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[1] 【居住区】
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-01(水) 00:11
【居住区】と書かれた看板の示すゲートを潜ると、
広々とした4LDK、二階建ての豪華な住居が広がっている。
レンガ造りの壁にフローリングの床、上質な敷物を敷いた広場。
そこには赤々と燃える暖炉があり、それを囲むようにソファーと、古びた揺り椅子が置かれている。

ふと壁に目を移せば、壁に飾られている武器や魔物の首が見て取れるだろう。
それは、彼の血塗られた栄光を示すそれだが、今はただのイミテートとなっている。

家のこと全般は召使であるサーヴァントゴーレムが常に掃除洗濯、
家事から何までこなしているので非常に手入れが行き届いているようだ。
水道と1番世界の洗濯機や冷蔵庫など、中世と現代が織り交ざったような空間になっているのは、主の気まぐれだろうか。
どこから引っ張ってきたのか、インターネットに繋げるパソコンもあるなど、
非常に多機能にまとまっている様子が伺えるだろう。

時々、ソファーに身を投げ出して寝ている主の姿が目撃されることもあるという。

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雑談スレッドです。ルールを守ってごゆっくりどうぞ。
[2] ふむ…。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-01(水) 00:31
(手に分厚い魔導書を持ってゆっくりと読み進める姿がそこにはあった。
 揺り椅子に腰掛け、視力保護用のモノクルを掛けて本を読みふけっている。
 魔力を通しながら読んでいる為、少し魔力の波動を感じるだろうか。)

……ふむ……。

(公式を頭の中で練りあげながら読み進める姿は、戦場の姿からは到底思えない。
 来客が来てもいいような、穏やかな様相である。)
[8] 迷い込んだ“ふり”。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-04(土) 00:45
(軽い足取りで、けれど人の耳には届かぬ程度の足音を革靴が鳴らす。
 金と銀の瞳を瞬かせて、居住区の看板を見上げると、ぴたりと足を止めた。
 人と魔力の気配を感じたらしい“それ”は、好奇心に駆られてゲートを潜る。)

 へぇ、これはこれは……面白い所に迷い込んだ、かも?
 ご主人のお屋敷より立派かな? ちょっとだけ変わった所もあるようだけど?

 ……ん? あの……ここではなんて呼べばいいんだっけ?

(遠目から見える位置で、ゆったりと本を読む宮殿の主を見つけたらしい。
 その姿を“竜人”と呼ぶべきか、“ドラゴニュート”と呼ぶべきかを思案している様。
 そんな彼自身は、毛皮の色以外はノルウェー童話に登場する猫妖精の姿に似ていた。)
[9] 来客とは珍しい。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-04(土) 01:26
(本の世界は奥が深く、一度入り込めばどこまでも先のない旅路になる。
 そんな無限航路の途中で、主は来客の気配を感じて魔力を切る。
 魔力で本を浮かせ、声の方に椅子ごとゆったりと振り向けば、
 猫妖精に似たその生き物に、主は声を掛けた。)

――元々の名を問えばキリがない。
「影飲みの一族」、「竜の血を引く者」、「神話の使い」、「ドラゴンキン」……。
だから、普通に「竜人」でいいよ。

いらっしゃい。来客とは珍しいね。
歓迎するよ。

(穏やかな笑顔の主。彼を知る者からすれば、意外な一面だといえよう。)
[11] 先ずはご挨拶。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-04(土) 08:42
(呟きのつもりだった言葉を拾われて、うっすらと笑みを浮かべてみる。
 浮き上がった本をほんの少し見つめた後、こちらを向いた宮殿の主を見る。
 歓迎の言葉を受け止めた後、象徴とも言える羽帽子を手に取り、口を開く。)

 ――ふぅむ。
 それだけ長く、深い物語をその身に秘めた人々と言うこと――かな?
 ではお言葉に甘えて、この世界では「竜人」と呼称させてもらおう。

 では改めまして、初めまして、竜人さん。
 僕の名はレイド。 ――レイド・グローリーベル・エルスノール。
 来客とは恐れ多い、かな? 僕はただ迷い込んだだけ、だからね。

(一部の名の由来になる鈴の音を鳴らしつつ、笑みを返した。)
[13] 返礼と、もてなしを。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-04(土) 13:07
(うっすらと浮かべられた笑みが、この居住区にはとても眩しく見える。
 その笑みを見据えながら、相も変わらぬ笑顔を浮かべた居住区の主は、
 いつも通りの口調で返答を返した。)

それでいいよ。――生まれが多次元世界なものでね。
次元の壁を一枚隔てれば我々の呼び名も、また概念も、全てが変わってしまうのさ。
「竜人」と呼ぶとさしたる間違いがないというだけ。

レイド、か。
こちらはディラドゥア。――ディラドゥア・クレイモアだ。
好きに呼んでくれて構わないよ。

ハハハ、来客とは恐れ多いと言ってもね。
迷い人と謙遜してても、来る者拒まずで歓迎するのも主だから。
なにか飲み物は飲むかい? 直ぐに出そう。

(相手の笑みを受けながら、軽い身の上話を織り交ぜる竜人。
 客人のことを見て、もてなしを考えながら彼もまた、笑顔を返すのだった。)
[14] 聞いたりねだったり尋ねたり。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-05(日) 00:35
(挨拶を終えたところで、羽帽子を被り直す。
 しばらく帽子の向き、角度まで拘った後、腕を組んだ。)

 多次元……本棚の中に、また本棚を仕舞ったみたいな世界、かな?
 元はたった一つの話でも、時が過ぎれば派生、分岐していく――。
 それはどうも、僕の世界だけで起きていることではないようだね。

 うん、レイド。 向こうではミドルネームで呼ばれることが多かった、かな?
 けれどコレ、僕を示す名じゃないし……、レイド、と呼んでもらえれば、嬉しいかも。
 ふむ、ディラドゥアだね。 ――宜しく。

 謙遜はしていないよ、寧ろ見つからないままだったら、暫く探検していたかも。
 この場でレイドさんを追い返していないことに、感謝したいところ……かな?
 それどころか飲み物まで出してくれるって言うんだ、その寛大さに胸を打たれたよ。

 ご好意はちゃんと受け取らないと、ね。
 ええと、えーっと……カップ一杯のミルクがあれば、喜んで。
 ……ところでさっきまで、何の本を読んでいたの?

(視線は宮殿の主の方へ向いたり、未だに宙を漂う本へ向いたり。
 三度の食事やミルクよりも、異世界の書物に興味を示している様子。)
[16] 答えたり、渡したり。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-05(日) 04:12
(相手のかぶり直す羽帽子を見ながら、
 そのこだわりようにどこか懐かしさを覚え、目を細める。
 昔、こういう仲間も居たなと、ふと。 遠い、昔の記憶。)

だね。君の言葉で兼ね、合っていると思う。
様々な物語が生まれ、種族や神も、また生まれては消えて行く。
それが、自分の世界だから。
自分の世界がそうなんだ、君の世界もそうなんだと思う。

寛大、か。自分は特に意識はしていなかったんだけどね?
何の気もない、いつものとおりさ。
幸い、チェンバーの生活はとても快適なものだから。
もてなしの一つや二つは簡単に行える。

牛乳か。――じゃ、準備するね。

(そう言うと主はゆっくりと立ち上がり、
 冷蔵庫からよく冷えた搾りたての牛乳の缶を持ってきて、カップに注ぐ。
 カップは上質な白磁のそれで、彼の生活におけるこだわりが透けて見えるようだ。
 注いだカップをソーサーに合わせ、ゆっくりと持ち運ぶ姿は、いつもの彼の姿だろう。
 召使いのゴーレムにやらせてもいいが、味気がないから。
 そんな、彼の心遣いであり、優しさだ。
 目の前に置かれたカップ。その牛乳の面が魔法で静止しており、
 置かれる間際まで動きを止めていたのに、彼は気がつくだろうか。)

――はい、どうぞ。

ああ、この本か。
これは、魔術書(グリモワール)。この本なら中級から上級の強化魔法を納めてる。

(そう言うと、主は本のラベルを見せるように本を動かす。
 ラベルに描かれた文字は『グロース・スペルズ・アトラシア』と読めるだろうか。
 相応に強い魔法を収めた、肉体変性を始めとする強化呪文書だ。)
[20] 受け取ったり、被り直したり。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-05(日) 15:05
(漂う本、動く石造、飾られた武具の数々、視線は忙しなく巡り巡る。
 その様はまるで本当に迷子になったみたいだ、と思うと一瞬だけ瞳が潤んだ。
 こういう時、象徴として被っているこの羽帽子は重宝すると彼は知っている。)

(目の前に置かれたカップから漂うミルクの香りを嗅ぐと、滲み出た泪は引っ込んだ。
 それが宮殿の主のささやかな魔法と共に注がれたもの、だとは気付かないふり。

 ん、ありがとう。 いただきまーす。

(久々のミルクタイムに声も弾み、一言残した後すぐに、被るように飲み干した。
 カップを水平に戻した時には既に空っぽ、代わりに口周りが白っぽくなっている。)

 ぷはー、おいしかったー、ごちそうさま!
 やっぱりミルクは絞り立てが一番だね、粉っぽくなくて飲みやすいし!


 僕の世界も一冊の本で、棚に収まっているものと知ったのは少し前のこと。
 “覚醒”を経て外に飛び出す前に、薄々感づいてはいたけれど……。
 まさかこれだけ多くの世界があったなんてね、僕達は井の中の蛙だったわけだ。
 ……この世界を本棚に仕舞うとしたら、どのジャンルが相応しいかな?

(漂う本の話がされた時、誘われたようにそれを見る。)

 魔導書か……、今日、初めて見たよ。
 僕の世界にもあるにはあったんだけれど、使い魔は触らせてもらえないんだ。
 「お前には魔道具を与えてあるんだから、それで十分だろう」ってね。

 魔導書を持っているということは、ディラドゥアは魔導師、なのかな?
 もしそうなら、この宮殿の中で動いていた石造にも納得が出来るよ。

(まぁ、そもそも此処の名が『魔術師の箱』だしね、と、笑う。
 こういう時、羽帽子は重宝すると彼は知っている。 ――顔を見られないから。)
[23] 魔術師の日常と、ある日の群像。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-06(月) 12:19
(キョロキョロと周囲を見渡す相手。
 その思考を思い、様子を静かに観察すれば、彼はそれ以上の詮索をすることはない。
 それは、一番野暮な話だと知っているからであり、
 ヒトは、秘密のヴェールを持っていたほうが、魅力的に映るものだから。
 そんな相手に、どうぞ、とだけ告げて、飲む様子を静かに見守った。
 その後の飲み干した相手の笑顔を受けて、彼もまた喜びの表情を浮かべる。
 もてなした甲斐があるというものだ。)

うんうん。自分も粉ミルクはどうしても舌に合わなくてね……。
搾りたての牛乳を近場で仕入れて、買っているんだ。
なにより、美味しいしね。


井の中の蛙、か。
なんか、自分からすればこの世界達は自分の世界の延長線にも見えて仕方が無いよ。
元々の世界がよく似た世界だったから、なのかもしれないけどね。
もし、この世界を本にするなら、か。
そうだなぁ。エッセイか、ポエトリーだろうね。

(そんなことを、相手に。
 相手の視線が魔導書に向かうのを静かに見ながら、
 彼はゆっくりゆらゆらと本を揺らしたりしてみている。
 まるで、遊ぶように。

 魔導書の話になれば、ふと表情は曇って見える。
 魔術師の端くれとして、情け無いというか、
 そんな表情を孕ませる、どこか主を憐れむような目付きだ。)

魔導書を触らせない、か……。
主を侮辱するつもりはないけれど、自分から言わせれば、なんか、残念だ。
表現は悪いけど、「実力がない」か「反乱を恐れてる」ように見える。
本当に実力ある主なら、臆することはないはずなのに。
有意性と、リスクをしっかりと教えてもらえば、魔法はとてもいいものに違いはないからね。

(そんな、皮肉交じり、毒混じりの話が突いて出る。
 自分の世界でそんなことをするのは力のない馬鹿だけだ。
 だからこそ、どこか憐れむような声で、それは吐かれた。
 魔導師か、との問には。)

ああ、魔導師だよ。
でも、「魔導師」というより、「魔剣士」や、「魔闘士」という方が近い。
正確に言うならば、マジシャンよりウォーロック。
古い呼び名では、「戦鍵者」との呼び名もあるけどね。

(戦に鍵を掛ける者。それは、力を持つものしか許されぬ特権だ。
 それを体現するものが、@たるそれでもあるのだから。
 そう、主は言う。表情を覗き込むこともせずに、恐れることはないのだと、優しい表情で。)
[24] 魔法局の使い魔事情。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-06(月) 22:36
(しばらくして、口周りがミルク塗れになっていることに気付く。
 このまま舌で舐め取ろうか、とも考えたが今は人目のある前だ。
 どこからともなくナプキンを取り、口元を覆いつつ目線を上へ上げる。)

 ふぅん、近場に行けばミルク買える所があるんだー。
 ……立地条件はOK、と。(ぼそり)


 ふふっ、多元世界からの出身者ならではの考えだね。
 僕の世界はご生憎様、一つの世界だったからイマジネーションの余地も少なかったよ。
 ……童話や冒険劇でもいいかなぁ、と思ったけれど、エッセイにポエトリーか。
 劇中に登場人物の一言とかが載ってそうだね、出版されたら読んでみたい、かな?

(ただ漂うだけの本、その動きの変化に瞳を瞬かせる。
 まるで踊りに誘うような動作、普通の猫ならば飛び掛っていたかもしれない。
 宮殿の主の声色が変わった気がして、帽子を貫くように生えた耳がピクリと動く。
 魔導書を触れさせぬ主の話がされた時、帽子の影に隠れた双眸をゆっくり細めた。
 “今の”主が聞いたらどんな顔をするだろう、いい顔ではないだろうな、と。
 それを想像するのが楽しくて、口元を愉快そうに歪めれば、牙がちらりと見えた。)

 ――ご明察、流石は魔導師だね。
 今の主は魔法局に加入したばかりの、若くて新米の魔術師でね、実力は下の下だよ。
 僕はそういったヒナを子守する為に契約を結ぶ、使い魔兼教官――ってとこかな?
 「反乱する気ないから、魔導書見せて」って言っても、NOの一点張りでつまんないけど。
 でもまぁ、僕もその辺りは理解してる、新人ばっかりと組まされるから仕方ないかなーって。
 魔導書を他者に触らせないって言うのは、力ない魔導師にとっては重要なコトだしね。
 これから残念じゃなくするために鍛えるつもりだったんだけど……大丈夫かなぁ、僕抜きで。

(あざけるような口取りで語るも、言数を重ねるうちに心配の色が滲み出る。
 大きな悩みの種がある世界に残してきた若き主は、あまりに頼りなかった。
 その心配を振り切るかのように顔を上げ、再び話に耳を傾ける。
 「戦鍵者」……、故郷では古文書でしか聞き得なかった術士の名に興味が沸いた。)

 ウォーロック、か……。
 僕の世界では、大昔に存在していたとされる魔闘士として知られているよ。
 かつてあった大きな戦いは、もうあの世界ではないからね。

(にぱり、と言った笑みを作って宮殿の主を見上げる。
 戦いが終焉を迎えた世界の出身者としての、勝利の笑みを浮かべたつもりだ。

 ……表面上では。)
[27] Who do you think you are, War?
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-07(火) 19:07
(相手の上げた目線とこちらの目線がふとかち合う。
 ミルク濡れの口と、優しい悪童の目をした生き物と、
 優しい表情を浮かべる戦場の鬼神の日常との対面だ。
 瞳の奥に隠した酷薄な殺人鬼の光を悟らせる事無いように、主はふと目をつぶる。

 その上で、相手の思考の裏をつくように、いたずらっ子のように言うのだ。)

…住んでも、いいよ? 部屋なら余ってるしね。

(そんな、邪気のない笑顔で。本の話には――)

童話や冒険活劇と言うにはちょっと早い気もするしね。
日常だもの。エッセイやポエトリーのほうがしっくり来るよ。
……それに。冒険者やってる身からすれば、今はとっても平和さ。
これを冒険と言ったら本職はどう表現していいやらわかんなくなっちゃうや。

(そんな事実を、さらりと。
 小説より奇なる物こそ現実だ。魔法も空想のものでは無く、
 事実として存在するがゆえに奇跡であり、「魔法」と呼ばれる。
 戦鍵者からすれば、その事実は時として忘れてはならない。
 そう、思うから。

 青二才の魔導師の話を聞けば、彼もまたハハハと笑いを交える。
 シニカルな側面を持つ相手とは、ちょっと波長が合いそうだ。)

――青二才の魔導師と、教官役の使い魔か。
なかなか面白い組み合わせじゃないか。
主が心配かい? 気持ちは分かるけど、甘く見ちゃいけないよ。
「魔術師の灯」はとても強いんだ。
本気で知ろう、強くなろうと思うなら何回*死んで*でも身につけるさ。

――それに。レイドは主を温室栽培で紙屑同然の魔導師に育てたいわけじゃないだろう?
信じて離れてる期間も、いいスパイスじゃないかい?

(そう、上級の魔術師は語る。彼もまた相当に苦労を重ねた魔術師だ。
 この実力までに2桁クラスで死んでいる。
 魔術で半身を吹き飛ばされたり、暴発で跡形もなくなったり。
 死と転生を繰り返すといえば聞こえはいいが、職業柄宿命付けられた、
 「空虚なる永遠」を生きる存在だった身だ。
 この境地までに相当苦労を重ねているからこそ、言える話だ。

 「戦鍵者」に触れる相手。もう争いはないという言葉に、彼は。)

たしかに、ウォーロックは強大な魔闘士だ。それはこちらでも変わらない。
自分も、ここまで来るのに相当苦労はしてるしね。

けど――「もう争いはない」だなんて、本当に思っているのかい?
「戦に鍵を掛ける者」は時として「戦の鍵を開ける者」になるんだ。
今ある闘いから目を背けているだけではないのかな?

それに。「『戦争』とは誰の事だと思う?」
君の目の前に居て、また俺の目の前にも居るんだよ?

戦争や争いを許容しながら、共存するのが筋ってもんさ。

(そう、ある種の酷薄な真実をぶちまけた。
 人が居る限り、争いはなくならない。何かしらの形で頓現する。
 その体現者であり、また最高の戦力たる存在の一人である自分だからこそ、言える問い。
 何をするべきなのか、また何を答えとすべきなのか。
 答えはまだ見えることはないかもしれない。
 しかし、この問いはそれだけでも価値がある。そう、思うから。)
[29] It is a law of nature.
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-08(水) 14:47
(口元に当てていた布切れを、ぽいっと後ろに投げると溶ける様に消える。
 きょろりと迷子のように移ろっていた視線は、今や宮殿の主一点を見つめていた。
 呟きのつもりだった立地条件の話、拾われてみれば、瞳を爛々と輝かせ――。)

 ……住んでもいいのー? ホントに?
 んふふ、ありがとっ、コレで野良猫生活ともオサラバかも~!
 ここ、とっても広いから最初は迷っちゃうかもだけど。 後で地図作っておこっと。

 ふぅん? 冒険劇はちょっとズレてたかな?
 慣れてしまえば確かに平穏平和な日常だろうけど、初めて触れる身にとっては十分な冒険だよ。
 今の僕も冒険してる気分だからねー、他にも行ってみたいトコいっぱいあるんだー♪

(若き主の話に戻ると、あどけない表情を浮かべつつ語る。)

 ふふっ、あのご主人の事を青二才と言われても反論のしようがない、かな?
 契約を結んだ子の中じゃ、一番若いし腕もまだまだ見習の域を越えてないし。
 まぁでも訓練に対しては熱心だからね、素質が乏しくてもフツーの局員以上にはなれるさ。

(やや厳しい物言いだったろうか、主本人にも言ったことがある台詞だ。
 ただし、内心では彼をその程度に留まる低級魔導師にしておくつもりはなかった。)

 ……と、表向きにはそう言って回ってるケド。
 あのご主人は「戦の鍵束」の候補生だからねぇ、強くなってもらわないと困るんだ。
 その為の課題はかなーり残しておいてきちゃったけど……まぁ、これも試練ということだね。
 時期が来たら、そのうち会えるよ。 その頃には多少マシな魔導師になってるハズさ。

(争いはないと、本当に思っているのかと問われれば、すぅっと目を細める。
 世界から解き放たれた今、魔法局の監視はない――ならば、構うものかと口を開く。)

 「『戦争』とは誰の事だと思う?」 ――だったかな。
 そうだね、シャレた言い方をさせてもらうと――「それは、理(ことわり)だよ。」
 優劣を競って戦うものから、自然における弱肉強食の摂理とか、ジャンルは様々だけど。
 そういった争いは、世界に人が、獣、魔物、とにかく、たくさんの。
 生きとし生ける者達が生命を謳歌している限り――戦いの挽歌は鳴り止まないだろうね。

 僕達――いや、魔法局が「戦の錠」を解こうとしているのも、一種の理なんだろうね。
 その矛先に居る相手は、そんな理そのものを蝕んでしまうヤツらなんだけれど。
 ……ココでは、ディラックの落とし子と呼ばれているんだったかな?

