★ 銀幕市雪まつり ★
イラスト/キャラクター:晏嬰亮 背景:ミズタニ


 銀幕市は、雪深い地域ではない。
 雪の新年になることもないではないが、雪が積もることは珍しい。
 しかし、昨年と今年は、市にとって特別な一年であった。年が明けたとき――広場ではなにやら騒ぎがあったようだし、杵間神社でも、市のはずれの地獄門の向こうでも騒動があったようだが、昨年末、奇妙なムービーハザードが出現した銀幕市自然公園にも、異変が起こっていた。
 異変、といっても、決して危険なものではなかった。
 ただ、公園の敷地内だけが、大雪に閉ざされていた、というだけの。
 この局地的な降雪は、公園から一歩でも出れば雪が1ミリたりとも積もっていないことから、ムービーハザードであろうと推測されたが、かといって、雪が降った以上のことは何も起こっていないようだ。リオネはただはしゃいでいるのみ。バッキーたちは……しゃく、と、雪をひとくち食べただけであった。
 あるいはこれは、これは天の贈り物――、だったのかもしれない。

「と、いうわけで、『雪まつり』をやってはどうでしょう」
「……はい?」
 仕事始めの慌ただしさも落ち着かぬ植村直紀のもとに、ふいにあらわれた柊市長は言った。
「大雪を記念してイベントをやりましょう、というのです。自然公園のグラウンドで雪合戦ですとか」
「わーい、雪合戦、雪合戦〜! リオネも雪合戦やるー!」
 穏やかな笑みを浮かべる市長と、傍のリオネは、中の良い父娘そのものだったが、いくらなんでも、思いつき過ぎる発案に植村はどう応えてよいかわからない。
「いや……あの、しかし、急ですし、準備が……予算ですとか、いろいろと」
「ムービースターのみなさんに協力してもらえれば容易でしょう。これは、かれらとはじめて迎える新年を祝う行事でもあるんです」
「……でもそれって、広報企画とかの仕事ですよね!?」
 本音が出た、植村。
「だから植村くんにお願いしています。便宜上『対策課』とかやってもらっていますが、もともとあなたは広報課でしょう?」
「…………」

 そんなわけで、『銀幕市雪まつり』が、急遽、開催される運びとなったのだった。


<ご案内>

大雪の降った銀幕市自然公園で、市主催の『雪まつり』が開かれました。

■プログラム1「チーム対抗雪合戦大会」
東西両軍の2チームに分かれて、雪合戦大会を行ないました。

■プログラム2「雪像コンテンスト」
雪で像をつくり、その出来映えを競い合いました。


※こちらはフリーイベントとして行なわれたイベントの記録です。


→フリーイベントとは?
『銀幕★輪舞曲』において、不定期に開催されるゲーム内イベントです。参加は無料! どなたでも、お気軽にご参加下さい。過去に行なわれたフリーイベントの記録は『雑誌社』の「これまでのあらすじ」からご覧いただけます。





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