オープニング

 インヤンガイに落ちた世界計の欠片を脳に所持した状態で保護されたキサ・アデルは力のコントロールが出来ると司書から判断されて再帰属が決定した。

 ロストレイルが地下にある駅に到着し、地上にあがると太陽の眩しい日差しが出迎える。
「キサは、インヤンガイに帰りたい」
 駅から一歩出てキサは目を眇める。
「キサは、待ってる人がいる」
 一歩、また進んでキサは呟く。
「……けど私は」
 キサは護衛であるロストナンバーたちの和やかな笑顔や呼びかけに突如足を止め、逆方向に走り出した。
 誰も彼女を止めることは出来なかった。

 どこをどう走ったのかは覚えていない。建物の密集した路地のなかで息を乱したキサは立ち尽くし、胸の上に光る小さな鍵のついたアクセサリーを握りしめた。
「私は、まだ消えたくない。みんなといたい。私は……私は、私は……私は、……!」

 ――見つけ、タ
 不気味な囁きがキサを飲み込んだ。


 彼女を探して、ようやく追いついたロストナンバーが見たのは昏い路地に佇む少女だった。その瞳は妖しく輝き、口元ににっと笑みを浮かぶ。
「すばらシい、これほどノ力とは! ワタシの所有する記録、すべてヲ使っテ、今度こそ! 星を手に入れヨウ、イヴ! 今度こそ、星にだって手が届ク! 死者だって蘇ル、この落ちてきた星の知識と力を使っテ!」
 めきぃと音をたてて少女の内側から出現したのは薄い紫色の化け物――チャイ=ブレ? と誰かが囁くが、こんなところにそんな化け物がいるはずがない。
 だが、少女は完全に蚕じみた化け物に飲み込まれ、その姿は見えなくなっていた。
 化け物は嘲笑う。それに合わせて空気は響き、割れ、何かが、

 ――さぁ、死者の門を開キましょウ?

★ ☆ ★

 緊急事態としてロストナンバーを集めた世界司書は深刻な顔で語った。
「理由は不明だが再帰属するはずだったキサはインヤンガイにつくなり、逃亡した。その結果、インヤンガイのネット上で記憶を食べると言われるチャイ=ブレに似た化け物に捕まり、利用されている」

 インヤンガイでたびたび起こった神隠し事件に関わっているチャイ=ブレに似た化け物は記憶を食らう。
それは過去世界樹旅団がインヤンガイに放ったワームのデータを元に強欲な一部のインヤンガイの者たちが術と霊力によって作った劣化コピーだと推測されている。
 その飼い主であるイヴという少女は大切な人を失って、死者を蘇らせようとした。
霊力をエネルギーとするインヤンガイのサイバーシステムには悪霊が入り込むことからヒントを得て、魂のソフトウェア化を企んだのだ。
しかし、それは失敗した。
 飼い主であるイヴを亡くした化け物はたった一匹で暴走をはじめた。
 己の持つ記憶を正しく使うことのできる世界計の欠片を所有するキサを襲った。
 キサの所有する欠片は力を与え、吸収し、生み出すこと。

「化け物はキサの欠片から知識と力を得て、自分の所有する死者のデータ……インヤンガイに死者を復活させた。これはすぐに鎮圧する必要がある」

☆ ★ ☆


「……ホワロが居た」
 ビルとビルの隙間。
 姿を能力で消しての索敵から待機している他のロストナンバーの元に戻り、元旅団員・現図書館のツーリストであるサキはそう報告した。
「リストの51番目。刺青まみれの男で、その刺青を具現化できる。あと、墨を入れた相手から黒い色を奪う代わりにある程度の望みを叶えることが出来る……と言われている。強力過ぎて墨を入れた相手が死んじまうんで旅団内では使われてなかったけどな」
 まさか図書館での最初の仕事で元身内を売ることになるとは……サキはしみじみと自分の人生にため息をついた。
 見つけた相手は自分よりずっと上層のヤツで、大した思い入れも無く結構だったが。インヤンガイで死んだ旅団員はホワロだけでは無い。
 他の知った顔に会った時、どうしたものか。サキは考えたくも無かった。
 図書館も悪意があってこんな気分の悪い仕事を回して来たわけではない。それだけ事態に危機感を持っているということだ。
――世界計の欠片が関わっている。
「ホワロと一緒に、もう一人、チャイナドレスを着た女が居た。髪が白い。恐らくホワロが墨を使ったのだと思う。旅団では見ない顔だった」



