(↑注:OPは上のイラストです) 新作PBW『ラスコー』を開始します。 PCはクロマニヨン人。 過酷な旧石器時代を生き抜きます。 言語はまだないので、お絵描き掲示板機能を利用し、プレイングを絵で表現する「洞窟壁画システム」を搭載。 交流掲示板もすべて壁画! 先史文明PBWにご期待下さい。<ご案内>このシナリオのプレイングは「絵」で表現して下さい。「絵」はインターネットにアップロードしたうえで、そのURL(ひとつだけ)をプレイング欄に記載していただけますようお願いします。URLにリンク切れのないよう、ご確認をお願いします。画像は、製作期間中は保持していただければさいわいです。製作期間中の画像の差し替え等は禁止です(担当WRがどこかの時点でダウンロードして保存し、保存したものを参照します。保存のタイミングはお約束しません)。「絵」は必ず、プレイヤー様ご本人がお描き下さい。万一、そうでない疑いが生じた場合、今後のゲーム参加をお断りすることがあります。このシナリオに参加したことをもって、その点に同意したものとみなします。なお、ノベルは現代語に翻訳されたうえ、文章で表現されます。ご了承ください。※お願いよろしければノベル完成後に、みなさんの「絵」を公開させていただければと思います。プレイング欄に「公開可」とお書き下さい。「公開可」と書かれていない場合は公開しません。
――パオーーーーーー!!! 「きゃーーーふぬあっふぬぬっ!!」 「うほうほほほほうーほー」 「うんごららっ、んばばっ」 「ぬぅ……むぬぬあっぬんぬぐっ」 ▲▽▲▽▲▽ (「'∀')「 翻訳中 (「'∀')「 ▽▲▽▲▽▲ ――パオーーーーーー!!! 「きゃーーーモウが踏んづけられちゃったのヨ!!」 「予定調和です!」 「それより下がるのです、メイさん!」 「ぬぅ……思った以上に強敵だな……」 一同の顔や肌は茶色く汚れ、体に巻きつけられた獣の皮がツヤツヤと自身の脂で光る。 ズズン、ズズンと響く足音。 黒曜石を先に付けた槍が既にいくつも獲物に弾かれ地に落ちていた。 「獲物が逃げるぞーーーー」 「今回の狩りは失敗だ! 下がれぇー」 「ああっ、マンモスが足の裏についた汚れをこすり落とすような動作を」 「これ以上はグロいから言っちゃダメなのです!」 今回の狩りは失敗。そして悲しい犠牲者が出た。 「モウ……またなのヨ……とりあえず大物は諦めてウサギでも食べるのヨ。さっき獲れたてのがあるから問題ないのヨ」 メイが指笛を吹くと、ドヤドヤと男達が地面に擦りつけられた血痕となったモウを埋めて大きな石を上に立てた。元から準備されていたかのような、鮮やかな手際である。 「はーい! 兎は焼きますよね? 炎担当いっきまぁーす!!」 赤い髪の少女・藤枝 竜が松明へ勢いよく炎を口から吹きつけた。炎の熱気に煽られた人々が目をキラキラさせて竜を崇める。 「こちらに薪を詰んだのです。炎さんお願いしますです!」 『おおーっ』 5mほどのサイズに巨大化したシーアールシー ゼロがキャンプファイヤーの様に積み上げた枯れ木の山を指差す。 「はーい!」 竜が松明を投げ込むと程なくパチパチと爆ぜる音とともに炎が大きくなっていく。 「あとは風だな」 「GOGO親分~」 「馬鹿者、ご主人様と呼べと言っているだろう!」 肩にふかもことした生き物を載せた長髪の男フェリックス・ノイアルベールが手をかざすとぶわりと風が巻き起こる。風は炎を大きく燃え立たせ、周囲の歓声が高まる。 ドコドコ。ポコポコ。 ピヨー。 いつの間にか楽器を持った男女が炎の周りに集まり始めていた。大きな獲物は逃がしたが今回の狩りは終わった。今日は祭りだ。 仲間が死んだので鎮魂の意味もある。 ちなみにモウはいつも死ぬので毎回祭りである。 お約束というのは良いものだ。とみんなは思った。 「果物もアルヨー! 今回は採集チームが頑張ったアルー。ちなみに魚獲りチームはダメだったみたいネ! 次は頑張るアルよー!」 族長の孫であるメイがウインクをしながら報告を行う。