オープニング

「シャンヴァラーラへ向かってくれ」
 言いつつ、贖ノ森 火城は人数分のチケットを差し出した。
 シャンヴァラーラのどこなのかと問えば、帝国だ、と低く返る。
「正確には、至厳帝国ムンドゥス・ア・ノービレに所属している元ロストナンバー、ロウ・アルジェントとともに竜涯郷(リュウガイキョウ)という【箱庭】に向かって欲しい」
 火城が言うには、竜涯郷は『電気羊の欠伸』に次ぐ異質な【箱庭】で、そこには守護者である神が存在せず、またヒトも住まないのだという。
 その名の通り、どこまでも続く広大にして豊かな緑の大地――森が全体の50%、山が30%を占めるという――に、無数の竜が暮らす穏やかな【箱庭】なのだそうだ。
「竜涯郷は神を持たない【箱庭】だ。いや、持たないと言うよりは、過去に何があってそうなったかは判らないが、【箱庭】全体に微弱な神が満ちていると表現すべきなのかもしれない。そのお陰で……というのも妙な話だが、帝国も積極的に手を出すことなく、あるがままの姿で残されている」
 何より、竜涯郷には多種多様な竜が棲む。
 様々な属性を持ち、大きさも姿かたちも生まれ持った能力も性質も性格も多様な竜が、竜涯郷を自由気ままに闊歩している。
 ヒトの腕にとまれるような小さなものがいれば、小山のような巨体を持つものもいる。翼を持つものがいれば、角を持つものがいる。蛇に翼が生えたような姿のものもいる。自在に火や風、雷などの要素を操るものがいれば咆哮ひとつで山を砕くものもいる。陽気なものもいれば怒りっぽいものもいるし、妙に大人しいものや人間嫌いのものもいる。獣のような知能のものもいれば、人間よりも聡明なものもいる。
 シャンヴァラーラ開闢のころより存在している竜――千年以上生きた個体は龍とも証するらしいが――、最大で数キロメートルにもなるような、強大な力を持つものもいるとかで、要するに竜涯郷は、迂闊に、生半可な気持ちで手を出すことは不可能な【箱庭】でもあるのだ。
「各【箱庭】の猛者が、心通う竜を探して分け入り、生涯の友として故郷へ連れ帰ることもあると聞く。シャンヴァラーラで見られる竜のほとんどは竜涯郷からやってきた個体だ」
 その竜涯郷で帝国が何を、と誰かが問うと、
「……【華望月】の方でも、竜涯郷へ行ってみないかという依頼があった。それは別のロストナンバーたちに任せてあるんだが、向こうのは、どうも百年に一度の竜の一斉孵化があるとかで、それを親竜たちと一緒に祝おうという程度のもののようだ」
 そこで言葉を切り、小さく首を傾げて、
「帝国は……と、いうよりも皇帝クルクス・オ・アダマースとロウ・アルジェントは、竜涯郷の深部にある『何か』を探しているようだ。そして、その『何か』を探すことには危険が伴うらしい」
 少々曖昧な、はっきりしないことを口にした。
 未知数の出来事であるからなのか、『導きの書』も曖昧だ。
 しかし、それが深刻な、重要な任務であることは疑いようがない。皇帝はその『何か』のために大々的に帝国軍を差し向けることはせず、もっとも信頼する側近のロウと、彼の『友人たち』のみを竜涯郷の深部へ派遣しようとしている。
 ――まるで、無駄な犠牲を出すことを厭うように。
「ロストナンバーたちのことは、ロウやクルクスの妹ローザが好意的に説明したのもあって、皇帝は信ずるに足ると判断したようだ。それゆえの今回の依頼だろう」
 だから、この依頼を成功させて皇帝の信頼を深め、ロストナンバーたちが帝国の内部事情にもう少し近づけるようにしよう、というのがロウや火城の目論見のようだった。
「ひとまず、『駅』に向かってくれ。そこでロウと落ち合って、竜涯郷の深部へ。――ああ、言い忘れたが深部というのはどの【箱庭】にもある『内側』の最奥部のことだ。竜涯郷のそれは、外観で言うなら鍾乳洞に近いが、『外側』とは摂理も在り方も違う場所だから、もしかしたら、不思議な、不条理なものを見るかもしれない」
 言ってから、火城は、
「……どうも、胸騒ぎがする。『導きの書』も危険の存在を伝えている……つまり、戦いの可能性があるかもしれないということだ。戦う相手がいったい『何』であるのか、俺には読むことが出来なかったが」
 だから、充分に気をつけてくれ、そう付け加えて、チケットを皆に配ったのだった。

品目シナリオ 管理番号1065
クリエイター黒洲カラ(wnip7890)
クリエイターコメント皆さん今晩は。
オリジナルワールドでの新シナリオのお誘いに上がりました。

