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<ノベル>
依頼を受けた者たちは、それぞれが思い思いの行動を取った。
統率された動きではなく、個々が最良と思う準備と戦術を固める。――榊 闘夜は、その中でもっとも準備に気を使った一人だ。鬼躯夜や式神に周囲を警邏させ、襲撃を出来るだけ早く察知するよう、努力している。
式神で人を誘導して逃がし、戦場確保。そこまでは考えが及んでいる。しかし元々が頭脳派ではない彼に、千変万化する戦場を予測することは叶わぬ。彼なりに色々考えたのだが、己の体の頑強さを頼りに、ごり押しで進めることくらいしか思い浮かばない。
「面倒。……早くして」
報酬は、魅力的なのだ。だから、へまはしたくない。
というのも、居候先の家電を(うっかり大量に)破壊した為に、弁償代が必要になったからだ。これを無視すれば、肩身は狭くなるばかり。気合も入ろうというもの。
その努力ゆえか、襲撃の際、もっとも早くそれに気付いたのは、彼だった。
「居た」
クレアとテッド、二人の幹部を感知。その周囲に多くの黒服の男達が取り巻いている。
「――あ」
ここで別の式神から、情報が入る。さらに、多くの黒服の集団が大通りに侵入してきている。いくつもの班に分かれているようで、ばらばらに動いてきていた。連中の数は、もう二十余名を超えている。四十人ほどで、彼は数えるのをやめた。
とにかく、この事を全員に知らせねばならない。即座に、その為の行動に移る。散らばって捜索していた仲間たちに式神を飛ばし、この事実を伝えようと試みた。
しかし、彼が闘いの始まりを感知する前に、さっそく敵に仕掛けていた者がいる。闘夜にとっては予想外だったが、幸運だったのは、その者には彼には無い英知があり、作戦があったことだろう。
闘夜が索敵に精を出している頃。ブラックウッドは、すでに己の標的を見定めていた。
「……あれがいい」
敵は二十余名。中には、隠密行動が下手なものもいよう。一人の男が、群れからはぐれた羊のような、明らかに不振な身振りで周囲をうかがっている。まだ若いが、顔つきや服装、その身をまとう雰囲気も、どこか違和感があった。そこまでの無様をさらしていれば、目に付くのも道理。彼はさっそく獲物を捕らえるように動く。
「御機嫌よう」
魔力を持った視線と声で、その男を絡めとる。物影へと招き、愛撫するかのように抱き寄せ――微笑むブラックウッドの口許から、伸びる牙。
「少し、喉が渇いてね」
首筋に、牙がつきたてられる。まさに物語りにある通りの、吸血行為。底抜けの快楽を代償に、男は死を賜った。そして同時に、かの者の従者としての義務を背負ったのだ。
血液を飲み干された体には、役目がある。ブラックウッドは、この新たな従者に『羊の皮を被った狼』としての役目を与えた。
「行きたまえ」
うつろな足取りで、雑踏に戻る男。それを尻目に、彼は御代わりを頼もうと、二人目の標的を探る。
そして、また同じように誘い込み、今度はゆっくりと食事を味わった。両者とも男だというのは少し難点だが、別に好き嫌いがあるわけでもない。腹にたまれば良いとばかりに、血を吸い上げる。気の弱いものが見れば、卒倒したに違いない光景。
「あー、その、なんだ…ご愁傷様?」
しかし、この場に偶然にも居合わせたのは、その吸血鬼の知人たち。
「ほう、吸血行為とは、かくも扇情的なものなのか」
片山 瑠意と十狼である。瑠意はブラックウッドとは浅からぬ縁の持ち主であり、十狼も彼とはそれなりに付き合いがあった。故に、この事態も普通に受け止めることが出来たのである。
「ああ、君たちか」
一旦食事を止めて、二人に向きやる。が、すぐに再開した。……気にした風もない。
「出来れば、事情を説明して欲しいんだけど」
「そうだな。食事風景を見られたのは僥倖だったが、無辜の民を手篭めにするような方でもないだろう。……何か、あるのか? 興味本位だが、できれば話して欲しい」
ブラックウッドの方も、ここまで言われては話さない訳には行かぬ。もとより、隠す必要などないのだ。彼は、現在の状況について話す。
そして、二人がこの依頼について把握した、その頃合を見計らったように、敵が動いた。
「――来た! 敵襲、各自警戒!」
闘夜の大声が、周囲に響いた。ついで彼の式神が飛び、怪しい黒服の男たちの上を旋回。それを引き金に、大通りの人々が散っていく。彼の尽力もあってか、すぐに周辺からは人が引いていった。それを見て、三人は理解する。ようやく、戦いが始まるのだと。