 ちょっと訂正させてもらうよ。
 「もう争いは“なかった”」、けれどやがて、あの世界はまた戦乱に飲み込まれる。
 その前にまず、彼等を立派な「鍵」にしてやらないといけないんだよねぇ。

 さてさて、青二才達にはちょーっと重い使命かな?
 なれば僕は使い魔として、悩みの種の情報収集を務めるとするかなぁ。

(おどけた口取りで危機に面した世界情勢を語る様は、酔狂な空想家に見えただろうか。
 大きな悩みの種を封ずるために用意された、若き「戦の鍵束」を、今は信じて待とうと思う。)
[31] 明日の見えぬ、戦いの挽歌を歌う者達
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-08(水) 21:20
(相手の輝く瞳が、どこか眩しく見えて。
 その言葉への答えを、主は一つ物にして渡す。
 懐から取り出したのは、真鍮製で宝石のついた昔ながらのチェンバー式の鍵だ。
 軽く振れば魔法で二つになったその鍵の一つを、相手にさし出して。)

ああ、いいよ。これが証明さ。
二階の居室がいくつか空いているから、どこか選んで使ってもらえばいいよ。
あと、サーヴァントゴーレムの指令権の証にもなってる。
幾つか増やして置いておくから、自由に使ってくれていい。

そういえば、そうか。慣れてしまうと枯れてしまっていけないや。
色々行って、遊んでおいでよ。待ってるから。

(気前のいい魔術師だ。そう言えるのも、また訳がある。
 こちらに来た際、『魔術師の金庫』の中身が奇跡的に無事だったのだ。
 依頼で溜め込んだ金銀銅片や宝石の山、そして魔術書が生きている。
 元の世界でも使いきれるかどうかの心配があったくらいの量と価値はあった品だ。
 おまけにチェンバーで食料の心配もほぼない以上、暮らすには何も困らない。
 だから、主は魔術書やそういう品々を貯めこんで暮らしていた。
 居候がいる生活も、悪くない。幸せのおすそ分けだ。

 主の話を、彼は静かに聞いていた。
 『自分と良く似ている』というシンパシーを感じながら。
 自らもまた、そうなのだ。組織員の一人であり、同じ激務を負っている。)

「戦の鍵束」――。そうか…。自分と良く似てる。
是非、お会いしたいものだね。立派な主と、似たもの同士として。

自分もまた似たようなものでね。『調律機構』と呼ばれる組織員の一人さ。
本部の場所がこちらで言う零次元に位置してる組織で、
相手が天使や悪魔や神、そして魔物もコミコミで、善悪の区別なく相手にするという点が、ただ違うだけ。

(自嘲気味に言葉を投げる主。一体幾つの屍を築いたことだろう。
 一体幾つの次元を消し飛ばし、また神を記録ごと消し去ってきただろう。
 思い起こすたび、逡巡が駆け巡る。

 自らの投げかけた問の答えに、主はどこか満足気に目をまた細めた。
 理解しているならば、大丈夫だという言葉が、どこか滲み出る表情だ。

 その安心の表情のまま、主はパスより自らの獲物を呼び出す。
 自らのトラベルギアである、クレイモアを。
 そして、そのクレイモアを手にした上で、主は言葉を紡いだ。
 戦鍵者としての帯剣の姿で。)

そうさ、その答えが聞きたかった。理解してるなら、いい。

一番戦鍵者に必要なのは、自らが「戦争そのものの体現者である」という意識と自覚。
そのことを理解していない戦鍵者なんて、存在意義を疑われるからね。
争いは決して無くならない。しかし、その範囲を抑えることはできる。
それを理解していれば、戦いの意義もまた、見いだせるから。

(そう言って、主はトラベルギアを鞘よりすっと抜き放つ。
 文様鍛接の美しい刃が光に煌めいて、
 また彼の本来の姿を浮かび上がらせるように感じるのは、錯覚ではない。)

こちらの世界もディラックの落とし子とまた戦っているよ。
神々との殺し合いもやりながらね。
その戦いを遂行するために、永遠を生きることを定められたのが自分たち、『@』だ。
幾度でも生まれ変わりながら、最強の尖兵として戦場に立ち続ける。
それを存在意義としてね。

立派な『鍵を生む者』に、君ならなれるよ。
だから、青二才たちのことを、信じてあげて。
ヒトは、未来を信じて生き、希望を現実に変えるよう定められた生物なのだから。

(主の瞳には、酔狂には到底映ることはない。
 それは、まさしく生むことを許された、特権者の姿なのだから。)
[32] 部屋の鍵、世界の鍵、戦乱の鍵。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-10(金) 23:42
(まるで迷宮のような宮殿、その中の一室を住居にする許可に心を躍らせる。
 部屋の場所も気になるし、どんな部屋にしようかなどを考えていると。
 二つに分かれたチェンバー式の鍵、その片割れを緩慢な動作で受け取った。)

 へぇ……鍵の形状は意外と普通なんだね。
 二階の部屋、だね。 その中の一室、ありがたく使わせてもらうよ。
 サーヴァントゴーレム……ああ、あの動く石造だね。 まるでレギオンみたいな。

 ふふ、何事も慣れてきた頃がいろいろと怖いんだよね。
 それじゃ、もう少ししたら二階に上がってみようかなー。
 元の世界では裏庭生活だったから、マイルーム借りれるって考えただけで……くふふっ。

(尤も、その「裏庭生活」は私用で自ら望んだことだったのだが。
 それは口に出さず、今はただマイルームへの夢と空想に浸りながら笑みを浮かべる。

 先ほど話した「戦の鍵束」――、それを「自分とよく似ている」という相手。
 彼も魔法局に似た組織に属しているのか、と思えば――予想はやや当たりだ。)

 そうだねぇ、彼が君に見合った魔導師になっていればいいんだけど。
 もしそうなってなかった遠慮はいらないよ、ビシバシと鍛えてやってね。
 そうすれば僕も客観的視線で彼を見れるし……っと、これじゃ君が得しないねぇ。

 『調律機構』……こちらで言う「魔法局」と似た位置の組織かな?
 しっかし、スケールの違いに驚かされるよ……こっちは霊体の相手で手一杯なのに。
 神や悪魔か……、合間見えることになるのか、それとも……。
 けど今は別の課題があるからねー、頼んでいいなら少し待っててほしい、かな?

(神や悪魔、それらは世界の何処かに存在はしているのだろう。
 だが今の脅威に立ち向かうべく、「鍵」の育成に追われている今、それを探る時ではない。
 だがいずれは……とも思う、大昔にその存在は確認されている。
 もしかしたら、「戦鍵者」の誕生に関与しているかも……これは自論だが。

 視界に映るクレイモアは、「戦の鍵束」の一員が所持するものよりも長大だ。
 若き主とその仲間が志す「戦鍵者」の姿を認め、自分もそっと首から提げた鈴に触れる。
 鈴の儚い音色が響いた後、一つの紅玉が零れる――それは地に落ちることなく、宙を漂う。)

 戦鍵者殿に満足の行く答えを示せたようで、とりあえず一安心……かな?

 願わくば彼等、「戦の鍵束」諸君も理解していてくれることを祈るよ。
 鍵としての命を授かった者として、どのように戦いを開き、そして封ずるかを。
 ふふっ、なんだか祈ってばかりだなぁ……それが使い魔の役目の一つなんだけど、ねぇ?

(鈴に触れた右手で紅玉を握れば、それは徐々に姿を変え――やがて光の細剣を握り締めていた。
 それを目と鼻の先に、縦にして構える姿は魔導師と呼ぶよりは、魔剣士に近いのだろうか。
 金の瞳に誓いを宿し、対となる銀の瞳にかつての狂気を隠したまま、花のような笑みを作る。
 真似っこ。 そうぽつりと呟いた後は先ほどの布切れのように、ぽいっと投げ消した。)

 それにしても、ディラドゥアの存在していた世界は随分と忙しいみたいだね?
 神々に加えてディラックの落とし子……こちらで言うところの課題が山積みのようだし。
 「@」と言ったかな、僕等で言う「戦の鍵束」に近い立場……と表すことすらおこがましい。
 今の「鍵束」たちじゃ到底適わないや、ケンカ相手が君達じゃなくてよかったよ。

 ふふっ、「鍵を生む者」か……そう呼ばれるのは、悪い気がしないねぇ。
 そうだね、今はそう祈るとするよ……それが使い魔の役目。
 ま、それ以上のコトもやってるんだし……あっちに帰った時には少しくらい褒めてほしいよ。

(へらりと冗談交じりの口調で、再び祈りの弁を呟く。
 願わくば、その祈りが若き鍵束達に届けと、お心の奥底に想う。)
[33] 伝説を生む者、その鍵を生む者。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-12(日) 01:35
(相手に渡した鍵の片割れ。その譲渡をしっかりと確認すれば、
 主はまた優しい笑顔を浮かべるのだった。
 居候ができる。それは、モノで埋められない心の空虚を埋めてくれるかもしれないから。
 埋められるならば埋めたい、過去の空虚なる記憶。
 物ではどうやっても埋まらない、忌まわしき過去を。)

レギオン、というより召使いだね。
…自分、実は家のことはとことん苦手でさ。掃除とかもそうだけど……。
料理とかも焦がしちゃうから……。代行してもらってるのさ。

いいよ、どんどん使って。空間を腐らせておくのも勿体無いしね。
家具とかもある程度自由にしてくれていいよ。
必要なのがあるならチェンバーで生成すればいいしね。

(ゴーレムのことはどこかバツの悪そうな主。
 それもそうだ。一人で生活しているとそれこそ独身男性の汚部屋になる。
 掃除や料理は何度やっても上手くはなくて、そういう意味でも手放せないのだった。

 『調律機構』に触れられれば、内部のドロドロが脳裏をよぎる。
 あの組織は文字通り生き馬の目を抜く。
 なぜならば、組織内部での殺し合いも認められ、合法なのだから。
 力こそ全て。名誉欲、嫉妬、財宝目当て…。
 @同士の殺し合い、迷宮内での不意打ちも数多い。
 その、後ろ暗い話を表情の奥に隠して、主は話を受け、続ける。)

まぁ、その時はその時さ。
自分の全てを伝えるつもりで鍛えてあげるつもりで居るよ。
それに、こっちだって特がある話。
人に技を伝え、残せるというだけで大きいよね。

ま、霊体の相手だって、対処法が確立するまでが大変なだけ。
魔法の研究が進めば、対象によってはまるで塵芥だ。
技術だってこっちで教えられることもあるだろうし、もし良ければ教えるさ。
それに、これはあくまで予想だけど……。

神はどうだか分からない。でも、悪魔の連中とはいつか絶対に戦うことになるだろうね。
それに、そこまで魔物や霊体が出て来てれば、遠かれ遅かれ必ず戦端は開く。
――待っててくれるなら、それこそ一生待ってて欲しいもんだけど。

(そんなことを言う主。経験則に基づくそれであるが、
 それは往々にして外れる時もある。しかし、幾度と無く、似たパターンを見てきているのだ。
 気がついた時には手遅れになることも、多かったから。

 相手の魔道具の起動を見る。
 職業病か、どうしても術式の組み立てを脳内でしてしまうのを軽く頭を振って打ち消せば。)

祈るのは悪いことじゃないさ。いつか届くものなのだから。
必ず、届くさ。『鍵束』の元へ。

(そう、言葉を掛けた。
 祈り。それはいつか届くものであり、また許されたものだけが行える特権だ。
 祈りすらあざ笑い、またそれを引き裂くことを悦楽とする者共を自分は観てきた。
 だから、祈れるというのは幸せなのだと、自分は思う。

 真似る相手の姿は、時として合わせ鏡。
 そこには小さな紛れもない魔剣士の姿が写っていた。
 「学ぶ」とは「真似る」ことから始まる。
 この姿から、幾つもの鍵が生まれるのだろうと思うと、どこか嬉しくも微笑ましい。)

今が忙しいかといえば、そうでもないなぁ。
って言うのも、自分が成り立ての頃よりずっと平和になったと思うもの。
「第一世代@」――「シングル・ナンバード」と呼ばれる創立メンバーがいた頃が激戦だった。

(そんな昔話を軽く交えて、主は笑う。ハハハ、と軽い笑いを交えれば。)

でも、実質おんなじさ。世界が変われば基準も変わるって言うだけ。
なんだかんだ言いつつ、
「鍵束」たちも時間をかけていつか自分たちの領域に来るんじゃないかな。
「ヒト」は突き詰める生き物だもの。エピックを現実にするのはそう遠くない。

(そう、主は言うのだ。
 伝説は時として本物になるものだから。英雄も、またしかり。)
[34] 使い魔のお仕事。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-15(水) 00:23
(鍵を受け取った様が微笑ましかったのか、笑みを浮かべる主を見て。
 よく笑う人だ、と思う、例えその笑みが上辺だけのモノだとしても。
 こちらも釣られて笑いながら思う、あの主の笑顔はいつから見ていないだろう、と。
 最後に笑った彼は、どんな笑顔をしていただろう、などを、他人事のように思う。)

 ほほう、召使い……。
 僕たち使い魔の本来の役目はソレだよ、だから掃除洗濯料理とかはどんとこーい!
 ……キッチン借りていいなら、オムライスとか作ってあげてもいーよ?

 ふふっ、それじゃ早速一部屋借りておくね、サーヴァントゴーレムも2体ほど借りるよ。
 大きな荷物とかはゴーレムに頼んじゃうけど、細々してるのは僕のレギオンに任す。
 こっちのレギオンもちょーっと動かしておかないと、怠け癖がついちゃうからねー。

(彼の世界の使い魔といえば、本来は魔法局から借り受けられる召使のようなものだ。
 それが今や様々な用途……例えば護衛役や教育者など、それらに特化した使い魔も生み出され。
 果てに、今の自分のような戦闘用に強化された「傭兵」もどきも作られた。

 争いがまだあった頃、魔術師同士の抗争が絶えたことがなかったと言う。
 より強い力を求めた魔術師は、より強い魔術と共により強い使い魔をも求めた。
 未だに戦闘特化の使い魔が存在しているのはその名残だ……今ではそれが。
 世界を蝕む脅威に抗う力となっている。 これを幸いと取るか、皮肉と取るか。

 若き主の話に入れば、いたずらっ子っぽく銀の目を閉じてウインクしてみせた。)

 少なくとも、落胆はさせない自信はあるつもりだけどね?
 なんてったって、レイドさんが鍛えてるんだもの、見習いの域から脱してないとは言え、ね?
 ふふん、それじゃあその指導風景を間近で見学させてもらっちゃおうかな。
 ディラドゥアの使う魔法にも興味があるし、彼がどれほど「吸収」出来るかも気になるし。
 ……ちなみに吸収って、経験を学ぶとかじゃなく、言葉通りの意味ね?

 ん、霊体に関しては僧職の面々がお祈りー! とかやって武具を祝福して回ってるトコ。
 ただその僧職さんがまだまだ少なくてねぇ、コレを育成する為の使い魔も産まれた、かな?

 こっちも好き好んで神様連中にケンカを仕掛けよう、とは考えてないよ、得体が知れないし。
 悪魔とはねぇ……一部ではヘンな邪教が出回ってるとか聞くし、それも抑えたいかな。
 その辺りをどうするかは、魔法局上層部の手腕に期待するしかないケドねぇ。

 ……僕の祈り、さてさて。
 多元世界のどこかにある愛しい故郷まで、届くかなぁ?

(放り投げて消えた剣、それを見送ることなく別の紅玉を手に握る、その数3つ。
 肉球のある手で器用に、ひょいひょいと軽快なテンポでジャグリングを始めた。
 上昇、下降を繰り返す光の動きはやがて緩やかになり……今度は鋭利なナイフに変わる。
 それらの柄を掴み、また投げる。 玉から刃のジャグリングに早変わり。)

 ふぅん、第一世代ねぇ……人間風に言えば大先輩ってトコかな?
 魔法局にも設立初期からいる使い魔がいるけど、激戦……ふふっ、想像できないや。
 殆どが家事手伝いの任についてたような、正に召使だからねぇ、その技術は今も生きてるけど。
 戦闘特化の僕が料理できるのも、その「先輩」のお陰かもしれないなーって思うと、不思議だね。
 ディラドゥアの所の第一世代は、今もご存命かな?

 「鍵束」諸君も真の鍵、戦鍵者(ウォーロック)と呼ばれる日が来てほしいものだよ。
 そうすれば僕も鼻が高いし、なによりそれ程の成長振りを見せられたら、嬉しくなるしね。
 「鍵を生む者」レイド、か……、くふふっ、いいね、やっぱり悪くない。

(宙を舞うナイフの束を右手に取り、それもまた放り投げて、また消える。)
[36] 「餅は餅屋」とは言った物。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-15(水) 18:19
(相手の笑顔がどこか心に光を灯してくれる。
 戦場ではけして表に出せぬ純粋な笑顔だ。
 それを、ここでは出せるのが日常を感じさせてくれる。

 相手の提案がすごく嬉しい。そのことを隠すこともせずに、
 陽気な声で主は言うのだ。)

え、本当? いやぁ、助かるなぁ♪
じゃあ、お願いするよ。
食材やキッチン、水回りとかは自由に使っていいからさ。

使い魔も怠け癖が付くもんなんだなぁ。
こっちは自律にしても完全制御が当然だから、怠け癖なんかありえないくらいだよ。

(照れくさそうに頭を掻きながら、家のことが苦手な主はそんなことを。
 ゴーレムはひと通りのことができるけど、微調整やそういった細かな味まではできない。
 どうしても、画一な味になる。だから、人の手の味が時として恋しくなっていたのだった。
 
 こちらの「使い魔」といえば、ゴーレムを始めとする軍勢や、
 家事を任せる従者(サーヴァント)のことを指す。
 軍事用は言うまでもなく存在し、最も強力な使い魔ならば数を揃えれば一軍には相当する。
 それだけ魔術が高度化し、また神を倒すための道具としても有用化された世界だった。
 主は、それを皮肉とはとろうとはしない。また、見てきた道だ。
 ヒトは繰り返す。過ちも、成功も。

 お茶目な相手のウィンクに、主はどこか嬉しそうだ。
 もふもふしたい。そんな微笑ましい目で。)

それは楽しみだ。
君が相応に鍛えているのなら、基礎から中級くらいはマスターしてそうだしね。

指導風景、か。いいよ、見てて減るもんじゃないし。
ただ、吸収を見るなら他の人の方がいいかもしれない。
実はこう見えて、攻撃魔法使えないんだ。知ってはいるけど。

なるほどなぁ…。祝福の武器で対抗してるのかぁ。
霊体攻撃の付与(エンハンス)はまだそんなに存在してないのかい?
あと、『霊体痛撃』(ハーム・ノンマテリアル)の魔法も。
これがないとかなり辛いと思うんだけどなぁ……。

やっぱり、邪教系が出始めてるんだね~。
上層部頼みといえど、早めにそれ、潰せるといいね。
神や悪魔の力は信者の数に比例するから、ねずみ算式に増える前に。

届くよ。絶対に。
ヒトはそうやって現実を変えてきたんだもの。

(攻撃魔法のことは少々気恥ずかしいというか、気が引ける。
 それは、自分のある種弱点であり、弱みでもあるから。
 けど、相手が仲間であるから言える話でもあるのだと、ちょっとだけ胸をはってみる。)

上手いなぁ。じゃ、少し見せようかな、こっちも。

――『高速詠唱』(ファスト・キャスト)
――『物体生成』(クリエイト・マテリアル)
――『棒切れの蛇』

(相手のマジックに拍手を送り、こちらも簡易な魔術を見せよう。
 言葉に身振りを加えた高速詠唱で高速で詠唱する『物体生成』の魔法からステッキを生み出し、さらに魔力を送ってステッキに仮初の生命を吹き込む。
 ――『棒切れの蛇』。召喚術の最初歩で、弱い魔術師の友。
 護身用の蛇を生み出す魔法で生み出した蛇を躰に這わせ、
 首に軽々と巻いて見せれば。)

ああ、未だに存命だよ。
一部は英霊の形で神様化してるけど、未だに第一線で戦ってる。
なんだかんだ言ったって、人間離れしてる連中ばかりだから、
はっきり言って未だに影すら踏めないや。
でもいつかは、超えてみせるよ。

だね。こっちも協力できるなら、協力するよ。
それに。指導者の最大の楽しみだろうからね。教え子が立派に立つのはさ。

(蛇を流れるように操れば、その蛇も瞬く間にステッキに戻り。)
[37] 心とか、祈りとか。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-16(木) 18:44
(日常こそが冒険劇の一つ、その考えは間違えではないと改めて思う。
 ここがもしも血で血を拭うような戦場ならば、目の前の彼の笑顔は見れなかっただろう。
 言ってしまえば平穏で退屈な日常にこそ、新たな発見があると思うと、冒険は止まらない。)

 ふふっ、そう言ってもらえるとありがたいねぇ。
 同じ料理でもたまーに味付けとか変えてるから、たまーに失敗してもご愛嬌……だよ?
 まっ、レイドさんが失敗料理を公に出したことなんて、一度もないんだけどねっ♪

 使い魔の在り方はそうだねぇ、僕の世界でも少し前までは完全制御型が主流だったようだね。
 けどある時、一部の魔導師たちは、使い魔にも「心」を求めるようになったんだ。
 淡々と仕事をしてくれる従者もアリだけど、その中にユーモアみたいなのを求めたのかも?
 コレは魔法局内でも賛否両論なんだけどねぇ、僕としてはいろんなタイプの仲間が出来て面白いとしか。

(「心」を得た使い魔、それはこうして喋っている自分も例外ではない。
 尤も、なぜ自分が「ヒトの心」を持っているのかの経緯は、他の使い魔とは異なるが。
 もし自分が完全制御型の使い魔だったら、この世界で何をしただろう……想像できず、苦笑い。)

 お楽しみにー♪ まぁその為にまず彼が覚醒しないと叶わないけれど。
 教官は僕以外にもいるし、別の魔術を専攻する同期もまた、人によっては立派な教官だしね。

 ふふっ、それじゃあ彼には早めに覚醒してもらいたいものだね。
 ああ、彼の「吸収」は攻撃魔法に限った話じゃないから、だいじょーぶだよっ。
 話を聞く限り、エンチャンターなのかな? 加護を奪われないように気をつけてね。

 今のところは祝福武器が主軸だねぇ、エンハンスはまだそれほど広まってないんだ。
 あるにはあるんだけどねぇ……平和ボケしてたツケがここで出てきたってコトかも。
 使えるのは中層から上の戦闘魔導師や、それに仕えている使い魔が精々かなぁ。

 一部の邪教は弾圧出来てるけれど、また新たな宗教とかが出てきたり……とか?
 そうだね、アレらは信仰されればされるほどに力を増していく……信者を減らさないと厄介だ。
 頑張れ魔法局~、帰った頃に悪魔とかが出現してたら僕、あまりのショックに寝込むかもよー?

 って……、祈りも追加しておかなきゃね。
 いやー、神様っていうモノが見てたら欲張りとか言われちゃうかな?

(魔術系統が数多くあるように、それを操る魔導師にも得意不得意が存在する。
 得意を更に伸ばし特化させるか、不得意を学び補うか……その選択肢にも個性が現れる。
 目の前の主は攻撃を捨て、他を特化させたらしい。自分とは逆のパターンだ、と考える。

 ジャグリングに用いたナイフを消した後、相手が披露し始めた魔術を眺める。
 何も無い空間から現れたステッキ、それが生ける蛇に姿を変えた所で瞳をぱちくりとさせた。)

 ……詠唱が早いねぇ、我が主が無事に「吸収」できるか、ちょっと心配になったよ。
 まぁ、それくらいは出来ておかないと、君の世界の激戦では生き残れないのかも?

 そう、英霊か……くふふ、僕たちの第一世代とはエラい違いだなぁ。
 けれど僕のところも、戦闘には向かないけれど長年生きた経験と知恵がある……それに勝るのはとても難しい。
 いつかは、とは思うけどねぇ……ソレまで僕が生き延びられれば、かな?

 くふふっ、それじゃあどんどん協力してもらっちゃおうかな?
 それで彼が立派に育った暁には、君の名も僕の故郷で語らせてもらうよ。
 信じてもらえるかは分からないけれど、それこそ酔狂な吟遊詩人のように、ね?