今回は、シャンヴァラーラの【箱庭】のひとつ、竜の息吹と芳醇なる緑に満ちた竜涯郷の深部にて、幻想的な風景や出来事と行き逢いつつ、至厳帝国皇帝の探す『何か』を探索していただきたく思います。

OP内の情報その他をもとに、皇帝が探している『何か』の予想や、どこをどんな風に探すか、どんな不思議や不条理と行き逢うか、何を尋ね何に備えるか、有事の際にはどうするかなどをプレイングにお書きください。

※判定があちこちで発生します。いまのところ、プラス判定要素が五つ、マイナス判定要素が三つ、明確に存在します。プレイングによってはPCさんの登場率に恐ろしく偏りが出る場合がありますので、ご納得の上でご参加くださいませ。

今回、こちらでは竜との絡みはほとんどありませんが、クエストが成功すればおまけとして描写も可能です。竜に乗ったり、生まれたばかりの仔竜と戯れたりすることが出来ます。プレイング欄に余裕があれば、その辺りを書いていただいてもいいかもしれません。


なお、こちらは同時公開中の『【華望月】星の生まれる碧き庭で』と同時進行で運営されるシナリオとなっております。恐れ入りますが、同一PCさんでのご参加はご遠慮くださいませ。

それでは、緑豊かな竜棲の地で、皆さんのお越しをお待ちしております。

参加者
ディーナ・ティモネン(cnuc9362)ツーリスト 女 23歳 逃亡者(犯罪者)/殺人鬼
コレット・ネロ(cput4934)コンダクター 女 16歳 学生
マリアベル(chum3316)ツーリスト 女 13歳 トレジャーハンター
雪峰 時光(cwef6370)ツーリスト 男 21歳 サムライ
オルグ・ラルヴァローグ(cuxr9072)ツーリスト 男 20歳 冒険者

