オープニング

 シオン・ユングがターミナルから姿を消した。
 アルバトロス館の彼の自室には、禍々しい黒い羽根が散っており、事情を知るものには、いったい何が起こったのかを彷彿とさせた。人目を避けるようにロストレイルに乗り込んだ、黒髪に黒い翼の少年を見たものもいるという。
「あぁ、オレがフライジング行きのチケットを発行した。むめっちには頼みにくかったんだろ。こんなすがたは見せたくねー、つってたから」
 図書館ホールで複数のロストナンバーから説明を求められたアドは、尻尾をひと振りした。いつもの会話用看板を使用せず、珍しくも声を発する。
「そんで、すぐにラファエルも後を追っかけたみてーだけど、帰ってくる気配もねーし、今、どういうことになってんのかはまったくわからん。むめっちの『導きの書』にはなんか浮かんでるはずなんだけどな」
 無名の司書は、司書室に閉じこもり、ずっと泣きじゃくっているらしい。
 モリーオ・ノルドが心配して様子を見にいってるのだと、ぶっきらぼうに、しかし気遣わしげに、アドは司書棟の方向を伺う。
 ……と。
 モリーオに支えられて、無名の司書が現れた。サングラスを取り去った目は泣き腫らして真っ赤だが、足取りはしっかりしている。
「すみません、皆さん。みっともないところをお見せして……」
 青ざめた唇を、司書は噛み締める。
「モフトピアに転移したラファエルさんが保護されて、始めてターミナルにいらしたとき……、同時期にシオンくんがヴェネツィアで保護されたとき、あたしの『導きの書』には、ほんの一瞬だけ、ある光景が浮かびました。どことも知れない世界で、黒い孔雀が形成した迷宮に、黒い鷺となったシオンくんが赴き、比翼迷宮を作り上げてしまうこと、そして、助けに向かったラファエルさんが、その迷宮に囚われてしまう未来が」
 すなわちそれが、現在の状況であるのだと司書は言う。
 その世界がフライジングであり、黒い孔雀と黒い鷺が形成した迷宮の場所は、霊峰ブロッケンであったことが今ならわかる、とも。
「あたし……、あたし、彼らには、笑顔でいてほしいと思って、だから『クリスタル・パレス』の運営を勧めて。いろんなお客さんが来てくださって、とても楽しそうで……。ホントはこんなこと考えちゃいけないんだけど、彼らの故郷なんて永遠に見つからなければいいのにって思ってた。ずっとこのまま、ターミナルにいればいいじゃない、って……」
 嗚咽で声をくぐもらせる無名の司書のあとを、モリーオは引き取った。
「ラファエルのことはわたしも心配だ。ごく個人的な思い入れではあるけれど、ダレス・ディーに捕らわれ、いのちが危うくなったとき、非常に案じてくれたことを今でも感謝している」
 それを前置きとしてモリーオは、晩秋の霊峰に《比翼の迷宮》が出現したこと、その再奥には《迷鳥》となったオディールとシオンがいること、ラファエルが虜囚となってしまったこと、そして──
 その周囲を取り囲むように、新たに複数の迷宮が発生したことを告げる。
 それらの迷宮群を消さなければ、《比翼の迷宮》には辿り着けないことも。


  * *


「お呼び立ていたしまして申し訳ありません。お久しぶりです、ヴォラース伯爵閣下」
「どうぞ、昔のようにアンリと。落ち着いておられて安堵いたしました。シルフィーラ妃殿下」
「妃殿下などという立場では……。アンリさまこそ、呼び捨ててくださいまし。非常事態でもあることですし」
「うむ、いずれ皇妃にと考えてはいるが、未だこの娘は、真の親離れも弟離れも出来ておらぬゆえ」
「恐れ入ります」
 メディオラーヌムの、シルフィーラに与えられた館の応接室である。
 霊峰ブロッケンに起こった異変。オディールとシオンによる《比翼の迷宮》と、それを取り囲む複数の迷宮の対応について、シルフィーラは、ヴォラース伯に連絡し協力をあおぐべきだと皇帝に進言したのだ。
 時間が経てば経つほどに迷宮は広がり、じわじわと大陸を浸食する。トリとヒトがいがみ合っている場合ではない。
 そして何より、シルフィーラにもヴォラース伯にも、支援者の心当たりがある。

 異世界の、旅人たちだ。
 
「ずっと思っていたのです。なぜ、わたしとシオンだけが特異な《迷鳥》だったのだろうと」
 焼け焦げた本を、シルフィーラは広げる。
 それは、黒い孔雀が飛び去り、崩壊した地下図書館跡から発見したものだった。
《始祖鳥》にまつわる神話や《迷鳥》に関する旧い伝承が記されたその本からは、僅かではあるが、うっすらと文字が読み取れる。

