ただの散歩になるはずだった。 0世界は他の世界と違い、事情がない限りは基本的に「敵」というものが存在しない。 これほど何も考えず、リフレッシュ目的に歩き回るのに適した場所はないのではないか……と、故郷の戦乱を思い出しながらミル・キャルロッテは走っていた。 同じように隣を走るのは友人の世界司書、ツギメ・シュタイン。 いつもの服にはいくつもの切り傷が走り、肌も露出している。似合わぬ鮮血は黒に染み、どれほど流れ出ているのか把握出来ない「ごめんなさいね、こんな危険な散歩に付き合わせちゃって……」「気にするな。ミル1人でこの状況になっていた方が怖い」 ツギメは流れる汗を拭った。 力仕事慣れしていない彼女の疲労はミルより酷い。元も徹夜明けの気分転換にとミルの誘いに乗ったくらいだ。 しかし立ち止まれない。この傷を負わせた者の声が後ろからする。「お嬢さんたちぃ、鬼ごっこも楽しいがお兄さんちょぉっと忙しいんだ。そろそろ足を止めてくれないかぁ?」「……っ」 黒いスーツに真っ白なロングコート。黒髪を後ろで綺麗に纏め、白目に龍の刺青を入れた男。 ミルはまったくの初対面だったが、ツギメは情報の上では知っていた。 世界樹旅団のメンバーの1人、黄龍だ。昨年の暮れ、黄龍の含まれる依頼を扱ったことがある。「ミル、奴は不死者だ。下手に対応せず、ここは――」「ほぉら! 自分で止まれねぇなら手伝ってやるよ!」「!!」 黄龍が強く地面を蹴り、急接近する。それを認識した瞬間にはもう遅かった。 彼の得物は日本刀。それなりのリーチがある。 寒気と共に倒れ込みながら目をやると、脹脛辺りからの出血。隣のミルが倒れて足を押さえているのを見る限り、横に一閃やられたらしい。「さ、大人しく……」「っ痛いわね! しつこい男は大嫌いよ!」 倒れたミルが足から手を離すと、そこには光の玉。傷口を押さえながら隠すように魔法で作ったそれを黄龍の足元に叩き付ける。「うおっ!?」 閃光が迸り、黄龍が怯んだ隙にミルはツギメを助け起こす。 あれだけの光が溢れているというのに、不思議とこちらは視界に問題はない。「私、落ちこぼれの魔女だったからこれくらいしか出来ないけれど……行きましょう」 足を引きずりながら歩き出す2人。 目指すのはここから近い場所――カフェ・キャルロッテ。●「……幼稚なものに引っ掛かりましたな」 壁の陰から現れた闇色の男、エダム・ブランクは開口一番そう言った。「そっちは楽しんできたみたいじゃねぇか」「ええ、ええ、まあ4人ほど」 エダムは自らの作り出す幻覚で相手を嬲ることを至上の悦びとしている。元図書館側の人間だが、旅団についてからは何を心配することもなく、この欲求を心行くまで満たしていた。「で、追っていた獲物はこの中ですかな?」 エダムは洒落た雰囲気のカフェを見上げる。 血振りしながら黄龍は頷いた。「ノアもその内来るだろう。3人で追うにゃぁ弱い獲物だが……片方は世界司書。確実に頭ぁ取るに越したことはねぇ」 ドアを引く。案の定鍵がかかっている。 黄龍は日本刀を振り上げ―― 黒いカウンターの陰で、2人はガランと物騒に鳴る鈴の音を聞いた。======!注意!イベントシナリオ群『進撃のナラゴニア』について、以下のように参加のルールを定めさせていただきます。(0)パーソナルイベント『虹の妖精郷へ潜入せよ:第2ターン』および企画シナリオ『ナレンシフ強奪計画ファイナル~温泉ゼリーの下見仕立て観光風味~』にご参加の方は、参加できません。(1)抽選エントリーは、1キャラクターにつき、すべての通常シナリオ・パーティシナリオの中からいずれか1つのみ、エントリーできます。(2)通常シナリオへの参加は1キャラクターにつき1本のみで、通常シナリオに参加する方は、パーティシナリオには参加できません。(3)パーティシナリオには複数本参加していただいて構いません(抽選エントリーできるのは1つだけです。抽選後の空席は自由に参加できます。通常シナリオに参加した人は参加できません)。※誤ってご参加された場合、参加が取り消されることがあります。======