ノベル

 1.神なき地の底で

「……不思議なところね」
 コレット・ネロの呟きに倣い、覚醒者たちは、濃い灰色から濃紺へと色合いの変化してゆく天井を見上げる。岩に含まれた鉱物の関係でグラデーション状のカラーリングなのだそうだが、それは、曇りから夜へとシフトしていく空のようで、なかなかに美しかった。
「あそこは岩で出来ているはずなのに、どうして星が瞬くのかしら?」
 天井と言っても、地面からは数十メートルの距離がある。
 外界においては地面の一部であるはずの、明らかに材質は岩と判るのに、何故か夜空のように光が瞬く天井を見上げ、
「こんにちは、ごきげんよう。……神様が全体に満ちているなら、あちこちで挨拶しなきゃね」
 無邪気に挨拶をしながら、コレットは不思議そうに手を伸ばした。無論、コレットが小柄だから云々以前に、ずいぶん高い位置にある星に手が届くことはなかったが、光はまるでコレットの手を喜ぶように強く煌めく。
「あちこちに見える、あの光は何でござろうか。オルグ殿の炎のおかげもあるでござるし、進むに苦労がなくてよいでござるな」
 コレットの傍らで、彼女をそれとなく護りながら歩くのは雪峰 時光。
 異世界より来たりしサムライは、このどこか庇護欲をそそる少女を護る誓いを立てているのだ。
 月長石のような風合いの石柱や、琥珀めいた色合いの岩、内部にふわふわと羽毛のような何かが舞う岩壁。それらの影に、その向こう側に、やわらかい、穏やかな金銀の光がふわりと浮かび、周囲を照らす。
 地底の、更に底と聞いて暗闇行を覚悟していた一行だが、静かな色彩にあふれたここ、竜涯郷の深部は、思いのほか明るく――と言っても、真昼のような光を期待することは出来ないが――、わずかな灯りさえあれば、彼らはそこそこ快適に前へ進むことが出来た。
 時光の言葉に頷き、
「しかし、スッゲェところだな……まるでここだけが別の世界みてぇだ。『外』の、デッケェ竜にも驚いたが、ここはまた違った驚きがある」
 周囲をぐるりと見渡すのは、心優しき狼獣人、オルグ・ラルヴァローグ。
 彼もまた、コレットを“異世界で出会った義妹”と呼ぶ気の好い男だ。
「オルグ殿が一緒であれば心強いでござる。よろしくお願いするでござるよ」
「ああ、俺もだ。ディーナもいるしな、まあ、有事の際にゃあよろしく頼むぜ」
 灯り代わりの白炎をともしながらオルグが言うと、少し先を銀の短髪の男と歩いていたディーナ・ティモネンが後ろを振り向き、小首を傾げるように頷いた。
「何が起きるのか判らないけど、警戒を怠るつもりはないよ、大丈夫」
 それから、銀色の鉱物結晶があちこちから生えた岩山の頂上を見上げ、
「で、どう? 何かあった?」
 大きな耳をそばだてて周囲を伺う少女に声をかけた。
「物音ひとつしないね。なにかの気配も感じられない……静かで、なんていうか、神聖な空気を感じるばかりだ。ここに、何があるんだろう?」
 返った、快活な声の持ち主は、兎人とでも言えばいいのか、地面まで届く、大きな長い耳を持つトレジャーハンター、マリアベルである。
「だけど……『危険がある』んだよね? 皆目見当もつかないな。でもまあ、危険あるところにはお宝あり、って言うから。こんなチャンスは見逃せないよね」
 小さく笑い、マリアベルが岩山から飛び降りてくる。
「あ、そういえば、ロウさん」
 この静かな場所にいったい何があるというのか、ひとり、ひどく引き締まった面持ちで、鋭い眼差しをあちこちに投げかけている元ロストナンバーを呼ぶと、彼は目線だけで続きを促した。
「尋ねたいと思ってたんだ、竜にも、鳥と同じく刷り込みの習性があるのかどうか」
「刷り込み……? いや、それはない。卵生とはいえ奴らは竜だ、鳥とは存在の根本が違う。竜の仔には、生まれた瞬間から、魂の根っこのレベルで自分がなにものであり、誰の血を受け継ぐものなのだという認識と理解がある。それは、もっとも獣に近いと言われる竜ですら変わらない」
「ああ、そうなんだ。じゃあ、ちょっと安心かな?」
「? 何が、だ?」
「うん? 竜のたまごを狙う不届き者がいて、そいつらが『危険』の意味なんじゃないかって思ってるんだけど……」
 マリアベルの言葉に、ロウは小首を傾げた。
「たまごや幼竜を竜涯郷の外に連れ出すのは不可能に近い。特に、シャンヴァラーラ人には無理だろう」
「何故?」
「この星飛びの日には、普段は殺しあうような間柄の竜たちですら互いを慈しみあう。長く生きる彼らにとっても、百年に一度の誕生の日はめでたく喜ばしいものなんだ。最初の脱皮が終わるまでの間は、いかなる種の竜であれ仔竜を襲うことがないくらいには」
「それは、つまり……」
「それが例え、他の竜のものであったとしても、たまごや仔を奪おうなどというものには、この【箱庭】中の竜が襲いかかるだろう。古龍たちすら動くかもしれない。少なくとも、その恐ろしさの意味が判らないものは、シャンヴァラーラ人にはいないだろうな」
「……そうなんだ」
 実は、星飛びの日に竜だけではなく龍の仔も生まれるのではないかと、その誕生が深部で行われ、『危険』とはそれを狙う人間を指すのではないかと思っていたマリアベルだったが、そのことを口にすると、ロウは、説明が足りなかったな、と一言詫びた。
「各【箱庭】の住民が、【箱庭】の深部に足を踏み入れることは稀だ。その存在を知るものも多くはないし、足を踏み入れることが出来るものも多くはない。強い神が護る【箱庭】は特に。何故ならそこは、この世ではないからだ。シャンヴァラーラに地獄の概念はないが、常世という考え方はある。その元になっているのが、この深部だ。……摂理が違う、とはそういうことだったんだが」
「え、じゃあ……深部にいるのって、何なの? 竜や龍じゃない、人間でもない、ってことだよね?」
 ではロウや皇帝は何を探しているのかと、そこには何がいて何があるのかと、訝しげにマリアベルが問うが、ロウは、
「……そうだな、生きた存在でないことだけは確かだ」
 そう、答えるに留めた。
 何か思うところがあるのか、ロウの言葉にディーナが表情を引き締める。