《迷宮》を作らぬ《迷鳥》は、この……して……

 ひとつ、《迷卵》の状態で保護……こと。
 ひとつ、あたたかな慈しみを持……養育され……
 ひとつ、翼を切り落と……、あるいは……

 ひとつ、孵化した雛を卵に戻……
 それには、この地の《理》を超越した……《真理》に目覚めた旅人の……」

「もしや」
 食い入るように読み込んでいたアンリが、顔を上げる。
「本来であれば、保護者なきまま孵化した雛は《迷宮》を作ってしまう。収束するには討伐しかなく、実際に《旅人》の力を借り、それを行って来た。しかし《旅人》の力は、《迷鳥》を卵に戻すことが可能かもしれないほどのものだと?」
「はい」
「そして、養親に恵まれ、愛情を持って育成されれば、穏当に生きることができると?」
「二百年前にそういった事例があったと、この本に記述されています。ですので」
「……お願いしましょう。旅のかたがたに。《迷鳥》の救済を」
「それがかなうのであれば」
 皇帝は大きく頷く。
「卵に戻った《迷鳥》は、いわば天災に見舞われた孤児のようなもの。後宮で保護するとしようぞ。雛鳥を養育するにふさわしいものはいくらもいようから、養親候補には事欠かぬ」
 皇太子も、強い決意をしめす。瞳いっぱいに涙をためて。
「ぼく……、ぼくも、育てたい。大事に育てて、家族になって、いつか巣立ちのときが来たら、ちゃんと見送って」
「さて、それは首尾よく卵を保護できてからのことになろう。養親には責任が発生するゆえに」

 * * * * * *

「……気に入らん」
 ふと、貴方はエルフっぽい司書、グラウゼ・シオンの表情がいつになく険しい事に気づいた。フライジングでの事を聞き向かおうとした貴方は、眼前の世界司書に呼び止められたのだが、彼は『導きの書』を開き、目をそこに落としたままだった。
 ややあってグラウゼは貴方をみやった。
「すまない。考察にふけりすぎていた。
 今回の目的地はオウ大陸にある霊峰ブロッケンだ。そこに出現した迷宮にイェンさんが囚われたようでな。そこに向かってもらいたい」
 グラウゼは『導きの書』を手に、真面目な顔でそう言った。なんでも、シオン・ユングが関わるこの事件を知ったイェンは単独でフライジングへ向かい、何の因果か件の《比翼の迷宮》にほど近い場所に出現した《迷宮》に囚われてしまったという。
「イェンさんが囚われているのは、牢獄のような迷宮で、内部には落とし穴とかの罠が仕掛けられている。それらをイェンさんは乗り越えたようだが、迷鳥と遭遇して……」
 そこまで言いかけ、グラウゼは言いよどんだ。少し悩んでいるようにも見えたが、先を促す。と、グラウゼは静かに言った。
「迷鳥の力によって、卵に囚われている。そこで、彼は『誇り』にまつわる記憶を食べられているようなんだ」
 《迷鳥》は『朱鷺』であり属性は『誇り』だ、とグラウゼは付け加えて説明を再開する。

 その《迷鳥》は『心』から他人の『誇り』を読み取り、隙を見せれば敵を卵に閉じ込めてはじわじわ甚振るように『誇り』の記憶を貪っていく。それは、彼自身が『誇り』を理解できず、理解したいが為の行動らしい。
「外見的には10歳ぐらいの子供だ。鴇色の髪と瞳で、朱鷺の翼を持っている。解決方法は……『拳』で語り合う事だ」
 子供ながら、武芸に長けるようで『心』を読みながら徒手空拳を使ってくるという。その上、隙を見せれば卵に閉じ込められる。
「相手は『調子に乗っているタチの悪い子供』だと考えていい。そういう相手に必要なモノが何かが、鍵だと思うよ」
 グラウゼはどこかじれったいという顔で「俺にも子育ての経験があればな」と呟く。
「イェンさんは卵を割れば救出できる。出てきた後にでも、彼にシオンさん達の状況を説明してあげて欲しい。頼む」
 そういうと、グラウゼは揃ったロストナンバーたちにチケットと弁当を人数分より2つ多く手渡す。この事について問うと彼はこう言った。
「1つはイェンさんの分。もう1つは迷鳥の分だ。卵に戻す前にでも、食べさせて欲しい」
 絶対に殺すなよ、と付け加えると彼は頭を下げた。

 * * * * * * * * * * *

 ――フライジング・迷宮内

(どこにいるんだ……?)