(蛇からステッキの姿に戻り行くそれに対し、軽く手を振りながら答える。)
[39] 心の価値、祈りの意味。 我、守護、破壊せし者なりて。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-19(日) 04:18
(ぼんやりと静かに暮らせるのは今が平和で幸せなのだろうと、自分は思う。
 トレインウォーのような動乱の時となれば、
 一瞬でターミナルやこのチェンバーも戦闘態勢に包まれるだろう。
 それを考えるからこそ、主は思うのだ。平和が幸せの証であると。)

多少の失敗ならご愛嬌さ。
自分みたいにいつの間にか目玉焼きが物体Xになったりしない限りはね。
楽しみにしてるよ♪

使い魔の視点からの「心」か……。
ユーモアとかは、たしかに欲しくなるよね。術師やってるとつくづく思うよ。
自分たちのところは、心を持たせるにしても何かしらのキーワードで制御に移行できる形をとってる。
ある種の安全装置だけど、使い魔視点、結構変わるんだろうなぁ。

(目の前の相手は心がある。
 その心をみるにつけ、どんな思いで見ているのだろうかと、いろいろと思うのだ。
 完全制御の使い魔ならば、おそらくは消えているだろうと、自分の世界の常識を、当てはめたりしながら。)

楽しみにしてるさ。
どういうものを持った術師なのか、どれくらいの原石か。
この目でしかと見てみたいからね。

ああ、エンチャンターだよ。攻撃を一切捨てた術師の形だね。
……とは言っても、攻撃はクレイモアと体術があるから、ほぼ心配はないんだけど。
加護を奪う相手かぁ……。「毒」でも盛ってみるかな。

なるほどなぁ……。
こっちの世界で、簡易にあつかえる対霊魔法を身につけて帰ったら、
英雄になれそうだね。魔法貿易じゃないけれど。
幾つか魔法書とか書いてみようかな。モノは結構あるし。

だいたいそんなところだね。
というより、悪魔や神ははっきり言って厄介極まりないよ。
本気で消すなら肉体だけでなく、すべてのモノの記憶、記録、歴史までさかのぼって完全に抹殺しなきゃならないし。
これらを潰すために「殺廃魔法」(ダムナティオ・マジック)を初めとする廃絶魔法体系ができるくらいだもん。

欲張りなんかじゃ全然ないさ。
ヒトは欲で動き、それによって育つのだからね♪

(加護を奪う相手と知ったとき、主がふと笑みを浮かべたように見えたのは、気のせいではない。
 それは一種の職業病。他の魔術師の情報は手に入るとつけ込むことができると知ってのこと。
 思わず顔を軽く撫でれば元の笑みに戻し、後で書庫を開けておこうと、思う。

 戻った杖を空に投げて消し、今度は変性術の詠唱を。)

――『念動詠唱』(サイ・キャスト)
――『刃の手』(ブレード・ハンズ)

(身振りや言葉を一切使わず、念じて発動する念動詠唱。
 高速詠唱より時間は少し遅れるが、相手に魔法を気取らせない為に多用する形式だ。
 右腕の肘から下が醜く一度捻くれて伸び、鋭利な刃を形成する。
 武器がないときに利用する白兵戦向けの術式だ。)

激戦だとこれくらいは基礎になっちゃうね~。
でも、慣れれば早くともなんともないよ。これが普通になっちゃう。

ん~、そういうけれど、レイドさんなら簡単じゃないかな。
って言うのも、ロストナンバーとしてこうして異型の魔術にも触れて、
かつ実戦経験も積めるもの。あちらでの差なんて一瞬さ。

ああ、バンバン協力させてもらうよ。
駆け引き初め、教えるべきこともたくさんあるかもしれないしね。その様子だと。

酔狂だなんて果たして思うかな?
物を身につけていれば、見る目が変わるのなんて一瞬だから。

(狂える詩人ですら一系統における最高の魔術書を書き上げた。
 『狂詩人』アルハザードの話を、ふと脳裏に浮かべあげながら、主人は思う。
 あちらの世界でこちらの魔術を見せたら、『次元が変わる』だろうなと。)
[42] 次元を超える祈りと魔術。
レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-20(月) 09:46
(戦場を知る人ほど、平穏を望むものだと言ったのは二番目の主だったろうか。
 元は召使という立場で仕えている使い魔も、平穏を望むものは多い、自分もその一人。
 だが戦いとなれば主を守り抜く為、目前の敵を殲滅するまで牙を振るうだろう。
 どの主に仕えている時もそうだった、其の瞳が月の狂気に満ち溢れていた時も、然り。)

 物体X……、目玉焼きから派生ソレがどんなのか、逆に興味が湧いてくるんだけど。
 ふふっ、じゃあ楽しみにしててね。

 人並みに思考すると言うことで、それこそ悪事に手を染めたり怠けたりする使い魔もいる。
 個人が所有する使い魔のコトは知らないけど、局内の使い魔が悪事をすれば……処分かな。
 もしくはいくつかのキーワードを言うことで、完全制御型に切り替えられるか……。
 まぁ、ここ最近はそういう話を聞いてない辺り……局内の治安はなかなかのモノだね。

(猫のいた世界の使い魔は、心の有無に関わらず「魔道具」を所持していれば存在し続ける。
 魔道具から己を存在させるための魔を得ている為――それがなければ使い魔は消滅を待つのみ。
 その為多くの使い魔は魔道具を隠して所持する――首から提げるなど、普通は考えられない。)

 ……んーと、この世界と僕のいた世界の時軸が合っているならば。
 彼が「覚醒」するのも時間の問題だね、そろそろ転移の儀式が行われるハズだ。
 ディラックの落とし子、発生の大本を叩くための転移が、ね。
 ……彼、転移の直前になって、怖気づいてなければいいんだけど。

 エンチャンターかぁ、やっぱりね。
 時として魅せる、伝説の騎士をも彷彿とさせる戦いぶりの多くはエンチャントのおかげとか。
 ……ふぅん、その口ぶりから察するに呪縛も使用可能……と。
 彼がこの世界に訪れたら、ここの【練武場】に来るよう伝えておくよ。
 その時に僕の主である証明をさせるから、すぐに分かると思うよ。

 くふふっ、ディラドゥアがあの世界に行ったら、真っ先に魔法局からスカウトされそうだ。
 確かに対霊魔法は、僕の世界じゃまだ貴重だし……身に着けて帰りたいトコだけど。
 その為にはまず、僕の世界を世界計で見つけて貰わないとねぇ。
 あ、魔導書は有難いけど、渡してくれるなら僕の主へ。 僕が触ったら怒られるから。

 確かにねー、肉体だけ滅ぼしても魂は残るし、歴史に残ってる以上……復活もありえる。
 「殺廃魔法」……ふふっ、神や悪魔が現れる前のあの世界じゃ、禁呪登録されてそうだ。

 ヒト……か、今の僕は使い魔だけど。
 そだね、魔法局のみんなへのエールとして受け取るよ、ありがとう。

(使い魔の役目の一つとして、未熟な主を心配しているような言葉を紡ぐ。
 心配の種は口にした通りだが、もう一つは心のうちに納めておこう……少なくとも今は。

 主の魔術を公開することも普通は有り得ないことだが、いずれ稽古相手になる相手だ。
 それに何より、自分が彼を信頼している。 となれば若き主も彼には心を開く……かも?
 更に言えば、こちらも彼の魔術系統を仕入れることが出来た。 授業風景が楽しみだ。

 言葉も無く、相手の右肘から形成された刃を眺めて、ニッと口許を歪める。
 ゆらりと掲げた右手を軽く開く――人間より短く太い指先から、鋭利な黒が飛び出した。
 ――否、伸びた。 小さな身なりに似合わぬ巨大な鍵爪を、ぺろりと一舐めしてみせる。
 コレは魔術と言うべきか、それとも使い魔に与えられた特性と言うべきか……恐らく後者だ。)

 ま、コレくらいは普通なんだねぇ、こっちでも今の僕と似たコトしてる人を見たし。
 爪以外も変化させられるんだけど、普通に戦うときはコレ使ってるなぁ。

 ふふんっ♪(←「レイドさん」と呼ばれて上機嫌。)
 そだね、ここには様々な世界の魔術が集結してる……僕でも成長の余地を見出せるほどに。
 彼にとってもいい刺激になりそうだ、いろいろ非常事態だっていうのにワクワクするね。

 駆け引き……あー、確かにソレは必要かも。
 原石は輝くまでは、思いっきり削って磨いてやらないとね。

 ふふっ、もしもこの話が信じられたら……あの世界は大きく変わるね。
 異世界の存在が明かされ、それこそディラドゥアのいる世界のような「多次元化」が起こるとか。
 ……うっかりディラドゥアの世界と繋がっちゃったら、魔法局は頭抱えそうだけど。

(いずれにせよ、あの世界で他の次元の存在が明らかになるのは遠い未来ではなかった。
 現に今、他の「次元」に飛び込もうとしている若者が一人、いる筈なのだから。
 世界を救うための英雄か、それとも歪みを塞ぐための生贄か……今はどちらに転ぶか、分からない。)
[45] 『超えた』先。 見えるものは、天国か地獄か。
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-22(水) 09:04
(戦場。それは己が一番活きる場所であり、またとても愉しい虐殺の宴の公演場である。
 しかし、その異常性は時としてヒトを、己を怖れさせ、縛る。
 「深淵を覗く者」というその職業柄、己は時としてヒトの、そして今の姿を捨てる。
 それは、深淵に自ら身を浸し、深淵をまた殺す者として自ら怪物となるからだ。

 「怪物と戦う者は、自らも怪物とならぬように心せよ。
  汝が久しく深淵を見入るとき、深淵もまた汝を見入るのである。」

 それは、この業界も変わらない。日常を愛さねば、自らは怪物のままになるのだから。)

まぁ……あれだ。「お察し下さい」。
料理、楽しみにしてるね♪

なるほどなぁ。やっぱり悪事の種は尽きないね~。
でも、しっかりと平和が守られているならいいんじゃないかな。
一番厄介なのは野生化して殺しにかかってくるパターンだし。
多少怠けるくらいなら、ご愛嬌さ。

(物体Xについては遠い目をした有様で。……どうしてこうなった。
 ああ、なんとおぞましいものを作ってしまったのだろうか。思考すらも冒涜的ですらある。
 自分でもどうしてこうなったのか分からない。 窓に、窓に。)

ハハハ、それくらいで怖じけづくようならまた一からたたき直さないといけなくなるじゃないか。
きっと「英雄化」(アドレナリン・ドーピング)とかのエンハンスで乗り切るさ。
今は、武運を信じてあげて。信じる心が力になるから。

伝説の騎士だなんてそんなそんな……。実際はかけ離れて血生臭く泥臭いし。
エンチャントの副作用だって魔法の洗練がされてないと半端じゃなく酷いしね。

呪縛も一応は使える。封殺か嫌がらせの領域だけど。
けど、専業は打撃力強化や防御、回復だね。

ん、了解。チェンバーの機能でこっちに連絡は入ると思うから。
基礎から応用までみっちり叩き込んであげよう。

魔法局、ねぇ……。
自由がもう染み付いてるから、「お抱え」にはならないかもなぁ。
あちこち飛び回って魔物討伐してそう。冒険者やフリーランスの傭兵スタンスで。
それに、いったん地位が安定してしまうと怠け癖で技術とかもダダ下がりになるからね~。
身を崩してるバカたくさん見てるし。地位的安定はさせないに限るよ。

対霊攻撃は覚えると簡単だからぜひぜひだね。
魔法書の件も了解。でも、呪文とか聞いてると覚えると思う。
暗唱できるように教えるからさ~。

と言いながらも世界が案外直ぐ見つかったりして。そんな気がする。

バリバリ禁呪だろうね~。いわば「消失の運命」を無理やり負わせるんだもん。
文字通り「何も残らない」よ。残さないけど。

使い魔だってヒトさ。こうやってロストナンバーとしているのだからね。
使い魔だろうが奴隷だろうがなんだろうが、もう元の地位は意味を成さないよ。
応援してる。一個人としてね。

(伝説の騎士とは恐れ多い話だ。
 庶民から見れば花形だろうが、実情知ってれば見せられないものが多い。
 ソーセージと法律の製作過程ほどには酷いので、言葉がどうしても濁るのだった。

 魔法の領域はある程度明かしても、真髄はおくびにも出さない。
 個人製作の魔法も多く、それも含めて教えはするが、今はまだ伏せ札だ。
 もう、駆け引きは始まっているのだから。お楽しみに、といったところか。

 右腕の変化した刃を念じてもとに戻す。
 痛みはないが、すこし音が痛々しい。あまり使わないのがバレるだろうか。
 相手の動きを見ながら、感嘆の声をふと漏らして。
 相手が攻撃型の使い魔であることがよくわかる。)

ほぅ……。見事なものだね。いい切れ味してそうだ。
自分は体の変化をメインとしていないからなぁ。もっぱら環境適応のためだけだよ。
装備と道具、そして魔法だけで9割はいけちゃうし。

ね、ワクワクするでしょ?
こうやって会話するだけでも自分からすればすごくいい勉強だよ。
ある種非常事態でも、楽しまなくちゃ損だよ損。

だね。「魔法使いが魔法使いに付いて学ぶのは、魔法を学ぶためじゃない。
駆け引きを学ぶ為に付いて回るのだ」とはよく言われたものだなぁ。

多次元化、ねぇ……こっちと繋がっても、その時はその時さ~。
それに。頭抱えると言っても、今まで安穩として怠けてた連中が軒並みたたき落とされて一から学び直すハメになる程度じゃないかな。
お偉いさん方がことごとく失脚して、叩き上げの優秀な人が上につく。
正しくもどるのさ。戦乱の秩序が。

(さらりととんでもない話をしながら彼は笑っている。
 実際、枚挙に暇がない。そういう連中を嘲笑いながら生きてきた育ちの悪さが出た格好だろうか。
 シニカルな笑いが悪童のそれに見えたのは、錯覚だろうか。否だ。)
[48] 時は来た。

レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-06-24(金) 01:15
(いくつかの話を並べている頃、ターミナルに放ったレギオンから連絡が入る。
 時が来た、と。 少しだけ噂になっていた主がここに現れたと。
 改めて相手を見やる――経験も技能も、今の主よりも遥か上を行く「戦鍵者」。
 彼は、若き鍵に何をぶつけに行くだろう。 その様をとくとこの目で見届けたい。)

 了解、それ以上は聞かないよ。
 未確認物体に触れて地獄へ直送、は流石にごめんだからねぇ。

 んー、フリーの魔導師が扱ってる使い魔の野生化なら聞いたことあるかも~。
 そういうのに然る対処をしていくのも、魔法局の仕事の一つなんだけどね。

 ……まぁ、彼には怖気づくよりも致命的な難点を備えているのは確かだけどねぇ。
 うん、今はその武運に信じてみるよ――丁度、その時が来たころだし、さ。
 次元を超えるウォーロック、その幻影かな? それを相手にどこまでやれるかな。

 多くの英雄は戦場に花を咲かせながら戦っているワケじゃないことくらい、承知の上だよ。
 剣を振るえば血を浴び、膝を付けば泥を被り――なんて経験は、戦場でなら誰もがあるハズだ。
 その辺りは戦士も魔術師も、大差はないんじゃないかなぁ?

 ふふっ、ディラドゥア辺りの魔戦士となれば、フリーな方がいいかもね~。
 規律や規則に縛られるのはどうも嫌いそうだし、僕も無理に縛る気もないしさ。
 スカウトの話も言ってみただけだよ、少なくとも僕は本気じゃないから。

 しっかしアレだね、こっちにきてからいろんな魔術に触れる機会があるなぁ。
 僕の主が魔導書を抱えてあの世界に帰ってきたら、彼もヘンに出世させられそうで怖いね。
 ま、彼のコトだ、その手の話が来たら断るか無視するかのどっちかかな。

 「消失の運命」か……最初に聞いたときは驚いたねぇ。
 今はパスホルダーのおかげでそれを免れている……どんな力が働いてるんだか。
 いすれはコレも究明してみたいところだね~。

 ……使い魔もヒト、か。
 ふふっ、嬉しいこと言ってくれるね~♪ ――ありがとう、本当に嬉しい。

(しゅん、と爪を戻し帽子に手を掛ける。
 使い魔もヒト――、そう言ってくれたのは、最初の主と、今の若き主だ。
 今の主の考えは未だに読めない部分が多く、何を思ってそういったのかは、わからないが。

 相手の腕の変化も見届ける、この手の魔術は自分よりも使い慣れてはいないらしいと分析。
 寧ろ、肉体変化系の魔術で劣っていたとしたら、それこそ一晩寝込んでいたくなるかも。)

 その場その場で、どのように適応するかも個々の選択次第だもんね~。
 仕様も手段も道具もそれぞれ、ベストに扱えればオッケーだと思うけど。

 ふふっ、実はこうして雑談を繰り広げることって少ないから、余計にわくわくしててねっ♪
 んー……そう考えると、今の主ともお喋りする時間、増やしてみてもいいかなぁ。
 今までは訓練訓練ー! って言ってばっかだったから、ビックリされるかもだけど。

 ――うん、そっちと繋がっちゃったら、まぁ宜しくってコトで!
 頭でっかちも数が多すぎると、船で山を越えるような事態になりかねないし……。
 ま、それで失脚した連中はまだ僕がビシバシと鍛え直してやるかなーっ♪

 ――さて、と。
 彼の準備は出来てるみたいだ、先ほど証明が終わったようだしね。
 僕はあの空間のどこかで見学させてもらうよ――そのお手並み、拝見。 それじゃっ!

(シニカルな笑みを明るく返した後、猫は主の下へ向かうべく部屋を飛び出す。
 若き戦の鍵束の実力は如何なるものか……期待は勿論、不安も少々、今はただ、駆ける。)
[49] 来た、か。 つぎのせかいへようこそ。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-06-24(金) 11:30
(こちらも箱の中の魔力の変調を感じる。若き原石の魔力だろう。
 実力のおおよその予想が大体付けば、練習もしやすい。
 さすがに楽はさせてもらえなさそうだな、とは見立てだ。)

ごめんねぇ……。
そのほうが懸命だと思うんだ、うん。

なるほどなぁ~。
色々お仕事もあるものだね。魔法局の仕事は大忙しだ。

致命的な難点、ね。
けど、それらも見つけて直せばそれまでだと自分は思うよ。
落ち着いて、探せばいいさ。

あ、教えるのは自ら行くよ。
幻影はちょっと教導には向かないからね~。
戦闘特化だし、技能も自分には劣るし。

それはなによりさ。理解があることがありがたいと思うよ。
理解されなくて、辛い時もあったから、尚更。

うん。ほとんど、変りないね。
戦場ならすべての職業はまた平等だ。魔術師、戦士、商人すらもまた、ね。

なるほどね~。フリーにさせてもらえるとすごく嬉しいや。
縛られるとそっぽ向く天邪鬼な所もちょっと合ったりして、
自由を条件に仕事受けたりするものだから。

それはありそうだね~。
力を持つと出世も早い早い。キャリア通り越して幹部扱いだったりもするし。
引く手は数多になると思うよ。強ければ。

ただ、力持つ者の一番の贅沢はやはり自由身分。
「いかなる階級、いかなる職業、いかなる法にも縛られない」から。
調律機構やその機構員もまた、この特権を持ってるくらい。
強さを約束されたからこそ、できる事だよ。

消失の運命……。
もしかしたら、チャイ・ブレが勝手に作ってるだけかもしれないよ?
「存在を保証する」というのは余程強い存在じゃないとできない。
そう考えると、何かしらトリックがあるんだろうと思う。

ふふっ♪
こうやって話ができるんだもの。君もヒトだよ。
物言わぬゴーレムじゃないのだからね。

(帽子に手を掛ける相手に目を細める。ああ、こういう生命を感じる瞬間は、やはり良いものだと思う。
 当たり前の事。それは、相手の世界では当たり前ではないのだ。
 概念そのものも、違う。けど、共通するところも、又あるのだろうから。

 メキメキメキ、ガキリ。
 柔軟な元の肉体に戻ったはいいが、やはり音は悪いもので。
 指先の感覚を確かめるように、握ったり開いたりを行って、術式の終了を確かめる。
 やはり、変性術はいい感覚がしないものだ。)

それはたしかにね~。一理ある。
でも、水中とかはこの体だと対応しづらいからさ~。
マーフォークに化けてたほうが戦闘はしやすくていいんだよ。
陸空なら何もしなくても対応は出来るんだけど。

それはなによりさ♪
会話は大事だよ~。戦場で背中を任せられるかどうかとかも会話量でだいたい分かるし。
主のためにも会話、増やしてあげて~。 なにより、喜ぶだろうしね。

つながったらよろしくね~。……すごい連中がたくさん来るかもだけど。
こっちも色々教えてあげるつもりで居るよ~。
次元単位の戦場へようこそ、ってね。

了解。こっちも準備して向かわせてもらうさ。
――サプライズ、楽しみにしててね。

(相手の駆ける背中を見送って主は言う。
 若き鍵束を鍛えあげる。 いい仕事になりそうだ。
 原石をこの目で見てやろう。サプライズと共に。
 そう考えれば、主の姿は溶けるように消えている。少し後に、また会う事となるだろう。)
[75] 戦い終わって。

レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-07-02(土) 21:23
(空間が歪む。
 その歪みから赤い外套を翻して現れたのは、一人の使い魔。
 主であり、部下でもある魔導師が口にしていた言葉を思い、表情は憂いの色が浮かぶ。)

 生贄、か……ブレイク、君はやはりそう考えていたんだね。
 けれど……僕は君を生贄にするつもりで指名したつもりなど、ないよ。

 ――汝、血と涙の祈りを忘れるな。

(目を閉じ、手を組んで祈りの言葉を囁く。
 小さな猫妖精の目鼻の先、決闘空間で戦っていた悪魔の姿を象った紋章が浮かぶ。
 彼はこの紋章を、後にこう呼ぶだろう――“鍵の魔人”ブレイク・エルスノールと。)

 魔法局の意志全てを理解しろとは言わない、君には理解できぬ理由があることは知っているし、僕もいずれは反旗を翻すつもりでいるくらいだからね。
 けれど……僕は君の使い魔だ、君への忠誠に背く意志などないことを、信じて欲しい。
 どうか、どうか――、ね。

(振り返り、部屋の入り口を見やるその先に――。)
[76] 珍しく神妙な面持ちで。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-02(土) 21:42
(猫妖精の使い魔が振り返った先、数秒遅れでその主が顔を出す。
 目が覚めたばかりのようで、やや虚ろう瞳のままで進み、己の使い魔を見る。)

 僕は別に、レイドさんを疑っていたわけじゃないんだけど……。
 ただ、考え方の次元が違ってて、その真意までは把握できなかったと言うか……。
 世界は……違うな、「次元」は広いや……広すぎて、分からないことだらけで。

(すっと己の右手を見る、まだ悪魔化が完全に解除されていない様子で、そこだけが悪魔のそれだった。)

 あの人に会うまで、ちょっと怖かったんですよねぇ。
 神や悪魔を相手に戦っていることは聞いていたから、ここでも悪魔のように扱われてたら、と思うと。
 けど違った、あの人は僕を『戦鍵者』だと言ってくれた。 ……嬉しかったなぁ。

 ……とは言っても、ここからなんですよねぇ。
 四度目の生で、少しでも真の『戦の鍵束』に近づかなきゃ。
 一人だけだったら不安だったろうけど……ここでは一人じゃないって、分かったので。
 これからもご指導、よろしくお願いします、レイド教導官。

(ふわり、といつもの笑みを浮かべて。)
[77] お疲れ様だ、諸君。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-03(日) 02:13
(次元の門を超え、主はゆっくりと居住区の中へと降り立つ。
 世界図書館帰りか、手には新たな報告書が持たれていて。
 厄介なことになったな、と心中では思いを巡らせる。

 先程の神戦の武具たちはすでに脱ぎ取られており、
 日常のジーンズとYシャツのルックになっていた。
 日々を生きるためには、やはりずっと付けているべきではないと。
 そう、思うから。

 帰ってきた戦士達の壮健を確認すれば、そこにあるのは日常の笑顔。
 主人もまた、笑顔で答える。)

お二人ともお疲れ様。
なかなかいい体験をさせてもらったよ。いい戦いぶりだった。

ロード・ブレイク、「4度目の生」の味はどうだい?
3回死んでからが本番だ。初心を忘れずに、頑張るんだよ。
わからないことがあれば聞いてほしい。すべてを持って教えるから。
あと、これを。

――『念動詠唱』(サイ・キャスト)
――『念動』(テレキネシス)

(懐から取り出し、念動の魔法で差し出すのは真鍮のチェンバーキー。
 レイドに渡したのと機能も同一のものだった。
 それと、一冊の魔導書が。表紙には、『ディラドゥア・スペルズ・スコア』と書かれている。
 和訳するならば、『ディラドゥアの魔術楽譜』。なぜこれを楽譜としたのか。
 それは、魔術とはある種の音楽でもあるからだ。)

部屋の鍵と、サーヴァントゴーレムの命令権の象徴を兼ねるものだ。
教官もいることだし、一人や二人増えてもどうということはない。
色々教える都合もある。一部屋使って暮らすといい。

それと魔導書だ。この本はテクニックに最重要を置いている。
基礎的な詠唱術と高速詠唱、念動詠唱、概詠唱、魔法聴聞のテクニック、
あと対霊攻撃を最高位とした基礎基本となる調査・攻撃・妨害魔法の類が揃えてある。
代表となるのは――

『賢者の瞳』(アイ・オブ・ザ・セージ)
(調査呪文。相手の魔法と能力の詳細を得る)
『霊体痛撃』(ハーム・ノン・マテリアル)
(攻撃呪文。実体を持つ相手に無効だが、霊体に強めのダメージ)
『静寂』(ミュート)
(妨害呪文。敵味方関係なしに空気の振動を抑制し、通常詠唱の類を使用不可にする)

――この3つだね。
これを基礎にして学ぶといい。

(そう言って、主は笑顔を浮かべて。実際、もはや一緒のようなもので。
 色々とこれからは忙しくもなるから、このほうがいいだろうと。
 自己編纂の魔導書と家の鍵をセットで渡すのは、彼の世界の通例に従ったものだ。)