「そぉれ、逃げろ逃げろぉ、カトリア様のお通りよぉん!!」
 インヤンガイのショッピング街の真ん中で。長身の女性が鞭を振り回しながら歩いている。
 逃げ惑う男の足を鞭で絡め取っては、一人ひとり顔を見分。「好みじゃなぁい!」と言っては一振りで男を投げ飛ばし、ショーウィンドウにめりこませた。
 割れたガラスに複数映った自らの姿にウフッと笑う。
「美人! はぁあ、生き返ったかと思ったら女になれちゃうとか、超ラッキィー! ホワロ、アンタ最高じゃぁん!」
 手を合わせてクネリとポーズを作ったカトリアに、ホワロはけらけらと笑いかけた。
「その代わり多分また死ぬけどぉ。まー楽しそうで良いね。生き急いでるなー」
「花の命は短いのよぉー。長生きしたいならさっさと行きなさいよ、ボスは破壊がお好みみたいだけど、別にアタシに付き合う必要はないんだからさぁー」
「うーん、死んでる間にちょっと興味深いことが起きたみたいだから、もう少し図書館の連中が出てくるのを待ってみるよ」
「花に寄って来る虫を待つのねぇ。色気MAXで頑張っちゃうわよぉ!」
 また一人、鞭に跳ね飛ばされ鮮血が道に飛んだ。
「……虫か……」
 ホワロは空気の匂いを嗅ぐように顔を上にあげた。



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!お願い!
イベントシナリオ群『星屑の祈り』は同じ時系列の出来事となります。同一のキャラクターでの、複数のシナリオへのエントリーはご遠慮下さい。抽選後のご参加については、重複しなければ問題ありません。
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品目シナリオ 管理番号2915
クリエイター灰色 冬々(wsre8586)
クリエイターコメントこんにちわー灰色冬々です。
北野東眞WRよりキャラクタをお借りしての、イベント参加です。

インヤンガイのショッピング街で、ホワロとカトリアが暴れています。
二人の詳細については各PCが図書館より配布されている手持ちの資料(過去のシナリオ)に載っているはずなので、検索をして対処に役立てていただければ幸いです。
放っておくと危険なので、二人の処分もしくは無力化を目指してください。

登録NPCである元旅団員のアサシン、サキ君を補助につけました。
図書館での初仕事で若干躊躇はありますが、指示があればある程度戦力にはなるはずです。

それでは、よろしくお願いいたします。

参加者
ヴァージニア・劉(csfr8065)ツーリスト 男 25歳 ギャング
ルン(cxrf9613)ツーリスト 女 20歳 バーバリアンの狩人
星川 征秀(cfpv1452)ツーリスト 男 22歳 戦士/探偵
オゾ・ウトウ(crce4304)ツーリスト 男 27歳 元メンテナンス作業員