クレイとシャノンは、これが純戦闘の依頼であると認識していた。にもかかわらず、二人の間に緊張感はない。それは、どう事態が動こうと、変わるものではなかった。
というのも、この二人。常人では計り知れぬ、驚異的な力の持ち主だからである。ただの人間を相手に、不覚を取るはずもないのだ。
「しかし、こうも品のない連中に取り巻かれると、気分がよくないな」
「……それを承知で、仕事を引き受けたのだろう? 今更何を――ああ」
お互いに、敵の構成員をあしらいながらの会話である。何気ない口調であったが、この間、二人は足を止めていない。
ナイフの刺突、あるいは警棒による殴打が、絶え間なく襲い来る。それを捌き、反撃を続けながら、さらに気の抜けた会話は続いてゆく。
「女か。色狂いの貴様に、このむさくるしい戦場は辛すぎるようだな?」
「痴漢の次は色狂いか? もう少し、語彙を増すことだ。でなければ、品性を疑われるぞ? ――まあ、ストーカーに品性も何もないのだろうが」
クレイは、器用に急所を外しながら、男達を無力化してゆく。特に防刃装備を施していないスーツでは、レイピアを防ぐことは出来ない。また、回避しようにも、クレイの技量がそれを許さなかった。
対して、シャノンは銃にて敵を制してゆく。彼の二挺拳銃を前にして、無事でいられたものはいなかった。偶然、その銃撃をかいくぐって近づいた者がいたが、触れることもかなわず蹴飛ばされ、意識を刈り取られるという有様。なんとも、圧倒的であった。
「痴漢にストーカー呼ばわりされるとは、心外だ。訂正を要求しよう」
「俺も、ストーカーに痴漢呼ばわりされるのは業腹だ。謝罪を求めたい」
口の減らない方々である。だが、別にお互いを憎んでいるような、とげとげしい雰囲気はない。むしろ、悪口をたたき合うことこそが、彼らなりのコミュニケーションであったのだろう。実に楽しげに、ののしり合っていた。
そして、適当に敵の相手をしながら、口論を続けていたが――それにも飽きてくる。
「らちがあかんな」
「……策でもあるのか? クレイ」
ふざけていても、気は抜かない。クレイの雰囲気を見て取ると、シャノンも真剣になる。
「ああ。気になることも、出来たのでな。――とりあえず、周囲に見える分だけ一掃したい。それも、一気に」
「一気に、か。……丁度いい。他の仲間との距離は、結構開いている。やらかすなら、今だぞ?」
その返事を聞き終える前に、クレイは懐から閃光弾を取り出す。そして、三方向へ一度に放り投げた。
「――て、おい!」
クレイ特性の閃光弾である。手榴弾のような形状で、炸裂すれば閃光と煙幕のダブルパンチが襲い来る。半径5mが有効範囲であり、視覚・嗅覚・聴覚が4、5分使用不可能になるという恐ろしい代物だった。
「ふむ。これでだいたいは始末したか」
閃光弾は、見事にその効果を発揮していた。男達は皆うずくまり、咳き込んだり、耳や目を抑え、のた打ち回っている。
「……警告なしにするな、そういうことは。きちんと事前に言っておけ」
「失礼した。何、始祖たる吸血鬼殿には、この程度の玩具など無力。問題ではないと、思ったのでね」
冷静に、周囲を見渡した。……倒れた敵の数と、いまだに戦っている敵の数。そして、さらに送られてくる増援。それらを確認して、クレイは自分の違和感が間違っていなかった事を知る。
「多すぎる。いくらなんでも、これは異常だ」
現在進行形で、仲間たちは戦い続けている。自分たちも、相当の数を潰してきたはずだ。なのに、まるで全体としての数量が減った気がしない。
これは二十余名どころか、六十名……いや、百名はいるのではないか? と思った。報告とは違う――が、見えない所に隠していた。そう思えば、納得できなくもない。
「伏兵戦術という奴かな?」
「数で押すだけ、とは。なんとも稚拙なことだ。――これでは、クレアとやらの智謀も、底が知れる」
シャノンはあきれたが、クレイは現実的に見て、面倒だと思った。されど、特に対抗手段が思いつく訳でもないし――また、必要もなかった。
諦めて、戦いに専念する。その数にうんざりしても、いつかは終わる。それまで最善を尽くすだけだと、思い直した。
周辺を徘徊していた墺琵 琥礼は、闘夜の声が轟くのと同時期に戦闘を開始している。
「……ふッ」
手近な相手を、一人、二人と打ち倒してゆく。
多少鍛えただけのマフィアを相手に、刀を抜く必要さえないのか、全て打撃だけで沈めている。
的確に急所に打ち込む技量も見事だが、特筆すべきは攻撃のスピードである。有無を言わせぬ速度で近づき、敵が認識する暇さえ与えずに昏倒させる。多勢に囲まれたら、持ち前の素早さで撹乱した後、一人ずつ仕留めていった。
「やっぱり、凄い人は飛びぬけて凄いな。僕も、頑張らないと」