高く上げた手を二回叩くと、数名の女性が炎の周りで踊りだす。獣の牙や角を削ったナイフを振り回しながら踊る狩猟の踊りだ。竜もゼロも踊りの輪に入る。赤い髪と銀の髪に炎がチラチラと写り込み輝く。 「親分親分、ワシきゅうりが食べたいダス」 「残念ながらきゅうりの季節ではない」 「季節! きゅうりに季節があるんダスか! 壱番世界のスーパーでむぐぐ」 「メタ発言はやめろ。ギャグになるだろう」 「たぶんもうなってるダスよ~」 もふもふと言った使い魔ムクの言葉はあながち外れていない。と、フェリックスも思ったが、口には出さなかった。言わぬが花だ。 「フェリックス、竜、ゼロ! 族長から話があるのヨ!」 メイより声をかけられ、三人は族長の敷物に上がり膝をついた。 族長は高齢であり、耳が遠く声も通らない為、メイが通訳に入る。 「ごにょごにょごにょ」 「ふむふむ……えー族長は最近、大型の獲物の狩りの失敗が気になっているそうなのヨ! 部位破壊だけじゃダメヨー、ちゃんと討伐してくれなきゃなのヨー」 「むにゃむにゃむにゃ」 「そこで、優秀な戦士の三人に山の上まで狩りに行って来て欲しいのヨ! ぶっちゃけ、普通の人が一緒に狩りをするとこっちが危ないのヨー。その点、三人だけなら大丈夫アル。勿論報酬は約束するのヨ!」 「では私は牙が欲しい。しかしこいつの分の肉も所望する。勿論その程度は貰えるだろうな?」 フェリックスは族長の前でも堂々と高圧的だった。肩の上の使い魔は「マンモス肉ダスか!?」と目を輝かせている。 「オーケーよ! 竜はどうするアル?」 「んー私も肉ですかね。やっぱり焼きたてをパンに挟んでじゅるる」 パンがあるのかはここでは気にしちゃいけない。 「ゼロは?」 「ゼロはーえーっと、骨がいいのです。被ってみたいのですー」 「オーケーオーケー。三人とも頑張ってくるアルよー! 今夜はいっぱい食べてぐっすり良く眠るあるヨ!」 メイがひらひらと手を振る。族長も同じようにひらひらと振った。 三人と一匹は兎肉に被りつき、果物を齧り、早めに眠りにつく。 星が降って来そうなほど明るかった。 明日も良い天気のようだ。 「まだまどろんでいたいのです」 「眠いダス~」 ゼロが枕を右手にポワポワと言う。「眠っていたい」と言わないのはゼロのこだわりだ。ゼロはまどろむものであり、眠るものではない。 そして眠るものであるムクは何故かゼロの左手に抱えられていた。どうも枕と間違えられている節があるが、フェリックスは黙っていた。 「狩りは朝からが勝負ですよ! ゴーゴーです!」 ひとり元気な竜が先頭をどんどこ歩いていく。片手には槍を持つ姿が勇ましい。槍の先は真っすぐ正面の山に向けられ、周囲にはホカホカと蒸気が漂っていた。ちょっと興奮しているようだ。 「最初からそんなに気合いをいれていたらヘバるぞ」 「若いから大丈夫です!」 「ん?」 「ドラゴンちゃんドラゴンちゃんそれはヤバいダスー!」 ムクがゼロの小脇で慌てて短い手足をバタバタさせたが、竜は気づいてなかった。 「どんどん行きますよー!」 「まどろ……」 ゼロもムクの動作に気づいていない。まどろんでいた。 「ふんっ、何か一瞬ひっかかったが、行くぞ!」 「ひやっとしたダスー! 目が覚めるダスー」 トボトボテクテクと三人と一匹は山を登りだした。まだ日は低いが、道は長い。目指せ大型獣! そんな気合いがあるのは現在一人だけな気もするが、ともかく三人と一匹はくねくねした山道を登り出したのだった。(大事なことなので二回言いました 「おい! そっちに行ったぞ!」 「はわわわ」 「ゴーーーッ!」 ゼロに襲いかかるサーベルタイガーを竜は炎を吹いて牽制する。虎は顔を覆って地面に転がった。が、起き上がるとまだ伺うようにこちらを睨んでいる。 「狩るか!? どうする!?」 「肉食獣はちょっと臭いんですよねー」 「毛皮は立派ですーメイさんが喜ぶのです」 「皮を傷つけるなって言うのか!? おいおい大変だぞ!?」 フェリックスは背中の羽根を出し空から魔法で虎を狙う。