ノベル

「サキ!!」
「うぐぁっ!? ル、ルン??」
 二人の敵を迎撃するために組まれた部隊と合流したサキを迎えたのは、ルンによる熱烈なフライングボディアタック&ハグだった。
 彼女はコロッセオでトレーニングや模擬戦もする仲だ。バーバリアンの狩人である彼女はとても強い。そして……とても無邪気だ。
「仕事中に女性と抱き合うとは、良い身分じゃないか」
「星川先輩……!」
 傍らで星川 征秀がクールな仕草で眼鏡を上げた。こちらはバイト先であるホストクラブ『色男たちの挽歌』の先輩。こういった作戦行動をともにするのは初めてだが、普段から身のこなしは隙が無く恐らく戦闘もかなりの腕が……。
「随分ファンシーな武器をお持ちで……ゴホッ」
 ルンに抱きつかれたまま身動きの取れないサキの腹を、征秀の持った星杖が真っすぐ抉った。
「ここは店じゃない。先輩扱いは無用だ」
「サキ! 大丈夫か? こういうときはいたいのいたいのとんでけー!」
「グアッ」
 元気に振り上げられたルンの手が今度はヴァージニア・劉の顔面に直撃する。
 劉は顔を抑えたままヨロヨロとしゃがみこんだ。
「わー劉もいるじゃんチーッス」
「チーッスじゃねえよ、ちょーうぜー……」
 派手な柄シャツに胸元から覗く蜘蛛のタトゥー。どう見ても堅気では無い姿で、口も悪いが、サキにとっては数少ない友人……と呼べる相手の一人だ。
「大丈夫ですか? このくらいなら僕が治療を……」
 大槌を持った無骨な顔立ちの男がすっと劉の顔に手をかざす。しばし間を開けてサキの腹の前にも同じように手を翳した。
 サキは腹の鈍い痛みがじんわりと引いて行くのを感じる。
「治癒能力か! すげぇなあんた。助かるわ、はじめましてだな、名前は?」
「オゾ・ウトウと申します。僕の能力は感情の力への変換です。きちんと治ったなら彼女の治したいって気持ちの強さのおかげです」
 オゾはそう言うとゆっくりと頭の後ろを掻いた。
「ルンのおかげ! サキ良かったな!!」
 尚もグイグイと首を絞めるように抱きつくルンを、サキは何とか剥がそうと頭を抑えた。しかし腕力で劣るサキはどうしても彼女を引きはがすことが出来ない。
「そうだ、サキ、おめでとう! 番ったと聞いた! ソ、ソソ……ソラ?」
「ハァ!? 番った!? ちょ、ルンちが」
「すまん、違った? ソ、ソア、ソラ……ソアラ?」
「「ソア」」
「そうだ。ソアと番ったと、聞いた! めでたい! お祝い!」
 そう言うとルンは熱烈なキスをサキの頬にお見舞いした。
「おい! お前らか、ルンに変なこと教えたの!!」
 サキがギロリと睨んだ先では、征秀と劉が小さくVサインをしていた。
「恋人ですか? おめでとうございます」
「違ぇって!!」
 静かに頷きながら祝いを述べたオゾを慌てて否定する。
 ルンはサキに抱きついたまま鼻をひくつかせてから、キョロキョロと空気の匂いを嗅いでから劉に真っすぐ視線を合わせたかと思うと快活に言った。
「ルンは、ルン。サキ、友達。お前たち……同じ匂いがする。お前たち、番い? お前がソア??」
「ゴホッ」
 劉は咥えた煙草に思い切り咽た。
「ルン、そいつは劉。で、そっちが星川 征秀……先輩」
「で、オゾがオゾ! さっき覚えた! よろしくな!」
 ルンが手を差し出すと、オゾも遠慮がちに彼女の手を握った。
「征秀は……サキの、先輩? 強い? なら今度、手合せしよう! コロッセオ!」
「ご期待に添えなくて残念だが、女性を傷付けるのは主義に反する」
 征秀の言葉にルンは一瞬キョトンと目と口を大きく開いた。そして何度か首を捻ったが、合点が言ったらしく笑顔で大きく頷いた。
「残念!」
「あの、そろそろ……」
 オゾが控えめな声で口を挟んだ。彼が大槌を握る手は会った時からずっと小さく震えている。焦り、不安、恐怖……大きな体と武器に似合わぬ戦いに慣れぬ雰囲気。
「あんたビビってんの?」
 劉が煙草の煙を吐き出しながらストレートに言葉を投げた。
「怖いです……報告書を読めば読むほど怖いんですけど。
 でも、僕に出来ることがあるなら。皆さんの足を引っ張らないよう、頑張ります」
 俯き加減で引絞るように言われた言葉は深く強かった。
「キサちゃんが気がかりなんです。あの子をだっこしたのは、こんな風に終わってしまうためじゃなかった」
「死者の復活……イヴの望み……。いや」
 征秀が考えを振り払うように頭を振った。
「とりあえず、逃げ遅れた奴らを引き離すこったな。邪魔なだけだし。ホワロん方はアレ、サキが言った通り旅団の奴だろ、で女の方はまだ何モンだか候補が絞り切れてねえ……。時間稼いでる間に分析頼むぜ。サキ、お前は行けるか?」
 劉は煙草をすりつぶすとトントンと軽く身を弾ませて言った。
「うい」
 ルンは肩を押されて素直に離れた、しかし眉を寄せてからサキの両肩をガシリと掴むとコツリと額を合わす。
「どうした、サキ。哀しい?」
「哀しい?」
「なんだ、サキ、この任務に抵抗があるのか?」
 征秀が気づかう様に声をかけた。劉が、あー、と言いながら髪をグシャリと掻いた。
「……まぁ気持ち良い仕事じゃあねぇわな、俺も経験あるが仲間を追うのも追われるのも気分悪ィ。殺りたくねーなら引っ込んでてもいいんだぜ」
「いや、いやいや、そんなもんじゃねーよ。面識ってほどの面識もねぇし……」
「サキさんは元旅団の方でしたね、その、僕の力で仲間から戦意を移して差し上げることはできます……とは言っても気が重いのは変わりないですよね」
「や、十分だって,
余計な気ぃ使うなよ!」
 慌てて反論するサキを見つめると、ルンがもう一度、今度は勢いを付けて頭突きを叩きこんだ。
「それでも! それは、友だち。頑張らなくていいぞ、サキ。大丈夫、ルンや番い……劉と先輩が、頑張る。哀しいも、躊躇うも、当然。無理はしない、それでいい。戻ったら、ソアにハグ。甘えて、甘えさせる。番いは、そのためにいる」
「ハグとか! しねぇし!!」
 顔を真っ赤にしてサキはルンを引きはがすと、歩きだし劉の胸の蜘蛛を左手の甲で軽く叩いた。
「ホラ、行くぞ、劉。あとオゾさん、ちっとまぁ隠密行動が得意な方……には見えないが、力を貸してくれ。あんたの能力は色々使えそうだし、もう少し詳しくできること教えておいてくれよ」
「はい。よろしくお願いいたします」
 本部にしていたビルの屋上の縁で劉が腕を振り鋼糸を繰り出す。インヤンガイの鈍い空の下で蜘蛛の巣が道を作っていく。蜘蛛は自分の巣にはかからない。
 劉は迷いなくビルの縁から飛び降りるとその見えない道の上を跳んでいく。
「オゾさんは自分の恐怖心は消せるわけ?」
 サキが申し訳なさそうな顔でオゾの腰を抱えると、劉の後を迷わず跳び下り着いていく。
 征秀が凄く嫌そうな顔でその様子を見てため息をついた。
「先輩はルンと、だな!」
 ヨイショっと、ルンは征秀を軽々と担ぎあげると劉達より高く、隣のビルの屋上を目掛けて跳んだ。
 綺麗な着地、そしてさらにビルの上を駆け抜けると次のビルへと跳ぶ。
 征秀は眼鏡を抑えるのが精いっぱいだった。
「女性には抱かれるより、抱く方が好みなんだが」
「ハハハ、残念ばっかだ!」
 ルンは息も切らさずに快活に笑った。