秋山 真之は、琥礼の活躍に感嘆しながらも、己の仕事を果たすべく動いていた。
和服の袴姿に、打刀・小太刀。それにスチルショットを用意している。さらに防弾チョッキを和服の中に着込み、準備は万端。
「せいッ!」
打刀を一閃。峰打ちだが、日本刀は鉄の塊である。真之の渾身の一撃で、男は倒れた。しかし敵は一人ではない。次から次に、襲い掛かってくる。
身体能力に飛びぬけた、ムービースターならば軽々とあしらえる者ども。しかし、常人の真之は数の暴力に対抗しきれず、やがて防戦一方となる。
「――く、なら、ここで!」
数人に攻め立てられ、ついに囲まれた所で――ゼロ距離のスチルショット。自分もろとも、複数の敵を巻き込んで爆発。半径1メートル以内の、『真之を除いた』全員が静止した。
ムービーファンである真之に、このファングッズの効果は及ばない。それを利用しての行動である。奇策がはまり、窮地を脱したが……それは一時のものでしかなかった。また沸いて出た敵に押され始めて、徐々に態勢が悪くなってゆく。
スチルショットは、一度使えば十分は使えなくなる。そうそう使える手段ではないし、奥の手を披露した以上、警戒されるのは必至。たとえ十分が過ぎたとしても、今度はスチルショットに持ち替える瞬間を狙われよう。
「ま、まずッ」
なにより、体力には限界というものがある。多少は場数を踏んでいるとはいえ、いままでにない数を相手にし、真之の太刀筋も鈍ってきていた。後は、時間の問題かと思われたが……。
「――大丈夫か?」
琥礼の加勢により、事なきを得る。真之は、ここで一息ついた。そして、感謝の意を述べる。
「ありがとうございました。……ええと、墺琵さん」
「琥礼でいい。俺も真之って呼ばせてもらうからよ」
そうして、二人は協力し合って敵を撃退してゆく。お互いに、敵を『倒す』のではなく、『制す』戦いを継続していった。――すると、初対面の相手でも、その気性が読み取れてしまう。
「琥礼さん、どうして刀を使わないんですか?」
「あんたこそ、どうして峰打ちで戦ってるんだ?」
意図する所は明確である。……敵を気遣っているのだ。答えは、両者とも返さない。ただ、苦笑して理解しあう。
「優しいんですね」
「――そういうことは、面と向かって言うもんじゃねえって」
意外と照れ屋なんだな、と真之は思った。しかし、あまり和んでもいられない。自分は油断が出来るほど強くはないのだし、なにより戦闘中は気を抜かないと決めている。
「ともあれ、油断せずいきましょう。どうやら、長丁場になりそうです」
「……ああ。本当に、そのようだ」
急造ではあったが、両者の連携に隙はなく、傷一つなく戦闘を切り抜けてゆく。
墺琵は当然だが、真之が無傷でこの戦いを切り抜けられたのは、ここでタッグを組めたことが大きい。気の合う所もあるし、これからも戦いを共にしてゆけば、良き戦友となるかもしれなかった。
残念ながら、ブラックウッドの放った狼は、羊の群れに押し潰されてしまっていた。十体二十体と送り込むならともかく、たった一人ではたいした混乱を引き起こせなかったらしい。
さらに周囲を見れば、戦況は悪くなってこそいないが、好転しているとも言いがたい。生かさず殺さず、血を啜りながら観察していたが――そろそろ見物にも飽きた頃であるし、動くべきであろう。吸い尽くした男を放り出し、ブラックウッドは出陣する。
「見れば数も多いようだ。助太刀しよう」
「せっかくですし、十狼さんがやるなら、俺もお付き合いしますよ?」
十狼と瑠意が、ここで戦意を表した。ブラックウッドもそれを予想していたようで、これを容認。
「では、代わりにこの辺りの掃除をお願いしようか。私は、これから逢い引きの予定があるのでね?」
意味ありげに、瑠意をちらりと見やる。彼もまた、同じように返した。まるで、お互いに何かを確認しあっているかのように。
そして、彼は蝙蝠に変化し、飛び去って行った。
「さて、逢い引きか。敵側に女性でもいたんでしょうかね?」
「かも、な。……同情しよう。いや、ここは寿いでやるべきかな」
それを見送りつつ、彼らは戦闘態勢を取った。十狼は腰に下げた【聖獄】と【晧天】を抜き、瑠意は【天狼剣】と【凌牙】の二刀を取り出した。二刀使いが、ここに二人。奇妙な偶然から、この場に参戦する。
天人族最強の斬り込み部隊長、十狼にとって、一山いくらの雑魚は問題にならない。体に染み付いた習性と経験の勘だけで、意識せずともなぎ払える。また瑠意とて、ムービーファンとしては破格の運動能力の持ち主。
「黒竜を呼ぶまでもないか。しかし、少し腕を上げたな? 瑠意殿」