――さて。レイドさんと呼ぶべきか、レイド教導官と呼ぶべきか。
早速だけど、のっぴきならない話になりそうだ。

最新の報告書、『世界樹旅団』の話になるのだけれど、トレインウォーの可能性がありそうだ。
その前に一悶着はあるだろうけれどね。また、ブルーインブルーの方もどうやらきな臭い。

……となれば、戦乱の匂いはそう遠くない。
教導のペースを上げて、少しでも存命率を上げてやらないといけないかも。
2ヶ月と見積もって少しでも底上げをしたほうがいいかもしれないよ。

そんなに焦る必要もないかもしれないけれど、プランがもしあれば聞かせてほしい。
こちらも動く都合があるし、ね。

(そう言って、早くも戦乱に備える構えを見せる主。
 平和を望むがゆえに、彼は備えを重視する。古の者は言う。
 「平和を望むなら、戦争に備えよ」と。)
[78] 今後に備え

レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-07-03(日) 20:43
(宮殿の主の声を聞き、ふとそちらを見やる。
 先程まで主に見せていた憂いの表情などかき消して、笑顔を向けた。
 しばらく、戦鍵者同士のやり取りを耳にしながら羽根帽子の淵を掴む。
 それで目線を覆い隠す。 新たに迎えられた住民に渡された『それ』を拒むように。

 やがて、竜麟を纏う戦鍵者から声が掛かれば、金と銀の瞳を細め、口を開く。)

 ――僕の呼び名はどちらでも。 まぁ、前者の方が好みだけどね。
 話だけなら聞いているよ、僕たちも先程図書館で司書さんから話をね。

 これまでに確認されていた銀色の円盤のロストナンバー、名称は『世界樹旅団』か……。
 ブルーインブルーでも、現地の海軍と海賊の戦乱も近いうちにあるだろうし……。

 ブレイクも僕も早速ながら、世界樹旅団と思しき面々と対峙する話に首を突っ込んできた。
 まだ参加が確定したわけじゃないが、ブレイクの魔道具が通じる相手かどうかの確認もある。
 今回はあくまで、顔合わせに留まると思うしね……ただ警戒は怠らぬようにするよ。

 プランは……そうだね、まずはディラドゥアが挙げてくれた3つの術、それの習得を目指す。
 精霊魔法と召喚術に関してはいいとして、その後は体術、及び強化魔法かな……ガーゴイルと魔道具が封じられた時点で敗北確定、そういった展開は避けたい。
 トラベルギアがせっかく剣なんだしね、悪魔化した場合は自前の爪や牙、場合によっては鞭尾も使えるし、悪魔固有の念術もあったハズ。

 しばらくは魔道具「戦の鍵束」、及びアルジャーノンなどの花形召喚は控えて、ブレイク自身の能力を向上させる特訓をしようかと。
 体術に関しては僕が鍛えるから、ディラドゥアには強化魔法などをお願いしようか。

(若き鍵束が本を仕舞った頃、顔を上げる。
 そこには温和に笑む猫の姿は無く、勇ましさ、鋭さを持った教導官の姿が在った。
 きりっとした表情で主を見て、しばらく黙ったまま見つめている。
 数秒の沈黙のあと、いつもの「レイドさん」の顔に戻ると、おどけた調子で笑い出す。)

 そうだブレイク、後で『霊体痛撃』だけ僕に教えて欲しい。
 本来なら、主が使い魔に魔術を教えるのが普通なんだ、使い魔は魔導書には触れないからね。
 僕は君の使い魔だ、君の教導ならば喜んで受けよう……ただし、教えるからにはしっかりとね。

(そして、最後に念を入れることを忘れない。
 これではやはり教導官のままだなと自嘲し、口許を愉快そうに歪めた。)
[79] 『戦鍵者』として。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-03(日) 21:33
(猫の使い魔につられて振り返り、決闘空間で出会った戦鍵者と顔を合わせる。
 四度目の生はどうか、そう問われれば曖昧な笑みを零す。
 今まで体感したことのない魔力とぶつかった衝撃が、今も脳裏から離れずにいた。)

 ……お疲れ様です、ご指導ありがとうございます。
 はい、これからも頑張って、貴方のような『戦鍵者』になれるよう努力します。

(微かな魔力の波を感じた後、差し出された鍵と本をそっと受け取る。
 本の表紙に惹かれる、楽譜と記された魔導書を目にしたことは元の世界ではなかった。
 呪歌のようなものかな、と思い頁に指を掛け――る前に、ちらりと小さな教導官を見る。
 彼は自らの視界を、自慢の羽根帽子で覆っていた。 なぜそこまで徹底するのだろう。

 気を取り直し、目前にいる人の話に集中する。 鍵と魔導書、そして代表となる3つの術の詳細を自前の手帳に書き記す。 書く速度が異様に早い。)

 えっと……ここに住んでもいい、ということですか?
 その……ありがとうございます、まさか次元の向こうのウォーロックさんと同じところに住めるなんて、思ってなくて……あはは。
 
 詠唱系列だけでも、数が多いんですねぇ。
 『賢者の瞳』……ラドヴァスター達の『悪魔の眼』に似た術なんですね……って、使い魔頼みだったのがバレちゃいますね。
 『霊体痛撃』って、僕達の世界じゃまだそれほど広まってないのに……コレも次元の違いなのかな。
 『静寂』……、ガーゴイル達と束になって、体術で攻めるときに……かな。

(ぺらり、ぺらりと頁を捲る内、教導官の名を呼ぶ声を聞く。
 それに合わせて本を鞄へと丁寧に仕舞う、すると待ってたとばかりに顔を上げる使い魔。
 彼はいずれ魔法局に反旗を翻すといいつつ、魔法局の標を忠実に守っていた。
 ここには魔法局の眼などないはずなのに……何か理由があるのだろうか。

 ファージを操るなぞの集団『世界樹旅団』や、ブルーインブルーなる世界の情勢を聞く。
 世界樹旅団に関しては、他の『仲間』も参加を希望しているため、自分が赴くかは分からないが。
 「戦の鍵束」……、この力が通じるか否か、それによって今後の演習内容が変わってくる。
 
 今後、自分に言い渡されるであろうプランを傍らで聞いている。
 自分の弱点をズカズカと突かれている気分になるが、事実だ、割り切って眼を閉じる。
 体術の話に差し掛かれば予測的中だった。
 元居た世界での召喚術士と言えば、肉弾戦は召喚した使い魔に一任し、術士はその後方で支援するといった戦い方が主だっただけに。
 その戦い方を丸々飲み込んだ彼は、体術はおろか剣をもマトモに扱えるかどうかといったレベルだった。
 魔を封じられ、一方的に倒されたわが身を思えば、必要なスキルなのだろう、そう思う。
 悪魔化状態の鍛錬に関しても異論はなかった、ここでなら、邪教と罵られることはないと知ったから。

 プランを話していた教導官が、使い魔の顔に戻って笑う、これに思わず笑顔で返した。)

 『霊体痛撃』? ああ、そっか、レイドさんにも必要ですよね。
 インヤンガイなる世界では、暴霊っていう幽霊との戦闘も在り得るし、それ以外の世界でも。
 その……疑問だったんですけど、使い魔が魔導書に触っちゃいけない理由って……何なんでしょう?
 他人にモノを教えたことないから、ちょっとてこずるかもですけど……頑張ります、しっかり。

(やったことのない、初めてだらけの冒険劇は残酷とも言える速度で進行している。
 それでも立ち止まっている猶予などないのだろう、目前に控えたチケットを手にするなら、尚更のこと。
 その口調は緩いままだが、意志だけは、前へ、前へと進まなければと、若き鍵は思うから。)
[80] 『始動』
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-04(月) 08:14
(魔導書を見ることすら拒む猫の使い魔のしぐさは、主の好奇心を刺激するには十分だ。
 なぜ魔導書を忌避するのか。気にするところもかねがねある。これは後で問うとして。
 目を細めて相手方の反応を見守り、伺うのはやはり性質故か。

 提示されたプランと、コチラのできる技術の組み合わせが頭では走る。
 魔法に関しては『瞬間記憶術』がある。行使の練習がもっぱらのメインだ。
 スムーズかつ相手に隙のない詠唱動作を目指すことがメインとなるだろうと。
 行使の手順は記憶できても、ここはやはり熟練だ。)

そうか。じゃ、前者で呼ばせてもらうよ。

兼ね了解だ。警戒は怠らないほうがいいだろう。
こちらもざっと見てみたけれど、世界樹旅団は強者揃いの様子。
火を扱う奴もいる様子だし、属性吸収を使えるようにしておくと有利に立ち回れるだろうね。
複合した3名相手の奴は総合力勝負になるだろう。地力が問われるだろうから、気をつけて。

プラン了解だ。魔法の記憶は一瞬だけど、そこ以外がメインだね。
言い忘れたけれど、表紙裏、見開き1ページ目に例外として1つだけ補助魔術を入れてある。

『瞬間記憶術』(キャッシュ・メモリ)
(補助魔法。過去30分間にさかのぼって学習したことを記憶する。
 一夜漬けの友。脳に負荷がかかるので記憶する情報量に留意すること。)

をね。『覚える』のは早いけど、魔法行使のスムーズさが問題になるだろう。
発動手続きは覚えられても、ここはやはり熟練だ。
実践形式でガリガリやることになる、覚悟してもらわなくっちゃね。

(ははは、と明るい笑いを交えながら。)

OKだ。その役割分担でいこう。忙しくなるなぁ。
けど、いい忙しさは好きだ。こういう忙しさは特にね。

あ~、『霊体痛撃』は遠距離攻撃だけど大丈夫?
見る限り体術型だし、近接のエンハンスのほうがいいかもしれない。

『触魂』(ソウル・タッチ)
(強化呪文。霊体に触れられるようにする)

とか、

『痛霊の刃』(ハーム・ノンマテリアル・ブレード)
(強化呪文。対霊、対アンデッドに対して攻撃力を上乗せする)

とかのほうが向いてそう。
その本だと乗ってないから別物になるんだけど……どう?

(相手方の戦型に合わせた術式のほうがいいのはこれ確かだ。
 そんな心配が出る辺り、自分はおせっかい焼きなのかもしれない。
 そんなことを考える、自分がいた。

 若き鍵の方の会話もまた伝わる。相手の反応を見れば、
 まだ弱かった頃の自分がいるようで、どこかくすぐったいような、
 懐かしさすら覚えるような感覚を覚えて。)

努力は大事だ。けど、無理は禁止だよ。
無理しすぎて燃え尽きてる連中もたくさんいるからね。
そうなっちゃ本末転倒だし。

(書くスピードの速さを見て、速記術の持ち主だと理解を深める。
 魔術師で速読、速記は数多いが、なかなかの腕前だなと目を細めた。
 主は速読や速記はできない。どうにもなれないのだ。)

早いなぁ、書くの。
速記術は自分は慣れなくてねぇ……。

(そんな声が、ふと漏れる。)

そういうこと♪ ま、気にしないでゆっくりすればいいさ。
それに、教官さんもいるし、教えることも沢山だ。
長く通うより、すみかは近いほうがいい。鍵への道は長い長い旅路にもなるしね。

テクニックだけでも多いかもしれないけど、ここに載ってるのは基礎基本だよ。
組み合わせや駆け引き、更に『鏡魔法』とか使い出すと一気に倍近くに膨れる。
上級テクは今回は省いてるくらいだしね。基礎基本に慣れたら教えられると思う。

次元の違い出るなぁ。『悪魔の瞳』はこっちもある。ただ、ちょっと効果が異なるね。
悪魔の場合は魂の価値を見る効果になってるんだ。
『魂魄掌握』(ソウル・スティール)、『魂魄粉砕』(ソウル・クラッシュ)とか使う時に使う。

『賢者の瞳』はあの一戦の時なら本来は一手目で出ないといけない。
『戦い慣れるまでは初見の相手は調べる』ことを覚えるといいよ。
真面目にこれが攻めるか引くかの分かれ目になるからね。
得た情報を元に『徹底的に弱点を突く』、『勝てる敵とだけしか戦わない』のも重要な戦術だ。

また、『ほぼ全ての死は知ることで回避できる』し、『死はほぼ全て判断ミスに起因する』。
不運もまたあるけれど、その影響も極限まで抑えることができるからね。
『戦鍵者』とは情報戦闘者でもあるんだ。意識するといい。

次元の差だね~。『霊体痛撃』は結構ポピュラーなんだよ。こっちじゃ。
シンボル詠唱だと『デス・ユー』なんて詠唱法してたりする。

『静寂』はアタリ。
石像出したら後はこれ使うだけで通常詠唱以外使えない相手なら封殺。
文字で発動する連中もいるから一概には言えないけどね。

(相手の目を閉じる動作を見て、色々と逡巡が巡る。自分もこうだった。
 自分なんか今の地位までにどれだけ屍を重ねたかも忘れている有様で。
 彼はまだ幸せなのだろうと、思う。)

聞いてて、耳が痛いかい? 自分もこういう時期はあったよ。
ただ、君はまだ恵まれてる。死で代償を払わなくて済むんだからね。
こっちは教えてくれる人もほとんどいなかったんだ。きっちり学んで、強くなるといい。

(笑顔で、若き鍵へのエールを送る。この苦い体験が必ずや花開くと主は知っているから。
 使い魔の魔術書の忌避については、主も――)

自分も気になる。『教官殿は魔導書にアレルギーでもお持ちかな?』なんて。
魔導書はあくまで形にすぎない。それこそパソコンで言えばフロッピーディスク。
石版みたいな、パソコンで言うフラッシュメモリとかの形式ならいいのかなとかちょっと気になるなぁ。

(そんなことを、主は笑顔で言うのだった。)
[81] チケットを手に

レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-07-05(火) 03:25
(使いのレギオンがにゃーにゃーと走ってくる。
 手にしていたのは一枚のチケット、そこには猫の名が記されている。
 もう一枚は、と尋ねれば首を横に振る影猫に頷いて答え、自らの影に戻した。)

 複合三名へ出会うツアーが当ったようだ、ちょっと顔を合わせてくるよ。
 他の『仲間』との連携も必要になってくるだろうから、いずれ場所を借りるかも。
 剣士に魔導師、そして竜のような姿か……あちらもこちらに劣らぬ豊富なバリエーションだね。

 プランに異論はないようだね、なら良かった。
 にしても……『瞬間記憶術』とはねぇ、至れり尽くせりとはよく言ったものだよ。
 とはいえ実践を積まなければ――という過程があることに安心した、かな。
 そこまでカンタンに熟練できるようになっては、おそらく全体が堕落の一途だからねぇ。

 くふふ、引き受けたからにはしっかりと頼むよ。
 神々や悪魔を相手取る忙しさよりは充実していることを祈るけれど。

 あー、それなら僕は『痛霊の刃』を取ろうかな。
 ブレイクも後で教わっておいたら? ガーゴイル達の強化にも使えると思うからさ。

(若き主の名を呼びながら、その顔を見上げる。
 組み上げたプランには勿論、新たな魔術や戦法云々を聞いて、やや戸惑っているようだ。
 速筆術は前に比べて更に速度を増している、それを見て感嘆の声を上げる戦鍵者をやや意外そうに猫は見ていた。

 講座が始まると、使い魔もまたそれに耳を傾ける。
 話し手にとっては入門、初級編のつもりでも、次元が異なればその考え方さえも変わるものだ。
 時折、昔を懐かしむような口取りになるのを感じれば、かつての戦鍵者もこういう時期があったのだと思えた。
 若き主は恵まれていると言う、この次元の先にいる今が恵まれすぎて、後が怖いくらいだ。

 そんな恵まれ過ぎている主は、魔法局内では――悪魔の力を隠しても――変わり者だった。
 局内のルールが書かれた手帳は読み飛ばす、大事なオーダーも把握しないまま現場入り……。
 そして今、聞いて欲しくなかったことを平然と口にする、それにもう一人の教導官も興味をしめしたようだ。 さて……)

 持っても、意味がなかったからだよ。 使い魔は、魔導書が読めないんだ。
 前に僕から魔導書を見せて、と言った事があるだろ。 実はそれ、主が変わる度に聞いているんだけど。
 その度に読めないことをこの眼で確認している、僕の眼には魔導書が白紙の本に見えるんだよ。

(ぐるる。 獣特有の唸り音が口内に響き、脳を揺さぶる。
 こういう時にこそ、この羽根帽子が重宝することを猫は知っている。 怒りに満ちた獣の形相を、上から覗き見ることは出来ない。
 だが、すぐに我に帰る。 なら何故、と思う。
 自分が初めて訪れた時、彼が浮かしていた『魔導書』をなぜ見ることが出来た?
 恐る恐る、帽子の角度を変え上を覗き見る、魔導師の鞄から微かに見えるそれは、『白紙の本』か、否、魔導書だ、そう見える。

 ……次元の違いは、絶対と定められた法までも置き去りか。 ふっ、と気の抜けた笑みがこぼれた。)

 元の世界では、ね。 こっちだとそのルールは適応されないのかな……。
 なんだ、こっちの魔導書は使い魔でも読めるのか……これじゃあ、元の世界に帰りたくなくなっちゃうじゃないか。
 ああ、でもごめん、しばらくはアレルギーかも……また白紙の本か、って思うとつい、ね……慣れてくるまでちょーっと待っててくれない?

(さっきの憤りは何だったのだろう、今度は恥ずかしさのあまりに帽子の淵を手に取った。)
[82] 汝の行く末に、幸運の風があらんことを!
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-05(火) 12:24
(相手のレギオンがチケットのお使いを的確に済ませるのを視認する。
 良くできたレギオンだ。 しっかりと調教されている辺りは流石だなと思う。
 影に戻した相手を見ながら、相手の返答を受けて)

了解。部屋の準備はお任せするよ。会議室風味でもいいし、形式も一任する。
備品とか必要なら言ってくれれば揃えよう。

バリエーション豊富でもやることは変わらんさ。
形状と動きを考察すれば自然と見えてくる。
個人考察だが、竜のような姿は飛行と威力偵察を兼ねる中距離~近接。
ブレスがおそらくあるだろうから範囲は広めに。
剣士は言わずもがなだが、魔術師はちょっと不確定要素が強いね。

魔闘士視点で助言するなら、まずは相手の位置と詳細をいち早く知ることだ。
その上で、封じるなりして魔術師を優先的に潰すことだね。
魔術師さえ何とかなれば近接の連中は遠距離から削ってやれば落とせるだろう。幸運を。

逆に言えば、「それだけ範囲が広い」ということさ。堕落の余地すらありゃしない。
こちらでは魔法の基礎基本においてだけでもすごい量になる。
それに追いつくための学習法の変化、効率化と考えるべきだね。

それに。いくら『デスクワーク』が出来ても実地が出来なけりゃ温室栽培さ。
たとえ1000冊の魔導書を暗記しても、実戦慣れしてなければ、
わずか数冊しか覚えてない魔術師に負ける。
魔法を覚えている=強さと履き違えないことだね。
重ね重ねだけど、実戦慣れと駆け引きが最重要なんだ。

ぶっちゃけ、今の生活のほうが気に入ってるくらいさ。
磨くべき点が見つかるのは日常や平和な手合わせのほうが多いよ。
期待してて。同等かそれ以上までみっちり仕上げてあげるつもりしてる。

ん、了解。魔術書は準備しておく。
あと、『反魔法結界』もついでに乗せておこう。目前の戦闘が近い。
近接戦闘やる上で魔術師封殺にこれ以上のものはないからね。

『反魔法結界』(アンチ・マジック・シェル)
 一定範囲内での『魔法行使』を封じる。しかし、超能力(サイオニック)は封印できない。
 あくまで『行使だけ』であり、『範囲外からの魔法は素通しである』点に注意。)

(相手の戸惑う顔をこちらも見る。
 やはり、次元の違いは否応なく出るものだな、としみじみ考えさせられるもので。
 講座をすこしやってみれば、やはり感覚の違いは感じ取れる。
 『鍵としてのスタンス』からまずは教えねばなるまいな、とふと。
 魔法と近接戦闘は融合して初めて強さを増す。
 確かに近寄らせない、手数で押すスタンスもあるにはある。
 しかし、それは魔封じの発達したこちらではかなり難しいからだ。
 そうなると、やはり近接は必要だ。車輪の両輪として魔法と武術は揃わねばならない。
 『封じられて終わり』ではなくするための、『そこからの抜け方』も教えねば。
 忙しくなりそうだ。しかし、充実した時間となることは推察がついた。

 相手の魔導書についての理由を知り、リアクションをつぶさに観察したとき。
 主の表情からは、思わず笑みがこぼれて止まらない。)

……クックック……ハハハハハハ……!

(思わず大きな笑いが溢れる。こちらの世界に入ってからの初めての純粋な笑いだ。
 晴れ晴れとした表情の主は、恥ずかしがる相手を見て歩み寄れば膝を付き、
 同じ目線の高さで話を始める。)

いやぁ、久しぶりに笑わせてもらったよ。なるほどね~。
いや、魔道書に触れるだけで死ぬように作られた意思ある使い魔の例を知っていたから心配したんだけどさ。
実に良いニュースであり、実に面白い話だ。

これって、凄くラッキーなことじゃないかい?
元の世界ではありえない、「新たなる魔法を持った使い魔」が生まれる。
イレギュラーのようだけど、これはすごく大きな事なんだよ。
恥ずかしがることなんかないさ。むしろ喜んでいい。

ゆっくり待つよ。色々読んで、色々学んでごらん?
魔法を学ぶことの喜びを覚えて、そして自らの『鎖』を破る術も手に入れてやればいい。
そうしたら、『元の世界』の連中はなんて言うかなぁ……?

クックックッ……。あちら側の連中の顔を考えるだけでおいしいご飯が食えそうだ。
いい音楽もあればこれほど最高のものはないや!

(そんな、悪童の思考を巡らせる主はとてもイタズラが好きなもので。
 視野が広がった先の彼ら使い魔の未来を思えば、なおさら悪くないイタズラだとも思える。
 なら、先鞭をつけてやろうか。そんなことを、思うのだった。)
[88] そんなワケで会議室へ(逃げる)

レイド・グローリーベル・エルスノール(csty7042) 2011-07-06(水) 01:53
 うん、場所は早速借りておいたよ、ありがとう。
 一回きりに使用で終わらすのは勿体無いし、今回の件が終わったら次に備えるなりするかな。

 戦うとなれば、相手の魔術士の魔術を封じられれば、多少は楽になるかもだねぇ。
 君の考察も参考にさせて貰うよ、会議室に話し相手もやってきたことだし……いいプランを練れればいいけど。

 範囲が広い、ね……納得せざるを得ないか。
 導師からしか術を得ることが出来なかった僕にとっては、どうも実感が湧かないよ。
 魔導書についてはブレイクの方が詳しいかな……読み飛ばしてなければ。

 最終的にはやっぱり、「身体で覚えろ」だよねぇ。
 詰め込んだ知識だけじゃ、いざって時の動作が間に合わずにそのまま退場……上層の連中にそういうのが多いんだ。

 くふふ、頼もしいねぇー、この次元に来れてラッキーだったかも。
 僕はしばらく会議室に篭るから、その間はブレイクを君に預けておくね。
 初の冒険から戻ったら、そっちの成果も聞かせてもらうよ。

(そして、魔導書の話題に入れば。 ……ああ、帽子があって良かった、そう心から思う。
 顔から火が吹くなんて、最初に言い出したヤツは誰なんだろう、会えたら引っかいてやりたい。
 が、そう思っていたのは最初だけで、話を聞くうちに羞恥の感情が薄れていくのが分かる。)

 ……いきなり笑い出すから最初、むーって思ったけど……く、くふふふふ……。
 あははははっ、確かにそうだ! 本来は人にしか扱えぬ術を行使する使い魔……悪くないね、最高だ!
 ああそうだ、会議室行く前に魔書庫に寄って行こうか、使える術がいろいろ……、くく、むふふ……、くははははっ!
 あぁ、そっか。 ブレイク、ちょっと借りるよ!