☆ ★ ☆



「そっちの道は塞いどけ、あとパチ屋から玉取ってくるぞ、まぁ無いよりマシだろうよ」
 劉、オゾ、サキの三人はホワロとカトリアが進む道を先回りし工作を始めた。
 オゾが槌を振り抜き喫茶店のオープンテラスを吹き飛ばし道を塞ぐと、近くを必死の形相で逃げていた買い物客の一人がヒッという声とともに腰を抜かす。
 しかしオゾは落ちついた動作でゆっくりと客に近づき、その体に触れた。
「大丈夫です。私たちは敵ではありません、あちらに逃げて下さい」
 恐怖に染まっていた顔が目に見えて落ちついていくのがわかる。手を引かれ立ち上がった客は力強く頷くとしっかりとした足取りで誘導された道を駆けていった。
「人助けとか向いた面じゃねぇよな、俺たち」
「良い顔した奴置いてきちまったじゃねーか」
「オゾ様頼り?」
「さまさまだなー」
 パチンコ玉のケースを担いで、劉とサキがそんな言葉を掛け合う。
 怪我人や恐怖に竦む人々への応急処置から大槌による誘導路の作成まで、オゾの能力は素晴らしい活躍を見せた。
 朗らかとは言い難いオゾの顔も劉とサキと比べれば全然マシである。
 何となくその事実が気に入らず、余計目が鋭くなる二人の横をまた他の客が怯えた顔で駆け抜けていった。
「ホイホイ、そこの癒し系さんは玉ぁ持って。劉、先行しろ、俺ぶっちゃけ全然お前の糸見えてねぇかんな、余計なとこに張るなよ」
「はぁ? だりーな、どうやって着いて来てたんだよ」
「お前と同じとこ歩けばいいんだろうが、蜘蛛が歩く糸には虫はかかんねぇだろ」
「ぞっとしねぇ理屈で」
 劉がまた宙に糸を張り空を駆けだす。オゾを担いだサキは少しも送れず後ろを着いていった。
「なあサキ、本当に良いんだな? 逃げ隠れしても責めねーよ、誰も」
「うん? んな心配しなくて大丈夫だぜ? 一度死んでから生き返るとか考えたくもねぇけど……」
 しかもホワロが死んだ頃の旅団はもう無いと言って過言ではない。サキは旅団に居た頃の自分を思い出すと寒気がする。恐らくホワロには目的が無い……先の偵察の際にもホワロと共に居た女からは明確な戦意を感じたが、ホワロ自身は特に破壊活動を行っていたわけではない。探るような目をしていた。
 思い出し微かに胸につっかかりを覚えると同時に、背中のオゾから温かな熱のようなものを感じる。
「戦う気があるなら背中は任せる。頼んだぜ、相棒」
 前を行く劉が振りむきもせずにそう言った。サキはニヤリと口元を上げる。
 先ほどルンの気持ちが傷を癒したのと同じように、この温かさは劉の気持ちから変換されたものなのだろう。
「……こそばゆいな、こーゆーのって。あの頃は……スラムにいた頃は背中を預け合える仲間なんていなかったが、今はサキと星川がいる。修羅場だってのに何浮かれてるんだろうな、俺」
 チッと言う小さな舌打ちまで聞こえたが、劉の耳が微かに赤くなっているのを見れば悪い気はしない。
「お前が浮かれると俺まで浮かれちまうだろぉが。オゾ様はお前の気持ち何かお見通しで俺に伝えてくれんだかんなぁ!」
「そういう能力じゃないんですけどね……」
 オゾがサキの耳にだけ聞こえるくらいの小さな声で囁く。
「デケェ声出すなバカが、もう少しで遭遇すっぞ先にギアで足止めすっから上で待ってろ、玉は引きながら撒くぞ」
「了解」
「了解です」
 オゾとサキは歪に歪むビルの中程に降り立つ。劉はそのまま自らの作る蜘蛛の巣を辿り先行した。
――パァン!
 カトリアの打つ鞭の音が響く。
「なーんか、いまっひとつ良い男が居ないわねぇ。みんな縮こまっちゃってつっまんないわぁー」
「縮こまらしてるのはアンタだろ」
「まぁそうねー」
 自慢するように胸を張り、ゆったりと腰を振りながらカトリアが歩く。ホワロは鞭による破壊の流れ弾に当たらないようにカトリアの真後ろを少し離れて歩いた。
「ん?」
 ふと、振り上げた鞭にかかる筈の無い力がかかるのを感じ、カトリアが上を向いた。
 鞭は宙で折れるように留っている。
 その先に、派手な服の男が居た。
「あっら? ヒーローの登場かしらぁ? 随分ガラが悪いカンジだけど」
「うっせーよ。警告しとく。この先には糸が張り巡らせてある。すぱっと体が斬れる極細不可視の死の糸だ。死にたくなけりゃ、ホイホイ進んでこねーこったな」
「ふーん?」
 カトリアは鋼糸に絡んだ鞭を器用に引き抜き、今度は自分の前方に鞭を繰り出す。
 鞭は宙に放った時と同じように、糸に絡んで折れ曲がった。
「これはちょっと面倒なんじゃなぁい? ホワロ、何か出来無いの?」
「あー、切れっかな? 黒虎!」
 ホワロの腕から影のように黒い虎が跳び出し、鞭の周囲の糸を切り裂いていく。
 しかし、虎はなかなか全ての糸を切れないようで、鞭はだらしなく宙に浮いたままになった。黒虎はじゃれるように宙を爪で掻いている。
「っは、だせー、猫ちゃんかよ」
「ははっ確かにちょっとダサいかな」
「っもー、やっぱこういうのはアタシに任しとけばいいんじゃない? 良いのよホワロ、もっとちょうだい?」
 カトリアがうっとりとした表情でホワロに手を差し出した。
「へぇ、本当にいいの?」
「いいの」
 ホワロがカトリアの手を取り離したとき、黒い文字がカトリアの手に残ったのを劉は微かに見た。
――ビッ!!!
 カトリアが右手に持った鞭を強く跳ねあげた時、宙に張られた糸とともに、近くに居た黒虎までもが塵となって霧散した。劉は後ろに跳び、鞭の射程から慌てて外れる。
「ふふん、まさかアンタ一人じゃないんでしょう? アンタはアタシん好みじゃないからさぁ、さっさと仲間でも呼びなさいよぉ、糸何かじゃアタシの鞭は防げないわよぉ?」
「ちっ、まぁオレの武器は糸だけじゃあねーけどな」
 劉がタランチュラの意匠の彫られたライターを取り出す。カチンッと澄んだ音とともに蓋が弾かれ火が揺らめく。
 ふっ
 と、劉が息を吹きかけると炎が大きく踊り出し、カトリアとホワロを炙る。
「あっつ」
「御守!」
 カトリアを庇うように前に出たホワロが腕から黒馬を呼び出す。馬の巨体は二人の前で炎を遮り燃え尽きた。