 イェンは、迷鳥の罠にかかり、卵の中に閉じ込められていた。夢の中で、イェンは『手駒』になる前の、過酷な訓練生時代に戻っていた。

 イェンの『誇り』は訓練生時代に仲間と呼べる2人に会えた事。そして、『世界図書館』で友達が出来た事だ。けれども、今。彼は悪夢の中でもがいていた。

 躾と称して振るわれる暴力、訓練と称して行われる殺し合いと騙し合い、互いに牽制し合う幼い子供たち。異能力者として生まれた子供たちは皆、幼いうちから親から離されて、こういった環境下に置かれていた。
(どこだ? ルゥナは? ショウは? ……あの2人に出会わなければ、俺は……!)
 孤独感に苛まれながら、幼い姿に戻ったイェンはどうにかして脱出しようと『力』に抗おうとしていた。

 卵の外。迷宮の奥深くで、10歳ぐらいの男の子が年齢に似つかわしくない冷淡な表情で卵を見つめていた。
「だから、その『誇り』って何なの? 何の為に存在するの? ねぇ、『独りぼっち』のお兄ちゃん?」
 朱鷺の翼を震わせ、少年は腰まである鴇色の髪を揺らして首をかしげた。

 * * * * * * * * * * *

 貴方々は、今《迷宮》の入口にいる。
 開かれた扉からは錆とも血とも言える匂いが漂っており、とても物々しい雰囲気に包まれている。この奥にイェンと《迷鳥》はいるのだ。

 貴方々は意を決して《迷宮》へと足を踏み入れた。イェンを助け、《迷鳥》を卵に戻すために。

 * * * * * * * * * * *


!お願い!
オリジナルワールドシナリオ群『晩秋の迷宮』は、同じ時系列の出来事となります。同一のキャラクターでの、複数のシナリオへのエントリーはご遠慮下さい。抽選後のご参加については、重複しなければ問題ありません。

品目シナリオ 管理番号3065
クリエイター菊華 伴(wymv2309)
クリエイターコメント菊華です。
今回は、貴方が持つ『誇り』に関わる記憶を食べてそれを壊そうとする《迷鳥》が登場です。

今回の《迷宮》
牢獄のような様子で、何もない檻が並んでいます。また、トラップが仕掛けられており注意しないと途中で大怪我を負います。また、螺旋状の坂道となっており、最深部へ下っていくような形です。

トラップに関しては一般的な軍用的トラップだと考えていただけると嬉しいことです(ただし爆発物はありません)。

今回の《迷鳥》
朱鷺です。朱鷺の翼を持った10歳ぐらいの少年で、非常に生意気です。

徒手空拳で戦いながら隙をついて敵を卵に閉じ込めて、そこから『誇り』に纏わる記憶を喰らいます。『誇り』を喰われた相手は廃人化しますのでご注意を。
(閉じ込められた人は卵を割る事で救出できます。また閉じ込められると眠るので、自力脱出の場合はどうにか頑張って覚醒して殻をを突き破ることになります)
そのほか、攻略ヒントなどOPに記された情報もご覧下さい。

因みに『食べられた記憶』は迷鳥が卵に戻るか倒された場合、元に戻ります。

イェンについて
無事に助け出された場合、皆様への攻撃をカバーリングする為に動きます。何かありましたらプレイング内に書いていただけると嬉しい事です。
因みに何らかの対処がない場合、イェンは卵の中で廃人化してしまいますのでご注意ください。

プレイングは短めの5日間です。
それではよろしくお願いします。

参加者
ジューン(cbhx5705)ツーリスト その他 24歳 乳母
サエグサ スズ(crwh9773)ツーリスト 女 16歳 シノビ
天渡宇日 菊子(cevf4689)ツーリスト 女 22歳 妖怪のドラケモナー

ノベル

起:罠回廊の先へ

 ――迷宮内部
 内部に侵入した3人の乙女達は、血なまぐさい臭いを物ともせず、黙々と進み始めた。先行するのは忍びであるサエグサ スズ。彼女はテキパキと慣れた手つきで仕掛けられた罠を解除していく。
「潜入破壊工作に長けぬシノビがどの世界におりましょうや?」
 スズは凛とした表情で罠を壊し、更に進んでいく。彼女の傍らではアンドロイドであるジューンが罠のサーチをしていた。一見ただのメイドさんに見える彼女だが、頑丈であり何より色々機能を搭載している。
「スズさん。前方5m先、踏むと槍が出てくる仕組みです」
「承知」
 このように2人は自分達の持つ能力をフルに活用してトラップと向き合っていた。
(それにしても、少し退屈だなぁ)
 そう思ったのは後方で天渡宇日 菊子。彼女は鳶の翼を振わせると辺りを見渡して表情を曇らせた。
(確かに厭な雰囲気だなー。壊しやすい罠なら良かったのに。まぁ、ジューンとスズに任せておけばいいかなー)
 早く暴れたいな、という思いをうずうずさせつつ、彼女は迷宮に入る前の事を思い出していた。

