やぁ、おれは飛田アリオ、この物語の主人公だ。 アリッサが主人公だという説もあるけど、彼女はヒロインだ。ヒーローじゃ無い。だから、主人公はやっぱりおれじゃないといけないと思う。 昔の偉い人が「誰もが自分という物語の主人である」とか言ったしね。 今日は、竜刻をとってくるありきたりの任務。 ダンジョンの壁は冷たくなめらかだ。冷気のために鼻が利かない。 ここまで仲間と一緒に多くの罠とモンスターを機転とガッツで乗り越えてきた。そして、俺たち三人はこのダンジョンの最深部に立っている。 ここが終点だと嬉しい。 こういう状況になれてしまっているのもどうかと思うが、おれたちは金銀財宝の宝の山に囲まれている。 特に重要なのは、こぶし大の竜刻石。錫杖にはまっており、先程、仲間がぺたりと封印タグが貼った。 これらが今回の戦利品だ。 黄金は俺らにとってはたいした価値はないが、金貨や宝石からは様々な考古学的情報が手に入る。これらも立派なチャイ=ブレへの供物だ。 直接的情報が得られる古びた巻物なんかもある。 不思議とほこりはなく清浄だ。これも竜刻の力かもしれない。 ところが、財宝の選り分けをしているとかすかな風の流れに気がついた。 玉座ともつかない座ることができる竜の彫刻があって、その後ろから空気は流れてきた。手をかざすと冷気に手の感覚が奪われそうになった。 ポケットに指を突っ込んで温める。 隠し扉だ。 竜刻は手にある錫杖だけではないのかもしれない。そんな予感がする。 ここが迷いどころ……既に運びきれないほどの宝があるからだ。ここで帰っても良いし進んでも良い。 とはいえ、帰るのも苦労しそうだ。転がる大岩にふさがれた通路、水没した玄室と、うっかり発動させてしまった罠の後始末がある。 空気はまだまだ持つだろうけど、いつまでもここにいられるわけでもない。 壁にもたれかかって考えることにした。石の冷たさが頭を冷やし、意識を潰走へと追いやってくれた。 これまでにこの程度のピンチはいくらでもあった。 楽しい冒険の日々。 だが、おれという物語には一つの結末が近づいてきている。 ターミナルを騒がしている帰属ってやつだ。 おれはこれに期待している。 おれを迎えに来てくれたアリッサが本当は百年以上も生きているってのにも驚いたが、知らないうちに自分もイモータルの仲間入りをしてしまったことには度肝を抜かされた。 ところが不老って微妙なんだよ。 最初はちょっとすごいなって思ったけどさ。 おれは16でロストナンバーになってずっとこのまんま。地元の友達はみんな社会に出たか都会に出て大学生になったちまった。大人だね。 それなのにおれだけは中途半端な浪人さ。 だいたいだよ。 アリッサみたいに永遠の女子高生ならみんなにちやほやされるけど。永遠の男子高校生って微妙じゃん。 そろそろ彼女とか欲しくなるけど「クラスの男子はお子様ばっかり、大学生のカレシわぁ♥」とかで相手にされない不遇の時期だよ。 エロ本は買えない。酒も飲めない、乗れるのは原付だけ。 それも16。高校一年。高校も三年になれば背も伸びるし「せんぱ~い」って高校生なりに青春し始めるけどさ。ロストナンバーになったおかげで、おれはずっと球拾い。 どっかのマンガの无も苦労したみたいだけどさ。彼みたいに不死身の戦闘力があってカワイイ彼女もいればいいさ、おれにはそれもない。 お金は……ナレッジキューブがあるから少しはマシだけどさ。 いやさ、俺もちゃんと高校は卒業したよ。高一の童顔と身長のままでさ。部活もできず。勉強もできず。彼女もできないまま。浪人。 ロストナンバーになるなら14以下か18以上が良かったよ。 微妙にあきらめのつかない年齢で固まったレディ・カリスよりはマシかもだけどね。――がこんっ っておい、きみ! 扉を開けちまったのかよ。