 2.閉ざされた遊び

 広大な、鍾乳洞にも似た『内側』の世界を行くうち、彼らは不思議な事象や光景と何度も行き逢った。
 それは例えば、星が実る石樹林であったり、下から上へと飛沫を上げて流れてゆく深紅の河であったり、光る珠が無数に浮遊する空間であったりした。
 踏み込むと、突然天井や壁や床が夜空へと変化し、自分がどこにいるのか判らなくなる区画もあった。時折ちらちらと降ってくる星は、手を伸ばすと掴め、それらは燃えていたり冷たかったり、甘かったり苦かったりした。
 唐突に重力の方向が変わり、気づけば天井を歩いている区画もあった。
 月長石のような石柱から、真っ白な液体が流れ出ているところもあった。ロウにこれは安全だからと言われて、絹のように滑らかな手触りの液体を口に含むと、それは、『その人が人生でもっとも美味だと思った飲み物』の味がするのだった。
 ロストナンバーたちをもっとも驚かせたのは、『外側』で寿命を迎えた龍の白骨が、さも生きているかのような状態であちこちに見られたことだった。それらは真珠や金剛石を髣髴とさせる輝きを放ち、辺りをまぶしいほどに照らしていた。
「こんにちは、龍さん。ここは、暮らしやすいですか? 私たち、探し物に来たんです」
 律儀なコレットが声をかけると、身の丈百メートルを超える――しかし、龍としては小柄な方だという――骨龍は、愉快そうに、辺り一面に響き渡るような笑い声を立て、臆さず進めとだけ言い残して消えた。
「なるほど、トコヨってのはそういうことか。しかし……案外話の判りそうな奴らだよな?」
 楽しげな笑みを浮かべ、オルグが荷の中からヴァイオリンを取り出す。
「お代は見てからで結構です、ってな」
 歩きながら器用に調弦したオルグが、陽気に言って弓を弦に当てる。
「こういう場所なら……明るい曲の方が、受けそうだな」
 悪戯っぽい言葉とともに、流浪民族が連綿と受け継いできたという、テンポのいい陽気な音楽が流れ出し、それは周囲の静寂と相俟って、辺り一面に響き渡った。
 ヴァイオリンの、しなやかな芯と物語のある音が満ちると同時に、先ほどと同じような骨龍たちが何体も群れをなしてこちらに近づいて来て、幽霊やお化けが大の苦手という時光などは正直その場で昏倒しかけたのだが、コレットやマリアベルなどは、骨龍たちが楽しげに身体を揺すっていることに気づいて微笑みあった。
「……音楽を楽しんでるんだね。確かに、こういうところじゃ音楽なんて珍しいだろうし、なかなか素敵な贈り物なんじゃないかな、これって」
「うん、本当に。音楽を聴くと、楽しい気持ちになるのは龍さんたちも同じなのね」
 ふたりの言う通り、骨龍たちはオルグの演奏を無心で聴いているようだった。
「はは、そりゃ、嬉しいね。ノリのいい客は、大好きだぜ」
 テンションを上げたオルグの手は、更に滑らかに動くようになり、彼は結局、陽気な音楽を三曲、少し哀しげなものを二曲、やさしく穏やかなものを二曲、最後に踊り出したくなるような楽しげなものを一曲、見事な弓さばきで奏でたのだった。
「すごいね、素敵なコンサートだったわ。ね、マリアベルさん」
「うん、いいものを聞かせてもらった」
 コレットとマリアベルが拍手していると、
《甘露、甘露》
《佳きものをいただいた》
《楽しき一時であった》
《人の子らがここを訪れることは稀であるゆえ》
《何ぞ、礼をせねばならぬかの》
 空間を震わせるような声がして、頭部だけで壱番世界は日本の一軒家くらいありそうな骨龍の顔が複数、一行へと近づき、取り囲む。
「……!!」
 虚ろな眼窩をじかに見てしまい、紙のような顔色になって声なき悲鳴を上げた時光がその場で棒切れのように突っ立って自失しているのはさておき――失神してその場にぶっ倒れなかっただけマシというか、まだ踏ん張れた方というか――、オルグとコレット、そしてマリアベルは顔を見合わせた。
 少し離れた場所で、四人を待っていたロウが、状況を見守るつもりになったらしく近場の岩に腰掛け、彼を護る心積もりであるらしいディーナがその傍らに立つのを確認して、じゃあ、とコレットは声を上げた。
「お話を聞かせてもらえますか? シャンヴァラーラがひとつだったころのことや、この【箱庭】に微弱な神さまが満ちている理由を」
「こんな時にだけど、ボクはこの【箱庭】のお宝について知りたいな。どんなものがあるんだろう」
「あとは……そうだな、今、ここには何かしらの危険があるらしい。それを回避する、もしくは防ぐ方法があれば教えてもらえないか。手は多く打っておくに越したことはない」
 三人がめいめいに言うと、骨龍たちは楽しげに長大な身体を揺すり、
《ひとつであったころのシャンヴァラーラは豊かな世界であったよ》
《命が連綿と巡り、すべての種族の営みが穏やかに続く、よき世界であった》
《もっとも、それはシャンヴァラーラが分かたれて後も変わらぬ》
《我らの生が多様なのは、分かたれたがゆえではない》
《それらは、はじめから、創世の神々の願いだったのだ》
《五百の年は、竜涯郷にとっては五つの世代が巡ったに過ぎぬが……》
《それでも、我らですら、ずいぶんと様変わりしたものだと驚くほどだ》
《百の命しか持たぬ小さき者たちには、最早ひとつであったころのシャンヴァラーラなど、遠い過去のことに過ぎまい》
《この【箱庭】に神がおられぬようになったのは、実を言うとずいぶん昔のことなのだ》
《天地開闢の頃に十の古龍が生まれたる後、この地に在られた神はここを豊かな場にしようとお考えあそばした》
《そのため、我が身を溶かしてこの地すべてに宿られたのだ》
《それゆえに、【箱庭】となって後も、ここにはすべてにおいて神がおられ、護られている》
《かの方は、我ら竜の中に、森に山に水に、空に、すべてにおられよう》
《かの方はどこにでもおられる。しかし、どこにもおられぬ。ゆえに、小さき者たちの統べる帝国も、かの方のお姿を掴みかね、手を出すことは出来ずにいる》
《――無論、かの者たちに、我らを平らげるすべはなきに等しいが》
 大聖堂に響く鐘の音のような荘厳な声で、
《宝物ならば、竜髄玉か龍宝雫であろうかの》
《竜や龍が、生涯にただひとりと決めた友に出会った時、喜びのために生み出す宝玉だ》
《もしも汝らがかくのごとき竜と出会えたなら、かの宝玉は汝らをすべての災厄より護り、あるべき未来へと導くであろう》
《それは、決して容易く手に入るものではないが》
《我らは、我が同胞らのためにも、汝らとの間にかような出会いがあることを願おう》
 穏やかに、静かに、親しみを込めて、
《危険……か。奥の『あれ』であろうかな》
《我らはすでに理外のものゆえ、口を差し挟むことは許されぬが》
《汝らは、奇しくも憐れなるものを目にするであろう》
《かの場所で、かのものを目にして後、汝らは選択を強いられるであろう》
《その選択の正しさを断ずるは汝ら自身であればよい》
《ただ、願わくは、健やかなる眼で、それらが選ばれんことを》
《このシャンヴァラーラに生きるものとして、願おう》
《……これを、持ってゆくがよい》
《我ら古きものどもの残滓が宿っておるゆえ、汝らの、わずかばかりの助けになるであろう》
 予言めいた言葉の後、掌にすっぽり収まるような、白く光る石のような小さなものを、ひとりひとりに与えた。ふわりと浮かび、宙を滑って目の前に来た石を、意識を遠い花畑に遊ばせている時光も含めて、掌や懐に受け取る。
「これは……もしかして、龍の骨の欠片、かな? 不思議と温かいんだね」
 手の平の白いそれを見つめ、マリアベルが目を細める。
 骨龍たちからは答えは返らず、彼らはもう一度高らかな……楽しげな笑い声を響かせると、ゆっくりと風景の中に解けて消えていったが、彼女の言葉が正しいことを、それを手にした全員が理解していた。
「……佳き出会いを得たな」
 オルグがぽつりと呟く。
 それへ頷いてみせ、ロウが立ち上がった。
「さて……では、先へ進もう。まだ、少し、歩く必要がある」
 言って先頭に立つ彼の、強靭な光を宿した琥珀の眼に映る何かを汲み取ろうとでもするように、ディーナがじっと見つめている。