 ――回想:迷宮侵入前。
 スズは迷宮を前にして、世界司書に言った言葉を思い出す。彼女は世界司書に「依頼主様の御眼鏡に叶う成果をしかとお届けに上がります」と言っていたのだ。彼女は心の中で依頼内容を復唱する。
(デスメイズを攻略し対象に接触、戦闘力を奪い捕獲する。同時に囚われた仲間の回収……。確か、イェンというロストナンバーは……)
 そして迷宮に囚われてしまったイェンという青年について考える。と、彼女の脳裏には
イェンが同業者の様に思えてしまった。
「囚われるとは……。鍛え方が足りないな、イェン」
 彼女は呟くと、彼を助けた時どうしようかと考えた。
「本件を特記事項β10、クリーチャーによる殺傷事件に該当すると認定しました。リミッターオフ、クリーチャーに対する殺傷コード解除、事件解決優先コードA2、A7。保安部提出記録収集開始……」
 傍らではジューンがアナウンスする。その内容に菊子はよく判っていないようだったが、とにかく大切なことなのだろう、と割り切った。
「それにしても罠があるんだろ? うちはそーいうの判んないんだよね」
「それでしたら私にお任せを」
 牛の尻尾を揺らしながら呟く菊子の言葉に、スズは胸に手を置いて微笑む。忍びである彼女には、そういう物を探す事など朝飯前なのだろう。
「トラップの位置やどういった物なのかは一歩入ればサーチできます。私たちでこなしますので菊子さんは戦闘に備えて体力を温存しておいてください」
「それじゃ、2人に任せるよ。うっし、待ってろよ、迷鳥!!」
 ジューンにそう言われ、菊子はぐっ、と拳を握りしめて頷いた。そして、スズはそんな彼女に「頼もしいですね」と小さく微笑んだ。
「生体サーチ及び構造物サーチ常時起動…本迷宮が最深部まで螺旋状の坂になって続いていることを確認。一本道です」
 ジューンがそう呟いた傍からスズが何かのスイッチを見つけ、クナイで破壊する。ジューンもまた飛んでくる石を払い除け、3人は静かに歩き始めた。

 因みに、その道中で依頼の内容を半分ほどしか理解していなかった菊子へ対しジューンとスズは依頼を分かりやすく説明した事を追記しておく。

 ――現在。
 速やかにジューンが罠の位置や特性をサーチし、スズも忍びとしての経験を活かいて見つけ、さっさかと罠を解除していく。落とし穴をさっ、と避けたり、仕掛けられたピアノ線をすぱっ、と切ったり、と手際がよく菊子は思わず見とれそうになった。けれども一応あたりの警戒はしておく。
(あ~、なんだか嫌な予感してるなー。嫌な臭いがプンプンしてるぞ)
 螺旋状になった道を歩きながらも、菊子の表情は険しくなっていく。それはスズとジューンも同じだった。彼女たち3人は奥から漂ってくるただならぬ雰囲気を感じていた。
「前方、300m程先に鉄格子があります。目標地まであと少しです。エンケージに至る可能性があります」
 ジューンのアナウンスにスズと菊子が気を引き締める。
「ここから先、罠はありません」
 ジューンの言葉にスズも頷く。この2人がいうのだから間違いない、と菊子は少し安心した。けれどもここから先が問題なのだ。
「やっと動けるな。でも、子供かー。生意気な子供に必要な事かー」
「躾は、必要です。ええ」
「先を急ぎましょう」
 菊子が小さく呟いた言葉にジューンが乳母らしい穏やかな顔になり、スズが先を促す。こうして3人は最深部まで無傷で向かう事ができた。

 その道の先、彼女たちの目の前に鉄格子が現れた。その奥には全長2、3mはあろう卵が鎮座している。そして、冷たい眼差しを向ける少年の姿がそこにはあった。朱鷺の翼を背負い、鴇色の髪と瞳をした彼は、少しだけ微笑んだ。
 『トリ』と聞いて菊子はわくわくしていたのだが『鳥の翼を背負った人間』っぽい外見の少年に思わずこんな声を上げた。
「人に鳥の翼ついただけなら、うちと変わらないじゃないかー!」
 騙されたー! と憤慨する菊子だったが、スズは小さくため息をつく。
「この世界の『トリ』達は鳥の姿にもなれますよ」
彼女に諭され、菊子は俄然気合が入った。
「それなら頑張って鳥にさせるぞー! そんでうちが抱きしめるんだーっ!」
 そんな会話がされている中、ジューンはそんな二人を微笑ましく思いつつも、少年に目を向ける。
「あれ? お姉さん達も遊びに来てくれたの? 嬉しいなぁ。ちょっと退屈してたとこなんだよねー」
 楽しげに言いながら朱鷺の翼を動かす少年。ジューンがスズと菊子を下がらせると、少年はくすくす笑った。
「そんなに警戒しないでよぉ! 不意打ちなんてしないから、さ?」
 余裕なのか、少年はそんな事を言いながら扉の鍵を開く。ジューンは小さくため息をつき、スズと菊子は互いに視線だけを合わせた。
「さて、悪戯っ子にはお仕置きが必要ですね。……始めましょうか」
 ジューンの言葉と同時にスズが後方から棒手裏剣を投げ、菊子が通り抜けて鬼棍棒――トラベルギアである【鉄塊器】――で卵へと強力な一撃を放っていた。棒手裏剣を全て避けた少年だが、すぐさまジューンが手刀を繰り出し、腕でそれを庇う。
「こいつ倒せばいいのかー? で、卵につめればいいのかー? 結構固いぞー」
「少し違うかと。でも、その卵は割ってください。イェンさんは今ならまだ助かります」
 菊子が(鬼棍棒で何度か叩いてやっと罅の入った)卵と少年を見比べて問えば、再び飛ぶ棒手裏剣を確認しつつジューンが答える。少年は、スズの心を読む事で棒手裏剣をすべて避けるも、ジューンと菊子の心が見えず僅かに戸惑う。それでも少年は跳ね回りながら笑い……卵にアタックし続ける菊子へと手を伸ばした!