「火…!!」
「? どうした、オゾ」
「……はっ……うっ……」
 劉が放った炎を見た途端、顔を恐怖に歪ませたオゾを見て、サキはうろたえた。
「アンタ、火が苦手なのか??」
「……っ!!」
 顔を青くして呼吸も浅く、パクパクと動く口も言葉になっていない。
――まずったな。
「おぉぉぉい! 劉!! 緊急事態だ! 一時撤退ぃ!!!!」
 サキは傍らに積んであったパチンコ玉の箱を蹴り倒しながら、声の限りに叫んだ。



☆ ★ ☆



「キミは随分サキのことを気に言ってるようだが、キミが番いになる気はなかったのか?」
 遮蔽物が多めの屋上を選び、ルンと征秀は身を隠した。
 ルンが微かな空気の流れを感じ取り、敵からは風下になるように位置を取る。
 インヤンガイの中では比較的清潔感のあるショッピング街ではあるが、それでもところどころに空気が淀み溜まる場所がある。ルンは時々空気の匂いを嗅いでは変な顔をしていた。
「ルンは、死人。番いにならない、いない。ルンは死んだ。神さまの役に立つ、神さまのために獲物を狩る、そのために居る」
「よく事情はわからないが、サキは最初から眼中に無いってわけか」
「?」
 征秀はきょとんとした顔のルンを見てフッと微笑んで見せた。
「世界計の欠片は死者を蘇らせた。キミも生き返ることができるかも」
 もともとイヴという少女が大事な人を生き返らせる為に努力していたのだ、結局イヴは願いを叶える前に征秀にデータの欠片を残して消えた。
 それがいとも容易く……世界計の力が望まれても居ないものを呼びもどしてしまった。
 イヴはあんなに望んでいたのに。そして最後は、征秀に壊滅する施設から逃げるようにそっと促してくれた。優しい子だった。
「ルンは、神さまの役に立つ。今は、それだけ」
 真っすぐな目をしたままルンはもう一度そう言う。
 迷いの無い瞳が、征秀の胸の痛みをふんわりとやわらげた。
 ふと、ルンがまた空気の匂いをクンクンと嗅ぎ出す。まだ敵はギリギリ視認できるくらいの距離。先行する劉達が慎重に「巣」を張る位置を決めるのが見えた。
「何だ、あれ? 男と女の匂い、交じってる」
「どういうことだ?」
「鞭の……女?? 男の匂いもする」
「キミは目がいいんだったな。ホワロの入れた墨はどこかに見えるか?」
「ちょっと待て」
 ルンがビルの影から大胆に身を乗り出し手で目に庇を作りながら目を細めた。
「先輩、手を出せ、多分こんな形、読める?」
 征秀が差し出した手の平にルンがするすると文字を書く。