(鞄からはみ出した“魔導書”に飛びつき、ぱしっと掴んでそのまま抱きかかえるように持つ。
 くるりと一回転した後に着地すれば、以前は白紙にしか見えなかったそれがいとおしい。
 一度振り返ってみせ、未だに含み笑いを続ける魔闘士に向けて、ニヤリとしてみせた。
 隣に居る主が呆然としている気がするけど、今は気にしてる場合じゃない。)

 ディラドゥア、後で僕の分の魔導書もヨロシク♪
 コッチは会議終わったら返すよ、それじゃ、また!

(こうして新たな可能性を手にした猫が、軽い足取りで会議室へと向かっていった。
 が、その後で「なんであの時気づかなかったんだ」と思えば、頭から湯気が出そうな表情を浮かべていたらしい。)
[89] 講義ときどき笑い、後に話題を一つ。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-06(水) 03:09
(見たことも、聞いたことも、感じたことすらないかもしれぬ知恵が頭の中を駆け巡る。
 その間、人によっては話を聞かずにぼんやりしているものと見られがちなことを、ひそかに気にしていた。
 が、決してそんなことはなく、証拠と言うべきか走り出したペンが止まらない。 頁に焦げ目が付くのではと問われかねない勢いだ。
 これで人に見せても読める字なのだから、実際にこうして書いている場面を見せないと誰も信じてくれない罠まである。)

 局では、この速筆と速読だけが自慢でしたので。
 もしレイドさんから『鍵』に選ばれてなかったら、今も書店の裏で書庫整理……かなぁ。
 んー、あの時の私はまさかこんな展開になるなんて、思ってないですねぇ、確実に。
 今の状況が夢なんじゃないかって思えるくらい……、けど、夢じゃ……ない。

(手帳を握る左手は未だに悪魔の姿のままで、目前には次元の向こうの人、そして魔法局最古の「心」を持った使い魔という教導官までもそこにいる。
 運命の日を迎えていなければ、決して縁のなかった人達とこうして顔を合わせている状況下……どうしてこうなったのか……。

 そうふわりと思い、すぐ答えを見つけ、筆が止まる。 あの時――。)

 ……あの日に甦ってなかったら、僕はここにはいなかったのかな。

(脳裏に浮かぶ過去は、二度目の生を授かった日のこと。 忘れたいと思い続けた出来事。 それがなければ――。
 それ以上考えるのは止めた、講義に集中を戻してペンを再び走らせる。
 猫の使い魔が魔導書のことを話すときに筆を止めた、自分が聞いたことなので、ちゃんと聞かねば。

 だがその衝撃のラストに――響く笑い声が二つ。
 その後に交わされた会話は楽しげなのに、その内容が――なにこれこわい。
 もしも元の世界に帰れたならば、目前の竜と猫は喜んで魔法局を潰しに行きそうだ。
 ただそんな会話を聞きながら、使い魔の謀反と思しき言動を一切止めず、寧ろ潰してしまえばいいじゃないと考える自分も共謀者なのかな、と思う。
 鞄に入れておいた魔導書をひったくった使い魔は、二段笑いを受けたにも拘らず、生き生きとしていた。
 何気なく思う、何であの「人」って、使い魔なんだろう、と。
 とりあえず不機嫌にはなっていないようなので、晩御飯がロシアンルーレットならぬ“ロシアン料理”になることは免れたと安心した。
 それと『賢者の瞳』って、料理の成分表を見抜けるのかな、なども考えたが、今は置いておく。
 音楽、と聞けばふと浮かぶのは“楽譜”と記された魔導書のこと。 今は猫が持っていってしまったが。
 彼は音楽好きなのだろうか、ならばと思い、猫を見送った後、雑談の種にある仲間の変わった魔術系統を持ってくる。)

 あの……ディラドゥアさんの世界って、『呪歌』という魔術はあるのでしょうか。
 私と同じ『戦の鍵束』に属する仲間が編み出した系統なんですが、詠唱が名の通り、歌そのもので。
 声による歌唱はもちろん、竪琴や笛などの楽器を用いて、それを詠唱する術式ですねぇ。
 上層の人からは戦いの最中に歌なぞ、ふざけるなーって言われて、原案を考えた彼は頬を膨らせてましたねぇ。
 ……私は面白いなー、と思ったのですが、ディラドゥアさんとしては……どう思います?

(ちなみに『呪歌』を編み出したその仲間は、魔導師でありながらアイドルもやっているという、変わった人でもある。
 というより、彼以外の『戦の鍵束』も変わり者が多い、恐らく自分も含めて。)
[90] 笑顔と、お誘いと。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-06(水) 18:26
それがいいね。 一回ごとに『箱』作っては壊ししてると面倒だし。
リサイクルしながらうまく使おうか。

というより、戦術を思いっきりひっくり返すのが魔術師なんだよね。
今まで練ってたプランを思いっきりひっくり返されるのが最悪に近いから、それ封じ。
良いプランを練れることを祈ってるよ。

導師かぁ。その口ぶりを聞くに仙術領域の『陰陽道』がベースかな?
だろうとおもう。でも、だんだんと実感がわくさ。沢山魔法に触れればとくに、ね。

だね~。 いくら魔法が発達しようと、ここだけはもうどうしようもない。
上層に多い症状というのも納得だ。ああいうのは『象牙の塔』でしか生きられないモヤシだし。
ま、軽々とあしらえる分だけラッキーだ。潰しに行くときは特に、ね。

了解。 ま、楽しみにしててよ。

(相手の表情が可愛くすら感じる。
 まぁ、いきなり概念からして変わるのだから戸惑いも多いに違いない。
 ゆっくり、慣れていけばいいのだとは主の弁だ。
 焦る必要など、悠久を生きるロストナンバーには微塵もないのだから。

 相手の子供のようなリアクションに目を細める。
 学ぶことの楽しさを知った相手というのはよく輝いて美しいものだ。
 好奇心の塊となった相手のその言動を見るにつけ、主は思う。
 ああ、やはり学問はいいものだな、と。
 それは、ある日の憧憬。どこか始まりの頃の自分を見るようで、懐かしいのだ。
 晴れ晴れとした学問の大海に出帆する、相手の幸を願わずには居られない。
 君に、幸あれと。)

魔道書の件は了解だよ。レイドさんの分も用意しておくとしよう。
行ってらっしゃい、またあとでね。

(そう、相手に言葉を投げて軽い足取りの合手を見送る。
 そして、若き鍵の方に思わずぽつり。)

……学友というか、ライバルというか……。
増えちゃったかな? なんて。

(そんな、ちょっとしたプレッシャー。
 イタズラ好きの主らしい、そんな言葉だった。

 しかしながらその一方。周辺視野で捉えた使い魔の主の筆記の速さは目を見張る。
 『紙がよく持つな』というのが真っ先に思い浮かんだ印象で、
 これは今度新しい上質な万年筆と高級紙のメモ紙でもプレゼントしてやるべきかとすら思う。)

しかしながら早いなぁ……。それは誇ってもいい速度だと思うよ。
自分の筆記速度の3倍……いや、もっとか。
それくらいのスピードで書いてる。
その筆記速度なら書庫整理なんて言わずにもっと上狙えるよ。

(実際問題冗談じゃない。これは真面目に言っている。
 議事堂の速記官より下手したら早いその速度は十分誇っていいと思うのだ。

 ふわりとした相手の思考をどこか感じながら、ポツリと出る独白を受け止める。
 それは、ある種、定められた物だったのかもしれない。
 自分がこうやって相手に知識を伝えるのも、また、こうやって出会ったのも。)

『禍福は糾える縄の如し』とはだれが言ったか。
運命の糸なんてどこでどうつながってるかなんて見えないモノさ。
『運命操作』(フェイト・コントロール)でも使わない限りはね。
それもまた、定められたものだったんじゃないかい?
神様の力なんざあてにしないけど、それこそ、ね。

(そう、主は笑う。不幸も、幸福も。全ては運命のままに。
 運命を軽々と乗りこなし、幾多の魔物も打ち倒す。
 そんな『エターナル・ヒーロー』とでも言わんばかりの主だからこその、考え方だった。

 ひったくりを食らっても笑う相手。それを見て主人もまた笑顔を浮かべていた。
 好奇心の塊とはえてして暴走を行うものだ。そうわかっているからこそ、なのだろう。
 ああ、すごく今は幸せだ。このような幸せな日々と巡り会えたことに感謝したい。
 そう、思う。

 呪歌の話になれば、主の眼がちょっと輝いて見える。
 アルコールで酔えない身としてはこの上ない娯楽であり、また最高のお酒の代わりでもあるからだ。)

自分は使えないけれど、『呪歌』はこっちにもあるよ。
ハープとかで演奏して魔法を織り込む形のやつ。そっちの世界とほぼ同じだね。

曲目や効果によっても全く楽器が変わるから、それぞれに合わせた楽器を使いわけるのが印象的だったなぁ。
攻撃系の呪歌だと重低音バリバリでさ。
それこそ壱番世界のデスメタルとかハード・ロックなみの激しさになったりするから面白い。

上層部も先見の明がないねぇ……。
呪歌は持続性があるから集団戦や大規模戦でかなり有効だよ。
もちろん単体で使ってもいいけれど、範囲も広くて便利だしね。
きっちり立派に仕上げればかなり面白いと思うよ?

(そう、主もまた返答を返し。
 この差異もまた異世界訪問の楽しみだから、と。

 そんな中、主からはひとつの提案が。)

……さて。 ロード・ブレイク。
これから少し教官さんもいなくなる。
『個人授業』(デート)と行きたいんだけど、どうかな? なんて。
『記憶の欠落』の体験学習と、『魔法の打ち消し』の簡単な実習。

……それと、このチェンバーの『深層』に潜っての実戦練習。
いい体験になると思うんだ。どうかな?

(そんな、彼らしい提案の幾つかが、投げられるのだった。
 『デート』と冗談交じりで呼ばれた個人練習だ。)
[93] ジョークの耐性が低い。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-07(木) 01:56
(嬉々とした足取りで進む猫の背と尻尾を、手を振って見送る。
 元居た世界では触れられぬ魔導書を抱えた姿は、微笑ましくもあり、寂しくもあり。
 後者の気持ちが強かったらしい、ぽつりと掛けられた声にせめて笑い、俯く。)

 ……頑張らないと、またお飾りのラグドール(動く人形)に戻っちゃいますねぇ。

(『鍵』に選ばれた頃から囁かれていた二つ名が脳裏を過ぎれば、自然と口に出ていた。
 猫から魔法を教えてと言われた時、やっと主らしいことが出来ると思っていただけに、その必要が無くなってしまった。
 あの「人」は、この次元に訪れたことで使い魔ではなくなったのだ、そう解釈する、その方が気持ちが前に向く気がした。
 
 講義された内容を書き終え、筆圧により熱が篭った手帳を閉じる。
 自己解釈文は後で書こうと思っている時に聞こえた賞賛が、慣れなくてくすぐったい。)

 ペンを握ってる時間が多かっただけですよ、それこそ『象牙の塔』に居る人たちのように。
 上を狙うとかは、あまり考えたことがなかったですねぇ、興味が湧かないというか……。
 元々私、魔法局に所属するつもりはなかったんですよねぇ、レイドさんが訪れる前までは。

(どこかの決断の時に違う選択をしていたら――似たようなことを思う。
 所属を望まなかった魔法局の勧誘にイエスと答えたことも、また運命だとするのなら。
 このお話を思いついた運命は、翻弄され続ける自分にどんな結末を与えるのだろう。
 あの世界が定めた“名誉の死”とはまた異なる、別の答えがあるのだろうか……。)

(『呪歌』への反応は好感触を得たようで、内心ホッとした。 頬を膨らませていた彼が聞いたら目を輝かせて、その手を握って振り回して居そうだな、と考える。)

 そちらにも『呪歌』はあるんですねぇ、詠唱の速度が異様に速かったのもあって、もしかしたら無いのかも、って思ってたのですが、外れましたねぇ。

 こちらで『呪歌』を編み出した人は横笛が魔道具でして、詠唱代わりの旋律を奏でながら戦える異色の魔導師として有名でしたねぇ。
 後はカンタンな動作で発動する術とか……演奏中は手が塞がるので、360度ターン回転で円形の音衝撃がー、とか。
 一緒に任務に出ているときは賑やかですよ、たまに魔法に巻き込まれますけど。

 ……上層の方は全員が反対しているワケじゃないんですけどねぇ、その人は別の方面でも有名ですから、そっちで支持を得ているだけに。
 反対されている方の多くは年配さんなので、伝統を穢されるのが嫌……とかなんでしょうかねぇ。
 新たな魔術系統の開拓も、いろいろと問題が生じて難しいですねー。

(実を言うと、この魔導師自身も『呪歌』を使えはする。
 決闘空間での戦いの際に使おうとしたのだが……演出だと2回も言ったのに。

 使い魔たちを守護する手段を思案し始めた頃、提案に顔を上げる。 小首をかしげる。)

 ……でえと、ですか?
 …………あ、ああ、授業のことですね、、すみません。
『記憶の欠落』とか、ちょっと怖い響きですけど……大丈夫です、準備は出来てます。

 改めまして――、ご指導、よろしくお願いします。

(冗談で言われた一言に驚きはしたが、後に続く授業内容で把握が出来た。
 そして実戦練習……果たして、『戦の鍵束』と花形召喚抜きでどこまでやれるのか。
 深々と頭を下げながら、そう思う。 自分自身の力を、少しでも信じられるようにするためには、乗り切るしかない。)
[94] 自己の弱点と記憶の重要性。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-07(木) 09:42
(見送る目線と、相手の独白を受け止めてはその流れに任せる。
 それは、どこか寂しい感覚を受ける言葉。
 でも、その言葉は主から――いや、先輩の戦鍵者として見た時には、ある種宝だ。
 通った者だからこそ、言えることがある。)

――お飾りの『動く人形』(ラグドール)、か。
褒め言葉として取って良いんじゃない?
魔法的にも『詰め込みがいがある』って事なのだからね。

実際、才能は間違い無く『ある』。自分はすごく良い『原石』だと思ってるよ。
『戦鍵者』の中にも階級と呼び名がいくつかあるけれど、
ブレイクなら『戦闘魔術師』(ウォーザード)……。
いや、自分と同じ、『知識の守護者』(ウィザード・ロード)まですぐに駆け上がれる。
『あちら』の連中の顔、赤してやろうじゃないか。

(――『戦闘魔術師』(ウォーザード)。この称号は、普通に得ることはできない。
 選ばれた者、選りすぐりの精鋭のみに与えられる誉れだ。
 しかし、彼ならばそれは遠くない。それは、彼の熱意とその潜在能力が、何よりの証左だ。)

でも、その筆記速度はやっぱり天賦の才だと思うよ。自分には無理だ……。

なるほどねぇ……。 でも、それはいい運命の分かれ目だったのかもしれないよ?
興味が沸かないかもしれないけれど、この業界は強くなれば強くなるほど*儲かる*。
最上位ともなれば一仕事で金の延べ棒1本が普通に飛び交う位。
でもそれだけ、ハードルも上がるんだけどね。
でも、準備さえ怠らなければ書店の整理やるより、ずっと儲かるよ。
腕も磨けるし、そういう意味でも、ラッキーだと思う。

(実際そうで、主はなんだかんだ荒稼ぎしては遊び回っていた。
 とはいえど、死ねばまた『本当の意味で』0からのスタートだ。
 しかし、お金はほぼ仕事の準備と遊びに使い、それでも有り余るくらいだったから。
 それだけ、主は自己研鑽と生き残る術に長けていたのだ。

 呪歌の件を受けて、主は思う。 最近、いい呪歌を聞いていないな、と。
 いい呪歌は聞いていて酩酊できるほどに心地が良いのだ。)

まぁ、詠唱速度はこれはもう実戦の積み重ねの賜物だね。
ブレイクなら実戦積み重ねてればすぐにこのレベルまで来れるよ。

体質的に呪歌は弱いというか、向かないんだよなぁ。
アルコールは酔えないんだけど、音には酔うから。いい呪歌だと幻覚がするくらい響くんだ。
トランスしちゃう。

呪歌使いかぁ……。
巻き込みはゴメンだけど、簡易発動の術は見つけて取り入れておくと幸せになれるよ。
『瞬間詠唱』(クイック・キャスト)相当の魔法発動はミックスしてでも取り入れると強くなる。

伝統ねぇ。魔法に伝統を求めるほうが難しいと思うんだけどね?
魔術って言うように、『魔法は技術』なのだから日進月歩で進み続ける。
旧態依然とした魔術にこだわって負けるほうが馬鹿馬鹿しいとすら思うよ。
もし、魔法局をぶっ潰すならそういう権威主義もまとめてぶっ潰したい。
本来なら、魔法の領域をガンガン開拓する世界でないとおかしいのさ。

(そんな主は権威のけの字もないある種クレバーな現実主義者だ。
 ゴミのような権威に縛られ、敗北を喫する位なら、その権威ごと潰す事を良しとし、娯楽とする。
 だからこそ、今の地位と強さを得られたのかもしれない。
 そして、それ故にまた、神に仇なすこともできたのだろうと。

 戦闘時、魔術師の言葉の一切を信用しないのは鉄則だ。
 何故ならば、今までの戦局を軽々と書き換えるのがまた魔術師の魔術師たる所以だからだ。
 現職からすれば、ひとつの『演出』から致命打を叩きこまれたのではたまらない。
 故に、全ての攻撃の鍵となるものを予見し、潰しながら封殺する。
 正直、ある種申し訳ないとすら思う。しかしこれが現実であり、魔術師同士の戦いなのだ。

 相手の了解の返答を受け、主もまたそれを返す。
 だが、その前に。)

こちらこそ、よろしくお願いします。
授業の前に、少しだけ作業させてね。あ、揺り椅子に腰掛けるなりしてゆっくりしてていいよ。

――『念動詠唱』(サイ・キャスト)
――『魔道書作成』(クリエイト・グリモア)
――『魔道高速指定開始』(スピード・マジック・コーディング・スタート)

【ネーム:『勝利と栄光の書』】

(唱えられるのは魔術書の生成術。
 自分の脳内にある魔術のイメージを紙に念写し、一つのハードカバーの本に仕上げて行く。
 無より羊皮紙が生まれ、凄まじい勢いで魔術が書き込まれれば包装されが繰り返されれば。
 それは、ひとつの本となって主人の手元に現れるのだった。込められる願い。
 その願いは、直近の戦いに対する勝利と栄光。
 それが一つの形となって形成される。)

……ふぅ。あとは……。
――Servant!これを会議室に!

(居住区に飛ぶ声一つ。その声に反応してやってきたエメラルドグリーンのゴーレムに、
 生成された魔術書を持って行かせる。表紙には、ポストイット一つ。

 相手の様子を見て、頃合いのいい頃に主は講義を始める。)

よし、レギュレーションの説明。
これから『記憶簒奪術』(メモリー・スナッチ)をかける。ブレイクの記憶を預かる魔術だ。

実戦でこれを使う場合はごっそりと記憶を消す形で、後から感覚が来るようになるだろう。
感覚としてはボロッと記憶が抜け落ちる。
これは体験して感覚を覚えておかないと動きがとれなくなるからね。

また、これを体験しないで記憶の抹消や欠落を食らうと、酷いと発狂するんだ。
慣らしておかないと戦場でも狂う。重要な体験だから感覚を覚えておいてね。

じゃ、心の準備がOKなら合図をよろしく。

(説明だけをまずは相手に投げる。
 この実習はやらないと継戦能力に直に影響するため、ぜひとも進めておかねばならない。
 戦いの本質を示す、魔術戦闘の初歩的学習だ。)
[97] 準備、それよりも覚悟を。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-08(金) 13:51
 ――マリオネット(操り人形)、そう呼ばれなかっただけ、マシだったのかもしれないですねぇ。
 その話を聞く限りでは。 『戦鍵者』の階級……そういうものがあるなんて、あちらでは夢にも……。
 ディラドゥアさんの世界では、階級が確立されるほどに多くの『戦鍵者』が存在しているってこと、ですよね?
 そういえば、貴方のお仲間の話、まだ聞いてませんでした。 『戦闘魔術師』や『知識の守護者』……そんな立派な称号を授かっている人って、大体何人くらいいるんでしょうか。
 私達の世界には、正式に『戦鍵者』と呼ばれている人は一人もいなくて、階級なんてものがそもそもないんですよねぇ。

 (煌びやかにも思えるその二つ名には、あらゆる信頼や期待を籠めて贈られるものなのだろう。
 目前の相手は、自分はすぐそこまで駆け上がれると言う……こちらの世界では伝説だった存在だ、まだ実感が湧かないが故に、不安や重圧に繋がっていく。
 やはり、次元が違うのだ。 そろそろ慣れなければとは思っているのだが、その度にカルチャーショックに揺さぶられる。)

 運命の転換……ですか。 勧誘の時のレイドさんが相当……て言うのもあったんですけどね。
 それでも断り続けてた期間はあったんですが、首を縦に振ったあの日は……何か感じたものがあったのかもしれません、説明出来ない何かが。
 んー、何ていうか……レイドさんに言われたんですけど、私はどうも地位や富といったものに対する欲が欠落しているようで。
 生活そのものは普通でもいいかなぁ、と。 あ、でもそれくらい稼げれば、書店の本を大人買い出来るんですよねぇ。 なら少し欲張ってもいいのかなぁ。

(生まれも育ちも普通で、豪勢なイベントを体感したことのない魔導師の金銭感覚は、どこまでも庶民的だった。
 給金に関しては、魔法局の方が書店の勤務時よりも若干多い程度。 普通に暮らす分には問題ないので、金銭での不満はゼロに等しい。 他の不満は山ほどあるが。)

 詠唱も、文字の書き取りと要領は同じ……と考えても平気ですかねぇ。
 やればやるだけ上手に、早くなる。 実践あるのみ……。

 音に酔うんですかぁ、私にはちょっとない感覚ですねぇ……種族差かな。
 幻聴までいくと、ちょっとどころじゃないですねぇ……呪歌使わなくてよかったかも。

 呪歌使い……でもあり、魔道具使いでもありますねぇ、彼は。
 相当な数の魔道具を衣装に隠していて、咄嗟の時にはそれを使って迎撃、とか。
 んー、あの世界にメールを送れたら伝えてあげられるんですけど……それが出来ないのが少し残念ですね。

 古の技術を後世に残したい人がいるみたいなんですよね。
 そういったものを大切にしたい気持ちは分かるんですが……それじゃ何にも変わらなくて。
 ……だからレイドさんは、戦の鍵束のメンバーを変り種ばかりにしたのかな。

(戦の鍵束の選出された人物達は、それぞれ特異な性質をもった魔術を開拓していたり、考え方が上層と合わなかったりする人物ばかりだ。
 個性に染まりきった彼等は、度々上層部と揉め事を起こす問題児としても有名だった、恐らく自分も含めて。
 邪教の象徴とも言える悪魔に惹かれた男に、魔術のエンターテイメント化を目論む呪歌使い。
 玩具を元にした魔道具作りに精を出す鍛冶職、我が子と称する未熟な使い魔を護り続ける父親、そして己の自己強化にしか興味を示さない魔剣士。
 それぞれの理由で上層に不満を持つ面々が集った、そのイミが最近になって分かってきた気がする。

 作業があると言われたので、お言葉に甘えて席に付き、その作業を見学している。
 こちらの世界での魔導書製造の工程は知らないが、目前の作業のように短期間で仕上がるものじゃないだろうな、と思う。
 一冊の魔導書が瞬く間に出来上がり、それを持って会議室へ向かうゴーレムを見送った後、いよいよだ。)

 ……『記憶簒奪術』。 記憶を……預かる?
 それってつまり、私の記憶が一時的に……もしかしたらそれ以上、ディラドゥアさんに移る……ってことですかね。

 ……強制的な記憶喪失、確かに怖いですねぇ。
 魔術の知識どころじゃない、自分の記憶、酷ければルーツそのものが一瞬で破壊される術……。

 …………。
 ……準備は出来ています、いつでも。

(これが初歩的な魔術学習だと知ったのは、随分後のことだ。
 この人のいた世界は、記憶そのものを消される術が頻繁に飛び交う世界だというのか。
 更に“預かる”術があると言う、対抗呪文でも無ければ、己の過去が簡単に見透かされる世界。
 ここで魔導師は次元の違いに対し、初めて恐怖というものを胸に抱いた。)
[101] 記憶。なんと愛おしく、なんと儚いものか。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-09(土) 08:40
ははは。マリオネットでも、ラグドールでも変わらんさ。
呼び方が変わるだけ。人形にはかわりないのだから。

強ささえ問わなければ『鍵』も次元の数だけ居るよ。
ただ、『戦闘魔術師』(ウォーザード)と呼ばれるクラスだと20名前後、
『知識の守護者』(ウィザード・ロード)となれば両手……いや、片手に入っちゃうくらいかな。
こうやって会話している間にも増えたり減ったりしてるから確約はできないんだけどね?