● 低い振動が指先から伝わる。 0世界は今や戦乱の真っ只中だった。長い間、それこそ住民が答えられないほど長い間平穏な時の流れていたその場所に、大量の土煙が舞い真新しい血が滴る。 乗り込んできた世界樹旅団のメンバーは数え切れない場所で災いをもたらし、人々を傷付けた。 数多な戦いの気配の中、このカフェの異常に気が付いたのは3人。 たった3人、それとも3人も居たというべきだろうか、ともすれば誰にも気付かれず抹殺されていたかもしれないツギメとミルがまず最初に感じ取ったのは、殺気を纏った人間2人の気配だった。 (入ってきた――) 痛みに荒れそうになる息を抑え、ミルはじっと隙を窺う。 走る体力も残っていない2人が逃げ込める場所はここしかなかった。しかしこれでは袋の鼠、何とかして出し抜かねば命がない。 そう、出し抜くか……もしくは、誰かの助力を得るか。 近くに居合わせたロウ ユエ、ジューン、ハーデ・ビラールの3人は黄龍が血のついた日本刀を片手にカフェへと入っていくのを目撃していた。 嬉々とした顔でわざわざ室内に入るということは、中に誰か居る可能性が高い。 黄龍とエダムの背を追うように出入り口へ向かったジューンとハーデの2人と分かれ、裏口へ走ったのはユエだった。 こういう店には大抵出入り口が二ヶ所あるはず、と読み、救助対象確保の成功率を上げるためだ。主目的ではないが挟み撃ちも出来るかもしれない。 「あった……」 剣を構え、ドアノブをゆっくりと回す。 手に抵抗は伝わってこない。施錠はされていないようだ。 入るタイミングを計るためにそっと耳をつけると、男と女の声が聞こえてきた。 「……本件を特記事項β6-21、クリーチャーを伴ったESPゲリラによる殺傷事件に該当すると認定。リミッターオフ、アンチESPプロテクト起動、クリーチャー及びゲリラに対する殺傷コード解除、事件解決優先コードA2、A7、A12。保安部提出記録収集開始」 平坦な声でジューンは言い、ふわりとスカートの裾を持ってお辞儀する。 普段、ジューンは人間を殺害することが出来ない。出来ないように作られている。しかし緊急時のみ、こうしてコードを解除することにより可能になるのだ。 「ほほう、ESPゲリラにクリーチャー……言い得て妙ですな。儂らをご存知で?」 「ああ、裏切ったお前は有名だ、エダム。見た瞬間殺した方が良いと大抵の人間が考える程度にはな」 ハーデが鋭い目付きでエダムを見る。それにジューンも頷いた。 「報告書で存じております。ESPテロリストのエダムとクリーチャーの黄龍。旅団でのランクが低く、保持情報ランクも低位と推察……捕獲の必要性を認めません」 黄龍がふんと鼻で笑う。 「推察で決めるには大事じゃぁねぇか? まぁいい、両手に花だ、さっさとやろうぜぇ?」 エダムの傍らに立ち、日本刀の切っ先を2人に向ける。若い女性2人に突き付けるにはあまりに不釣合いなそれが揺れた瞬間、戦闘は開始されていた。 ジューンは生体反応サーチと赤外線視野でツギメとミルの位置、そして負傷を把握している。ミルの負傷は足のみ。ツギメは全身と、そして同じく足。隠れながら止血は試みたようだが上手くいっておらず、失血が多い。 決着を急ぐべし、という結論をすぐさま出し、床を蹴る。 