承:『誇り』は何?

「力の収縮を確認。……させません」
 ジューンは電磁波を少年に叩きつけ、菊子から引き離す。その間に菊子はもう一撃卵に与え、スズもまた卵へと接近する。
「ここからは私が」
「おーし、頼んだ! うちはあっちだね!」
 菊子は気合を入れると今度は少年へと拳を振るう。それを避けきれず、少年は派手に尻餅を付いた。
《まっすぐ行って吹っ飛ばす! 右ストレートで吹っ飛ばす!》
 心を読めばそんなことしか聞こえない菊子とは、相性が悪すぎた。少年はスズが攻撃するように仕掛けようとするが、今度はジューンが邪魔をする。
「させません」
「またなの? もぅ、なんなの、このお姉さん達はぁ!」
 悪態を付いているあいだにも、スズは菊子が入れた罅を活用して卵を割る。強力な蹴りと忍刀の一撃が、また深い罅を生み出していく。ジューンはそれを横目でみつつも、自分たちの方へ注意を向けるよう、卵を背に戦い続ける。
「ねぇ、お姉さん達の誇りって何? 教えてよ?」
 少年はそう言いながらも菊子へと蹴りを放ってくる。菊子は楽しげにそれを躱しながら少し首を傾げる。
「うちか? そうだなー……」
 少年が、菊子へと再び蹴りを放つ。それをひらり、とあしらって菊子が笑う。
「人の子で、牛の子で、鬼の子で、天狗の子であることかなー? 誇りとか、よくわかんないんだよねー」
 それが『自分が、自分である事』だから、と菊子が笑えば、少年はわかったような、わからなかったような、複雑な顔になる。
「ねぇ、それが誇りなの? 誇りってそんな物なの?」
「アタシは自慢できることだと思ったんだけどなー? うーん、結局さー、思っている本人が誇りだって思っていればいいんじゃないのかー?」
 僅かに焦ったような顔で、少年が菊子に掴みかかる。そしてそのまま放り投げるも、菊子は答えながら受身をとって、何事もなかったかのように立ち上がる。
「申し遅れました。私はジューンと申します」
 入れ替わって、ジューンがスカートを翻して電磁波を放つ。それを交わして、少年は考えが読めず、正体もイマイチよく解らない女性を見やる。
「私の誇りは、物の延長線上にあるものでありながら、人の隣人として人を助けるものとして生まれた事です。……貴方のお名前は何ですか?」
 そう問いかけた時、不意に少年の表情が歪んだ。少年はジューンの腕を掴むと、彼女の反応よりも早く一本背負いをきめる。
「僕が質問してるんだ! それ以外の事は言うな! そっちのお姉さんは何が誇りなの?」
 少年の表情が険しい。ジューンが名前を聞いた辺りから、余裕の表情が無くなり始めている。スズはそれを感じながらも、「馬鹿らしい」と呟いて卵の罅へと刀の柄を振るう。卵の殻はとても硬く、彼女の一撃だけでは罅があまり入らなかった事だろう。しかし、菊子が振るっていた鬼棍棒によって入った罅のおかげで、さほど苦労せず更に罅を広げる事ができた。
「シノビにとって重要なのは依頼を完遂すること! 其れを成すためならどんな手段を取るも無面目、其れがシノビの本懐よ……!」
 答えながらも、彼女は卵の破壊をすすめる。卵へと近づこうとする少年はジューンと菊子で引きつけて邪魔をし、スズはもう一撃卵に叩きつける。
「そうだろう、イェン。貴様も同じだろう……?」
 音を立てて罅が大きくなる卵。その中から卵白のような物を纏いながらずるり、と青い髪の青年……イェンが滑べり出た。彼は何度も噎せながらまとわりついた物を外そうとするが、そこへスズが蹴りを放つ。同じシノビだと思ったが故、扱いが粗略になるらしい。それをバク宙でかわしつつ、イェンが叫ぶ。
「あっぶねーなぁ! 助けてくれたのはありがたいけど、それはねーだろ?」
「ふん、油断した結果だろう?」
 スズの手厳しい言葉にもめげず、イェンは肩を竦める。その様子を見ていた少年はくすっ、と笑った。
「あーあ、折角閉じ込めたのに。でもいいや、お姉さんたちで遊んで、卵にしちゃえばいいんだもんねっ!」
「このガキ!」
 イェンがきっ、と睨みつけるも、スズは無理やり引っ張って壁側に押しやる。その間にも迫る少年を、菊子が通せんぼして向かえうつ。瞬間、少年は不機嫌そうな顔になった。
「このお姉さん、戦う事しか頭にないからやりづらいんだよねー」
「お前は調子に乗りすぎなんだぞー! ぶっとばーすっ!!」
 少年の拳と菊子の拳がぶつかって鈍い音を立てる。幸い骨に異常はないようだが、菊子の手は激しく痛んだ。見た目によらず力強い少年に、菊子は思わずワクワクする。
「こっちにもいるぞ」