……ジュリエッタは女子大生か~~。 がこん、となにか重たい機械式スイッチが入った音がして、おれは考え事から呼び戻された。 即座に警戒MAXにして、音の方を振り返る。玄室には俺ら三人しかいなく、続く音も聞こえてこない。 杞憂か。 見てみればミルカちゃんが竜の彫刻の爪を上に向けてみたようだ。 「てへへ……。曲がってしまいました」 それに呼応して竜の玉座の後ろの壁に隙間ができていた。 どうやら彫刻の爪が隠し扉のスイッチだったようだ。 扉はミニスカサンタでもかがんでいかないといけないくらい小さくて、彼女は無防備にのぞき込んでいる。 「ミルカちゃん危ないよ。罠があるかも知れない。気をつけるんだ」 「そうじゃの。だが問題ないようじゃ。ここに罠があったら持ち主とて通れないだろう」 「大丈夫……のようですよ」 なんか心配しすぎるのも男らしさが足りないような気がして、ばつが悪くなる。 まっ、開けてしまったんなら仕方がない、ここまで来れた3人だし、きっと何が来ても平気さ。そう気を取り直すことにした。 「じゃ、折角だしこの先も探検する?」 「はーい」 「そうするしかあるまい」 女子二人は俺の警戒がむなしくなるほどあっさりと、進むことを決めた。 もちろん、進むこと自体は俺も賛成だ。……別にこの両手に花状態が何だか流行りの主人公っぽくて、さっさと帰って解散するのが勿体ない……っていうわけじゃない。 だって、顔見知りの女の子と妹みたいな年の女の子と3人きり! なんだ。 まっ、両手に花っていってもどちらを選べと言われたらやっぱジュリエッタかなぁ。なんか、彼女はおれに気があるような気がするんだよね。気のせいかもしれないけどさ。いくら彼女が変わった子でも、まったくどうでも良い相手とデートはしてくれないだろ。それも一度じゃないしね。 問題はアリッサやエミリエには相談しにくいことだ。 「隠し扉の先だって、もしかしたら2部屋くらいで終了かもしれないし。ちょっと覗いて確認してみるのもいいかもな。一応、ジュリエッタのマルゲリータで見てもらおうか」 こういうときはオウルフォームがついてきてくれているとありがたい。 マルゲリータを追うようにジュリエッタが先行して狭い通廊を進んでいく。彼女が何を考えているのかよくわかりにくいが、たぶん、楽しんでいるんだろう。 それにミルカちゃんが続いて、おれはしんがりになった。ミルカちゃんがいたずらっぽくこっちを振り返った。 「狭いところは煙突で慣れているのです」 「さすがサンタ見習いだね」 ……ミルカちゃんは、なんか見た目よりも大人っぽいし、ひょっとしてわかってくれるかな。 「あの、ミルカちゃん。あとでちょっと聞きたいことがあるんだけど。いい?」 「いいですよ。内緒話ですか?」 はずんだ声にドキりとする。さすが女の子だ。侮れない。ミルカちゃんも本当にかわいい。こんな妹ができたら毎日楽しいんだろうな。うん。妹的にね。お兄ちゃん予防線張ったよ。 「はしごじゃのう。上に向かっておる」 先を行くジュリエッタの声が聞こえてきた。 「マルゲリータがここから外に出られると言うておる」 「じゃ、おれが先頭になるよ。セクタンの守りもあるし」 「そうか、それは助かるのう」 自然にそう口にしてしまったが、ジュリエッタの返事を聞くと急に恥ずかしくなってきた。 デートしてくれたわけだし、女装の件の誤解はもう解けたと思うんだけど。決して、男らしいとこ見せたいとか、そんなんじゃないからな! ……いや、見栄を張りたいのは年頃の男の子ってやつなんで勘弁して欲しい。 