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兆し
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| アリッサ・ベイフルック(cczt6339) 2009-11-16(月) 20:01 |
「お嬢様」 すっ―ー、と、滑る影のように、男はアリッサに近づいてきた。 高さも厚みも相当な巨漢だが、不思議と物腰はやわらかい、たしかアリッサの執事と紹介された男のはずだ。 「……」 男は長身を屈ると、アリッサにそっと耳打ちをする。 「ごめんなさい、ちょっと失礼」 ロストナンバーたちの幾人かと談笑していたアリッサは、席を立つと、男とともに図書館の建物内へと消えた。 そのすぐあとだ。 世界司書たちがいっせいに、はっとして、自分の『導きの書』を手に取った。 ひとりでにページがめくれ、そこに余人には読めぬ文字が浮かび上がる。かれらは互いに顔を見合わせ、頷き合うと、やはり、アリッサたちのあとを追った。 あとには、言いようのない空気と、なにもわからないロストナンバーたちが残された。
やがて…… 世界図書館の放送設備から響く声を、人々は聞くことになる。
『ロストナンバーの諸君に告ぐ。壱番世界において、<ディラックの落とし子>の存在が確認された。すでに侵食が開始していると考えられることから、世界図書館は当該対象の殲滅を決定し、現時刻をもってトレインウォーの発動を宣言する。詳細は追って連絡するので、有志のものは待機されたい。繰り返す。壱番世界において――』
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なんだぁ?
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| 飛田 アリオ(capb4508) 2009-11-17(火) 12:00 |
トレインウォー……って? |
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ふむ。
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| ブラン・カスターシェン(cuzr9995) 2009-11-17(火) 12:01 |
なんかヤバイことがあるらしいってこと。
さあ、行こう。我輩たちの出番のようだからな。 |
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