 スズ投げた棒手裏剣は、少年の頬をかすめる。それに舌打ちしつつも再度菊子へ襲いかかろうとすれば今度はジューンが間に入る。
「翼や手足の骨折、欠損は仕方ないと思うのですが」
 周囲への問いかけ混じりに少年の蹴りをいなす。彼女の言葉にスズと菊子、イェンが頷いている間に、ジューンは二度目の蹴りを受けていた。
「青い髪の兄ちゃんと遊ぶのも楽しかったけど、こっちのお姉さんたちと遊ぶのも楽しいね。でも心が読めないからつまんないや」
 どうしようかと考えるようにその場で跳ねる少年。好機とばかりにジューンと菊子が仕掛けるも、電磁波も手刀も避け、少年は跳ねる。そして空間いっぱいに上がると、スズめがけて急降下を始めた!
「そっちのお姉さんを卵にしてあーげるっ! 任務中毒のおねーさーん!」
「ふんっ」
 スズは落ち着いて忍刀に手をかけ、少年の一撃に備える。同時にわずかに蜃気楼が揺らめいた気がした。
「さっきの謝礼だ!」
 鈍い音がして、少年が弾き飛ばされる。それまで、スズは蜃気楼の招待がイェンだとは気づかなかった。
 生まれた隙にスズは前転で後ろに回ると、振り返る隙を与えずに忍刀を抜く。途端に音もなく血が溢れ、少年の目が見開かれた。細く白い足が赤く染まっていく。素早い一撃が、少年の足を切り裂いたのだ。
「まだ終わっていません」
 ジューンの声と共に気配を覚え、少年は手で床を押しやって跳躍。けれどもその先には菊子がいた。任せろ、と言うように彼女は少年の胴を抱えた。
「! は、離せよ! 離せってばーっ!」
「足切られたのに元気だなー! ……そーいえばうちら何しに来たんだっけ?」
「その子を卵に戻しに来たんだよ!」
 途中で目的を忘れかけた菊子の言葉に、イェンが思わず突っ込む。そこで理解した菊子は先程までイェンが入っていた卵の殻を視界にいれ、「そっか」と頷く。
「要はあれにこの子を詰めればいいんだなー! よーし、詰めるぞー!」
「多分、それでは解決しないかと存じます」
 ジューンの突っ込みを聞いているのか聞いていないのか、菊子は思いっきり体をそらすと、少年を卵の殻の中へと投げ入れる! 息を詰まらせた少年は目を白黒させて卵白のようなものがまだ溢れる卵の中へと叩きつけられる。飛沫が上がり、真っ逆さまに落ちる少年の動きを、卵白めいた何かが阻害する。溺れそうになる少年は、必死にもがいて体制を整えようとした。
「それが、今の貴方です。力も弱く、小さな存在です 貴方は、私たちに勝てない」
 ジューンが厳しい目で言う。卵白のようなものから顔を上げ、どうにか卵から這い出た少年は、激しい怒りを込めてジューンを睨みつけた。
「僕は弱くないし、小さくなんかないんだ!! 僕は、絶対お姉ちゃん達からも……」
「……それです」
 ジューンは静かに歩み寄ると、ぜいぜいと息を切らす少年の前に屈み込む。痛む足をこらえて立ち上がろうとし、よろめく少年の手を取りつつ、ジューンは鴇色の瞳と桃色の瞳を合わせた。
「貴方は今、私の言葉に怒りを感じましたね? 自分にはそれを成す力があると感じた事、その思いに至った経緯……私はそれがその方の誇りであると考えます」
 その言葉に、少年は少し首を傾げる。血を流し続ける足を引きずり、少しずつゆっくりと立ち上がると、少年は静かに4人を見た。
「誇りが知りたくて攻撃してたのかー。でも、卵に入れたのはなんでだー?」
「卵から記憶を吸収して、『誇り』を何か理解しようとしている、と依頼人は言っていました」
 菊子が首をかしげていると、スズが世界司書の言葉を思い出す。
「『誇り』ってやっぱりよく解んないや」
 少年の言葉に、スズ達はわずかに警戒する。しかし、ジューンは静かに言った。
「貴方にはもう一度生まれなおすチャンスがあります。その中で、こんな事をせずとも『誇り』について考えていけばいいと思いますよ?」
「えっ?」
 不思議そうに首を傾げる少年に、ジューンはにっこりと微笑んだ。スズが傍らに立ち、静かに言い放つ。
「生かして連れ帰り、卵に戻してもう1度生まれ直し生きながらえさせるよう……私たちは依頼主様から承った。元より、お前を殺すのは本願ではなかったのだよ」
「と、いう訳だ。卵に戻ってトリになれー! そしたらまたうちらと遊ぼーぜ!」
 にっ、とスズの傍らで笑う菊子。少年が呆気にとられていると、イェンがくしゃりと乱暴に頭を撫でた。
「どうやったら卵に戻るかはわかんねーけど、これで解決かな?」
「いえ、まだやる事があります」
 安堵の息を吐くイェンに、ジューンがきっぱりと言い放つ。そして彼女はぺたんと座り込んだ少年へと歩み寄った。