「鍛錬は欠かしてないんですよ。これでも、ね!」
そこに十狼のサポートが加われば、死角などない。気を許す相手と、共に戦える。その昂揚感に、瑠意はしばし浸った。
「そこまでだぜ? お二人さんよ」
唐突に声を掛けられる。その先には、一人の青年。
「一応名乗っておいてやろうか。私の名はテッド・ランバース。手前らを潰す奴の名だ。良く覚えておくんだな!」
2m近い、赤い棒を引っさげた青年は、そう名乗った。彼こそは、この場でもっとも警戒すべき者である。だが、二人が気になったのは。
「……私?」
「一人称がおかしいな。ここは俺、というべきところだろう」
十狼と瑠意は率直な感想を述べる。それに憤慨したように、テッドは答えた。
「ウルセェ! 私だって似合ってないと思ってらァ! ……でもウィル様の言いつけなんだから仕方ねぇだろうが」
ひとしきりがなり立てた後で、テッドは威嚇するように、棒を瑠意に突きつける。
「勝負しろ。雑魚に邪魔はさえねぇ、一対一だ。――まずは手前から血祭りにあげてやるぜ」
瑠意は鮫のように笑って、その申し出を受けた。
「面白いな。やってやるよ」
「瑠意殿。挑発に乗ることはない。二人がかりなら、難なく撃退できる」
それはもっともであるが、瑠意の好みではなかった。気遣いは嬉しいが、ここは自分の腕を試してみたい。
「すみませんね。ここは、任せてくださいよ」
「だが――」
「俺が、信用できないんですか?」
ここまで言われれば、十狼とて反対は出来ない。ここで反対するのは、子供の手からおもちゃを取り上げるようなものだ。試練なくして成長はない、と言う考え方もある。ここは、見守ることにした。
「怪我をしたら、有無を言わせずに止めるからな。無茶は、してくれるなよ?」
「わかってますって」
そして、彼は二刀を手に対峙する。その得物を見て取ったのか、テッドが言った。
「二刀流か。よほど腕力に自信があるのか? それとも、ただの見栄っ張りか」
「俺にはこいつがイチバン使い易いんだよ。ごちゃごちゃいわずに、さっさとやる――」
棒が突き込まれた。かろうじて回避したが、その一撃。
「早い」
と、言わざるを得ない。
相当やるな、と瑠意は気を引き締めた。対してテッドは、にやにやと笑っている。今のは手加減した、と言わんばかりに。
「――く」
棒の間合いと、刀の間合い。それを理解して、彼はうなった。
得物の長さでは、こちらが劣る。瑠意が届かない距離から、テッドは攻撃することが出来るのだ。この差は、大きい。さらにお互いの間に、身体能力の差はほとんどないようだった。力押しというのも、難しい。
二刀の手数の多さは、まず近接しなければ生かしきれない。棒が突き、払われ、薙ぎ、それに対応するのがやっとである。それでも徐々に前に出て、反撃の機会を狙えているのは、瑠意の修練の賜物か。
「……ここだ!」
そして、好機が到来する。絶え間なく襲い来る棒を捌き、弾き、切り返して、己の刀の間合いに踏み込めた。ここからはもう離さなぬ、とばかりに肉薄し、二刀で切りかかる!
――が。
「ぐぁッ……」
狙撃。銃弾は瑠意の刀を見事に打ち抜き、それを彼の手から弾き飛ばした。
「何ぃ!?」
それはテッドにとっても予想外だったのか。驚きの声をあげた。――しかし、攻撃の手は急に止まれない。結果、棒が瑠意の肩を直撃する。
「――ぎ」
痛みに耐え、食いしばる。残った一刀も、これで取り落とした。たった一撃だが、ダメージは軽くない。激痛が、肩から手の内へと、じんじんと伝わってゆくようだった。
「ごめんね? 坊や」
十狼の鋭い聴覚は、その女の声を捉えていた。かなり離れた地点で、ライフルを手に、彼女は笑っている。
不快だが、ここは堪えた。まず瑠意が何よりも心配だったし、彼女に天誅を食らわす相手にも、心当たりがあったから。
「さ、帰るぞ」
そして、彼を米俵のように軽々と担ぎ上げ、その場から去ろうとした。当然、瑠意はそれに抗議する。
「え? ちょ……ちょっと、大丈夫ですから降ろして下さい!かすり傷だし、自分で歩けますってば!」
おろせと騒ぐ彼を完全に無視する。本気になった十狼を、瑠意は止められない。
「大変だな、あんたも」
テッドにさえ、呆れられていた。人がいいことに、この隙に攻撃しよう、とは考えていないらしい。
彼に声を掛けるなら、これが最後になる。だから、悔いを残さぬために、瑠意は声を張り上げるように言った。
「ひとつだけ、言わせて欲しい。――此処は映画の中とは違う! ウィルの邪魔をしないでくれ! あんただって、別に生き方が出来るはずだろう!」
瑠意の言葉に、テッドはきょとんとした表情を浮かべた。そして、意味を理解したらしく、自嘲するような笑みを浮かべる。
