インヤンガイでテロリスト集団にラジオ塔がジャックされるという事件が発生した。 しかし、その事件の真相は暴霊に憑依されたラジオ塔が人間達を操っているというものだった。 アンテナに憑依した暴霊は憎悪や怨念を発信している。そのせいで、周辺の暴霊がラジオ塔に惹かれ集まり出している。 周囲の住人は放送される怨念の影響を受けて凶暴化。酷い事例では、集まった暴霊と同調し取り込まれる住人もいる。 可能な限り迅速に核である暴霊を排除せよ。 それが今回の依頼であった。 ラジオ塔の玄関ホールに銃声が満ちる。暴霊に操られた人間が次々に血飛沫を上げて倒れる。 人の壊れゆく様に、激しい昂りを覚えて古城蒔也は笑う。その身体は、両手に持つギアであるサブマシンガンの反動で震えている。 その背後でエレベーターを操作しようと足掻いているのは、一二千志であった。 「ここも駄目か」 「どうすんだ!」 凶暴化したとはいえ、操られているだけの住人を蒔也は躊躇なく撃ち殺している。 「作業用も客用も全滅だ。階段しかねぇだろ」 「えー、屋上まで何十階あんだよ」 銃口を下げた蒔也はうんざりしたようにぼやく。 振り返った千志は、玄関ホールの惨状に眉を顰めた。 「殺し過ぎだ」 「今更何言ってんだ。おまえだってそうだろ」 千志の苦言も蒔也には何処吹く風といった様子である。 「俺は依頼のためだ。てめぇみたいに楽しんでねぇよ」 「はいはい、そうですよねー」 苛立ちを抑えて、千志は口を開いた。 「階段に行くぞ」 蒔也は肩を竦めると、千志の後に付いて鼻歌を口ずさんで歩き出した。 階段は暴霊に取り込まれた者や操られた職員で溢れていた。 襲い来る暴霊たちを容赦なく蹴散らして2人は進んだが、数が多い。 上からはラジオ塔の職員が、下からは周辺住人が、暴霊に支配された者たちが尽きる事無く迫り来る。 このままでは時間が掛り過ぎると判断した千志は、フロアへの扉を蹴り破った。 「こっちだ!」 後を追って駆け込んだ蒔也のギアが火を噴いて銃弾を撒き散らす。入口に押し掛けた暴徒は、次々と体を撃ち抜かれて倒れる。 「プレゼントだ!」 ポケットから素手で掴んだ飴玉を取り出して、蒔也は入口へ放り投げた。 次の瞬間、爆発音がフロアを揺るがす。身体の芯に響く振動が叫びたくなるほど気持ち良い。 千志は適当な部屋のドアを蹴り開く。直に飛び込んで、中の気配を慎重に探る。 不穏な気配が無い事を確認してから、フロアでギアを乱射している蒔也に怒鳴る。 「さっさと来い!」 蒔也が滑り込んできた直後、千志はドアを叩き付けるように閉める。 そして、部屋にあったロッカーや戸棚を力任せに倒して簡易バリケードを作る。そこまでして、千志はようやく一息吐いた。 「階段で行くんじゃねぇの?」 「手間が掛り過ぎる」 部屋にあったキャスター付きの椅子に腰掛けた蒔也は不思議そうに聞いた。 「それなら、どうすんだよーっと」 くるくると椅子を回して、蒔也は遊び出した。 それを見た千志の心がささくれ立つが、無理やり押し込めて探偵から預かったラジオ塔の構造図を広げる。 そして、図面から屋上へ向う道筋を探る。 (エレベーターも階段も使えないとなると、空でも飛ぶしかないか?) 「飴、食う?」 「要らねぇよ!」 素手で摘まんだ飴を蒔也から差し出された千志は思わず怒鳴っていた。 「ざーんねん。舐めれば面白かったのにな」 指で弾いた飴が、空中で軽快な音をたてて爆発した。 「少しは真面目にやれ」 一言ずつ絞り出された声音は、千志の本気の怒りを滲ませていた。 そこで、蒔也は仕方なく頭を働かせると。 「ラジオ塔ごと爆破しようぜ!」 名案とばかりに得意満面で物騒な考えを披露した。 「もういい、俺が全部考える」 蒔也の提案は一瞬で千志に切り捨てられた。納得できない蒔也は飴を一気に口に放り込むと、不満と一緒に勢い良く噛み砕いた。 そして、床を蹴って椅子を滑らせると、図面と睨めっこしている千志の背中に体当たりをした。 「てんめぇ!」 「ちゃーんと何も言ってねぇだろ?」 千志の横から図面を覗き込んで、蒔也は目を走らせた。そして、予想通りに見つけたものを千志に指差してみせた。 「これ使えねぇ?」 それは外壁に備え付けられた避難用タラップだった。 