(相手が重責に感じるのがふと分かる気がした。
 けど、入ってしまえばもはや普通になる。異常と感じるのは一時的なものだ。
 日常としてしまった地点で、異常は正常になる。
 そして、それさえわかっていれば、カルチャーショックも、楽しめる。

 猫の使い魔の強い勧誘の話を聞いて主はちょっと驚いた。
 彼の性格からすればちょっと意外な側面を見た気がしたからだ。
 けど、性格を再考してみれば、当然のようにも思えて。)

『らしいなぁ……。』
でも、運命の分かれ道って、そんなもんじゃないかな。
意図せずして引き込まれるのがまた運命だしね。

欲張れ、とは言わないけれど……。
少し生活を良くしたいとか、そういう欲はあってもいいよ。
まぁ、命がけの死線を潜るようになれば、そういう欲求も出てくるのだろうけどね。

(2つの意味での『らしさ』に、思わず溢れるつぶやき。
 師弟のやり取りが、眼に浮かぶようで、つい。

 相手の庶民的金銭感覚が懐かしい。
 一度ずれるとなかなかに治らないのが金銭感覚というもので。
 武装や薬品、そして生活や遊びに豪勢に使う自分は、
 やはりずれてるのだろうと思う。)

うん。同じに考えて大丈夫。こればかりは習熟と実戦あるのみ。
基礎基本抑えて、あとは改良とアレンジ加えながら、ね。

これは完全に種族差だね~。
まぁ、緑竜系入ってるからなんだろうけれど……。

あ、種族差があるからと言って実戦で手抜きはなしだよ。
むしろガンガン突くくらいでないと勝てないからね?

なるほどね~。魔道具使いか……。
自分も実戦では使い捨てやチャージ型の魔道具はよく多用するよ。
ダンジョンとか潜る時には欠かせないからね。

お仲間に会えたらぜひ専門職から話を聞きたいなぁ。

技術を残すのは大事だからいいにしても、固執するのは良くないね。
だからおそらく、それもあるんじゃないかな。彼のことだし。

(かといえば自分含め仲間も変わり者が多い。
 変身魔術に置いては追随を許さぬ情報屋のナーガや魔道具の量産工場とでも言うべき鍛冶師、
 普通ならありえぬアンビバレンツを可能にする魔闘士、
 そして創造主に反逆し『悪魔』とされた異型の亜種たち。
 理性ある者たちとの戦線は、賑やかにして苛烈だったと、思いを巡らせる。

 魔導書が一つ仕上がれば、相手の同意を得た上で主は。)

ま、そういうことになるね。けど、『記憶を覗いたりはしない』。
そこは信じて欲しい。第一、そういう趣味はないしね。

ああ、怖いよ。けど、対抗魔術は必ず教えるから安心して。
対抗魔術を覚える前だからこそ、やりたかったんだ。この体験学習をね。

――良し、始めよう。行う上で、お願いがある。
『必ずもとに戻す。だから、希望を絶対捨てないで。』

――『高速詠唱』(ファスト・キャスト)
――『記憶簒奪術』(メモリー・スナッチ)

(相手の記憶を預かる。それは、重みのある業だとは思う。
 しかし、これは重要なことなのだ。体験せねば、わからない感覚だから。

 初めは直近の記憶をナメクジが這うような速度で預かっていく。
 そこからだんだんとシフトを上げ、
 仲間との記憶、魔術知識、歩き方、言葉の発生方法に至るまで、
 実戦に等しい速度で奪いにかかるとしよう。

 決して破ってはならぬ理性の壁。
 実戦なら、魔術障壁なしなら軽々と打ち破るガラスの壁の1ミリ手前まで、主は全速力で牙を突き立てる。
 実戦では、まずありえない深さにまで、深く、深く。

 初めて自らが受けたときは恐怖すらも無いものだった。
 否、『感じる余裕すら与えられなかった』。
 初めて自分が食らったその時は、永遠に希望なき、文字通りの『人形』と、化していたから。
 主のその後の末路は、語るまでもないだろう。文字通りの肉片が、残るだけだ。)
[104] 科学と魔術が交差する時、物語が…?

ツィーダ(cpmc4617) 2011-07-10(日) 08:25
>Tweederが居住区にログインしました
1行のアクセスログと共に、青い鳥人が居住区に入ってくる。
壱番世界風の洋服を着たその鳥人は魔術師とは言いづらく、この空間では場違いのように見える。
実際、そのボディは0と1の羅列で構築されたデータ体であり、電脳技術によって生み出されたものだ。
科学製品であり魔力無し(マナレス)。場違いもいいところだろう。

「やほー、ディラー。ちょっとお願いが…
 
 …って、あれ?取り込み中?
 ちょっと魔術で記憶(メモリ)データの修復(リストア)出来るかどうか試してもらいたかったんだけど…」

彼(あるいは彼女。データ体故に外見(サーフィス)の性別データすらも変更可能なため性別は不定だ)は、魔術師に1つの依頼を抱えてきたようだ。
[107] 無くなる感覚が無くなるまで。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-10(日) 23:32
 次元の数だけの『鍵』……今の私の世界の『鍵』候補が混じったら、どの辺りの階級なんでしょうねぇ。
 ……なんて、僕はともかく他の『鍵』のことまでは分かりませんよね、実物を見ていないし。
 ……僅か20名前後の階級か、課せられる役目もそれだけ重くなりそうですねぇ。

 ……勧誘もレイドさん『らしかった』ですねぇ、今思えば。
 勤務先の書店に羽根帽子を忘れていって、私に局まで届けさせたり、自宅に帰ったらなぜか居間に居て、持込のティーセットでお茶会開いてたり、とか。
 そういえばこの時点で『戦の鍵束』の話が出ていたんですよね、聞いたこともなかったので……初めはどこかの宗教団体かと思ったくらいで。
 今でもどうして名指しで勧誘されたのかが分からないんですよ、レイドさんは私のことを知っていた風なんですが……。

 んー、仕事内容の割に合った生活を、というものですかねぇ。
 局に入ってからはレイドさんが暮らしてるお屋敷入りさせてもらったので、それで生活面は満足しちゃってましたねー。
 空いた時間と空間を使って、普段は出来なかった彫刻作りも出来るようになりましたし。

(ちなみに作っている彫刻の殆どは、悪魔をデザインしたものばかりだったりする。
 悪魔は心を一切持たない怪物としていた世界で、悪魔を象った作品ばかりを手掛けた彼の二つ名が、『ラグドール』から『心無い兵団』に変わった大きな理由だ。)

 同じでしたら、少し安心ですね。 繰り返す作業は何かと慣れていますから。
 アレンジを加えるとなると、ちょっと苦戦するかもしれませんが……。

 緑竜の方は、音に酔うものなんですか?
 ……すみません、ガーゴイル以外の使い魔に関しては無頓着で。
 局の新人がドラゴンを使役することは出来ないのもあって、竜の生態は全く……。
 あ、手加減とかじゃないです、ただ酔った竜人さんなんて見たことがないので、一体どうなるのかが予測不能でして。

 ディラドゥアさんも魔道具をお使いになられるんですねー。
 こちらの道具構成は固有の魔道具を一個と、その他は凡庸型と使い捨て型数点、ですねぇ。
 探検時はそちらも、帰還用の魔道具や照明、マップなどが必須だったりします?

 『戦の鍵束』のメンバーは、良く言えば個性的で、悪く言えば偏りがあるというか。
 ……恐らく自分も含めてですが。 悪魔を象った石像を使っていると、よく邪教と勘違いされちゃうんですよね。

(やや困ったように、自分の魔術の難点を口にしてみる。 しかしその勘違いを誘うことが戦法の一つだったりもする。
 リアルな悪魔を象った石像たちは、まだ悪魔が未知の存在であるあの世界にとっては驚異だった、たとえ姿だけでも。
 そのお陰もあってか、上層部の人物に対して決闘試合を挑んで勝てたりもする。 悪魔の造形と狂気に満ちた言動に恐怖し、詠唱もままならぬ人物が多かった為だ。

 雑談はここまで、ここから数秒間は、自分の記憶がなくなる時間。
 なんとなく、今なら分かった気がする。 死よりも恐ろしいことの存在の一つ目が。
 希望を絶対に捨てないで。 この言葉がやけに響いて聞こえた気がした。)

 ――。

(だが、その言葉はもう響かない。
 思わず手で頭を支える、自分は先程、彼に何を言われた?
 そもそも目の前の相手は誰で、この場所はどこなのか――先程まで身近に感じた記憶が殺がれる。
 決闘空間での戦い、転移の儀の日、魔法局に訪れた日、レイドとの出会い――。)

 待っ――。

(思わず手を伸ばす、だが何故手を伸ばしたのか、思い出せない、自分が発した言葉さえも。
 そもそも思い出すとは何を。 思考まで削られた今、それを考える間もなく――。)

 シ――。

(立つ記憶すら失い、口から漏れた言葉すら忘れ――その場に膝を付く、倒れなかったことが奇跡だ。
 その奇跡を喜ぶ間などあるはずがなく――時を感じる間もなく、「死」を思う間も――。)

 ――――。
[109] 物語は流れ、されど止まらず。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-11(月) 08:56
(相手の記憶に介入する術の効力をゆっくりと確認する。
 倒れずにとどまるだけの力があるということに感嘆しつつも、
 精神集中を途切れさせるということはない。

 相手の記憶を洗いざらい掌握し、一つの記憶の結晶体として手中に納めれば。)

……よし。戻すよ。

――『高速詠唱』(ファスト・キャスト)
――『記憶送還』(メモリー・リペートレイト)

(魔術によって結晶の内部の記憶を元に戻していく。
 様々な記憶が脳に入り、元の位置に再整列する感覚は、くすぐったいものかもしれない。

 そんな中、ふと現れたのは青い鳥の形をした電子の精霊で。
 応対にはちょっと時間がかかる。記憶の操作は手が抜けない。
 そのため、ちょっと待っててもらうとしよう。)

ツィーダ君やふー。
要件了解だ、けど修復やるとすると儀式系で大掛かりになるのと、
今『記憶簒奪術』の体験学習中でちょいと今手が空いてない。
飲み物でも飲みながらソファー座って待ってて。
飲み物はゴーレムに言ってくれれば大概準備できるから。

(言葉だけ飛ばして意識をそらすこともなく、魔法の行使を続ける主。
 飲み物はじめとする応対ははゴーレム任せで客人を待たせるスタンスはよくある話だ。
 この程度で精神集中を乱す事もまずない。一度プロセスを起動すれば後は見守るお仕事だ。
 そんな流れの中で。主はプロセスの正常な履行を確認し、
 無事に記憶の再生を済ませてから、主は若き鍵の先ほどの問に答える。)

……よし。無事に返還完了だ。
ブレイク、どうだった? 体験学習は。

(そんなことを聞いて、主は先程の問いに鍵の階級から順に答える。
 記憶が戻ってすぐだが、先ほどと何らかわりはないはずだ。
 逆に言えば、それだけ数をこなし、使ってきた術ということでもある。)

ん~、個体差、専門教育の差があるから如何とも。
ただ、大体中の上に位置するクラスである『魔男爵』(スペル・バロン)あたりかな?

ああ、重さはもちろんあるさ。嫉妬や妬みの対象にもなるし、羨望の対象にもなる。
けど、それもまた楽しめるくらいにはなれるさ。なってしまえば、ね。

勧誘対象の近辺調査くらいは当然するさ。
自分も人事すこしやったけど、個人情報とか近辺洗いざらい出した上で交渉もするし。
それだけ君の素質が良くて近辺が綺麗だったってことじゃないかな?

なるほどね~。福利厚生付きってわけだ。
うん、そんな感じ。仕事に見合った生活をするのが一番さ。
大型の仕事をした後は欲しかったものを衝動買いしてみるとかも楽しいよ~?
色々贅沢覚えるのも楽しみ、さ。

(なかなかに遊びは覚え始まるとハマる。
 それをよく知っている主だからこその世渡り術とでも言うべきもので。
 悪魔彫刻をみにつけた時期がここにあるのだろうな、と思う。)

慣れてるならいいね。でも、ただ模倣するだけじゃ勝てないよ。
魔術師はアレンジ力勝負の面が多々ある。
より読まれにくい動作、妨害されにくい行使なんかも考えてやらないと、すぐ落ちるからね。
苦戦するかもしれないけど、ファイトファイト。

他の世界ではどうだか知らないけど、緑竜系はその傾向強いかなぁ。
自分の場合は金属竜(メタリック・ドラゴン)と色彩竜(クロマティック・ドラゴン)のハーフだから、
そういうところはかねがね強いかもしれない。

自分の場合は『酔う』と魔法行使ままならなくなったり下手すると狂戦士化するかなぁ。
曲によって酔い方様々だから何とも言えない。酷いのはこの2つだね~。

うんうん。バリバリ使うよ~。
マップとか探知系は魔法で補いつつ、永久光源と緊急離脱用のテレポート巻物とか、あと薬だね。
使い捨てだとさっきのテレポート巻物、帰還道具とかかな。
ブレスレットに収納して消耗品類は大量に持ち込む。

あと、使えなくはないんだけど、周辺一帯消し飛ばす魔法とか、
失敗すると辛い大型魔法は杖とかで代用したりもする。
あまりに大群酷い時とかにお世話になるかなぁ。

まぁ、仕方ないね。魔法使いならみんな偏るし、通る道だよ。
自分も戦い方が戦い方だから見たヒトから悪魔扱いされたりするし。

(そんな主も思わずポツリ。
 まぁ、主の場合は勝利に手を選ばない性格が災いしている。
 周辺環境や、近辺の動物も道具として使うときがあるのだ。
 血液や魂を取り出して魔力に変えるなど、真面目に相対したときは悪魔と思われても仕方がない戦い方だ。
 それだけ、栄光を求めてきた証拠とも言えるのだが。

 さて、視線は青い電子の精霊の方へと移る。
 電子生物の記憶の再生はかなりかなり厄介だ。
 一儀式組まないといけないかな、と見積もりを脳内で立て。)

トリさん、おまたせ。
先ほど言ったように、電子生物の記憶の再生は*かなり*難しい。
一儀式組んでみるけど確実な自信はないんだよね~。
それでも良ければやってみるけどどう?

(そんなことを聞いてみる。若き鍵には。)

次、対抗魔術の学習兼ねて魔法の打ち消しやろう。
準備できたら声をかけてね。

(次の練習メニューを告げる。
 戦闘がかねがね近い。一人前にはしてやらないとな、と。)
[111] 記憶簒奪と記憶修復

ツィーダ(cpmc4617) 2011-07-11(月) 22:31
「ん、分かった。じゃ、オレンジジュースお願いね。」
手近なゴーレムにオレンジジュースを頼む。
程なくして運ばれるオレンジジュースを飲みつつ、主と魔術師の間で交わされる高密度の情報のやり取りを眺める。
興味本位から、やり取りされる情報を覗こうかと一瞬思ったりもしたが、精密作業の邪魔はよくないだろう。
覗き見(ピーピング)された相手は不愉快になるのは確定的に明らか。故に地雷は踏まない方がいいだろう、とそう判断する。
「…魔法の道具かー。…そーいうものって、別に魔力とか必要としないよね?」
ちょっとだけ知的好奇心を持っているようだ。あわよくばちょっとだけ扱ってみたいかも、というのが少し顔に出る。

「んで、電子生物…つまり、ボクのようなアバターや、AIとかといった辺りの記憶修復は難しいのか。
 シムネット標準採用の通信プロトコルについての解説とかそういうのはいるかな?
 あった方がやりやすいかなー、って思うけど…魔術でとなるとそういうのがあっても無駄な知識にしかならない、かな?」
あ、でもデータの流れを可視化できる魔術でもあるなら無駄にはならないか、とふと呟き。
「とりあえず、まずはお願いするよ。方法はお任せ。
 ホントは電子的な方法があるっちゃあるけど、それを頼めそうな零番世界の知り合いで電脳使いなんていないしね。」
[112] 科学と魔術と対抗呪文と。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-12(火) 02:10
(どれだけの時が過ぎたのか。
 再び巡り出す時の中、色鮮やかな記憶が乱雑な並びで呼び起こされていく。
 思わず眩暈がしたが、立ち上がることを思い出し足に力を込める。 絨毯を踏んで立つ。
 記憶が飛んでいる最中、来客が来ていたらしい。 挨拶の前に――頭を振って調子を戻し。)

 ……、これが戦闘中に行われたら、そう思うと寒気がしますね。

(微かに浮かんだ涙を拭い、先程の問いの返答を一つずつ聞いていく。
 閉じたばかりの手帳を開き、紙面にペンを当てれば再び速筆の披露が始まった。)

『魔男爵』……、貴族にそんな称号を貰っていた人が居たような。
 力があるだけ、それ相応の責務を抱えるのはどの世界でも同じなんですねぇ。
 私の場合、まずは慣れなきゃいけませんよね。

 ……身辺調査ですかぁ、書店の人を調査するだなんて、レイドさんも物好きな。
 ……なんて。 調査される前から感づかれていたのかもしれませんねぇ。
 悪魔のこととか、邪教のこととか、いろいろと。

 住まわせて貰ったお屋敷は、かつてのレイドさんの主が住んでいたそうで。
 私でもレイドさんから立ち入りを禁じられている箇所がありましたね……中庭とか。
 鍵の仲間が入ろうと計画を立ててみたんですけど、物凄く強いレギオンが行く手を阻んでいたそうで……ケルベロスでしたっけ、三つ首の地獄の番犬。危うく食われるところだったそうです。

 文字のアレンジ……暗号化は先程確立出来たんですけどね、次は詠唱かぁ。
 ……詠唱も自分なりに暗号化しないとですねぇ、こればかりは自力で。

 『金属竜』に『色彩竜』……聞いたことだけはあるんですが、実物を見たことは。
 ……ハーフ、なんですね、気がつきませんでした。 ご両親は、どんなお方なんですか?
 私の両親は……、その……。 ごめんなさい、今の質問はなしで。

 ……『酔った』場合の前者は弱点みたいですけど、後者に転んだら怖いですねぇ。
 私の家の石像、何体壊されちゃうんでしょうねぇ。作るの大変なんですよ、アレ。

 ふむー、やはりそちらの世界でも魔道具が……。
 こちらは術よりも道具が発達しているみたいで、日用品も魔道具で埋め尽くされていたり、ですかね。
 探索中に持っていくものは、先程自分で挙げたものとか、こちらも薬品とかを……。
 えっと。 ブレスレットに、収納? ……レイドさんが持ってる麻袋みたいな空間拡張機能があるんでしょうか。

 偏りを伸ばすか、埋めるかで戦い方も変わってきたりしますよね。
 私の場合は今、埋めに掛かってる状態なんでしょうか……鍵としての戦い方を得るために。

(思案を始める中、言いかけて閉ざした両親のことを思う。
 思うが……出来ることなら思い出したくはない事柄の一つだ。

 記憶簒奪の後、記憶修復の話を聞いて、改めて来客を見た。
 科学、こちらの世界では発達していないモノで構築された人を見るのは初めてで。
 その人も、こちらの魔道具に興味を示している様子、まずはこちらの魔道具事情を。)

 使い捨て系のものなら、魔力は必要としませんが……装備としてのモノなら、魔力に比例して効力を増すものがありますねぇ。
 私の持っている戦の鍵束は後者ですね……っと、すみません、紹介が遅れました。
 私はブレイク。 ブレイク・エルスノールです。 よろしくお願いします。

(ぺこりと一礼の後、再び視線を戻して。)

 対抗呪文……はい、こちらの準備は出来てます。
 改めまして、よろしくお願いします。

(こちらにも一礼し、次の教導を待つ。
 レイドのレギオンの知らせを聞いていた。 一つの戦いが後に控えている。)
[114] テストに出る対抗魔法と打ち消し。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-12(火) 09:40
(時間にしてはそんなに長い時間ではない。
 時刻を性格に告げる時計の針を瞳に移せば、その分針は1度程度しか進んでいなかったのだから。
 記憶の簒奪にちまちまとした時間をかけるほど、手癖は悪くなかった。

 相手が無事に立ち上がるのを視認する。まずは無事に術式履行が済んだことにほっとしつつ。)

でしょ?
今は平常時だからいいけれど、慣れてない上にこれが戦闘時に起こったら……。
考えるだけでゾッとするよね。だから、この体験が重要なのさ。

(相手の涙を浮かべた瞳をじっと見る。
 どこか『あの時』の自分にピタリと符合するような、そんな弱い瞳を。
 もし、あの時今の力があったなら。あの悪夢も防げたのだろうか。
 そんな、短い逡巡を打ち消して。)

だね。『力あるものの義務』だけはどこの次元でも変わらない。
行いの内容は別にして、たとえそれが害悪であろうとも、ね。

慣れることは必要だね。
でも、まずは強さを得てから慣れていけばそれでいい。
力無きは罪だ。まずは、力を得ること。

ま、感づいてた、はあるかもしれない。相応の魔術師なら見抜いちゃうから。
『あ、この人邪教徒だ』とか、そういうのは自然と出るよ。
詠唱とか、日常生活にもチラチラ見てれば癖が出るし。

魔術師の館は総じてそういうところは多いからね~。
このチェンバーで言えば、『魔書庫』の奥にある『禁書庫』なんかがいい例。
あそこなんかは普通に読むと精神を病むクラスの本が揃ってる。
『ヴォイニッチ手稿』とか、『金枝篇』、あとは『ネクロノミコン断章』とかね。

ケルベロスで合ってるね。アレはたしかに強い。
けど、『炎との親和』(ファイア・サクション)だけ使えれば、
あと魔法の類と地獄のブレスだけ心配するだけでなんとかなるんじゃないかな、って印象が……って。
戦い方が荒いのがバレるなぁ。

だね。基本としては詠唱は短く、早く。
戦場で長くしていいのは魔法の持続時間だけ、と覚えておくといいね。
あと、暗号化はやるなら徹底的に。
魔法聴聞の技術は暗号の復号も兼ねるから、大体の魔法なら読めるから注意ね。

ん、了解。詮索はしないよ。

(両親の話が出れば、主は苦い笑いが漏れる。心の中の寒い部屋の話だ。
 もう、何もかも残らない。骨すらも、形見すらも。
 唯一のロングソードと服が、宝物庫に大事に残っているだけだ。
 街があったところは全て溶けて消えた。もう、何も残っていないから。)

わかんないなぁ。
試しに破壊競争とかしてみる? なんて。
作り手が大変だからやらないけどね~。

うん。空間拡張というか、腕輪自体が収納になってる。
戦闘時に使うものも多々あるから、即時で出せるようにとの工夫だね。

『穴を埋める』というより、『育ててる』の方が正しいかもなぁ。
この方がプラスだし、先入観なしで育つ。
力はゆっくり得ればいいさ。焦らない焦らない。

(魔道具に電子の精霊が興味を持ったようです。
 元々、電子世界も跳び回るノーボーダーな存在だった側として見ても、やはり興味をもつのだろう。
 そんなことを思いながら、瞳に捉えるは幸せの青い鳥。
 若き鍵の魔道具紹介を受けて、主も自らの世界の魔道具紹介を。)