それにはしごだよはしご。キュロットのジュリエッタはともかくとして、ミルカちゃんはスカートだからね。 いやいや、どうせ見るならジュリエッタの……とかそういうことじゃないよ。ラッキースケベとかね。困るんだよ。ジュリエッタに誤解されたくないし。これでミルカちゃんがおれの上に降ってきたら、ミニスカートがさ……絶対……くんかくんか肩車イン・ザ・スカートになるよな。折角成立しかかっているフラグがぽっきりいっちゃうよ。 「すれ違うの大変ですね」 「ミルカちゃんが小さくて良かったよ」 半分抱き合うような形で前後入れ替わる。 そして、ジュリエッタだ。 「あの……」 「あっ……」 「わたくしはミルカよりは太いぞ」 「あっ、いや、い、一度入り口まで戻る? あ、ああ、いやジュリエッタは十分細いよ。そ、そそ、それに……美人だ」 「アリオどうした? こう暗くては姿などわからんであろう」 ジュリエッタのすべすべした腕が触れ、彼女の声がおれの首にかかる。 「すれ違うには帽子が邪魔じゃな」 その拍子にライトが目に当たって幻惑される。そして、ほほに感触が、おでこ、……か? 思わず息を飲むと、束ねきれなかった髪の毛が鼻腔をくすぐった。汗でぺったりした肌がつるりとすべる。 「すまぬが少し背伸びしてくれないか」 そうだ。二人の頭が狭い通廊に引っかかって交差できないんだ。顔を横にしてみたりするがちょっと足りない。つい、くちびるがおでこに触れそうになる。 ……この状況は……!!? できるだけジュリエッタに触れないように、トンネルの冷たい壁に張り付こうとした。 後ろからミルカちゃんがくすくす笑うのが聞こえてきた。 まちがいなくおれが動転していると誤解されている!! どうにか、背伸びして、頭の高さをずらして、すれ違うと、この危機からできるだけ早く逃れようと、振り返らないようにして、はしごを登った。 まばゆい太陽の光が差してくる。 ……しっかし、隠し部屋にトンネルに地上か……RPGでありがちな隠しボスとかいないといいけど…… † はしごを登り切ると、ごくごく浅い、石壁にうがたれたくぼみに出た。雨宿りするにはちょうどいい程度のスペースがある。 そこからは庭園が見えた。 空が青い。 庭園は、周囲を石壁に囲まれていて、遺跡の中庭といった雰囲気だ。 庭園には樹もたくさん植わっていて全容は把握できない。ただ、四方を高い壁に囲まれていることだけはわかる。 ゆりかごといった印象を受けた。 かつての遺跡の主が隠れて愛妾と過ごすための場所か、それとも長期籠城するための場所かは直ちに判断できない。 ちっちゃなミルカちゃんがぴょこっと顔を出すと、続いてジュリエッタが登ってきた。 柔らかい日差しに照らされて、ジュリエッタがデートの時におれがが選んだ服を着てくれてきていることに気がついた。アウトドア向けの強めの生地のブラウスに、水色のキュロットとストール。トンネルを出てから被り直した帽子にはふわふわしたネコ耳がついている。 抜けるような青空にふんわりと浮かぶ雲。その青さはブルーインブルーの深い蒼と違い、淡い。地中海のそれでもなくとも違う。 もっと天が近いところ。山の空の色だ。 一方のおれは、ビンテージだかなんだかよくわからないジーパンに、これまたよくわからない古着を着てきている。服を選んでいたときは自信があったのだが、急に心許なくなってきた。どうにもジュリエッタと釣り合いがとれているようには思えない。 そうそう、ミルカちゃんの方はいつも通り見慣れたサンタコス。この庭園にいると浮き上がってみえる。そのまま飛んでさよならしそうな勢いを感じる。