「おまえにしては上出来だと思ったのによ」 「これは俺のせいじゃねぇだろ」 疲労感を滲ませた千志が見上げれば、何もないラジオ塔の外壁が続いている。 ここまで上ってきた避難用タラップはラジオ塔の半ばで途切れていた。図面には存在するのに備え付けられていない、いわゆる違法建築であった。 「もう面倒だから皆殺ししながら、階段でゆっくり行こうぜ」 「だから」 「愉しみの為に人殺しするな、だろ。理由は何だって殺られる側には関係ねぇよ」 蒔也を諌めようとした千志の言葉を、そのまま蒔也は口にしていた。 「理由が違うだけでやることは何も変わらない。同じなんだよ、俺とお前は」 幾度も繰り返された遣り取りであり、その度に千志は否定している。 常に平行線を辿る応酬に、千志はふと思い付いた考えを口にした。 「もし俺が死ぬとしてだ。おまえの爆発で死ぬ、誰かに殺されて死ぬ。俺が死ぬ結果は変わらない。違うのは理由だけだ。それで、てめぇは納得できるか?」 千志は蒔也を真直ぐに見詰めた。 「俺が壊すのと誰かに壊されるのじゃ全く話が違うだろ!」 理解できないと蒔也は目を瞠った。 「俺からすりゃ変んねぇよ。てめぇが俺に言ってんのは、そういうことだろうが」 話は終わったと言わんばかりに、千志は顔を上に向けた。 「このまま進むぞ」 蒔也が疑問を口にする前に、影のナイフが外壁に突き刺さった。 それに千志が足を乗せれば、さらにもう一つの影刃がその先に突き立つ。 「ついて来い」 「便利だね~」 蒔也は軽やかに口笛を吹いた。 ラジオ塔の屋上に聳え立つアンテナは、本来ならば無機質な鉄骨で組み上げられているはずであった。 しかし、今や蠢く肉塊へと変貌していた。その表面の至る所で、誰かしらの苦悶する表情が浮かんでは消えている。 屋上には既に暴霊と一体化してしまった何人もの住人がアンテナを守るように彷徨っている。 そこに何かが投げ込まれると、何体かの暴霊を巻き込んで爆発した。 その爆音に動きの止めた暴霊たちの頭を飛来した漆黒のナイフが貫いた。 「出入り口を潰せ!」 「合点!」 屋上へと飛び込んだ千志が、他の暴霊たちにも影より生み出した無数の刃を浴びせる。 弾倉を素手で掴んでから、蒔也はギアの引鉄を引いた。出入り口付近にいた暴霊ごと爆弾化した銃弾で撃ちまくる。 「どっかーん!」 楽しげな叫び声に合せて、ビルを揺るがす爆発が起きた。そして、爆煙が収まった場所には大穴が広がっていた。 「完了!」 「むしろ広がってんだろうが!」 千志の額には青筋が浮かんでいる。 「階段も吹っ飛んだから上ってこないぜ。結果オーライでいいじゃねぇか」 蒔也が暴霊アンテナへと体を向けると、屋上にいた暴霊たちは全て千志によって倒されていた。 「俺にも少しくらい残しておけよな!」 不満そうに叫びながら蒔也がギアを乱射すれば、アンテナに直撃した箇所が爆発して肉片を撒き散らす。 暴霊アンテナの表面に浮かぶ顔が悲鳴を上げるように口を開いてノイズを撒き散らすと、屋上に落ちた肉片が一斉に動き出した。 そして、倒した暴霊たちに取り付くともう一度立ち上がらせたのであった。 「ははは! 壊れるまで何度でも壊してやるよ!」 蒔也は狂ったようにギアの引鉄を引いた。爆弾化した銃弾が屋上を舐めるように爆発で彩る。 暴霊アンテナは絶えず苦しげな顔を浮かばせて、断末魔のようにノイズを鳴り響かせる。 飛び散る肉片は屋上を這い回り、際限無く暴霊を立ち上がらせてくる。しかも、抉れていたはず暴霊アンテナは何時の間にか元通りになっていた。 「止めろ! 暴霊の様子がおかしい!」 千志が襲い掛ってくる暴霊を殴り飛ばし、興奮で我を忘れだした蒔也を鎮めようと駆け寄った時、蒔也は両手に持ったギアを投げ捨てて大声で笑い出した。 鳴り響くノイズに引き摺られるように、狂気染みた笑い声を上げながら蒔也は両手で口元に筒を作った。 「おい! 聞いてっ」 突如、背に悪寒が走る。問答無用で蒔也を引き倒して、千志も一緒に屋上へ倒れ込んだ時。 周辺の大気が一斉に爆発した。叩き付けらる衝撃で千志の息が詰まった。 焼けついた空気に噎せつつ千志は立ち上がり、蒔也の胸倉を掴んで吊上げた。 「何してんだ! 死にてぇのか!」 「いいじゃねぇか。