 3.不穏の鳴動

 更に深い場所へ入り込んだ、という感覚とともに、奥の方にわだかまる、何か重々しいものの存在を、誰もが認識し始めていた。
 深部へ挑んで、十時間近くが経過した頃のことだ。
「何だろう、これ……すごく、重苦しい。気を抜くと鳥肌が立つのは、何故?」
 油断なく辺りを伺いながら、マリアベルが緊張の面持ちで呟く。
 彼女の横顔へちらりと視線をやり、時光は口を開いた。
「拙者、ロウ殿や皇帝殿は、この地をも統一したがっているのであろうと思っていたのでござるが……」
「あ、それ、私も思ってたわ。皇帝さんが望んでいるものだから、きっと探しものは、箱庭の統一に関係するものなんだろうなって。生き物なんじゃないかなあって思ってたけど……生きた存在じゃない、ってロウさんは言ってたし、じゃあ、何なのかしらね」
「おお、コレット殿も。拙者、それは竜涯郷の神の核なのではないかと思っていたのでござるが、先ほどの龍殿の、あ、いや、一応聴こえていたでござるよ、出来ればもう思い出したくないでござるが……まあそれはさておき、彼らの言葉から考えるに、『核』などというものが存在するかどうかは微妙なところでござるな」
「うん、そうよね。だって、世界中に溶けて、どこにでもいるけどどこにもいない……なんて存在になってるなら、真ん中の部分があるかどうかも判らないもの」
「さようでござる。しかし、となると、ロウ殿や皇帝殿は、この【箱庭】を帝国へと併合するため以外の理由でここを訪れていることになるでござる」
「ロウさん、探し物だって言ったわ。何かを探しているのは確かなのよね。けど、今までたくさんの人が竜涯郷に入ってるのに、それでもまだ見つかってないっていうことは、きっと、すごく判りにくい場所にあるのね」
「……しかも、それを探すには危険が伴う、っていうんだから、ますます判らないよね。そもそも、そんなに危険なら、いくら信頼してるっていっても、たったひとりの側近とボクらだけを派遣するって、なんかおかしくない?」
「そうね。それって、この、重たい空気と関係あるのかしら」
「まったくでござるな。拙者が本当に『核』を探してのことなのかと疑問を持ったのは、この空気の所為なのでござるよ。かように不吉な、そう、禍々しいというのでござるか、そのような雰囲気を持つものが、喜び多き【箱庭】の『核』であるはずもござらん」
 空気の重さに気圧されるように、つい小声で言葉を交し合う三人の前方では、ディーナとオルグ、ロウが何かを話している。