「……考えておくぜ、二刀使い」
だが、悪くない気迫だった。もし二度目があるなら、とことんやってみたい、と思う。
「しかし、あの御守りの男。本気を出せば、私くらいは瞬殺できたろうに。……つくづく、人のいい奴らだぜ」
おそらく、瑠意を慮ってのことか。己が苦労しつつ戦っていた相手を、連れが瞬殺した――となれば。その心中は、複雑になったろう。無理矢理ではあったが、実に細かい部分まで気が行き届いている。十狼という男は、なんだかんだ言って、彼には甘いらしい。
「ま、いいさ。命拾いしたってことで。……銀幕市は、やっぱり凄い。こいつは、当たりかな?」
テッドの言葉は、ただ風に流れ、すでに瑠意には聞こえない。十狼に担がれて、去ってしまっていた。
「さあ――てと。あの女、余計な事をしやがって。どうしてやろうか」
と、おそらくクレアがいるであろう場所をにらみつける。おかしな事だが、敵であったはずの瑠意のためにも、ここは怒ってやるべきだろう、という気分になっていた。男の勝負とは、神聖なものだと考える。その彼の信念が、そう思わせたのだ。
これから向かって、尻を叩いてやろうかと、歩み始めた時。
「駄目だな。どうも、今日の私は人気者らしいぜ」
テッドが、何か感づいたらしい。クレアのいる方角とは、別方向に視線を向けた。こちらからは死角になる、物陰。先ほど、そこから妙な気配がしたように感じた。
そして、近くにあったゴミ袋を棒でひっかけ、投げる。
「――何?」
「隠れてやがったか、何モンだ? 手前」
現れたのは、榊 闘夜である。さっきまで一般人の避難を手伝っていたのだが、どうしたわけか、ここにいた。
数の多い雑魚よりも、幹部を狙って効率的に仕事を終わらせよう、と考えたのか。テッドは思考の果てに、そのような結論にたどり着く。
「……だんまりか。さっき、手を出したろ」
瑠意が狙撃されたとき、本当は刀ではなく、腕を撃たれていたはずなのだ。それを途中で式神を割り込ませ、逸らせたのは闘夜の手腕であった。
あまりの早業であったから、瑠意は気付いていないだろう。十狼は、もしかしたら知っていたかもしれない。だから、狙撃されたとわかっても、平静だったのか。
「気付いてた?」
「ああ。今確信した。――あの女、普段は猫かぶりの、なまっちょろい奴だが、やるときは堅実だ。武器だけを狙う、なんて気の効いたことはしない」
だから、何らかの妨害が入ったのだろう、とテッドは思ったらしい。
「ま、いいさ。思惑はなんであれ、私とやるつもりだろ? ――相手してやんよ」
「……私? その口調で、変」
「かッ――その突っ込みは、本日二回目だ。慎めよ」
テッドが棒を構えると同時に、闘夜は槍を構えた。そして、戦いの第二幕が開始される。
「せいッ――そらそらそらッ」
テッドは今回は最初から全力で跳ばしてゆく。加速する突きは、常人が見れば、まるで棒が何本にも見えただろう。
棒の『戻り』が見えなくなるような、極限の速度。恐るべき連続の突きだが、闘夜は槍でこれをしのぐ。
「チッ」
テッドは一旦棒を引き、間合いを開ける。そして、驚嘆するように一言。
「今のは、本気の、私の全力だったんだがな。――堪えた様子もねぇか? 化けモンめ」
「化けモンは言い過ぎ。あんたが並なだけ」
事実、テッドの実力は、この銀幕市においては突出したものではない。一芸に秀でているという意味では、相当なものだろうが――やはり、どこにも次元が違うような輩はいるものだ。
「でも、真っ向からやると疲れるみたいだし。……どうしようかな」
「どーするもこーするも。……やるしかないんじゃねぇの? 逃げたいなら、そうしてもいいんだぜ?」
また踏み込み、今度は後の先を取るように、闘夜の槍をかいくぐって肉薄する。
「――!」
「そらよ」
触れ合うような距離で、テッドは顎をかち上げるように棒を振るった。それを闘夜はかろうじて槍で防御する。と、それを確認した直後、テッドはさらに前に踏み込んで力ずくで押し倒そうとする。
「腕力なら、負けてねぇみたいだな? ええ、化けモノさんよ」
「だか、ら。化けモノって、呼ぶ、な」
押し合いながらも、闘夜には余裕がない。あわや押し倒されるかと思われたが、ここで助けが入る。
「く、今度はそっちか!」
銃声、そして跳弾が、テッドを襲った。一発は足の甲に。もう一発は二の腕を貫通した。たまらず後ろに飛び退いたが、この好機を闘夜は逃さない。拘りも情けもなく、楽に勝てるのであれば、その為の行動を躊躇う彼ではない。
「てぇ――」
体勢を崩したテッドに、槍を見舞う。
「まだまだ!」