瞬間、床がミシリと音をたてジューンは瞬きする間に黄龍に肉薄した。 打たれ弱いエダムはすぐに始末出来る。ならばここで相手をすべきは黄龍。 喉仏が手のひらに当たり、押し込まれ砕ける感触がする。それはまさに首を絞めるのではなく握り潰していた。片手で難なく首を潰したジューンは瞼の縁に血液を伝わせながらもう片手を日本刀へと向ける。 刃もろとも折るつもりだった。しかし旅団員が持つ日本刀が普通の刀であるはずもなく、脂にまみれても切れ味を失わないそれはジューンの手にめり込んだ。ならばと手首を掴む。 すぐさま鬱血した腕には目もくれず、かちり、と小さな音をさせ電磁波と電撃をその身から発した。 「――ッ!!」 ジューンにとって最大出力のそれは黄龍の体を駆け巡り、細胞を焼き殺し炭化させる。その間も緩められなかった握る手により首は傾き、ごとりと煙を上げて床に落ちた。 「なんとまあ……」 エダムが口を布で隠す。 幻覚を見せる上でグロテスクなこともすれば過去に何百と死体を目にもしてきたが、人間が焼ける臭いを好ましいと思う感性ではなかった。尤も、臭いを用いて相手に不快な思いをさせるためなら何ということはないが。 「そんな隙を見せるとは、本当に戦闘慣れしていないんだな」 「!」 ハーデの声がした、と思ったと同時に体がそちらへと引っ張られる。 背中を押されるのとも腕を引かれるのとも違う強制的な力――ハーデのアポーツだった。 「そうだな、戦争中で助かった。お前たちのような輩を会話なしに殺しても弁明が要らん……楽でいい」 エダムはすぐさま懐から短刀を取り出すが、ハーデの腕から生えた光の刃により弾かれる。床に落ちた短刀は真っ二つになっていた。 返す刃で布ごと腕を切り付ける。この布はギアだと聞き及んでいたが、破壊する前に使用者の命を絶ってしまえばどうということはないだろう。 色黒の右腕が宙を舞う。 無くなった利き腕を動かそうとする動作を見下ろしながら、二撃目。 普通の人間ならば少しは哀れと……早くとどめを刺してやろうと思っただろうが、全身を機械化したハーデの感情に波は立たない。 「っぐ……」 「暴れるな、狙いが反れる」 そう言うのみだった。 自分が前の体ならどう感じていただろうか。 予想は出来る。しかし、それが今の自分に反映されている図が想像出来ない程度には縁遠いものとなっていた。 そう一瞬だけ思いながら繰り出そうとした三撃目の直前、ハーデは絶句する。 見知った猫が血まみれで呻いていた。 ● 「国が滅んだ時に少し似ているな……」 ユエは身を低くして走り出す。彼は戦闘が始まってすぐに行動した。 物の壊れる音、外からの轟音、得体の知れない臭い。そのどれもがユエに忌まわしいものを思い出させる。 こういう状況になれば真っ先に狙われるのは重要人物である。ここ以外でもきっと同じ状況に陥っている者は居るだろう。理解は出来るが腹が立つのは抑えられなかった。 不意打ちを狙って走り切る。万一の時はそれなりの対応をするつもりだったが、4人は戦闘に夢中らしい。 「あなたは……」 青い顔をしたミルがユエを見た。 「生きているか? 失礼、非常事態だ。裏口から入ったのは目を瞑ってくれ」 「なんとか、ね。ええ、その代わり今度お茶でも飲みにきてね?」 冗談めかして笑い、余裕を見せようとするが唇が紅越しにも白いのがわかる。そう長くはもたない。 「ほらツギメ、王子様が助けに来てくれたわ。しっかりなさい」 「……しっかりはしている。状況はわかるか?」 導きの書を胸に抱いて俯いていたツギメはユエに瞳を向けた。 「俺を含めて3人で対応している。敵は2人。……止血は自分でやったのか?」 