 ィ――……ァ――――……ァァ――――

 なにものかの叫び、呻き、啜り泣き、嘲笑、そのどれでもあるような、どれでもないような何かが――ただ、多分に不吉さを含んでいることだけが判った――聴こえた気がして、時光はコレットを庇うような立ち位置で、刀の柄に手をかけていた。
 マリアベルが、大きな耳を最大限澄ませて、周囲を探っている。
 ディーナは、それらを視界の隅に見ながら問いを発していた。
「結局、私たちが向かっているのはどこ?」
 深部の更に奥から、冷ややかに――足元から這い上がるように漂ってくる、重々しくも不吉な気配に、じっとしていると、無意味な焦燥が咽喉元を這い上がる。
「この際だから確認したいんだけど、この世界の中心にある、竜の精髄というか残されし神の真髄というか。そういうものを探しに行くのよね?」
 ディーナは、この世界にはかなり初期から関わっている。
 帝国のことも、ある程度は知識として持っているつもりだ。
「ルーメンの神像に寄り添う神々の話を聞いたわ。姿を失っても世界を護る神性……近い状態よね? 説得、場合によっては武力込みでの協力依頼。神の接ぎ穂というか、キミが神を宿して連れ帰るのかな、って」
「連れ帰る……ああ、なるほど、そう取ったか」
「ええ。ドミナ・ノクスが帰還時に知っていた程度のことは、キミも、キミを通じて皇帝も知っているものと考える。なら、理由は判らなくても目的は想像出来る……人は神になれるとドミナ・ノクスは言ったそうよ。あなたが統べる世界のすべての命を、永遠に等しい時間の中で孤独と共に背負い続ける覚悟があるのなら、とね」
 それゆえに出したディーナの結論だったが、
「残念ながら、俺はこの世界の神にはなれん。――もう二度と、なるつもりはない」
 静かな微苦笑を浮かべてロウは首を横に振った。
「それに、神鐘と神は違う。ここの神は、もはや意志を持つ存在ではない……呼びかけても、答えは返らないだろう」
「じゃあ……」
「クルクスが俺をここへ派遣したのは、神鐘のためではないということだ。それに俺は、ドミナ・ノクス自身がそれほど多くの情報を持っていないというのもあるが、彼女との諸々をクルクスには伝えていない。アソカも、他の元ロストナンバーたちも、己が仕え、またともに戦うシャンヴァラーラ人には伝えていないだろう」
「……それは、何故?」
「異世界でのことを『内側』に差し挟むことが、如何なる歪みを生むか判らないからだ。俺を含む元ロストナンバーは、いかにロストナンバー時代のことを悟らせず、この世界以外の理を持ち込まずに事態を解決するか、に命をかけている。悠長なと言われるかもしれないが、それは恐らく、この世界を護ることでもあるのだと思う」

 ィ、イィ――――…………アァ、ァ――……

 ロウの言葉に被せるように、断末魔の絶叫めいた何かが耳を掠める。
 背筋を寒くさせ、魂を冷たくする響きだ。
「なら……皇帝は、何を求めてキミをここへ? 【箱庭】の統一のためではなく?」
「……ちっと考えたんだがな、要は、その先に答えがあるってことじゃないのか」
 不意に、ずっと考え込んでいたオルグが口を挟み、ディーナは首を傾げた。
「その先?」
「ああ。俺も、さっきまで、ロウが探してるのは神を示す何かのアイテムか、それとも神像や石碑みたいなモニュメントか……って思ってたんだが」
「ええ」
「話を聴いて思った。要するに、何故皇帝が【箱庭】を統一しようとしてるのか、ってことじゃないのか、ロウ」
「それは……つまり」
「俺も、帝国に関してはざっと報告書で読んだだけだが、帝国の人間がそんな悪人だとは思えなかった。皇帝も、どうも悪逆の限りを尽くす暴君ってぇ感じじゃなさそうだ」
「ええ、それは判る。私、あの場所で、皇帝の妹の話を聴いたもの」
「と、いうことは、だ」
 オルグの金眼が、禍々しい何かの気配を垂れ流す、『奥』へと向けられる。
「この先には、元々そんな悪人でもないような人間が、あえて悪にならざるを得ないような、そこまで切羽詰らざるを得ないような、よくない『何か』が潜んでるんじゃないか、ってことさ」
 それから、ロウを見やったオルグが、「どうだい?」と首を傾げて見せ、
「そろそろ聞かせてくれ、あんたたちの真意を」
 言うと、皇帝の側近は唇の端にかすかな笑みを浮かべ、肩を竦めた。
 そのまま、何を答えるでもなく歩を進めるロウに、
「ロウ、そいつぁどういう意味――……」
 オルグが再度尋ねようとした、その時だった。