結局、彼女は飛べるんだっけ、それとも空飛ぶそりに乗るんだっけ。 「永遠の魔女っ娘なミルカはともかく、ジュリエッタはもう女子大生っていうじゃないか……早く帰属したいよな」 「うむ、さすがにこの外見のまま成人してしまっては色々不都合じゃの。ときにアリオよ。そなたは受験はどうだったのじゃ」 この前のデートの時は結果が出ていなかったんだけど、俺、浪人になっちゃったんだよね。じぃちゃん、ばぁちゃんに申し訳ないよ。 「ごめん。おれ……来年がんばる」 † 全員揃ったところで、庭園に向かって降りていくことにした。 木のアーチをくぐると、景色が一変する。 「なんか甘くないか?」 「メープル、シナモンとバニラの臭いがするの」 「お菓子です!」 庭園の、花々はよく見れば、花びらが飴細工で、葉っぱにはクッキーがはえていた。 「これって……」 「お菓子の庭だ!」 ミルカちゃんが食いつこうとするのを慌てて止める。 「待って待って」 モフトピアじゃないんだから、こういうのは一度食べると出られなくなるとか、呪われるとか色々あるから。 だが、時既におそし。ジュリエッタは既にかぶりついていた。 「ん、どうした? うまいぞ」 「うわっ、ジュリエッタの顔がトマト? チョコで真っ赤だなあ、怖いよ」 見てみれば、果物によく似た見た目のお菓子も鈴なりで、おあつらえ向きにトマト……のように見えるものもある。 「見ているだけで苦しくなってきた。おれはチョコのトマト……より本物のトマトの方が良いよ」 「奇遇だな。わたくしもそう思う。だが、これはこれでうまい」 「ええ~!? わたしはお菓子が大好きです」 やがて、道を進むといかにもなお菓子の家に辿り着いた。 † 警戒しながら扉を開くと、ぬっと巨大な顔が頭を出して、三人を見下ろす。 「わわっ!」 「わっ! わわっ!」 「「あわわ」」 「すげーイケメン。でけー」 「わっ! わわっ!」 お互いにびっくりし、菓子家の主は尻餅をついた。 それは、筋骨隆々の2m以上もする巨人で、ギリシャ彫刻のように堀の整った顔をしていた。縮尺を抜きにすれば美少年と言って良い。 それが、尻餅をついたままぽろぽろと涙を流し始めた。 「どうなさいました?」 ミルカちゃんは物怖じしない。かがんで手を差しのばした。 「あのね。あのね」 事情を聴くと、なんでもこの巨人はこの遺跡の主だが竜の呪いにかかってしまい。強き者に倒されない限り出られない運命にあるのだという。 そして、このお菓子の家に住んで、庭園の手入れをして生き続けてきたと。 「それでね」 「ずいぶん乙女心を持って御仁よのう。アリオと気が合いそうじゃの」 「いやいや、違うって!」 「違うの?」 「そうじゃなくって! おれ男だし」 「お兄ちゃん強いの!? ぼくここから出られるの?」 乙女いた巨人が目を輝かせ、二人のホンモノの乙女の視線も俺に集まる。 「しゃーねーな。やったるよ。おれアリオ」 「ぜひアリオ様に一対一の拳で勝負をお願いします! ええっとぼくはグラーフ・ズーシヒカイト。よろしくね」 「強そうな名前だな。大丈夫かな。おれ」 † 「ほんじゃ、行くからね!」 おれは両手のギアを握り込み、構える。 グラーフ・ズーシヒカイトもおれをまねてファイティングポーズを取る。が、脇が空いている。俺もあんまり人のことは言えないけど、たぶん、戦いの訓練を受けたことはないんだろうな。 そして、のどかな戦いが始まった。 モフトピア的な空間ではあるのだけど、ちゃんと殴れば手応えがあるし、叩かれれば痛みは感じる。 実際、かなり痛い、巨人がぶんぶん振り回された拳が頭に当たれば火花が飛び散る。動きはまるで子供のけんかでもウェイトが乗っていて簡単に吹っ飛ばされる。 