風を細く引絞って矢のようにして放った。虎は飛びずさるも右前脚から血を流した。 「あっムクさん!」 「ぎゃーダス~」 一番こぶりな獲物からとでも思ったのか、虎はゼロの足元に転がっていたムクに牙をむいた。驚くほど大きく開く顎がムクに迫る。 モウと同じく掲載禁止のグロ展開がムクを襲うのかと思った時。 「ガッ」 「にんにんダスよ~」 「おおおっ」 虎の口の中にはムクの代わりに大きな丸太が詰り、ムクは…ゼロの頭の上で短い手を上下に重ねて二足で立っていた。可愛い。 「よくやった!」 首の後ろから魔法で一撃。フェリックスが獲物をしとめた。 「ムクちゃん凄ーい!」 「凄いのです!」 「でへへ照れるダス~」 変わり身の術が見事に決まったムクは三人に褒められもこもことした体をよじる。 「血抜きしながら持っていくのですー」 ちょっと体のサイズを大きくしたゼロがヒョイと虎の後ろ脚を掴んで背負った。 「たくましいですね!」 竜がニコニコと声をかけるとゼロもまんざらでなさそうに微笑んだ。 「まかせるのです。あ、でも枕持っててもらえますです?」 「湖ー!! 魚ー!!」 「今日の獲物は結局虎だけか……」 「仕方ないダス~そう上手くはいかないダス~」 「ペイント玉が欲しいのです」 「それには粘着するものが足りない」 「ねぇねぇ二人とも見ていてくださーい」 一人湖にドブドブと入り胸まで水に使った竜がフェリックスとゼロに手を振った。 「なんですかー見てますー」 「ムカ着火インフェルノォォォォオオウ!!!!」 ――ジュワァッ、ボゴボゴボゴッ 竜が叫ぶと周囲の水が沸騰を始めた。竜が発熱しているのだ。 「ハァアアアアアアアアアア!!!!!!」 ――ボゴゴゴゴゴゴオッ … ――プカー 「ハイ! 魚です! ごはんです!!」 『おおおっ』 ゼロとムクが同時に歓声をあげた。これは釣り針いらず! 一家に一台藤枝竜! 「ふんっ。炎の魔法を使えばそのくらい水に入らずともできるぞ」 「へぷちっ」 フェリックスの言葉に竜はくしゃみが出た。 ――もーえろよもえろーよーほのおよもーえーろー 「別に、発熱してるから寒くないですもん!」 竜は焚火を起こしながら強がりを言った。正直衣服の皮が水を吸って重くて冷たかった。 「魚美味しいダスな~」 「虎はやはり固い」 「親分も魚にするダスよ~」 「そうするですよ親分さん」 「フェリックスだ!」 いつの間にやらすっかり仲良くなったゼロとムクが口を揃えるのに、フェリックスは嫉妬心ちょっぴりで怒鳴りつけた。 「しかし少し冷えて来たな。貴様を見てると余計寒い。さっさとその服を乾かせ」 フェリックスの手が淡く発光するとふんわりとした風が竜を包み込む。炎で炙られた風は温かく、つまりドライヤーのように竜を包み込んだ。 「ふおおありがとうございます」 きもちの良い風に竜が目を細める。 「ふん」 「親分やさしいダス~」 「やさしいです~」 「うるさいっ」 夜は竜を真ん中に寄りそって眠った。竜自体が発熱しているので温かいのだ。 「温かいでしょう!」 竜が自慢げに胸を張るので、フェリックスはムクを竜の顔の上にのっけてやった。 「ぬくぬくなのですー」 ゼロがマイ枕に顔をうずめる。 「おつかれさまー」 ポカポカとした温かさに包まれて三人と一匹は心地よい眠りについた。 ――パオーーーーーー!!! 「あっちで声がしました!」 「ちっ、木が多くて飛んでも見えん!」 「走ります!」 竜が茂みを飛び越え鹿のように駆け抜ける。フェリックスも翼をはばたかせて木々を避け飛んだ。 獣の匂いがする。近い。 草を蹴る音に気を取られないように耳を澄ます。一頭じゃない……? マンモスの茶色い毛は木の幹の色に近い。 だから慎重に動く影を見極めなければならなかった。 しかし相手は大型の獣だ。それなりのスペースのあるところにいるはずである。 ――ガサッ 森が開けた――! 「ってわあああ」 「バカ者がっ!」 そのままマンモスの目の前に転がりでてしまった竜をフェリックスが抱えて回収する。 ――パオーーーーーー!!! マンモスが遅れてこちらに気づいた。 「子連れ!?」 「降ろすぞ! おい合図の炎を打て!」 「ら、らじゃ!」 竜が森の木々の上まで火球を打ちあげる。ムクを抱えたゼロがそれを目当てに森を駆けた。 「で、でも子連れを狩るのはやめません? やっぱり可哀相なような」 「おいおい弱肉強食だろ? せっかく見つけたんだ、狩るぞ」 「狩りで取るのは基本的に大人の獣だけでしょう? 子供を狩ったら増えなくなっちゃうからー」 「じゃあ大人のだけ狩ればいいだろう」 「いやいやえーっと、えーーーちょっと待って下さいよう!」 竜は魔法を放とうとするフェリックスとマンモスの間に入った。 「他の獲物を探しましょうよ!」 「さっさと狩って帰るぞ!」 「わー何故か親分とドラゴンさんがケンカしてるダス~」 「ケンカはダメなのですー」 森を抜けたゼロとムクが二人の姿を確認して慌てる。 ――パオーーーーーー!!! 「コラッ、危ない!」 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 『!?』 突然地響きとともに激しい揺れが当たりを襲った。宙を飛んでいるフェリックスにもビリビリとした振動が伝わるほどだ。 「はわわわわ」 コロコロとゼロとムクが地面を転がる。 「うわわわわわ!!」 竜も転げそうになったところで、 ――パオー! ひょいっと、子マンモスが竜を鼻で掴みあげ背中に上げる。竜は無我夢中で背中の毛を掴み揺れが収まるのを根気強く待った。 すっと、親マンモスが子マンモスに寄りそい、バランスを取るのを助ける。 フェリックスがゼロとムクの首根っこを捕まえ何とか空中に浮かぶ。 ――ゴゴゴ…… とても長い時間が過ぎたように思えた。 しばらくシンとした静けさの中、誰も動かなかった。 動けなかった。 「もう大丈夫なのです!」 ゼロがピッと指を立てると、皆の体からどっと力が抜けた。 「きゃうっ」 「ダス~」 ゼロとムクは地面に落ちて転がり、マンモス達もゆっくりと膝を折った。 「わー助けてくれたんですね! ありがとうありがとう!!」 竜がマンモスの首根っこに抱くのを見てフェリックスもフゥと息を吐く。 「何だったんだ今のは」 「ゼロはわかったのです!」 もう一度ピッと指を立てるとゼロは服を払って立ちあがった。 「なぅです!」 ゼロはそう前置いたが誰も意味がわからなかった。 「世界は蛇に囲まれています。そしてその上に亀が載っていて、その上にさらにマンモスさんが載っていて大地を支えているのです。マンモスさんが滑ると今の様に地面が揺れるのです。マンモスさんを見ていてピンと来たのです」 「おい! 全然わからないぞ!」 「でも真理なのです。真理はよくわからないものなのです」 「ねぇ、何か近づいて来ますよ! 流れ星?? にしては連なっているような」 「綺麗ダスな~」 「なんだ、魔法的な何かか??」 「ロストレイルなのです!」 『ロストレイル!?』 「もう皆さんは真理に辿り着いてしまったのです。ほら、ここにパスがあるのです」 ゼロがすっと枕カバーの隙間から四角いものを取り出した。 「あ、コレ!?」 竜がいつの間にか手の中にあった、ツヤツヤした物体に驚いて声を上げる。 「むっ」 「親分も持ってるダスなぁ」 フェリックスの手の中にも同じものがいつの間にか現れている。 「さぁ冒険の旅にでかけるのです! 私たちの冒険はこれからなのです!」 見たことも無い巨大で長い塊が三人の近くへ滑り込んでくる。 『ロストレイル1号特別運行便、まもなく発車いたします。御乗りの方はお急ぎ下さい』 「全然良く分からないけど、行きましょう!!」 「ふむ。わからないならわかるようになるまで行くまでだ!!」 「行きましょう!!」 「行くダスよ~」 三人と一匹は新たな世界に飛びだした。 彼らの冒険は始まったばかり……!! 「……お腹すいたのネ」 (おしまい)
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