 ごおおぉおおおぉんんんんんん。

 『奥』の方で、何か大きなものが蠢いたような音がして、洞窟全体を激しい震動が襲った。
「きゃあっ」
「う……わっ」
「む、コレット殿、マリアベル殿!」
 小柄なふたりが、転倒するどころか地面から弾き飛ばされそうになるのを、咄嗟に抱きかかえるようにして支え、時光が『奥』を見据える。
「いったいこの先に何があるでござるか……!」
 おうおう、おうおうと空間が哭く。
 まるで、この先にあるなにものかに怯えるように。
「――……そうだな、実物を見せた方が早い」
 そんな中、それが予定どおりの出来事だとでも言うような平静さでロウが言い、
「ついてきてくれるか、すでに根本を異にする同胞よ。あんたたちを巻き込むことは本意ではなかったが、恐らく、もう、あまり時間はない」
 そう、ロストナンバーたちを促した。

 震動は、まだ絶え間なく続いている。
 得体の知れない寒気を伴って。



 4.トコヨの棘、覚醒す

「あれは、何」
 震える声で言ったのは、コレットだった。
「あれは――……何? ねえ、どうして……」
 あんなものが、ここにあるの。
 言葉はかたちにならず、ただ息を飲む音に取って代わられる。
 それは、大きな岩天井をくぐった先に、すぐ見つかった。
 今まで、物理的な寒さなど感じたこともなかったのに、それを目にした瞬間、吐く息が白くなり、全身が雪の中に押し込められたような冷たさが襲い、手足の先はかじかんで感覚をなくした。
「これが……皇帝の、探し物……?」
 ディーナが目を瞠り、見上げる。
 それは、大地に突き立つ巨大な楔のかたちをしていた。
 大きさにして、五階建てのビルくらいだろうか。
 色は、見ているだけで気分が沈むような、不吉な赤。
 ――しかし、それだけなら、まだいい。

 あああああああああああああああああああああ
 ぃいあああああああああああああああああああ
 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
 うぅううぉおおおおおおおおおおおおおおおお
 ぐぎぃいいいいいいいあああああああああああ
 ぉおおああぁあああああああああああああああ
 ぎぃいああああああああああああああああああ

 それの表面には、無数の『顔』がびっしりと張り付いて、恐ろしいほどの苦悶の表情で呻き声や叫びを上げ続けているのだった。
 顔、顔、顔、顔。
 百や二百ではきかないそれらは、人間のものだけではなかった。
 人間の他に、動物や魔物、妖怪や神聖な生き物まで、ありとあらゆる顔があった。唯一の共通点が、苦悶の、苦痛の、絶望の、怒りの、見ているこちらが息苦しくなるような表情だった。
 しかも、その顔が時折動くのだ。
 それと同時に、歪んだ口元からぞろりと舌が零れ落ち、他者を呪う言葉を、絶叫を撒き散らす。
 『顔』の上げる叫びで、鼓膜が震えるほどだ。
「やめて……お願い、やめて……!」
 何か、心を刺すものがあったのか、コレットが両耳を抑えてその場にしゃがみ込んでしまい、彼女を庇うように前に立ちながら、オルグは金に輝く眼で楔を見上げた。
「あれは……憎んでいる、のか。自分を。他人を。なにもかもを。……世界をかたちどるすべてを」
 真実を見極める眼を持つ彼には、『顔』の奥にある真の感情が見て取れた。
 あれは、あの楔は、憎んでいる。
 何故なのかは判らない。
 ただ、何もかもを憎み、憎しみのあまりすべてを破壊してしまおうとしている。
「『憎しみ』の《異神理(ベリタス)》……やはり、ここに根付いていたか」
 そこに重なるロウの言葉。
 彼の眼差しは、今までにないほど厳しく、緊張に満ちている。
「それは、何。あれはいったい……何なの」
 ディーナは、問いながら気づいていた。
 先ほどの震動、あれは、胎動だと。
 つい先刻まで、この楔は眠っていた。
 何かを蓄えながらなのか、この【箱庭】から集めながらなのかは判らないが、とにかく、眠っていた。
 それが、今、目覚めた。
 ――そして、とてつもない災厄を振り撒こうとしている。
 放っておけば、無数の命が喪われる。
 それだけが、本能のように理解出来た。
「ねえ、あれが目覚めたのは、私たちが……ここに来たからなの……?」
「いや、違う。誰が何をしたからこうなったわけでもない。タイミングの問題だ。誰がここを訪れずとも、いずれはこうなっただろう」
 ディーナの問いに淡々と答えながら、ロウは思案顔になった。
「むしろ、この時にこの場へ居合わせたことは僥倖と言うべきなのかもしれん。おかげで、発動を知ることが出来た。あれが完全に動き出すまでまだ少し時間がある……一度退いて、態勢を整えるべきか」
「おい、ロウ」
 コレットを庇い、楔から目を離さぬまま、オルグが焦れたように口を開いた。
「いい加減、教えろ。あれは、何だ。あれが、皇帝が【箱庭】を統一しようとしている理由、なのか」
 オルグが問う間に、顔のひとつが絶叫を上げる。
 憎い、憎い、憎い、憎い。
 命も、心も、景色も、世界も、自分でさえも。
 憎悪のすべてを内包した叫びが、ロストナンバーたちに突き刺さる。
「トコヨの棘。もしくは《異神理》と。すべての【箱庭】に必ずひとつ存在し、その【箱庭】を内側から蝕み、『発芽』によって破壊する、正体不明の悪意だ」
 ロウがどこか厳かに告げた時、

 憎い!