されど彼も、戦意の衰えは見せない。銃創の痛みを堪えて、対応しようと棒を――。
「げ」
動かない。まるで固定されたように、棒を持った手が動かなかった。
ここにウィルがいれば、気付いただろう。それは、以前にテッドの主を束縛したもの。目に見えぬ、ワイヤーが彼の腕に絡み付いていたのだ。なす術もなく、そのまま槍を喰らう。
「んがッ! ……うぐ」
槍は、彼を斬るのではなく、叩きつけるように打ちのめし――ここに、テッドは倒れた。
「――やっと、終わった」
戦いが終わり、息を吐いて緊張をとく。その闘夜に、続々と仲間達が駆けつけてきた。
「大丈夫ですか?」
「どうやら、終わったみたいだな。傷があれば、手当てしようと思ってたが――その必要もないらしい」
真之と琥礼が、まず駆けつける。両者とも、相手を気遣って見せるのは、人格が現れていると見るべきか。そのすぐ後で、残りの二人がやって来る。
「援護は的確だったようだ。見事、といっておいてやろう」
「そうか、ならば重畳。……お前のワイヤーも、なかなかの精度だった。遠距離からでも繰れるとは、前より器用になったな?」
クレイとシャノンが、お互いに健闘をたたえあう。仲の悪いように見えても、どこか微笑ましい所があった。だからこそ、こうして付き合えているのかもしれない。
「あ――負けだ負けだ! くそ」
テッドが、仰向けのまま怒鳴った。そして、全員が彼を注目する。
「応急処置ですが、治療を」
「……命に別状はなさそうだが、放っておくのもあれだしな」
真之と琥礼の的確な処置により、テッドは助かった。出血は問題だが、すぐにどうこうなる傷でもない。これから病院に運んでやれば、どうとでもなる。
「あと一人か? クレアの姿が見えない」
シャノンの言葉に、場の空気が変わる。まだ仕事は継続中だと、思い直したのだ。
「そうだな。黒服の連中は、もう見えないし、残りはクレア一人か。……罠を張る相手に、真っ向勝負は仕掛けたくないが」
「……黒服の連中が、いない? ――そうか。なら、あいつも、やられたんだな。手前らの勝ちってことに、なるのかね」
が、テッドの思わぬ発言で、彼らは自分たちの勝利を知らされた。
クレイが詰め寄る。
「どういうことだ?」
「あいつの指示さ。自分がやられたら、撤退しろってね。……優しいんだか甘いんだか」
テッドがそうであったように、飛びぬけたムービースター相手に、直接対峙しては、生半可な策では抗し切れない。ましてや今彼女の元へ出向いたのは、あの吸血鬼の長老格ブラックウッドだ。時間的にも、そろそろ決着がついても良い頃合である。
「そうか。それで、もう敵が現れてこないというのは」
「ああ、もう決着はついているんだろうよ。どうなっているかは、想像するしかないが」
テッドは、そう吐き捨てた。まるで、クレアなどどうでも良い、と言わんばかりに。
「お嬢さん、私と一緒に食事でもいかがかな?」
「あいにくと、わたくし、吸血鬼は好みじゃないの。生まれ変わって出直してくださる?」
ブラックウッドは、クレアと対峙していた。瑠意を狙撃した、その直後のことである。その手にはライフルが握られていたが、それを躊躇なく投げ捨てた。
「おや、良いのかね? 遠慮せずとも、抵抗してくれて構わないよ」
「嫌味ね。ここでこうして相対している、という時点で。私の敗北は決定してるわ。後は、いかにしてその負けを受け入れるか、という段階になっている。状況を理解できないほど、わたくしは無能ではない。……おわかり? 舐めるな、といっているのよ」
クレアは、負けを認めたといいながらも、やはり抵抗の構えは捨てていないらしい。それを面白そうに、ブラックウッドは微笑んで見せる。
「せめて、一矢報いたい、と?」
「ええ」
そして、クレアは右手をあげた。
「撃て」
振り下ろす。とほぼ同時に、ブラックウッドの体を鉛玉が蹂躙する。隠れていた部下が、いっせいに射撃したのだ。
だが、それも空しい。吸血鬼たる彼に、その手の攻撃はあまりに無力だった。
「喰らう端から再生している? ――なるほど。本物のようね?」
ものともせず、クレアに歩み寄る。銃弾など、彼にとっては雨に打たれるのと同じなのか。
「でも、これならどうかしら?」
クレアは、袖から拳銃を取り出した。それでブラックウッドの額に狙いを付け、撃つ。
「吸血鬼には、銀の銃弾が効果的、とか聞いたことがあったから。……念のために持ってきたのだけれど、用意はしておくものね?」
額に直撃し、のけぞったブラックウッド。……しかし、何事もなかったように、またクレアと顔をあわせた。
「惜しいな。――だが、それでは効かんよ」
「みたいね」