こっちも基本的にはブレイク君の世界のとほぼ同じ。
あとは、こっちは特色としては何回でも使える自動充填式のロッドとチャージ式の杖とかがあるかなぁ。
あとは『エゴ武具』と『星々の武具』とか呼ばれるアーティファクトかな。
いずれも強力な魔道具で、装備品としてはこっちが優秀。

(そんなことを話した後に、儀式の話を。)

んで、儀式の話了解。
『プロトコル』かぁ。鍵となるであろう情報は全部欲しいけど、概念自体に慣れないからなぁ。
じゃ、機械ガッッッツリ体に取り込んだ後に一回記憶写させてもらっていい?
一応電子化できなくもないんだけど、順番的には色々ゴタゴタするからさ~。
【儀式室】で待ってて。 近辺の準備はゴーレムがやってくれるから、従ってくれれば。

(そんなことを。多次元暮らしとなるとやはりこういうことは多いもので。
 基本魔法戦闘がメインの身としては、生身のほうがやりやすいのだ。
 色々取り込みやって体をもとに戻すという作業になるだろうと目算する。

 さて、視線は鍵に移り。教導の二つ目が始まろうとしていた。)

OK。じゃ、次は『対抗呪文』と『打ち消し』だ。
まずは座学から行くよ。長くなるけど、ごめんね。

原則として、魔法を防ぐには二種類の方法が存在する。
1つは先程の『記憶簒奪術』のような魔法に対して、予め対応する魔法でカバーを掛けておくやり方。
これが『対抗呪文』。『記憶簒奪術』に対しては有名なのは次の2つ……

『呪刻:昏き箱の記憶』(スペルカーヴド:ブラックボックス・メモリ)
 呪刻。記憶の暗号化。脳の記憶を保護する箱を形成する。
 一度唱えると脳内に刻まれ、無意識下で発動するようになる。
 脳への負荷に注意。常動が望ましいが、力量に合わせて。

 『呪刻:冷たき箱の記憶』(スペルカーヴド:アイスボックス・メモリ)
 呪刻。記憶の不干渉化。脳の記憶を保護する箱を形成する。
 一度唱えると脳内に刻まれ、無意識下で発動するようになる。
 脳への負荷に注意。常動が望ましいが、力量に合わせて。)

……これを予め掛けておいて対抗する。
前者と後者の違いは、『取られることを前提としているかいないか。』
自分の場合は普段は後者の方をかけておいてあるんだけど、後者は抵抗を抜かれると完全にアウトになる。
だから、記憶簒奪術とかバリバリ使う相手の場合は負荷を承知で2つを重ねがけすることもあるんだよね。
ここもある種の駆け引きだから、まずは覚えて使うことかな。

で、『打ち消し』。
これは原理は簡単で、相手の詠唱に合わせて『解呪』(ディスペル)をぶつけてやる事を言う。
でも、これはなれないと難しいのと、『解呪』自体詠唱が長いために一般的には上級テクだ。

そこで、より簡単な『打ち消し』の方法として、
相手の詠唱に合わせてこちらの『瞬間詠唱』(クイック・キャスト)での『割り込み』(カット・イン)を行う。
これは専門呪文が作られてるから簡単だ。
『瞬間詠唱』(クイック・キャスト)と『割り込み』(カット・イン)の基礎はこれから始めてもいいね。
『割り込み』(カット・イン)専用魔法は……

『呪文消滅』(ディスコード・スペル)
 割り込み用呪文。呪文自体が瞬間詠唱に特化されている。
 呪文自体の幾つかの部位に同一の暗号化で、
 『最優先で虚無(Void/null:0)を指定する』コードをねじ込む。
 これにより、魔法自体が破綻し、消滅する。)

これを使う。瞬間詠唱の注意点は動きを指定して予め魔法を組んでおくことと、
動きの指定によっては暴発するからそこに注意。
自分の場合だと、『意識しての瞬き』で起動するようにセットしてるから、参考にね。

ちなみにこれは与太話。
幻覚の対抗法はいくつかある。『明晰』か『開眼』の魔法だ。
効果はどちらも同じ。けど、『明晰』は集団にかけやすく、『開眼』は効果が強い。
うまく使ってやれば直近の戦いにも役立つかもしれないね。

(教導の最中、そんなことを言う主。
 やはり、おせっかいかきだろうと心配になるような、そんな光景だ。)
[117] 電脳的な視点から見た対抗魔術?

ツィーダ(cpmc4617) 2011-07-12(火) 21:17
暗号化の話。
彼のいた『世界』では、電脳空間を通じて頻繁に情報がやり取りされ、覗き見程度なら簡単に行えるため、暗号化はほぼ必須のものだ。
もちろん、解読技術もあるため、それに対抗して高度な暗号化手法が開発される。
その高度な暗号化手法に対抗するためにさらに高度な解読技術が編み出される。いたちごっこだ。
「暗号化かー。ボクもいくつか暗号アルゴリズムをインストールしてるけど、サンプル程度にいるかな?」
暗号は大まかに3種類に分けられる。
平文そのものを隠す『ステガノグラフィ』、平文の中の単語やフレーズを事前に決めたものに置き換える『コード』、平文全文を特定のアルゴリズムに則り、1つ、あるいは複数の文字単位ごとに置き換えてしまう『サイファ』。
電子体たる彼が主に扱うのは。数学を起点にした演算(サイファ)。かなり強固な暗号であり、壱番世界でもよく使われている。
ただ、問題点を1つ挙げるとすれば…暗号化に要する演算能力が人の手ではとても足りないため、使用者自身が高い演算能力を持っていないならば基本はコンピュータに暗号化を任せることになる。
…これ、2人に扱えるのか?

改めて、挨拶を受ける。
「ボクはツィーダ。偽名(ハンドルネーム)でごめんね?
 リアルの名前が思い出せないから記憶の修復を試してるんだけどさ。」
修復の依頼をする理由はそれだけではない。主に、無くした記憶への興味が主なウェイトを占めている。
主に興味で動くのだろうその電子の精霊は、魔道具に興味津々だ。
「なるほどなー。ボクでも使えそうなのは使い捨てくらいかな。
 ちょっと使ってみたいかもなー。
 ネットの方で魔法の杖は使ったことはあるけど、アレは外見をソレっぽくしたものに、スクリプトで火花のエフェクトが出るようにしただけの偽物だしなあ。」
露骨にちらっと見つめてくる。

「OK、んじゃ、そーいった概念に関する電子書籍と、その要約を準備して待ってるよ。」
【儀式室】の方へ行こうとして、『記憶簒奪術』に対する『対抗呪文』の話がちらっと聞こえる。
「『記憶簒奪術』ってーのが、アバターを通した本体へのハッキングだとすると…
 そうだね、対策の1つとして、『攻性防壁』を防火壁(ファイアウォール)に仕込んでおくのも手かもね。
 『攻性防壁』ってのは、『不正侵入をするハッカーが死ねば脅威はもう存在しない』っていう物騒な考えを元にしたトラップだよ。
 不正侵入を探知して逆に攻撃する物騒な代物だから、民間人が使えるのは牽制レベル、まあスタンガン程度の威力レートのソフトくらいしかないけどね。
 
 ってー訳で、『記憶簒奪術』を使う相手を牽制するために罠を仕込んだりするのも、どうかな?」
そう言うと、【儀式室】へと向かっていった。
[119] (直近の冒険は普通の暴霊退治だと思っている。)
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-13(水) 23:29
(主の視線に釣られて時計の針を見る。
 普段なら「12時間も経ってたんですね」と言いたい所だが、そんな小ボケを入れる余裕がなかった。
 記憶の配列を一つ一つ確認していくように、過去にあった出来事を一通り思い返してみる。
 抜け落ちて欲しかった記憶も幾つか描き出される、それらはため息と共に吹き消しておいた。)

 ……これでは、自分が死んだことにすら気付けないんでしょうねぇ。
 その方が幸か不幸か、それすらも考えられないとなると……なんと言えばいいのか。

(一度目の、完全なる死を迎えた映像が脳裏に浮かぶ。
 当時の痛み、死に行く恐怖、これを全く感じることなく死んでいたとしたら。
 今の自分は、死よりも別のものを恐怖していたのだろうか。 ならば何を、想像が付かない。)

『力あるものの義務』……、義務を負う前に、相応の力が必要ですねぇ。
 またいずれ、決闘を行うことがあれば……せめて触れられるくらいの力を。

 ……熟練の魔導師さんや使い魔さんの観察眼と言うのは恐ろしいものですねー。
 もしかしてディラドゥアさんも初見で、私の力について感づいていたんですか?
 私自身はそういった感覚がまだまだ疎くて……、レイドさんのことをただの買出しさんかと思ったくらいで。
 ……あの人も暗号化の保護魔法などを常時保ってる状態なのかもしれないですねぇ。

 やっぱりと言うべきか、立ち入り禁止区があるんですねぇ……このチェンバーにも。
 聞いたことはある気がするけど、手に取ったことは一切ない書物ばかり……。
 立ち入りを封じる結界とか門番などの配置は、どのようにしてあるんですか?

 ……決闘の時も思いましたが、ディラドゥアさんて特攻型っぽいですねぇ。
 私がいっちばん苦手なタイプです、沢山の石像がまるでドミノ倒しのようにされちゃいますから。
 一応、私もそこにいたケルベロスは撃退できたんですけど……レイドさんにバレて撤退しました。
 その日の夕食が異様に辛かったのを覚えてますねー。

 短く、早く……暗号化は徹底して、か……。
 ……暗号化も少し捻れば、二重や三重の詠唱に繋げられるかもしれないですねー。
 その辺りは今後の研究課題の一つとして……いろいろと策を練らないと。

(父と同じ色をした髪に何気なく触れる、母と同じ色の瞳が僅かに揺れる。
 両親を嫌ったことなどない、小さな頃から御伽噺を語ってくれる二人のことは大好きだった。
 それが悲しみに変わったのは、二度目の生を授かってからだろうか……今では思い出すだけでも苦しい。)

 ……壊した後、復元できる術があるならストレス解消にでも。
 局に入ってからはレイドさんに頻繁に壊されてるので、お陰で作るペースも早くなったくらいで。
 とりあえず、次の冒険までには修復が間に合いそうなので、一安心というか……。

 腕輪自体が収納に……袋よりも便利そうですねぇ。
 私の場合じゃ、即座に何を使えばいいのか迷っちゃいそうですが。

 ……今もこうして、御教授させてもらっていますし。
 少しずつでも、けれど着実に……行きたいですねぇ。

(電子信号の鳥人、ツィーダと名乗った来客さんが去り際に残した言葉を書記に記す。
 『攻性防壁』、ある種の攻撃に対し展開され防御、後に反撃の一手を繰り出す術。
 魔術にも応用できそうだけど、負担がやや大きくなるかなぁと思いつつ、次の講義に耳を傾ける。)

 『対抗呪文』……、事前に発動させて、術への耐性を得る術。
 一種類の術を防ぐのにも、幾つかの「防ぎ方」があるんですねぇ……。
 常動が望ましいとありますけど……それに伴い魔力も常時消費し続けるんですよね。
 力量にあわせてというと……この呪刻は効力を調整できたりは……するのでしょうか。

 『打ち消し』でしたら、レイドさんから指導を受けたことが……って、決闘では鍵任せでしたけど。
 その決闘で「戦の鍵束」が使えない状況を知った以上は、学び直さないと……ですね。

 『瞬間詠唱』って、決闘でディラドゥアさんが『瞬間移動』をした時も使っていた詠唱法ですよね。
 それの『割り込み』……相手の詠唱するタイミングに合わせて、的確に入れるために『瞬間詠唱』。
 そして『割り込』ませる術が『呪文消滅』……ですね。 一つの動作で起動するため、動作の指定に注意……と。
 動作の指定……、今後の冒険に備えて、私も瞬間詠唱のレパートリを見直しておかないと。

 ……ええと、「明晰」と「開眼」ですね。 ……瞬きなら、動作は一瞬で済んじゃうから便利ですねぇ。
 直近の戦い……? 相手は暴霊に取り付かれたカラスの大群だと聞いていたのですが……。
 そういえば同行される方に、幻覚の術を扱う方がいましたね。 ……あの人も巻き込み型なんでしょうか。

(巻き込み型といって、真っ先に思い浮かべたのは呪歌使いの少年のことだった。
 彼に対する対抗呪文や打ち消しの術を持ってたら、巻き込まれずに済んだのかなぁ、と考える。
 とりあえず、幻覚に巻き込まれるのはやや危なそうだから警戒だけはしておこう、とだけ思ったらしい。)
[124] 油断禁物。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-15(金) 09:33
(相手のため息を見るにつけ、ふと思う所もいくつか多い。
 それは過去の己の姿。同時に思うところもいくつかあるもので。
 そんな短い逡巡も、ふと思い浮かべては消していく。)

死んだ時は感覚は残るよ。一回これ食らった後死んでるからわかるけど。
転生の共通点として、鈍い痛みと魔法や技術系の記憶の欠落が起きる。
体も始まりの頃に戻るから、全て一から鍛え直しになるんだね。

(永遠に近い転生を受け続けると感覚が麻痺する。
 死が新鮮だった頃がどこか懐かしい。 あの時の自分は、生に執着していたな、と。)

魔法の駆け引きしっかりすれば「触れる」ことは簡単さ。
そこから「倒す」事を目標にしてくれなくちゃ。

いや。 感づいてはいなかったよ。
正直、悪魔化したときはちょっとびっくりした位。

でも、初手に撃つ魔法のセレクトで大体のスタンスは読めた。
同時に、ある程度筋道も立ってたかな。
ここらへんはもう「読み」。歴戦の感ってやつ。

たぶん、あるだろうね。元が魔法生物だから織り込み済みだろうし。

ん~、ずぼらに感じるかもだけど、ただ入り口の門閉じてるだけだよ。
というのも、悪魔がいま書庫内に湧いててね。
定期的に討伐隊のゴーレム送るんだけど、数が減らなくて困ってるくらいなんだ。
ま、あせらずとも後で直に討伐に行く。

特攻型かぁ……。戦闘タイプとか気にしたことなかったなぁ。
今の戦闘装備だと特攻型になるのかな。速攻で攻め切らないと魔力切れが辛いし。
重装備で鎧着こむと変わる感じかも。

ハハハ。 しょうがないさ。
自分がレイドさんでもおそらく、似たことやっただろうからね。

頑張れ~。基礎きっちりできたら応用として特殊詠唱も教えてあげよう。
独自術も編み出せるようになると面白くなってくるし、魔法の奥深さも分かるよ。

(相手の心のゆらぎが見える。やはり、思うところがあるのだろうか。
 その苦しみは、どこか自分にも似ている。
 しかし、その呪縛からもいつか解き放たれる。今は、時でないだけ。
 だから、自分を責めるな、と視線は歌う。)

なるほどなぁ。修復術入れておけばよかったや。
しかし、よく作るなぁと思うよ、あのクオリティのやつ。

そこももう熟練だね。
即断即決で決めて行かないと戦いには間に合わないし。
でも、危険になったらテレポートの巻物、とか大体決まってるからセオリーだけ踏まえればなんとかなるとも。

その調子その調子。あせらず騒がずゆっくりいこう。
千里の道も一歩から、さ。

(その一方で、幸せの青い鳥からの情報が幾つか。
 暗号化の情報はありがたい。なかなか手に入らないからだ。)

おお、ぜひ頂戴。サンプル程度でも全然世界変わるし。
これで詠唱のバリエーション増える。

(そんなことを言う主。そして、儀式室に向かうさなかの攻性防壁についての話が。
 魔術的にもある概念で少々驚きを隠せない。科学と魔法がほぼ同じとは。)

なっ……! そっちにもあるんだ!
ちょっと驚き。こっちにもあるんだよ、攻性防壁。ほとんど同一概念の奴が。
なるほどなぁ……。

(その後の儀式室へ行っているとの話を受けて、肯定の返事を返せば、
 直近の戦いに向かう若き鍵に。)

調節は可能。
ただ、一定強度以上は最低限保たないとザルだから気をつけてね。

流れはそれで合ってる。大丈夫だよ。
「日常生活で行わない動作」に指定するんだよ。じゃないと日常で暴発するからね?
一番間抜けな例だと、小石を蹴って「火球」を発動した例があるから。
二の足を踏む事のないようにだけ、ね?

静かに見てるといい。わかるから。
ヒントとしては、「味方でも善良とは限らない」ということ。

帰ってきたら続きをやろう。行ってらっしゃい。

(そうとだけ言えば、戦いに向かう相手をそっと見送った。
 帰ってきたら、続きを、と。)
[127] 行ってきますの挨拶と、教官からの暇つぶし道具。
ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-07-17(日) 01:49
 死ぬ時の感覚は残るんですねぇ……、そうですね、記憶が簒奪されることで意識を失うわけではないですからね。
 転生……こちらの世界では御伽噺の中でしかない話でしたね、死こそが終焉とされている世界なので。
 ……ということはディラドゥアさんは、二桁の転生を繰り返してるってこと、ですよね。
 全て一からやり直して、何度も何度もその階級に上り詰めるのって、どうも……大変ですよね。

(転生などなかった世界の者にとって、死こそが終焉。 始まりとする発想はなかった。
 けれど自分は悪魔の契約により甦っている……、それを思うと、あの世界でもいずれは。
 転生という技術が確立され、死こそが始まりと言える時代がくるのだろうか……。
 鍵の仲間で極度に死を恐れる子の顔を思い出す……、今思えば、彼にも相応の過去があったのだろう。)

 ……駆け引きかぁ、その辺りも経験が必要なんですよね。
 ……恥ずかしながら、まだ「倒す」までのビジョンは浮かんでこなくて。
 いずれまた、そのつもりで挑める日を目指す気力だけはあるのですが。

 それは……良かったです、悪魔化まで見切られていたら、隠蔽術をまた学び直すことになってました。
 ただ戦い方のスタンスは……流石としか。 この辺りも課題ですね。

 ……そうでした、あの“ヒト”、魔法生物……なんですよね。
 変かと思われるかもですが……魔法生物って呼び方、あまり好きになれなくて。 理由も良く分からないんですけど。

 ……書庫の中で悪魔が発生しているんですか?
 ええと……禁書の中から発生しているとか? 随分とおっかない本ですねぇ。
 もし助力が必要でしたら、レイドさんのレギオンや私のガーゴイルも向かわせましょうか?
 あ、禁書には触れない条件付きで。

 ちなみに私のスタンスは召喚型と呼ばれています。 使い魔による攻撃を主軸にしているからですね。
 だから使い魔を完全に無視されると弱いです、決闘空間でもスルーされまくってましたね。
 その為に切り札の悪魔化だったのですが……その前に私そのものがボロボロでしたね。

 ……レイドさんと似たようなこと、というと。
 玉子焼きの材料で『物体X』なる物質を生み出す錬金術……とか、でしたっけ。

(激励の言葉を素直に受け取れているのは、いつ以来だろうか。
 二度目の生以降は仲間など居ないと思い込み、仲間を作ることすら拒絶していた。
 それがレイドさんの誘いを断り続けた理由の一つにもなっているが……今は違っている、そう思える。
 鍵束のメンバーを仲間と思える時が今になって来るとは……遅すぎた。
 ただ思えば……最年長のメンバー以外は、心を閉ざしている節が見受けられただけに、それが心配になる。

 そう思う自分も、まだ完全には開けないでいるのだが。 いつかは、いつかは。)

 ……彫刻作りには小さい頃から嵌っていただけに、作ること自体にとても集中できまして。
 『その集中を特訓に生かせ』と上層の方から注意を受けますねぇ……、メモはしているのですが。

 ……それでも熟練の域は険しく遠いですね。 少しずつでもいいから、その域に近づければ。

(来客の青い鳥さんの背を見送る中、科学の中に魔術と似た形式があることを知る。
 <箱>の主が純粋に驚いてるところをこうして目にするのは、恐らくこれが初めてだろうか。)

 ……調節は可能、ただし一定以上の効力を保つべし、と。

 日常ではやらない動作……言われて見ると、どんなことがあるかと悩んじゃいますね。
 まぁ少なくとも……個人のクセをスイッチにしないほうがいいことは確かですよねぇ。

(指を鳴らす行為に『痛撃』の瞬間詠唱を登録して、ぱちぱちと物を壊していたメンバーを思い出す。
 うっかりレイドさんのティーカップを割ったあの日の夕食は、異様に甘かったなぁ、ということも片隅に。)

 ……「味方でも善良とは限らない」、ですか。
 いろんな世界のヒトがいますからねぇ、仕方ないのかもしれませんね。
 分かりました、気をつけていってきます。

(ぺこり、と礼をしてからその場を去ろうとした時、ふと思い出したことがあった。
 決闘空間の戦いの後、レイドさんに手渡した「戦の鍵束」の名簿……それから生み出した石が4つある。)

 あ、忘れてました。 レイドさんからディラドゥアさんへ、これを渡すようにと。

(すっと差し出した4つの石にはそれぞれ異なる紋章が刻まれ、傍らにレイドのメモが添えられている。)

(――『一人の為の魔闘士』のメモリーストーン
(執事服とシルクハット、紳士髭が印象的な『戦の鍵束』の二期メンバー、ジェイムズの記録。
 己の使い魔に執拗な拘りを持つあまり、新たに授与された上級使い魔の受け取りを拒否した『父親』。)

 ――『孤独なる戦鬼』のメモリーストーン
(黒い外套と大きな鎌で、死神を連想させる『戦の鍵束』の二期メンバー、ブラストの記録。
 魔法局の上層に明白な敵意を抱き、上官を切り付けたことが最近の新しい問題となっている『魔剣士』。)

 ――『ただ一つの歌』のメモリーストーン
(白と黒の縞模様のローブを翻しつつ笛を吹く『戦の鍵束』の三期メンバー、ドミナの記録。
 新たなる魔術系統『呪歌』の発案者だが、その研究を上層に居る両親に反対されて家出をした『呪歌使い』。)

 ――『永遠に縋る夢』のメモリーストーン
(星を象ったメイクと鮮やかな衣装が楽しげな『戦の鍵束』の三期メンバー、ニッティの記録。
 効力は高いが扱いの難しい魔道具ばかりを作る為、上層部の者から度々注意を受けている『魔道具職人』。)

 ――『レイドのメモ』
(また身体を動かしたくなったら、その石のどれかを持って決闘空間へ行ってみるといいよ。
 そうすれば、ブレイク以外の『戦の鍵束』との戦いの幕が上がる。 ブレイクよりも実力が上なのは……ドミナ以上かな。
 ニッティはまだまだ実力不足だね、けどクセのある力を持ってるから、それなりに楽しめると思うよ。もちろん、これも強要はしない。 暇つぶしにどうだい?))

