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魔女と使い魔と後片付け
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| 瀬尾 光子(cebe4388) 2012-10-07(日) 13:58 |
世界樹旅団×世界図書館、螺旋衝突ブッチギリウォーズも終わり、世界樹は機能を停止して崩壊…… 『するなんて思っていた時期が、私にもありました……』 ターミナル某所、呪い屋“跡”
世界樹旅団の襲撃により、ターミナルはあっちこっちねっこや砲撃によって穴だらけにされ、当然ターミナルにあるいくつかの建物も被害を受けることに……そしてこの店もその被害をこうむってしまったのだ
『……どこぞのアニメ監督が、メインキャラの死なない都合のいい戦争なんてナイとか言ってましたが……いいじゃないですかフィクションでくらい夢見たって……』
さめざめと泣く使い魔シャーロットの目の前には太い根っこにあちこち貫かれた上、砲撃を食らって屋根が吹っ飛んでいる慣れ親しんでいた呪い屋がその変わり果てた姿を晒していた
「くぉらぁシャーロット! 泣いてないで荷造り手伝いなぁ!」 そんな彼女に無慈悲な罵声を浴びせかけるのは魔術師瀬尾光子、この店の店主である 『だってだって……こんなのあんまりですわ……せっかく必死に切り盛りしてたこの店が壊されるどころか、この忌々しい根っこのせいで同じ場所で営業することも不可能だなんて……』 「別に店の引越し何ざ今に始まったことじゃないよ……つか必死だったのはあんただけだろうが」
そうなのだ、実はこの店、営業30年中、引っ越した回数は10だか15だか、40だか50だか、その理由のほとんどは、無茶な実験による爆発だったりという、うっかり発明家のようなミスが原因だったりする
『……魔術師としての腕は決して悪くない光子さまの商品が売れないのはそういう理由もあったのですね……』
「こんな趣味でやってるような店が売れなかろうがあたしには関係ないよ……とっとと引越し終わらせて、ナラゴニアとあの樹海の調査へ行きたいもんだよ」
『……なんかムカつくほど落ち込んでいませんわね、わざわざ対価払ってブエル様と契約してまで助けよーとしてた人間の神父が死んだって言いますのに』
シャーロットが面白くなさそうに言っているのは、マキシマムトレインウォーにおいて、敵の一人として立ちはだかったコンダクター、三日月灰人のことだ、尤も、彼女の場合助けようとしてたわけでなく……
「あたしゃ単に、いっぱい食わされた借りを返そうと思ってただけさ、そしてそれは成功したんだ、落ち込む理由がないね」 『……まぁ貴方にツンデレなんて期待してませんから、多分それが本心なんでしょうけど……』
理解不能
シャーロットの頭に浮かんだのはそんな言葉である 悪魔に己の存在を定義する物を対価として払って契約するというのは、本契約という非常に重要な契約……本契約をかわせば、その悪魔の能力をほぼ最大限に、回数無制限で扱うことができるが一度契約を結んだが最後、その魔術師は生涯をかけてその悪魔と付き合っていくことになる
『(それをそんな理由でやってしまうなんて……痺れも憧れもしませんわ)』
彼女がブエルを召喚する際に結んだ契約はそれである、対価についてシャーロットは聞かされてはいないが、それにより瀬尾光子は、ブエルの持つ治癒に関する魔法……特に精神の治療に優れた魔法を扱えるようになったのだ、洗脳を解いたのもその魔法によるものらしい
「何かムカつくこと考えたろ今? いっとくけど、あいつとの契約での対価は大したもんじゃない、現状維持の方針が更に強固になったってところだ」
そしてそれ以上は語らず、再び作業に戻りはじめたが、しかし、シャーロットは店を見上げて、こう言わざるをえなかった
『現状維持……というかすでにその現状が破壊されておりますような……』
好奇心と激情に支配されている瀬尾光子という魔女は停滞という言葉とは無縁なのだろう、恐らく |
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書いた人のコメントを使い魔シャーロットから
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| 瀬尾 光子(cebe4388) 2012-10-07(日) 14:02 |
『ちなみにこの作品、本当は自スポットの新しいスレッドのスレ立てに書いた物なのですが、話が続かなさそうなので、ちょっと編集してこちらに初投稿……書いた人は読み物としては些か見苦しいかもしれないとびくびくしているらしいですわ』 |
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