 叫びが波動のように放たれ、
「……ッ!!」
 ロストナンバーたちを包み込んだ。
「あ、ああ、ああああああ……!」
 そして、彼らは見たのだ。
 楔の――棘の中に、憎しみに絶叫する自分の顔を。
 憎悪に猛り狂う『自分』が、滅びよと己に命じる様を。
 その憎悪が、過たず自分を貫く様を。
「ごめんなさい……許してください、許して、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
 蹲り、顔を覆ったコレットが、泣きじゃくりながら必死で謝っている。
 どんな憎悪に責め立てられているのかは、誰にも判らない。
 それに思いを馳せる余裕は、誰にもなかった。
 全員が、自分の中の憎しみに貫かれてその場に転倒し、呼吸も出来ずに呻いていたからだ。
「くそ……胎動でこれとは、やってくれる……」
 咳き込みつつもどうにかロウが身を起こす間に、マリアベルが、時光が、オルグが、ディーナが、骨龍から与えられた光る石を喘ぎながら握り締めると、それはやわらかく輝いて彼らを包み込み、心身を蝕む苦痛をやわらげた。
 跳ね起きた時光が、自分の石をコレットに握らせ、
「大丈夫でござる、コレット殿、拙者が傍にいるでござるから。オルグ殿も、皆も、いるでごさるから……!」
 童女のような頑是なさで、啜り泣きながらしがみ付いてくる彼女の背を、必死に、あやすように、撫でた。
「退こう、ロウ」
 それを――徐々にコレットが落ち着いてくるのを――視界の端に認めつつ、オルグがきっぱりと言う。
「まだ時間があるってんなら尚更だ。あれは……危険だ。少なくとも、準備なしに挑んでいいもんじゃない」
「私も、同感。特に、精神的な耐性を上げなきゃ、まずいんじゃないかな? 今の、余波みたいな奴ですら、相当きつかったもの」
「ボクもそう思う。悔しいけど……今のボクたちだけじゃ、どうしようもないよ、あんな大きいの」
「……そうだな」
 三人の言葉に、ロウが頷き、
「なら……ちょっとばかり時間短縮と行こうか」
 ほんの少し悪戯っぽく笑って、
「手荒な真似をするが、怒らないでくれよ」
 そう言った途端、ロストナンバーたちは、なにものかに襟首を引っ掴まれ、盛大に宙を舞う己を錯覚し、思わず硬直したが、――しかし、次の瞬間には、竜涯郷の豊かな森林群が目の前に広がっていて、首を傾げる羽目になった。
「久々だったが……何とかなった、な」
 そして、足元を見やって、息を飲む。
「ロウ、キミ……」
 何故なら、彼ら五人は、身の丈三十メートルばかりある、白銀の竜の背にいたからだ。
「異界の、竜神? ……だから、二度となるつもりはない、って?」
 ディーナの問いに小さな首肯を返し、白銀の竜は空を駆ける。
「備えと、増援の依頼と、心積もりを。恐らく……厳しい戦いになる」
 【箱庭】の奥に突き刺さり、心身を打ち据える憎悪を振り撒く巨大な棘。
 近寄ることすら困難を伴うそれを放置することは、この【箱庭】に滅びをもたらすのだという。
「止めなきゃ……あれを。あんな、苦しい思いを、他の人たちにさせないように」
 まだ震えたまま、石を握り締めたままで、コレットが呟いた。

 ――じきに、『駅』の【箱庭】が見えてくる。
 反撃は、そこからだ。

クリエイターコメントご参加ありがとうございました。

生命に賑わう竜涯郷の奥底での、不可解で不思議な――新たな戦いと事件の幕開けを孕んだ一時をお届けいたします。

皆さん、それぞれ的確に備えをきちんとしていてくださったのと、某様が龍たちを楽しませてくださったのもあって、有事もどうにか乗り越えることが出来ました。

事態は、次の場面へと進みます。

この先にいったい何が待ち構えているのか、どんな戦いがロストナンバーたちを待つのか、見届け、見守っていただければ幸いです。


それでは、どうもありがとうございました。
ご縁がありましたら、また。
公開日時2011-01-05(水) 22:00

 

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