 この後の光景を見たイェンは「施設に入る前、お袋によくそんなことされたな」とどこか遠い目で呟いたという。


転:少しの交流

「痛い! 痛いってばーっ! もう、やめてよーっ!」
「やめません。貴方は悪い事をしたのですから」
 空間いっぱいに広がる少年の声と、厳しいジューンの声。その光景はイタズラをして乳母に叱られている子供、といった感じがした。今、ジューンは少年を抱え、お尻を叩いていたのだ。
(この子は善悪の判断が出来ていないのかもしれませんね)
ジューンはふとそんな事を考えていた。様子を見ていたスズと菊子、イェンは外見年齢よりも幼い泣き顔を見せる少年にため息をついたり、微笑ましく思ったりしていた。
「これでちぃとは懲りるだろ」
 ため息混じりに言うイェンにスズは問う。
「お前はどうやってあの迷鳥を保護しようとした?」
「殴りかかってきたから、殴り合いしつつ説得しようとしたんだ。でも、気づいたら目の前が真っ白になって……。なんか悪い夢を見てた気がする」
 考えながら問うイェンに対し、「修行が足りんからこんな目にあうんだ」と言うスズ。ふん、とそっぽを向くイェンの肩を、菊子は「無事だったんだしさー」、と笑いながら叩く。
 暫くして解放された少年は、痛むお尻に我慢しつつ、菊子に手伝ってもらいながらズボンとパンツを履いた。その上でイェンが傷ついた足へ再生の力を流し込む。再び戦闘になるのでは、と危惧したスズだが、イェンは「もう大丈夫じゃないか?」とにこり、と笑う。
「そういえば、生まれなおすチャンスとか、言ったね」
 半信半疑なのか、少年の表情は険しい。彼は自分がやっていることの善悪は分からくとも、死の危険はおぼろげながら感じていたらしい。
「《迷鳥》は、卵に戻って生まれなおす事ができます。ですから、一緒にもう1度、今度は普通のトリとして皆に心から愛された育ち直しをしませんか?」
ジューンの優しい言葉に、少年は少しだけ信じてみる、と頷いた。少年は『愛される』事がよく分かっていなかったようだが、彼女の達の言葉で少しずつ、子供らしい顔つきになり始めていた。
「そういえばだけど、うちらは世界司書のおっさんから預かり物があるんだよなー」
 菊子の言葉にジューンとスズが頷く。なんのことか解らなかったイェンだが、スズが担当の世界司書の事を話せば直ぐに理解したのか、「楽しみだな」と小さく笑う。
「預かり物って……?」
「これだ」
 少年が首をかしげると、スズはジューンに断わってバスケットからお弁当箱を取り出す。蓋を開くと、ウインナーに卵焼き、コロッケにブロッコリー等色とりどりの料理とコロコロと丸く愛らしいおにぎりが詰まっており、とてもいい匂いがした。
「なんでだろう? なんだかよだれがでるね。おいしそう……」
「腹が減ってはまともな考えに至るも難しかろうな。依頼主様からの心づくしだ」
 スズの言葉に、少年がまたきょとん、となる。と、ジューンは優しく笑って言葉を繋いだ。
「貴方のためにグラウゼ様が作ったお弁当です。一緒に食べて、それから一緒にここを出ましょう」
「うんっ」
 少年は、1つ頷いた。