『女』

「あの鞭使いは男なのか」
「じゃあ征秀も戦りやすいな!」
「そうだな」
 征秀は報告書からピックアップされていた鞭使いの名前を思いだす。
「カトリア。インヤンガイの……」
「サキの仲間でも無いな! 安心!」
「資料より攻撃力も強化されているようだが、鞭は攻撃が大ぶりだしもっと遠距離から狙うか、もしくは懐に入ってしまえば何とかなるだろう。ホワロにはあまり近づかないほうが良いと思うが……劉のギアの炎で刺青の具現化は焼きつくすことができる。さほど難しい戦いではなさそうだな」
 ぴょこっとまたルンが前方の様子を伺う。
「劉が先に対峙した。劉の糸は……カトリアに破られてる。でもホワロの刺青、劉が燃やしてる! 先輩の言う通り」
 しかしそこに、焦ったサキの叫びが聞こえてきた。
「!? どうした、撤退??」
 征秀が慌てて遮蔽物の影から顔を出す。ルンはぴょんとフェンスの上に飛び乗り、弓をつがえた。
「オゾの様子がおかしい。 それにホワロ、サキ見た。ルンも撃つ、撃ったら下がる!」
 ルンの腕の筋肉がしなり弓がギリギリと引き絞られていく。征秀は迷った。撃てばこちらの存在も敵に知れる。ルンは今回の攻撃で敵が倒れるとは思っていないらしい。ではこの後どう動く? 劉達との合流を諦め敵の陽動に徹するか、それとも合流して敵を待ち伏せるか……オゾの様子も気になるし、ホワロはサキを迷わず追うかもしれない。
 一撃目の狙いを定めてからの射撃は早かった。
 次々と背の矢筒から矢を取り出し、ほんの少しずつ狙いをずらしながら連続で矢を放っていく。数百メートル離れた地点から弓はほとんど弧を描くこともなく真っ直ぐと敵に吸い込まれていく。
 10発程放ってから、矢が相手に届くのも見届けずに、ルンがフェンスから飛び降りて征秀を強引に抱えあげた。
 慌ててバランスを取りながらも征秀が叫ぶ。
「合流しよう!」
「了解、先輩!!」
 ルンが跳ぶ。




「うわぁ、びびった。すんげー矢ぁ飛んで来たんですけど。うえー、見えた?」
「んー、矢ぁ放って来たのはライオンみたいな女だったけど、その影にねぇ……すっごい色おとこぉ☆」
 黒い馬の巨体がずしんと倒れたかと思うと、さらさらと形を崩していく。残ったのは鮮やかな羽のついた複数の矢。
 敵が突然撤退を始めたかと思ったら飛んで来た矢に、ホワロは肝を冷やした。
「その前に見えたのが2人? 全部で5人かぁ。しかも一人は旅団で見たことあったな」
 ホワロはハァッと息を吐くと伸びをした。
「どーせ殺されちゃうんだなーって気がしてきたぁ、アッハ」
「いやぁ、死ぬ時はサッパリ逝きたいわぁ、ったく最悪な思い出だからね。無いアレがヒュンヒュンすんわぁー」
「いざとなったら介錯して欲しい?」
「やーいいわよ、ここまで来たら、いくとこまでいってみせっから、ホワロも後悔無いように生きなさいよね」
「カッコイイねぇー」
 二人はゆっくりと道を進みだす。



☆ ★ ☆



「……すみませんでした」
 落ちつきを取り戻したオゾが頭を下げると、ルンがバシバシとその背中を叩いた。
「大丈夫! もう怖くないぞ!」
「サキさんは大丈夫でしょうか……、近くに居ないと僕の能力が届きません」
「サキ、劉と行きたいって言ってた。先輩もいるから大丈夫」
「……カトリアさんはかなりホワロさんの能力で強化されていると聞きました。僕が前に出て彼女の力を少しでも下げられるようの努力しますので、ルンさんはその後攻撃してください」
「オゾ、痛いか?」
 ルンは弓を後ろ手に持ちながらオゾの目を覗きこむ。オゾは眉尻を下げて言った。
「僕は痛みに鈍いんです。多分、ルンさんが同じことをするより痛くないです」
「オゾは大きい動物に似てる。大きい動物は足を刺されても、痛みで動きを止めたりしない。強い。ルン、尊敬する」
「……ありがとうございます」