俺もお前も、皆一緒に壊れちまおうぜ」 どこか壊れかかったように蒔也は笑っている。 「お父さんみたいに派手に壊れようぜ!」 「止めろ!」 笑い続ける蒔也の顔を、千志は殴り付けた。 「何があったかは知らねぇ。けどな、てめぇの親父は、てめぇをそんな風に喜ばすために死んだのか! 違うだろ!」 その真直ぐな言葉に蒔也の目が正気の色を微かに戻した時、千志は蒔也の鳩尾に一撃を入れた。 ギアにより強化された千志の腕力で、蒔也の意識は一瞬で断ち切られた。 力の抜けた蒔也を屋上へ寝かせると、そのヘッドホンから黒い影が滲み出した。 それを怪しんだ千志の耳に急に激しいノイズが溢れた。 咄嗟に千志は両手で耳を塞いだが、その音は脳に直接浸透し千志の意識を掻き乱した。 どんどん強くなる無秩序な音の奔流に意識が飲まれた瞬間、気が付けば千志は暗闇に独り立っていた。 「同じだよ、俺とお前は」 にやにやと笑う蒔也が目の前に浮かび上がる。 「違う、俺は愉しみのために殺したりしねぇ!」 蒔也を睨みつけて千志は吼える。 「夢のためなら殺していいの?」 その声に驚いた千志は勢い良く振り向いた。そこに居たのは自分が殺してしまった親友、千種元であった。 「違う! 俺はおまえを殺すつもりなんてなかった!」 思わず千志は叫んでいた。 「殺しておいてひどい言い草だよ。でも、それだけ傲慢じゃなければ両親も殺せないか」 「何の事だ?」 元の言葉に、千志の心が揺れた。 「あれだけの事故で、どうして自分一人が軽い傷で済んだと思ってるの?」 虚を衝かれた千志は声さえ出せなかった。 「まさか奇跡的に運良く助かったなんて思ってないよね」 ――思い出させてあげるよ 元の手が閃光を放つと、周囲の暗闇は凄惨な事故現場へと切り替わっていた。 噎せ返るほどの血の匂いとガソリンが燃える炎の匂い。忘れたくても忘れられない記憶が千志を蝕む。 あの時の光景を再び見せ付けられた心が、蓋をしていた当時の記憶を思い出す。 事故現場では酷い火災が起きたのに、俺は火傷を負っていなかった。 ――事故に巻き込まれた瞬間、父さんは俺と母さんを影で包んで守ってくれた。 だから、父さんだけ酷い火傷を負っていた。 噎せ返るほどの血の匂いがあったのに、俺は怪我らしい怪我はなかった。 ――影に包まれる前に、俺はもう大怪我をしていた。もちろん、父さんは知らない。そして、母さんが命を懸けて俺を助けてくれた。 だから、母さんは大した怪我もないのにひどく衰弱していた。 「お、俺は、あの時、父さんや、母さんを犠牲に?」 「そうだよ」 動揺する千志を元が断罪する。 「千志は死ぬはずだった。父親が影で千志を護り、母親が自分の異能で千志の命を繋ぎ止めたから助かった」 「母さんの異能は大したものじゃねぇ! 大怪我を治すなんてできるはずがねぇんだ!」 「だからだよ。本来なら成長を少し後押しするだけの些細な異能。花や植物を育てるのが上手いという程度の異能者」 元は寂しげに表情を曇らせた。 「その程度の力で千志の命を救ったんだよ。無理をしたんだろうね」 元の手に光弾が生れる。 「そして、両親の命を踏み台にしてまで、君がなったのは裏切り者だ」 千志の胸を光弾が貫いた。 抉られた胸元を庇うように右手で握りながら、千志は膝から崩れ落ちた。 周囲は事故現場から、暗闇へと何時の間にか戻っていた。 しかし、千志にはそれを気にする余裕はなかった。いや、何もかもがどうでも良かった。抉られた胸にあるのは、文字通りの空虚である。 目に映るのは、虚ろな暗闇。耳に聞こえるのは、狩ってきた同胞たちの怨嗟。そして、穴の空いた心には妄執と怨念の影が這い寄る。 己の操る影とは全く違う淀んだ影の中へ、倒れた千志の身体が沈み出す。 (そうか、俺は死ぬんだな) 諦めたように目を閉じた千志に懐かしい声が響いた。 「千志。真っ暗な場所でも影が操れるのはどうしてだと思う?」 それは幼い頃の父との他愛もない会話。 「それはな、千志のここにいつでも光があるからなんだよ」 優しく笑う父の大きな手が、千志の胸に当てられる。 「覚えておけよ。いつかきっと解る時が来るから」 意味が解らず首を傾げる千志に、父はただ優しく微笑んでいた。 ――ああ、そうか。 「ごめんね、千志。一緒に生きてあげられなくて」 それはあの時、意識のない千志を抱き締めていた母との会話。 