「ああ、しかし見ての通りだ」 一目で不十分だとわかった。 使われた荷造り用の紐を解き、ユエが再度縛り直す。 「治療は可能だが敵が待ってくれるとも思えない。このまま脱出する。……がギアのために片手は開けておきたい。片方には自力で走ってもらうことになるが、いいか」 「ええ。それなら私が走るわ。足しか切られていないもの」 「よし。簡単な怪我の修復はしておく。……いくぞ!」 ツギメを肩に担ぎ、窓ガラスに向かって剣を振るう。人を担いで裏口は通れないし、目立つのだ。ならばここからは敵に見つかること前提で動いた方がスムーズにいく。 ちらりと見えた光景にユエは眉根を寄せた。 黒い人型をしたものになった黄龍。そして―― 「ハーデ君?」 棒立ちのハーデ。片腕を押さえるエダム。 ハーデは全身を機械化しているが、脳は補強はしていても大半がそのままである。 つまり幻覚にかかっているのだとユエは判断し、窓の外へ飛び出す直前にエダムへと水球を放った。そのまま窓枠を蹴り、通りへと出る。 「2人とも死なないでくれよ……」 そう祈りながら、ユエは自分の役目を全うするために道を駆ける。 ● 黄龍は始末した。 ちらりと隣を見れば、まだエダムが残っている。致命傷となりうる傷はあるが在命中だ。 ハーデの様子を確認する前にジューンは走っていた。この状況でエダムが残っているということは、幻覚を使われたのだろう。予想出来ることを目で確かめるよりも優先度の高い行動をした方がいい。 ひゅん、と風を切る音をさせ、ジューンの手がエダムの喉を捕らえる。しかしその力は弱い。 「貴方には尋問の時間をあげましょう」 「っ……!」 「ほら、喋ることが可能な程度に手加減はしていますよ」 エダムは黒い瞳を揺らす。 「黄龍殿に頼りすぎましたな……初めから儂も相手を潰すつもりで動くべきだった」 「そのような遺言は必要ありません。今回の襲撃の目的を吐きなさい」 「――予想は出来ているのでしょう?」 ジューンは無機質なものを見る目でエダムを観察する。 「……テロリスト・エダム。言い残す事はありますか?」 「…………」 「残念です、今は貴方を安全に投獄できる場所がないので」 ここできちんと処理するしかない。 今まさに喉を握り潰さんとするジューンの腕を、エダムの右手が掴んだ。 (右手?) 落ちた腕は確認していた。二の腕の途中から肘、手首に五本の指までひと揃えあったはずだ。親指の位置から右にあったものに違いない。 「儂の能力が幻覚を見せるだけとでも?」 掴まれた部分から黒く変色していく。手先に込めていた力が抜けるのを感じた。恐怖はないが、このままではこの得体の知れないもので戦闘不能になるのは必至。 触れられたところから変化が始まるものだと判断し、躊躇無くジューンはその腕を切り落とした。 一瞬、普段とは違う揺れ方をする視界。 まさかという感覚にジューンはエダムを見る。 「なっ……!」 驚愕していたのはエダムも同じだった。 ジューンはESPテロリストに対して強力な壁となれるアンドロイドだ。アンチESPプロテクトを所持し、記憶を固定化しない彼女らに通常ならば幻覚の類は効かない。対してエダムの幻覚は生きるもの全てにかけることが出来る。この生きる、とは無機物に宿った意思もしくは自己で判断し動ける自立した精神やプログラムも含まれるのだ。そういう風に出来ている魔法に近い能力であり、超能力とはまた別世界の力なのである。 自分には効かない、と高を括っているジューンの隙を突くつもりだったが、アンドロイドである彼女が自傷する速度は目を瞠るものがあった。 「恐ろしい女性ですな。……――っく!?」 