 先程までの剣呑な雰囲気は全く消え失せ、4人と少年は丸くなってお弁当を食べた。世界司書が用意したお弁当は見た目よりもボリュームがあり、戦いに疲れた体を癒すのにちょうど良いモノだった。
 食べ方が解らず戸惑う少年に、ジューンが丁寧にマナーを教える。スズは綺麗な食べ方をし、空腹だったのが掻き込む勢いで食べるイェンと菊子に少年は思わずコロコロ笑う。漸く子供らしい顔を見せた少年にジューンはそっと微笑む。
「これがお弁当っていうんだね。すっごく……お腹があったかいや」
 初めて食べたのだろう。その瞳はとてもキラキラしている。少年が弁当を食べ終わる頃には、鉄格子が消え失せており、目の前には扉があった。4人のロストナンバー達には、それが出口であると直感で分かった。
「そういえば、貴方の名前は?」
 ジューンがそう問えば、少年は少ししゅんとして、小さく呟く。
「僕には名前が無いんだよ。だから、名前を聞かれたのが凄く嫌だったんだ」
「だから、あんなに怒ったのか」
 イェンが、ぽん、と手を打つと菊子とスズも納得したようだった。
「ならば、育て親となる者には伝えておかねばな。素敵な名前をこの子に付けて欲しい、と」
 スズが頷きながら言えば、菊子とイェンも相槌を打った。

結:再び生まれ直すために

「では、行きましょうか」
 ジューンに促され、少年は1つ頷く。そして、4人と共に扉を潜った時にそれは起こった。少年の体は鴇色の光に包まれて、一羽の雛鳥へと変化する。
「かわいいっ! かわいいぞーっ!!」
 菊子が思わず抱きしめていると、その腕の中で雛鳥の姿が揺らめき……1つの卵になる。それは、僅かに青みを帯び、茶色い斑のある物だった。菊子は優しくその卵を抱きしめた。
 スズが振り返ると、扉が音もなく閉ざされる。そして、ゆっくりと、ゆらゆら揺らめきながら、消えていった。
「迷宮が消え失せたか」
 彼女は、任務が殆ど成功した事を実感した。

 卵に戻った《迷鳥》を保護したジューン達の元へ、一人の若い女性が現れた。その背中には少しくすんだ青灰色の翼がある。騎士風の出で立ちの彼女は、自分が近衛騎士団の団員であり、迷宮郡の様子を王へ告げる為に回っていた事を伝えた。
「《迷鳥》の卵は、彼女に預けたほうがいいだろう」
「そうですね。彼女に託せば、きっとこの子も然るべき保護者と巡り会えるでしょう」
 スズとジューンの言葉に、菊子は頷く。そして、そっと卵を騎士へと差し出した。
「頼んだぞー! うちらで保護した子だからなー!」
「そいつには、素敵な名前をつけて欲しい。それが、オレ達とこの子の願いだ」
 イェンが付け加えると騎士は小さく微笑んだ。
「これが、卵に返った《迷鳥》なのですね。……わかりました、私が責任をもって届けましょう。ありがとうございます、旅人のみなさん」
 騎士は感謝の意を持って、ロストナンバー達に頭を下げ、卵を愛しそうに抱き上げた。その瞬間、騎士の眼差しが『母親』の物へと変化したことを、ジューンは感じ取る。
「彼女だったら、きっとあの子を深く愛し、『誇り』が何か、自ら見つけ出す事のできる子に育ててくれるでしょう」
 ジューンの言葉に、他の者達も深く頷いた。

 その後、イェンは3人からシオン・ユングの状態等を聞き、少し不安げに振り返った。けれども、今の自分に出来る事は少ない、と悟ったのだろう。イェンは彼女たちと共に一路ターミナルへと戻る事にした。
 こうしてイェンと《迷鳥》の救出を成功させた3人の乙女は停留所へと歩いて行った。確かに他の迷宮やシオンの事は気がかりだが今は発生した全ての《迷宮》から《迷鳥》を開放し、彼のいる《比翼の迷宮》の扉を開くことが先決だ。

 それにしても、彼が求めた『誇り』とは『何』だったのだろうか?彼が求めた答えは、得られたのだろうか? それは彼にしか解らないだろう。けれども、3人の乙女はそれぞれの『誇り』を口にした。そして、《迷鳥》だった彼はイェンの『誇り』を食んで咀嚼し、『写し』た。
 いつか再び『愛情』から生まれた少年は、それらを覚えているだろう。そして、今度こそは自分の『誇り』を持つだろう。

 育て親からもらった、『名前』と共に。

(終)

クリエイターコメント菊華です。
大変遅くなって申し訳ありません。ごめんなさい!そして、依頼に関してはごらんの通り成功です。

 今回は生意気な少年を「叱る」といったプレイングがあれば概ね成功でしたし、自分が持つ『誇り』を語ればぐっ、と戦いやすくなるという寸法でした。皆様グッジョブです!
 ただ文字数制限との戦いが原因で色々と削れてしまったことをお詫び申し上げます。僕もちょっと悔しいです、はい。

 またイェンも早い段階で救助されましたので無事戻ることができました。ありがとうございます。本人はシオンさんの事が気がかりなようですが……。

 今回保護された《迷鳥》には名前がありませんが、恐らく親となる人が素敵な名前をつけてくれる事でしょう!

 それでは、今回はこの辺りで。また縁がありましたら宜しくお願いします。
公開日時2014-01-09(木) 21:50

 

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