「でも、私は今凄く嬉しい。私の力であなたを助けられるなら、生れて初めて異能者で良かったと思えるの」 怪我を負いながら、自分の全てを我が子に捧げた母の愛情。 「忘れないで。私もお父さんもあなたをずっと愛してるから。あなたの心の中にずっと生きてるからね」 ――死ぬな! 俺なんかの為に死んじゃ駄目だ! 真っ白な光が生まれる。闇を退け拒絶する鮮烈な眩さではなく、光も闇も互いを引き立たせるようにただそこに在る光。 千志の身体から、淀んだ影を押し退けて深く真直ぐな影が広がる。その影を掴み千志は沈んだ身体を持ち上げて、広げた深影の上に降り立った。 深影を生み出した光は千志の胸に灯っており、ぽっかりと空いた穴を埋めるように輝いている。 「往生際が悪いよ。まだ殺し足りないの?」 元が無数の光弾を放つ。 「ああ、そうさ」 千志の操る影の刃がそれを迎え撃つ。 「俺はこの先も殺し続ける。だからこそ」 千志は胸の光を右手で握った。 「中途半端で倒れるわけにいかねぇんだ!」 光を握った右手から細く鋭い影が走る。それは一瞬で元を貫き、暗闇の遥か彼方まで伸びた。 そして、何かが破けた感触が広がった時、張り詰めた風船が割れるように周囲の闇は吹き飛んだ。 気が付けば千志は、先程まで居た屋上に立っていた。相変わらずノイズは響いているが、もう千志の心を揺さぶりはしない。 「俺は、俺の罪を背負う」 足元の影が波打つと、千志の身体を覆うように噴き上がった。影は体に密着するように広がり、その表面は艶やかな光沢を放っている。 一見すればライダースーツのようにも見える、影の甲冑。 暴霊アンテナの表面が蠢くと、苦悶する顔が並ぶように浮かび上がる。呻き声を上げる無数の顔が、続け様に千切れて撃ち出される。 漆黒の甲冑が体を少し沈めた次の瞬間、黒い閃光が暴霊アンテナに突き刺さった。 その後ろでは、空に縫い止められたように影のナイフを生やした全ての肉弾がばらばらと屋上へと落ち出している。 「放送終了だ、DJ」 突き入れた拳から影の刃が伸びる。肉色のアンテナの内から、次々と剣山のように影刃が突き出す。 そして、暴霊アンテナの天辺から漆黒の刃が突き出た時、暴霊アンテナはゆっくりと形を失い消えていった。 「もう二度と父さんや母さんを死なせたりはしねぇ」 漆黒の鎧は解けると、千志の足元の影へと吸い込まれた。 「元、おまえは俺と一緒に生きてくれたのか?」 それに応えるべき人はもう何処にもいない。 帰り際、気絶させられたことに蒔也は不満たらたらであった。 「あんなデケェの爆破できるチャンスなんて、そうそうねぇんだぞ」 ぶつぶつと恨み事を繰り返しては、千志の後ろを付いて回っている。 「そんなに壊したけりゃあ、そういう依頼をてめぇで探せ!」 「酷ぇなぁ。殴られたとこ痣になってるみたいなんだぜ。一言くらい謝ったっていいんじゃねぇの?」 「殺されなかっただけ、有難く思いやがれ!」 「そういや、なんで俺を殺さなかった? 邪魔だったろ、ここで殺ったやつらよりずっと」 ふと浮かんだ疑問を蒔也は口にしていた。ただ純粋に不思議に思ったからこそ思わず出た言葉であった。 「……知らねぇよ」 そして、問われた千志にもその答えは出せなかった。 「つれねぇな。そこはお友達だからとか言っときゃいいんだよ」 大袈裟に肩を竦める蒔也に、千志は忌々しげに唸った。 「誰と誰が、お友達だと?」 「飴、舐めるか?」 その質問を無視した蒔也が素手で摘まんだ飴を差し出すと、千志は引っ手繰るように奪って口に放り込んだ。 そして、蒔也の目の前でがりごりと飴を噛み砕いた。 「いいのかよ、爆発するかもしれねぇぞ?」 「へっ、言ってろ。そんな気もねぇ癖に」 千志の言葉に、蒔也は初めて苦虫を潰したような顔になった。 罪を罪と認めて犯す者。 罪を罪と認めず犯す者。 罪を犯す結果に変りはなく。 許されぬ罪の償いを望む者。 自ら壊し失う痛みを望む者。 願う望みはそれぞれ違うが。 千の志を背負う覚悟を持つ者。 千の志を愛し壊す欲を持つ者。 今は肩を並べ、生という同じ道を歩み続ける。
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