観念したかのように、拳銃をしまう。そして、挑発的な視線を彼に向けた。
「まるで、この敗北がわかりきっていたような顔をするのだね」
「ええ、そうよ。こちらの惨敗は想定内。むしろ、そうでなくては、わたくしの思惑から外れてしまう」
どうやら、襲撃自体は、本来の目的ではないらしい。
ブラックウッドは、彼女の真意に興味を持った。『食事』を共にする前に、聞いておこうとも思う。
「どういう意味かね? それはあまりにも――君の部下に、失礼ではないかな」
「いいのよ、そんなの。初めから真意は伝えていたもの。……ええ、そうでなければ、裏切り者のわたくしなんかに、あいつらが従うものですか」
クレアは、映画の中でウィルやテッドを裏切り、主人公に媚びた者。それは、沸いて出てきたような黒服たちにとっても、彼女が侮蔑に値する人間であることを意味する。
「聞かせてもらえるかな。君の、真意とやらを」
「――ある男を、倒して欲しいのよ。今回のことは、試験のようなものだと思ってもらって構わない。わたくしたちを圧倒できずに、あいつを倒すことなんて無理なんだから」
そうして、クレアは言った。その男の名は、依頼人にとって非常に近しい人物の名。すなわち。
「映画【摩天楼の狼】主人公、ヒース・ウォード」
さらに一呼吸置き、述べた。
「そして、ムービーキラーと成り果てた、わたくしの彼。……貴方くらい強い吸血鬼なら、きっちり倒してくれる。今は、そう確信することが出来るわ」
ムービーキラー。
それは、ムービースターとして誕生したにもかかわらず、ある時点で変質し、以後は『他のムービースターを消滅させること』を目的に活動を行なう者。一度ムービーキラーと化した者は、元の善良な人間に戻ることはない。
この銀幕市に混乱をもたらし、秩序を乱す存在である。もしそれが事実であるなら、放置は出来ない。
「……お察ししよう。さぞ、辛いことだろうな」
彼、とクレアは言った。つまり、ヒースとクレアは男女の仲だったのだろう。おそらくは、その為にファミリーを裏切り、主人公の側に付いたのだ。
「同情したって、貴方への評価は変わらないわよ?」
「いいさ。私が慰めたいと思うから、そうする。それだけのことだ」
ブラックウッドは、ふわりと、包むようにクレアを抱きしめる。
これから、この吸血鬼が何をしようとしているのか、彼女は理解していた。好きな男が別にいるなら、決して受け入れてはいけない、この抱擁。しかし、クレアは拒絶できなかった。いや、あえて突き放さなかったのだ。
「優しくしてくださる? 痛いのは嫌いなの」
「わかっているとも」
そして、クレアはブラックウッドの口付けを受け入れる。かに、見えた。
「なんて、ね」
ナイフが、彼の胸に突き立てられる。それは丁度、心臓の位置であった。
「駄目よ? 最後まで油断しちゃ。……それに、私は貴方みたいな人は恋人にしたくないわ。自分は絶対に負けないとわかっているし、その絶対の自信から、危機感もない。だから、あっさりと寝首をかかれる」
かかれても問題ない、その生命力さえ、クレアにしてみれば疎ましい。理解は出来る。受け入れることも容易だ。しかし、そんな理不尽な存在に誘惑されることは、ごめんこうむりたかった。
「儚い命をチップに、本気のやり取りをする。わたくしが好きなのは、そういう男を傍で見ることよ。――はじめからお呼びじゃないの。わかる?」
「ああ。それはすまなかった」
完全な拒絶。それを見て取ったブラックウッドは、あえて強引に迫ろうとはしなかった。
心臓の傷も、たちまちふさがる。ただのナイフでは、やはり彼に致命傷は与えられない。
「味見くらいは出来れば――と思ったのだが」
「意地汚いわね? どうしてもというなら、物言わぬゾンビにするつもりでやりなさい。でなければ、自決するから」
嘘ではない。彼には、それがわかる。偽りを口にする女性を、長い人生の中で何度も見てきたからだ。
「でも、降伏はするわ。――仲間のところに、連れて行きなさい」
「了解した。……やれやれ、負けた側が命令するとは、ね」
苦笑しつつ、ブラックウッドはささやかな非難を口にする。
「紳士なら、女性のささやかな願いくらい聞いてやるものよ?」
「もっともだ。が、話を聞いてくれた相手にナイフを突き立てるのは、失礼だと思うのだが」
「あんなのちょっとした悪戯じゃない。さ、行きましょう。……そういえば、テッドの奴はいい加減負けている頃かしら?」
地べたを舐めているようなら、笑ってやるわ、とクレアは嘯く。反省の様子もなければ、悪く思っている風でもない。それをブラックウッドが、なんとも言いがたい目で見つめていた。
クレアとテッドは、再会しても視線を合わせなかった。お互いに、嫌っているのだろう。