「良い男到達……っ! クッソ、ケツ痛いし、髪も乱れてて申し訳ないんだけど、アタシ、カトリアっていうの、よろしくねぇ、とりあえずパチンコ玉バラ撒いたクソ男ども面貸せヤァ!!」
 バラ撒いたパチンコ玉は単純ながら効果的だったらしく、征秀・劉・サキの3人に対峙したカトリアはちょっとボロボロしていた。
「鞭で……散弾の様に飛び散るパチンコ玉が……」
 ホワロも少しブツブツ言っていた。
 劉が前に出るとシャツの前をはだけて胸の刺青を晒す。
「よう、三流彫り師のホワロさんよ。オレもちょっと墨には煩い方でな。
 これが本物のプロの作品だ。まるで生きて動いてるようだろ? てめえのようなハッタリたあワケが違う。
 しっかり目に焼き付けろ」
 ホワロは酷く嫌そうに眉を寄せた。
「ハァァ? ここまできて挑発ぅ?? っつか、もう二人何処いった、あーもういいや、っつかホラそこのさぁー名前覚えて無いけど赤髪の! テメェ旅団員だろが、何でそっち側いんだ。 おい、ストレートに聞くぞ。俺が死んでる間に旅団はどうなった」
「もうどことも戦ってねえよ。大抵の旅団員はナラゴニアか図書館で生活してる。他は死んだか消えたかだ」
 サキの答えにホワロが息を吐く。
「気兼ね無くて良いって思えなくもないか? ふーん、まぁうっすらと聞いてはいたけどね……
 んー、じゃあまぁそうね、そこのチンピラ君の自慢の墨を頂こうか? 心配しなくても肉ごと抉ってあげっからさぁ、赤いのもキッチリボコってやっから、さっさと終わらせようぜ」
 ホワロが口元を上げてサキを目掛けて駆けて来る。
「ちょっと、ホワロ、早すぎ!」
 カトリアが慌てて後ろから踏み出して、ホワロの進行方向を鞭で薙いだ。キラキラと劉の仕掛けた鋼糸が切り散らされるが、その切れ端がホワロの伸ばした腕に細かい傷をつけていく。
 あまりの躊躇の無いスピードにサキは不意をつかれたまま、血まみれの腕に首を掴まれる。
「お前姿消せる奴だろ? お前は黒くないから取るもんはねぇが……ちゃんとマーキングしてやっからな??」
「サキ!!」
 征秀が魔力を宿した星杖でホワロの伸ばした腕を下から薙いだ。一瞬早くサキを突くように離したホワロは後ろに跳んで数歩下がる。
 べっとりと血のついたサキの首には『印』の文字が刻まれている。
「サキ! 油断すんな! バカ!!」
 ケホケホと軽く咳をしたサキが劉の言葉に「おぅ」と小さく呟く。
「……いや、いいんじゃねぇの、血の匂いとかしたほうが気持ちが盛り上がるしな。こういうほうがさあ、向いてるじゃんなーやっぱさぁ」
 サキがニヤニヤと笑いながらナイフベルトからナイフを抜きだす。
「ホラホラァ、糸は使わせ無いわよぉ! バンッバン切り裂いちゃうんだからね!!」
 今度はカトリアの鞭が劉に迫る。
「劉! 下がる!!」
 ビルの上からオゾを肩に担ぎあげたルンが降って来た。
 鞭はそのままオゾが構えた大槌に絡みつく。オゾは鞭を引かれる力によろけるようにルンから落ちるが、そのまま顔を歪めながらカトリアに突進していく。
「ちょ、ちょっとぉ!!」
 大槌ごと突進され、カトリアは慌てて下がりながらもそのまま道に転がった。
「好みじゃない男に押し倒されるとか屈辱!!」
「ぐっ」
 カトリアのピンヒールがオゾの腹に突き刺さる。
「オゾ!!」
 駆けて来たルンがオゾを掴みあげ、駆け抜けていく。少しずつ、カトリアとホワロの距離が開いていった。
「アタシの相手はこっちの二人って訳ぇ?? まぁいいけど」
 オゾを降ろしたルンへ向かって鞭が蛇のように伸びた。ルンは大弓を振るって鞭を弾く。
「うん、弾ける! オゾ、凄い!!」
「カトリアさんの攻撃力を下げると同時に、ルンさんの力も高めています。あの、申し訳ないですが、あまり離れないでください。って、うわっ」
「うーん」
 カトリアの鞭を弾いている間は攻撃が出来ない。そして、弓を素早くつがえてもその間にオゾが狙われてしまう。ルンはオゾをひょいひょいと担ぎあげ転がし引き寄せしながら、攻撃のタイミングを狙っていたが、合間を縫って放った矢もカトリアにかわされてしまう。
 攻撃が一進一退になり、ルンは悩んだ。
 そして次の瞬間、オゾの服の背中を掴むと、鮮やかなフォームでアンダースローした。
 ギアを掴んだまま困惑した顔のオゾが吹っ飛んで行く。
「ハァ!?」
 驚きながらも鞭を振るおうと腕を上げたカトリアの胸を、オゾより先に到達した矢が貫く。
 目を見開いたカトリアの体をオゾが吹き飛ばす前に、もう一撃。
 トスリ、と、
 カトリアの額を矢が貫く。
 カトリアは何かを考える間も無く、痛みも無く、2度目の死を迎えた。