「だっ大丈夫!?」 「大丈夫大丈夫。ロストナンバーは頑丈なんだよ。それより、お前も大丈夫か?」 おれのパンチもギアにブーストされてちゃんとダメージを与えられている。ただ、ヒットの度に泣きそうになるので、つい全力が出しづらい。 「おりゃー、ファイナルトレインパンチ!」 「はいー。スクリューシュニーバル!」 そうだな。コロッセオでの模擬戦の雰囲気に近いかも。 「たのしそうじゃの」 「ええ、たのしそうですね。ズーシヒカイトさんはやっと友達に会えたって感じですね」 お互い決め手に欠け、戦いは長引くかと思ったが、あっけなく終わった。 拳が交錯し、二人で絡み合い倒れ込もうとした先に、ミルカちゃんがいた。 「「危ない!」」 そして、二人して身をひねると、お菓子の家につっこんだ。衝撃で建物が崩れ、天井が降ってくる。 巨人の下敷きになった俺は、チョコの梁が降ってくるのが見え。 ごいんと、グラーフ・ズーシヒカイトの後頭部に刺さった。 そして、彼は白目を剥くと、力が抜けおれに覆いかぶさってきた。俺の勝ちだ。 「終わったようじゃの?」 「た、助けてくれ。お、重い」 「テレポートさせますね」 巨人の下敷きになった俺はミルカちゃんに助け出された。崩れた建物の外に出ると、庭園の風景が霞んでいき、やがて、後には崩れた遺跡と竜の骨の残骸のみが残された。 遺跡を掘り起こしてみると、気がついた巨人が頭をさすりながら起き上がってきた。 「呪い……解けたのかな」 「そのようだね」 「みんなありがとう」 「ズーシヒカイトさんはこれからどうするの?」 「ぼくはここから出て行くよ。これはアリオへのお礼だよ」 そう言うと、彼はキラキラした宝石のついたステッキを取り出し「ファンシーファンシーキラキラ」とかなんとか呪文を唱えて、この場からかき消えた。 そして、あとには巨人が来ていた防護ベストが残されていた。 ちょっとサイズが大きいけど、ベストならば融通は利くかな。あんまりおれの趣味じゃないけど、ささやかな友情に免じて使うことにした。 † 最後で一気に疲れた気がする。 ロストレイルが来るまで今しばらく時間がかかるようだ。運動したせいか、腹が減ってきた。 「えへへ、お菓子をですね。プレゼントボックスに入れておいたのです」 「ミルカ。ありがたくいただくぞ」 やがて、日が暮れ、冷えてきた。 自然に三人で寄り添い合い、過ごすことになった。 ちょっと残念だけど、ジュリエッタ、ミルカちゃん、おれ、の順番だ。ミルカちゃんの服が一番暖かそうだから自然とそうなった。 ……こういうときにもうちょっとなんか頼って欲しいな……おれもまだまだか。 やがて、闇が深まると共に星々が輝きを見せだした。とてもきれいで……おれには星座とかはわからないけど、星々の並びが竜に見えたり見えなかったりした。 「あの星の一つ一つも竜刻だと聞きました」 「そうなの?」 「見つけた古文書にそれっぽいことが書いてありました。ホントだかはわかりませんけどね」 「な~んだ」 ミルカちゃんはずっとしゃべり続けている。おれとジュリエッタだけでは間が持たないと気を利かせてくれているのかも知れない。 彼女の赤いサンタ服は星降る夜によく似合っている。ちょっぴり大人びて見えて……。これで雪が降っていたら完璧なんだろうけど、それはさすがにカンベンだ。おれの人格が疑われてしまう。 と、ずっと無言で空を見上げていたジュリエッタが立ち上がった。……やべっ、ミルカちゃんのことを眺めすぎたか!? 「迎えが来たようじゃのう」
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