足を、昇太郎は二本の剣で受け止めていた。
「馬鹿力」
 くつと笑って、なんだか前にもこんなことがあったと思う。ぎちと火花を散らして擦れる金属のような足と剣。その音を聞きながら、ミケランジェロは鋭く息を吐き、全身の力を込めてその場から転げ出した。それを気配で感じ取って、両腕を弾き昇太郎もまた横に転がった。
「背中、平気か」
 立ち上がり地を蹴ると同時に囁きかけられた声。
 襲い来る蜂共を振り払って背中合わせに立つ。愉快そうにミケランジェロの口元が歪んだ。
「心配してくれてんのか?」
 一群となって突っ込んできた蜂共を体を回転させて避け、上段、下段にそれぞれが剣を薙ぎ払って再び背中合わせに立つ。
「ド阿呆、余計な気ぃ回さんで済むなぁ思っただけじゃ」
 ミケランジェロは喉を振るわせた。
「なんや、気色悪い」
「そりゃ、あの蜂だろ」
 女王蜂の周りには小さな髑髏が飛び交い、お前は死ぬのだと宣言しているようだ。
 そんな気はさらさらないがしかし、今の二人に対抗する術は。じりとその地を踏みしめたとき。砕けた髑髏の朱が目に入った。
「っはー、キリはねェしめんどくせェなあ」
 白々しいまでのその口調に、昇太郎は訝しげに視線をやる。見やったその口元が、まるで飛び切りの悪戯を思い付いた悪餓鬼のように笑っていて。
「ああ、その通りじゃのう」
 悪戯な神の笑みに笑い返すのは、修羅。二振りの剣を構え直し、修羅はその刃を真っ直ぐに髑髏へと向けた。それに満足げに頷いて、刃を柄に納めた。その瞳には神の威光を煌めかせる。
 芸術の神は、絵筆を執った。必要なのは、絵を描く材料。
 神はその筆を地に落とし、濁った赤を掻き払った。
 縦横無尽に走る、線、線、線。神が描き上げるは、複雑怪奇な幾何学模様。
 危険を本能で関知したか、兵隊達が襲いかかる。
「行かせやせんよって、覚悟しぃ」
 修羅の双剣が神に近付く蜂共を残らず叩き落とし、斬り落とす。ばたばたと神の絵の具がばらまかれる。怒りに燃え立つ女王蜂が、その一歩を踏み出したとき。
「ちィとばかり悪趣味な画材だったが、まァこんなもんだろ」
 芸術の神が、最後の一線を掻き払った。
 地が轟き、風が哭き遊ぶ。獰猛過酷な荒ぶる爪は、死を撒き散らす死に神目掛けてただ一直線に。

 ◆ ◆ ◆

 地獄の業火が女王蜂を包み込んで、世界は唐突に歪んだ。
 眼前に広がる赤は消え去り、代わりに閑静な住宅街が現れる。空を見上げれば、冬の澄み切った青空が広がっていた。
「戻ったか」
 ミケランジェロはモップを肩に担ぎ、気怠げなゆるりとしたいつもの仕草で煙草に火を付ける。その紫の瞳には、もはや神の威光はなく、気怠げで怠惰な掃除屋が居るだけだ。それを見て、昇太郎は肩の力を抜く。両手に提げた二振りの剣を鞘へと戻し、歩き出そうとして。
 かつん。
 昇太郎の前に、乾いた音を立ててひとつのフィルムが転がった。訝しげにそれを摘み上げると、ふいに耳に声が届いた。
 ──ショタロ。
 昇太郎は振り返る。そこにはただ、冬の中でしんとした路が続く。団子と書かれた控えめな幟が、冷たい風に吹かれてはためいていた。
「カルム」
 ハザードは消えた。しかし、あの無邪気な屈託のない笑顔も、全身の怪我を一瞬で治した異常さにも、優しく微笑んで受け入れてくれた人達も、みんな消えてしまった。
 俯く昇太郎の頭を、くしゃくしゃと乱暴に掻き混ぜる手。
「……あいつらは、あるべき場所に還っただけだ」
 とん、と胸に拳を当てられる。
「それとも、お前は目の前にいなけりゃ忘れちまうのか」
 冷たい感触が肌に触れる。
 それは、あの美しい瞳の色を写し取ったような、鮮やかなエメラルドグリーン。
 昇太郎は瞑目する。
 目を閉じれば、あの笑顔が、朗らかな笑い声が蘇る。
「そがんこと、あるワケないけぇ」
 ゆっくりと上げた顔は、ほんの少しの寂しさと微笑みが混じった。けれどミケランジェロは、気怠げな顔に笑みを浮かべる。
「団子でも食ってくか」
「ええなぁ」
「お前の驕りでな」
「なんでじゃ、ド阿呆」
 風が吹き抜ける。
 冬空の下に、赤紫が舞い踊った。

クリエイターコメント明けましておめでとうございます。
この度はオファーありがとうございました。
再びこのお二方と相まみえることができ、記録者としてとても嬉しく思います。

そして大変大変たいっっっっっっっっっっへんお待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした……っ!! もう本当になんとお詫びをすれば良いか……。
ただただ、ノベルがイメージに合っていることだけを祈るばかりであります。

何かお気づきの点などがございましたら、遠慮無くおっしゃってくださいませ。
この度はオファー、誠にありがとうございました!
公開日時2009-01-03(土) 12:00
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