「一度死んだ反省としてさ、ちゃんとそれなりの力は貯めてから来たんだ。自慢の龍なんだけど、どうかな蜘蛛ちゃんよりカッコいいと思うけど」
 ホワロの周りにはトグロを撒くように巨大な黒龍が出現していた。それから黒虎が2匹唸り声を上げながらゆっくりと姿勢を低く構えている。
「バッカ、全然劉の方がカッコイイっつの!!」
 血と砂で汚れたサキがナイフを逆手に持ったまま黒虎に跳びかかっていった。
 目をギラギラと輝かせたサキはもはやどちらが獣かわからない様子で、黒虎と取っ組み合いをしている。
「劉、サキを殴って来てもいいぞ」
 征秀はそう言うと、龍の体に星杖を突きたてる。しかし鱗は固く攻撃は弾かれた。そのまま龍の体を駆けあがり、今度は龍の目に向かって一撃。
 目を貫かれた黒龍が咆哮を上げながら周囲のビルを巻き込み体を捻る。
「くっ、御守……!!黒虎……!!」
 ホワロは呼びだした黒馬に崩れ落ちてくる瓦礫を弾かせながら、次々と腕から獣を産み出していく。
 黒龍に取っ組みあっていた黒虎ごとふっとばされたサキが劉の足元に転がって来た。
「クッソ、イッテ」
「おい、バカサキ、血迷ってんじゃねー、ちょっと手ぇ貸せコラ」
 身を起こしたばかりのサキの後頭部を劉が拳で殴った。
「ッハァ!? ちょ、イテェんですけど!!」
「星川が殴って良いっつったし」
「!?」
 サキはしばらく口をパクパクとさせていたが、我に返ったらしく「何」と口を尖らす。
「一瞬でいい。俺が巣を編むまであいつの気をひきつけられるか? 元を断たねぇとキリが無いだろ」
「じゃ、先輩んとこまで跳ぶから俺の足場、先に組めよ」
「いいけど、外したら切れるぞ」
「……信用してるし」
「ちっ」
 宙に跳びあがったサキの足元に劉が足場を編み出していく。
 他の獣の攻撃を避けつつ態勢を整えながら、龍のもう片方の目を潰そうと奮闘していた征秀の横に、サキが並ぶ。
「獣ん方は任せて下さい先輩!」
 サキは最後の糸が足元で気持ち良くしなっていくのを感じた。跳びあがってナイフを次々に投げて行く。先輩が狙ってるのと同じように目を……。
 征秀が星杖に魔力を込めていく。
 目を貫いて、そのまま頭部に魔力を撃ちこむ。
 強い光を放って、爆散。
 龍の頭部が崩れるとともに、周囲の獣たちも次々に塵となり消えていく。
 ホワロもその強い光と力に、気を取られた。
「よそ見はダメだぜ」

――ぶつっ
 と、ホワロの両腕が断ちきられ地面に落ちた。



「投降するなら命まではとらねえ」
 鋼糸で吊るしあげたホワロに劉はそう告げたが。
「別に手を煩わして貰うまでもないよ、もう死ぬから。結構痛快な相方と出会えてオレも楽しかったわ。じゃあね」
 そう言うと、ホワロは自らも黒い塵となって消えていった。


(終)

クリエイターコメント大変お待たせして申し訳ございませんでした。
【星屑の祈り】自由の花 お届けいたします。

字数ギリギリまで押しこんでたのですが、戦闘より皆でキャッキャしてるとこのが多くなってしまいましたね!
皆さんがそれぞれの出来ることをしっかり提示していただいていたし、サキの事を気遣っていただいていたので、色々と絡ませるのがとても楽しかったです。
しかし最後までどういうチーム分けでバトルに行くかを凄く悩んでおりました。
結果、オゾさんがあちこちに抱えまわられてとても大変そう……。
自分で書きながら、こんな大変なエンチャンター初めて見たな……と思いました。

いつもシナリオでは共闘・仲間意識という部分を大切にさせていただいています。
シナリオを読んで少しでも、一緒に戦えて良かった!と思っていただけましたら、とても幸いです。
ありがとうございました。
公開日時2013-10-08(火) 21:50

 

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