 ……これ、メモリーストーンと言いまして、私の仲間の記録が刻まれています。
 この石を決闘空間で寝てるレイドさんのレギオンに渡すと、記録の中にいる彼らを具現化させられるもので。
 そして具現化された彼等の戦いはまた、この石に保存される……明白な記録として残るんです。
 もしお時間が空いていたら、彼等にも手解きをしてやってはくれないか――と、レイドさんが言ってました。
 すぐに彼らへ伝えることが出来ないのが残念ですが、ディラドゥアさんにとっても刺激にはなるだろう、とのことで……レイドさん、とことんディラドゥアさんに手伝って貰う気ですねぇ。

 ……レイドさんの伝言は以上です、それでは、行ってきます。

(もう一度礼をして、その場を振り返る。
 異世界で行う初めての“オーダー”に対し徐々に高鳴っていく鼓動、それを押さえながら、歩を進める。)
[129] 教導依頼の把握。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-07-19(火) 12:12
だねぇ……。まぁ、サラリと言ってるけど死の感覚ってあまりいいものではないよ。
痛みの記憶は残るし、死ぬ前の死因とかも逆に克明に覚えてるし。
記憶が奪われててもこれだけはついてくるから嫌なもんさ。

ああ、そういうこと。
すごく大変だし、すごく辛い繰り返しだった。
この繰り返しに耐えられなくて精神を病んだ人も数知れないし。
狂わずに済んだのは、幸運としか言いようがないなぁ。

(実際、この家業とていいものではない。
 死と生の永遠に等しい繰り返し。――それは苦行の中の苦行と言ってもいい。
 精神を病む者、殺戮に癒しを求める者、ある者は忘却の海へと身を投げて存在を消した。
 この生き地獄とも言える世界の中で、「@」達はスタンドアロンでなくてはならない。 
 ある者は『地獄騎行』(ヘルライド)とこの繰り返しを呼び習わした。
 正しく、そのとおりだと思う。永遠の中の永遠。その永遠は身のあるものではない。
 真の意味での『空虚なる永遠』の中で戦い続ける事を義務付けられるのだから。)

ハハハ。でも、焦る必要性なんか一つもないよ。
魔法の割り込みとか、戦い方を覚えればすぐに並べるだろうからね。
焦って燃え尽きるのだけが一番つらい。ゆっくりいこう、ゆっくり。

ここはもう熟練しかないよ。
実戦積み重ねれば見えてくるものもある。頑張れ~。

まぁ、無機的だからね。この呼び方される事を良しとしない人もいるし。
しょうがないってやつさ。

そうそう。正確に言えば両方、かな。
強力な禁書や魔書の類は悪魔を呼ぶし、悪魔の側も魔力に引き寄せられてくる。
ガーゴイルの助太刀かぁ。ありがたいんだけど……お気持ちだけ受け取っておくよ。
悪魔は全員「解放の宣誓」を覚えてるからね。召喚生物ではちょっと分が悪い。
そのかわりと言っては何だけど……。力がついたら、一緒に討伐しに行こうよ。ね?

召喚型は格闘戦できないと辛いなぁ。
格闘できないと自分みたいなのが喜々として狩りに来るし。
最低でも打ち消し常備するか、「解放の宣誓」ではがされること前提にしないと。

悪魔化を有効に使うならもう少し格闘を意識するといい。
全身の特徴を活かすんだ。爪だってあるし、しっぽも有効に、ね。

………………。ハハハハハハハハハハハハ………。
カレノタメニモイッショニシナイホウガイイ……。
リョウリニカンシテハモハヤクロレキシレベルデネ……。

……白状する、料理スキルゼロどころかマイナスなんだ……。

(料理のことを突かれると遠い目と空虚な笑いがとまらない。
 ある種変な魔法よりダメージがある。あけてはならぬパンドラの箱、またの名を黒歴史。
 あーあー聞こえないを真面目に地でやりそうになるもグッと堪えてのはなし。
 文字で表すならば(´・ω:;.:... である。どうしてこうなったの連続なのだ。
 カタコトになりながらも真面目な話である。料理できないんだよ真面目に。メシマズである。
 肉焼いたりはかろうじて出来ても目玉焼きなど加工が入ると様々な外因でだめになる。
 もう一度言う。どうしてこうなった。)

好きこそ物の上手なれ、さ。
生かして戦えるならいいんじゃないかな、と思うんだよね。

千里の道も一歩から、さ。焦らない焦らない。

動作については意識して+αとかでトリガー決めるといいよ。
無意識発動だとやっぱり誤発動怖いしね。

(この主も実は過去にやらかしている。
 毒ガス対策にそよ風の魔法を舌打ちにセットしていたら無意識にスカートめくりやらかしたのだ。
 バレてこの後無論血祭りになっている。二度とやらない。)

いってらっしゃ……ん、預かり物?

(そう言うと、主はメモリーストーンの話を聞いて、石を受け取る。
 自らの世界では記憶結晶と呼ばれるそれによく似た小さな石と、メモ。
 メモに目を通すと、その内容はよくわかった。
 次いで飛ぶ補足説明を耳に入れて、主は。)

あ~、なるほど。
了解。しっかり手ほどきさせてもらうさ。

ブレイク、必ず生きて帰るんだよ。
――勝利と栄光を、君に。

(そんなことを言って。
 若き鍵束の初陣を見送る視線を、飛ばすのだった。
 儀式が控えているから、先にそちらかな、などと考えながら。
 ゴーレムにでも、運ばせておこうか。そう、考えて。
 消え行く背中を見送り、主は次元の扉の中へと、消える。)
[156] 寄り道ルート『自室→儀式室→居住区』

ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-08-15(月) 01:27
(数点の報告書を抱えて、脇に物言わぬ石像の悪魔を従えて帰って来た。)

 ……反省点とかを纏めてたら時間掛かっちゃったなぁ。
 暴霊と聞いて、先入観で霊体と見ちゃったのが攻撃手段の誤りを生んだものとして……。
 それにしても……オーダーを盛大に無視して、対象外の人物に術を掛ける人がいるなんて。
 ……警戒が足りなかったかなぁ。 ラドも教えてくれればよかったのに。

 ……『オレッチニ頼リスギルナ』って? ……そだね、気をつける。

 儀式室……ちょっと覗いてみたけど、もう今頃は終わってるのかな。
 集中しなきゃいけない事柄だと思ったから、声掛けずに戻ってきちゃったけど……。

 ……にしても、動くの早いね、世界樹旅団。
 移動手段を認知し次第、一斉に十二車両も纏めて奇襲を仕掛けるなんて……。
 しかも報告じゃどの車両も危機的状況……予想以上の戦力、かな。
 ……レイドさんならまだしも、僕は……抗える?

(報告書を見つめたまま、難しい表情を浮かべている。
 傍らで羽ばたく悪魔はその様子を見て、ただただ哂う。)
[159] 練武場への途中で、主は青年を見る。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-08-22(月) 10:44
(儀式を終えての帰り道。少し休んで練武場へと向かう道。
 そんな中で、彼は新たな報告書を受けての行動を開始した。
 主として下す命令は早く、正確なそれである。)

――Golem、数を更に形成し、『生産室』の解放を行う。
個体数を増やし、近々起こるであろうトレインウォーに向けて行動を開始せよ。
命令は簡単だ。消耗品、治療薬の類などの生産と備蓄を行え。
『その時』はかならず来る。必ず。

――行け。全ては勝利と栄光のために。

(命令を受けたゴーレムが活動を開始する。
 チェンバーがにわかに慌ただしい雰囲気に包まれ、活気を呈してくる。
 そんな中。静かな居住区の中に主は入り、一人の若い姿を見かけるのだった。)

――おかえり、ロード・ブレイク。
不安が背中に出ているね。その様相だと芳しくなかったと見える。

(くすりと笑うその表情は少々不安を隠せない。
 嫌な予感がしていた。そして、その往々にして隠し切れない不安はよく当たる。
 トレインウォーへの準備命令をゴーレムに下して暫し待つことになる。
 青い鳥の失踪の知らせを受けるのは、しばし後の事だろうから。)
[161] (ハーフタイム。)

ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-08-24(水) 13:53
(報告書の頁を捲る頃、周囲が慌しくなったのを感じ取る。
 石像の悪魔の笑い声すら止んだ時、心境を見透かしたような声が背に掛かった。
 振り返れば、こちらに笑みを浮かべて迎える主の姿が見えた。)

 ただいま戻りました、いろいろ寄り道した後ですが。
 こちらの冒険は終了しました、トラブルが一件ほど発生してしまいましたが。
 ……不安はまぁ、いろいろと。 駅前広場も「例の件」で騒がしかったようですし。
 今はちょっと、自己の反省点を見直しつつ……、あ、そうだ。

 前にお渡しした記録と対峙する際は、私も見学してもよろしいでしょうか。
 レイドさんからは「手本を見て、盗んで覚えたほうがいい」と言われてまして。 ……ちょっと人聞き悪い言葉ですが。

(状況は宜しくない、その中で今、出来ることと言えば、この状況下に立たされても抗える力を得ることしかない。
 その為の鍛錬があるが、どうしても自分ひとりだけでは限界があった。 故に、次元の向こう側に立つ人の戦いを、もう一度、この目で。)
[162] Deja Vu
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-08-24(水) 15:33
(相手側の申し出を聞いてみれば、意外にもそれはこちら側の意を得たもので。
 流石教官か、と相手の向こう側にある存在のことをふと思う。
 場数は相応に踏んでいたらしい、と。

 高濃度の魔術を駆使していた分、体の疲労が少々つらい。
 体を入れ替えて居るので肉体の疲労は無いのだが、精神面が地味に来る。
 それを癒すように、ゆっくりと歩みを進め、揺り椅子に腰掛ければ、
 全身の筋肉を弛緩させ、全体重を揺り椅子に預けるようにして休む。
 そうすればふと、養父である彼も、こうして休んでいたのを思い出す。
 そんな中、相手の申し出と、言葉を聞いて。)

 ふぅ……。

 人聞き悪いと謙遜する話じゃないさ。当然あっていい話だよ。
 それに。こちらも同じ提案をしようとしてたところさ。
 一緒に来るといい。物資も使って、『元々の戦い方』を見せよう。
 魔法も織り交ぜるから、いい勉強になると思うよ。

(そんなことを返答として返す。
 体と精神を同調させたらすぐに出るようになるだろうか。
 そしてそれは、そう長く掛かるものでもない。)
[163] いろいろ考え中。

ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-08-26(金) 23:31
(こちらの申し出はすんなりとOKが出て、やや驚いた。横でまた悪魔が含み笑い。
 けれど儀式の後だからか、疲れが溜まっているように見える。すぐにとはいかないだろうか。
 それよりもOKサインの後に紡がれる言葉に惹かれ、それを口にする。)

 あっ、ありがとうございます。
 ええと、『元々の戦い方』ですか……、私との戦いとは異なる戦法……ですよね。
 ああ、鍵たる者、様々な相手や状況に合わせて戦術を変えて挑む……んですね。
 記憶の……こちらの世界の『戦の鍵束』は癖のある戦術を持つので、はい、勉強させて貰います。

(記録の石に封じられた記憶、元いた世界での仲間のことを思う。
 記録の中の彼等は、「再生者」によって魔力が強化されている筈……、少なくとも今の自分以上に。
 そんな彼等を前にして、目前にいる伝説の魔導師の名を授かる人が、どのような戦いを見せるのか。 今では想像が難しかった。

 懐に収めた石を取り、「再生者」に連絡を取る。 時はもうじきだと。)
[166] 悩む前に進もう。 やらぬ後悔よりもやっての後悔を上とする。
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-08-27(土) 18:53
(肉体の疲労がないのだから気楽なものだ。
 普通なら付帯する体の重さが今はない。その気楽さに助けられるように、
 疲労感も徐々に癒えてきて。場数は踏んでいない。
 回復の速度も相応に早くなければやってられない業界だ。
 大虐殺の痕跡を見てけろりとしていられるくらいの精神がなければ。)

 まぁ、少し違うかな。
 けど、ほとんど同じだよ。物資が絡むというだけのお話で。

 そんな感じ。でも、汎用性の効くやり方で今回はやる。
 だから、そんな変わらない。癖も……ま、慣れだね。
 じゃ、そろそろ行くよ。

(そんなことを言えば、揺り椅子から体を揺り起こす。
 目指すは練武場。もう、十分なほどに休んだのだから。)
[167] 頭よりも手足を。

ブレイク・エルスノール(cybt3247) 2011-08-28(日) 22:18
(ロッキングチェアから飛び起きて行く主を見送り、そしてその後へ続く。
 儀式の疲れを感じさせない動作に目をぱちくりとさせつつ、石を仕舞って早足で。)

 物資、ですか……こちらで言う消耗型の魔道具、かな。
 鍵束にもそういった物資を中心に戦う者がいますので……こちらも見学させて貰います。

 ……あっ、セーフエリアの確保もしておかないと。
 相手によりますが、巻き込まれるとちょっと痛いので。

(確保、と言っても「再生者」に一つお願いを足すだけの話。
 けれど完全に安全とは言えず、ある程度の巻き添えは覚悟しての見学。
 教導官がこの場にいれば、「防御法の練習にもなる」と、涼しい顔で言われるかな、とも思いつつ。

 ただ、これからかつての仲間が、目前にいる伝説に対峙することを思うと、不安にもなる。
 彼は自分に、そして記憶の中に居る仲間に何を残していくのだろう。 一筋の期待を秘めて、共に練武場へ。)
[182] 充電中。

ツィーダ(cpmc4617) 2011-09-14(水) 08:08
ふう、と。ただいま、かな?
(自身に接続した充電用のバッテリーを脇に抱えて戻ってくる…が、誰もいない)
…あれ、不在かな。
[183] 探索中。

ヴィクトル(cxrt7901) 2011-09-14(水) 12:16
 ふむ……これは興味深い。
 強力な魔力を持つものの残滓を感じる。
 先日のトレインウォーで見た竜の群れといい、この世界はなかなか飽きないな。

 ……先客がいたようだな。(充電中のツィーダさんを遠目で発見。)
[186] 応対中。
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-09-15(木) 09:29
(居住区の来賓達が訪れるのを知って、主の幻影が対応に回る。
 青白いホログラフとよく分かるその姿は、色を除けば主とほぼ変わらない。
 幸福の青い鳥と、次元旅行者。奇妙な取り合わせだ。
 やはり、似たもの同士は惹かれあうのか。
 それとも、これは泡沫の夢か。運命の女神だけが知っている。)

本体なら現在練武場。
魔術師4人抜きやってくるみたいだから、時間掛かるんじゃないかな?

ソファーとか椅子に自由にかけてて。
お飲み物等あればゴーレムに言いつけてくれれば持ってこさせるよ。

(そんなことを言って。幻影は本体と性格が異なるからか、気軽なものだ。
 次元旅行者にも、それは変わらない。)

『灯』の感覚を感じるね。
見立てでは貴方は次元旅行者(プレインズウォーカー)のご様子。
主が会ったらさぞ、喜ぶと思う。お待ちいただきたいかな、なんて。

(そんなことを、軽く言う幻影なのだった。礼節の知識はあるが、薄い。)
[189] 迷子とも言う。

ヴィクトル(cxrt7901) 2011-09-16(金) 01:52
(ちらりとホログラフの方を見る。)

 なるほど、この地の主は勤勉なのだな。
 いや……魔導師とは元よりそういう生き物か。
 練武場と言ったか、ここからそちらの映像は見られるか?

(それから勧められたソファへと腰掛、手持ちの本に手を掛ける。)

 ふむ……この世界でその名を呼ばれるとはな。
 ……この地ではヴィクトルと名乗っている。 主にはそのように伝えて頂ければ。
[190] UPLOAD

ツィーダ(cpmc4617) 2011-09-16(金) 08:07
…ん?(ヴィクトルちらっ)
エリマキトカゲか、そのタイプのアバターは見たことなかったなー。
威嚇する時は襟が全開になるのかな。(さらっと失礼なこと言っちゃう辺り多少空気読めないだろう。)

ん、ディラは4人抜きなんd…え、4人抜き?さらっとなんか凄いこと言ってるなあ。
あ、そだ。こないだ渡しそびれたアレを…と。
(パソコンにタッチ。電気信号を通じて内部へ不正アクセス。
 ウイルスと誤認されないよう、セキュリティを一時的に停止。
 停止している間にAES、DES、RC4といった壱番世界ではメジャーな共通鍵の仕様書をローカル内にアップロードしてアクセスを終了する。)
これでいい、かな。例の暗号のサンプルを入れといたから伝えるのお願いね。
[194] ※詠唱時や威嚇時に全開になります。

ヴィクトル(cxrt7901) 2011-09-18(日) 22:36
 む。(ツィーダさんを横目で見る。)

 アバター……なるほど、電脳世界の出身者か。
 …………誰であれ、癖はあるものだろう。(あえて確信には触れない。)

 ……先程送ったのは、暗号系の詠唱法か?
(パソコンを遠目から覗き込んでいる。)
[195] ※ハヤブサがモデルですが演算速度が全開になっても空は飛べません

ツィーダ(cpmc4617) 2011-09-19(月) 09:30
うん、電脳世界―――惑星規模のバーチャルリアリティ・ネットワーク「シムネット」の出身だよ。
まあ、ボクの存在の根幹はAI…人の手で作られた知性体だから、本当の意味で電脳世界出身なんだけど、ね。

ああ、今送ったのは詠唱方法じゃないよ。
コンピュータ式の暗号化の手法。前にそのデータを渡すって約束しててね。
理論などの仕様を口で説明すると長くなって面倒だから直接パソコンに送付(アップロード)、って訳さ。
[200] 遅くなったね。
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-09-20(火) 02:06
(会話の流れを聞きつつも、返答を返す。
 鱗を持つ次元旅行者には、軽薄な敬意が向けられていた。)

ご同類だったらまぁ、言うまでもないよね。
投影? ああ、可能だよ。準備させてもらうね。

ヴィクトル、か。確かに伝える。よろしく願うよ。

――投影術式起動。
――モニタリングポスト・練武場。

(主への伝言を預かれば、サブマスターである幻影は要望を聞き入れて用意を行う。
 戦場の光景を投影した幻影のモニターを生み出せば、それを旅人へと渡し。
 タッチパネル・ディスプレイの形式を持った高解像度の画像だ。
 戦場は、常に公開の形で出されており、本体もそれを知っている。

 幸せの青い鳥には、不思議な反応が返される。
 いつもの通り、だ。特にどうということもなく。)

ん、了解。伝えておくよ。
おそらく本体のことだ。次の一戦終わったら取りに来るんじゃないかな?
それも瞳をキラキラさせてさ。スッゲーワクテカしてたしね。
アレ、技術には本当にに目がない。利用できるなら大枚積んでも取りに来る。

(言いながらするニヤニヤとした笑いはどこかチェシャ猫のそれに似る。
 魔法使いは兼ね変わったイキモノだ。このような新技術には目がない。
 情報を手に入れれば詠唱の幅は増え、技術的にも強くなるのだ。
 それが、魔術師の魔術師たる所以でもあった。)
[203] 居住区はここ、かな?

フブキ・マイヤー(canw5953) 2011-09-20(火) 08:25
(ゲートを抜けてやってくる)
ここが居住区か。
んー、と…Mr.クレイモアは…ああ、いたいた。
(青白いホログラフを確認。)
Mr.クレイモア…いや、さっきゴーレムが言っていた「幻影」の方か?
遅れてすまない、先ほど到着した。
到着ついでにこちらで生産できそうなものを確認するためにプラントの構造(システム)を見ておこうかなと思ったがキーを持ってなくてな…。
とりあえず、後で部屋の方の案内をお願いしたいが、頼めるか?
[205] 賑わってきたな。

ヴィクトル(cxrt7901) 2011-09-21(水) 21:30
(青い鳥の作業を見学しつつ。)
 「シムネット」か、その世界へは訪れたことはないが……似た世界なら、一度だけ。
 その世界の住民は一人だけだったな、彼は「管理人」を自称する猫型のAIだったか。
 バグ扱いされ、危うく消去されるところだったが……適当に巻いておいた。

 ふむ……暗号化の手法か。
 詠唱文に特殊な発声を加えるものが主流だが、それ以外の選択肢が広まれば……試し概があるな。

(主のホログラムからは幻影のモニターを受け取り。)

 ……なるほど、術式に電子的な要素も加えているのか。
(タッチパネルを何度か指で叩き、教導を受けている魔導師の顔を見て、一瞬だけ目を見開く。)

 まさか、ドミナか? だとすれば、偶然が過ぎるな……。

(新たな来客、白い鰐人へちらっと視線を向ける。)

 ……この場も賑わってきたな、昔を思い出す。
[209] \ここです!/
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2011-09-27(火) 18:07
(居住区の中に、また一人の参入者がやってきたことを受けて。
 幻影は、笑顔でそれを出迎える。主なき間、それを守るのも幻影の仕事だからだ。
 ココはどうやら、魔術師の集う地となっているらしい。
 引かれ、集う様々な仲間が、魔に惹かれやってくる。
 鰐人の男のことを視認すれば、幻影は。)

ああ、自分で合ってるよ。ようこそ、魔術師の箱へ。
居住の要望は聞いているよ。コレをとりあえず受け取って欲しい。

(そう言って渡すのは、真鍮で出来た鍵。
 宝石が埋め込まれた、ブレイクにも渡したのと同一のものだ。)

コレがチェンバーキー。
二階の部屋が開いているから自由に使って欲しい。
サーヴァントゴーレムへの命令権も兼ねているから、自由に使ってね。

ああ、生産室かい?
良いよ。でも、原則として案内はゴーレムがやってくれる。
オーナー権限使用するものは後でこっちで行って説明しよう。
先に基本のレクチャーをゴーレムから受けてくるといい。

(そう、幻影は言う。
 ある種のたらい回しであるが、多機能化すればするほどよくある話である。
 順路をたどるほうがよく分かるとは魔術師の弁だ。

 次元旅行者のつぶやきを横で受ければ、それに対して。)

電子的要素は加えておくと何かと便利だし、
現代社会に似た世界なんかもあったから、自然とね。

おや、お知り合い?
――今の主は「戦の鍵束」に対する教導官さ。
自分が身につけた魔術を戦闘を通して見せて、学生たちの型を破ってる。
女癖は悪いけど、ま、彼のことだから分別はあるさ。
安心して見ててくれて大丈夫だと思うよ。

(そんな事を、ケラケラと笑いながら。
 なかなかに食えない男である。幻影ならば何をいわんや。
 そんな、明るい話である。)
[210] まあ、騒がしいのは慣れてるよ

ツィーダ(cpmc4617) 2011-09-28(水) 07:45
へえ、技術には大枚積んででも、か。それはいいこと聞いたかもなー。
ボクの構成要素の1つである情報圧縮技術周りも好みそうかな?
(大量の学習情報をパンクせず搭載できるのはその技術のおかげらしい。
 ふとチラッと見ると白いワニが。)
…わにわに。

管理者AIかー。
そういうシステム周りの管理AIって融通効かないから困るよね。
ボクはシステムから見ると“データでありながら人に限りなく近い挙動をする”前例のないイレギュラーな存在だから、残像(ゴースト)データと間違えられたりして困るんだよね…。
[212] 夢語りに耳をすまし。

ヴィクトル(cxrt7901) 2011-09-29(木) 00:18
(借り受けたモニターを指で叩きながら。)

 独特の科学を持つ世界は確かに多いが故に、か。
 確かに、壱番世界に似た世界は多い認識はあるな。

 やはり、ドミナか。前に訪れた世界の住民だ。
 竜の姿で己の身を防衛していた頃、出会った。
 ……だが彼女達は全てを覚えてはいないだろう、旅人の足跡の効力でな。

(青い鳥のアバターの言葉に目線だけを寄越し。)

 管理AI故に、定められた法に背く意志を持つことが出来ぬのだろう。
 法に縛れぬ侵入者は外敵と判断し、速やかに排除へ取り掛かる様は見事とも言えるな。
 とはいえ、心配でもある。 ただ一人の管理者しか存在せぬ世界……か。

 そういった思考のAIからしてみれば、貴殿の存在は異質なのだろうな。
 仮に意志があるとすれば、嫉妬かもしれぬ。 篭に捕われた鳥には、外で自由に羽ばたく鳥が眩しく見えるものだ。
[213] スキルはどれも二流さ

フブキ・マイヤー(canw5953) 2011-09-30(金) 23:36
(真鍮の鍵を受け取り。
 副業としての魔術師であるからか、キーの魔術的な意味を完全には読み取れないが…)
ただの鍵じゃないな。中に高密度な術式情報が入っている。
…やはり聞いていた通りの腕前のようだ。
こちらは専業の魔術師と比較すると腕は落ちるが、その分は魔法薬や拳術で補うさ。
とりあえず、説明の方は後で聞いておくとするさ。俺の荷物を運び込むのが先だしな。

(エリマキトカゲことMr.ヴィクトルと、青い鳥に会釈しつつ)
…わにわに、か。…まあ、そう言われるのも仕方ないな。
(竜の姿、に反応し)
お前さん、ドラゴン変身が使えるのか。
もしそれをどこかのドララーが聞いたら大喜びで抱きついてきそうだな。

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