ブラックウッドに連れたられて来たことで、彼女の敗北が確定的なものだと、皆は知った。
「勝利に浮かれている所で悪いけれど、こちらから話が在るの」
そして、ブラックウッドに語った内容を、全員に伝えた。ムービーキラーの出現というのは、気を引き締めさせるのに充分な情報である。
「ヒースは、近々動くわ。その時に、また同じ面子が揃うとは限らないけれど。……一応、気に留めておいて欲しいのよ」
「悔しいが、よ。私たちでは、かなわねぇ。ウィル様だって……認めたくはないが、たぶん、無理だろう。だから、あんたらに頼みたいんだ。自分勝手な願いだってのは、わかっているつもりだけど」
ただ、二人とも覚悟はしていた。自分たちの目的のために、大勢を巻き込んだのだ。
一般人に被害は皆無だし、この戦闘に参加した銀幕市の住人たちで、深刻な怪我をした者は一人もない。だが、けじめはつけられるものだ。どんな罰とて、受け入れるつもりでいた。
「僕の質問に、答えてくれますか」
「なんだい?」
真之が、述べた。
「銀幕市民として、今までとは違う生き方を受け入れられますか? ……貴方のボスのように、平穏な暮らしを望んでくれますか?」
ウィルを知る者として、絶対に聞いておかねばならないことだった。
これを聞いておかねば、そして納得できる答えをもらわなければ。――ウィルに申し訳が立たない、と。真之は、本気でそのように考えている。
「もちろんよ。平穏無事に生きていけるなら、それもいいわ。わたくしは、たまに刺激があればいいと思うし」
「不本意ながら、同意見だ。ウィル様がおとなしくしてるってんなら、私がそれに逆らうわけにはいかねぇ。銀幕市の秩序に従うさ。黒服たちも、ウィル様の命だって言ってやれば、おとなしく暮らしていくだろうよ」
その答えに、安堵する。真之は、これでウィルに胸を張って報告することが出来ると、誇らしい気持ちが湧き上がる。
「ありがとう、ございます。僕も、出来れば貴方がたにとって良き隣人でありたい。困ったことがあったら、いつでも言ってくださいね」
「――おい、それだけかよ。なんかさ、けじめってモンが、あるだろ」
物騒な組織に身を置いていた、テッドらしい言葉である。
それには、ちょっと困ったような顔をした真之の代わりに、琥礼が応じる。
「あのな、俺たち、あんたらのボスに頭を下げられて、この場にいるんだよ。誇りを持って生きてきた奴が、それを捨ててでも頼み込んできたんだ。……それくらい、大事に思われてるって事をわかってやれよ。誰も、これ以上痛めつけてやろうだなんて、考えてない」
「甘いぜ、あんた」
テッドは率直にそう返した。琥礼は、頭をかきながら、柄ではないと思いつつも、さらに続ける。
「銀幕に実体化した以上は、皆同じというか、繋がってるもんだと思う。そういう意味でも、さ。……一緒に生きて、うまくやっていけたらいい。後味が悪いのは、好きじゃないんだよ」
「……参ったね。そこまでいわれたら、こっちも納得するしかねぇな」
「ええ。本当に、完膚なきまでに敗北したって気がするわ。精神的にも、ね。……こういう気分は、久しぶりだわ」
ようやく、二人は納得したようだった。
これにて、今回の事件は終息する。わびもこめてか、戦闘の後始末は、テッドとクレアでやるらしい。その目に偽りはなく、本心からの気持ちであることがわかった。
悪役会襲撃事件は、大きな騒ぎになりながらも、怪我人一人出なかったことにされている。その裏には、テッドとクレアの承認があり、ウィルとリックの暗躍もあった。この件は、銀幕市にとっては、ただいつもより少しだけ、刺激的な事件として扱われることになる。
――だが、これは次のさらに大きな事件の前哨戦に過ぎないのだと、参加した者たちは知っていた。
また彼らが動くときは、そう遠くのことではない。そして、その日のために、各自が牙を磨いて、時期を待つのだった――。
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クリエイターコメント | どうにか、整合性を付けられました。完全にプレイングを、そのままには引き出せませんでしたが――。 部分部分を、アレンジして、使わせていただきました。満足していただけたなら、幸いです。
三作目は、来週中にでも募集が掛けられるでしょう。興味があるならば、そちらにも参加してくださると、嬉しいです。 |
公開日時 | 2007-11-24(土) 21:10 |
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