室内を覆っていた薄い膜が弾けるように消え、元の空気が戻ってくる。 目前のエダムは腕以外に傷はない。ハーデの初撃は慢心により受けざるをえなかったが、ジューンに対しては姿を確認した瞬間に幻覚をかけていたらしい。 その顔に水球が纏わり付いていた。 彼がそれを掃う前にジューンが駆け出す。今度は初めから首をもぐことだけに集中した。だが真横からの衝撃にそのままカウンターへと突っ込む。 「勇ましいお嬢さんだなぁ、本当によぉ!」 馬乗りになった黄龍が日本刀を突き立てる。間一髪で避けたが桃色の髪が瓦礫の上に散った。次の一撃は顔を狙わず、残った手を床に射止める。 「あれでも復活しますか」 「不死だからなぁ、けど辛かったぜぇ息が出来ねぇのは」 間近でまだ熱のこもった息を吐きながら、何かを察知した黄龍は後ろへ声をかける。 「エダム! お前は退け、ノアが来た!」 水球から逃れたエダムが返事をする前に、その脇腹を光の刃が薙ぐ。幻覚から解放されたのは一人ではない。 「この体になって尚、心を揺さぶられるとはな……」 見たくもないビジョンを思い返し、ハーデが忌々しげに言う。 再度振り下ろした刃を飛んできた斧が遮った。 「退くのはお前もだ、黄龍」 割られた窓から現れた男、ノアが表情を動かさずに言い放つ。物言いたげな黄龍に彼は更に言葉を重ねた。 「殺害対象は逃げた。追わずにここで戦闘を続けるのがお前の策か?」 「……チッ」 黄龍は指の腹を噛み千切り、ジューンの首に赤い線を付ける。 「印だ、次はもっとゆっくりやろうぜぇ?」 そのまま日本刀を引き抜くと同時に飛び退いた。 ノアと共に出て行こうとするエダムにハーデが向かう。 「また幻覚にかかりたいので? 同じものがご所望なら延々と見せ続けることも可能ですぞ」 縁のある猫の、犬の、そして古くから知るロストナンバーたちの死にゆく姿。それを自分が殺したという状況。 蘇るそれにハーデは首を振る。 「屈するものか」 「貴女の感情は一定だ。しかし友人や仲間を想う心は強いようですな」 演技でもなく、エダムは一瞬だけ躊躇した。 ああ、欲を十分に満たせていると、どうも―― 「ならば、儂のようにはなりますまい」 呟くように言い、そのまま店外へと脱出する。 「……どういう意味だ」 まだ揺れる視界に頭を振りながら、ハーデは床に落ちた自らと同色の腕を睨むように見た。 ● 「きっと店はめちゃくちゃね……」 大通りに出、仲間の姿を探しながら辺りを見回していたところにミルのそんな声が届く。 悲壮感はないが、どことなく寂しそうなその様子にユエが声を掛けた。 「足りないと思うが募金くらいはしよう」 「あらありがとう、……助けてもらったお礼もしないといけないわね」 「後で3人でゆっくり考えよう、まだ安全とは言い難い」 ここから2人を救護施設へと運び、仲間の救援にも向かわねば。 もたもたしている間はない。そうこうしている間にも仲間の命が奪われているかもしれないのである。 そう焦りながら見上げた先には宙に浮かぶナラゴニア。巨大な影を0世界に落とすそれに何か動くものを捉え、ユエが目を細める。 「なっ……」 一瞬だった。ナラゴニアから植物的な質感の蔦、もしくは根のように見えるものが無数に伸び、次々と0世界の地面へと突き刺さっていく。 ミルを引き寄せ、間近へ伸びてきたそれを間一髪で避けたユエは唇を噛む。 「世界樹旅団……お前たちはいったい何をしようっていうんだ」 目の前で地面深くに埋まってゆく光景。 その光景を、0世界の各地でロストナンバーたちが為す術もなく目にしていた。
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