イラスト/ピエール

モフトピアはどこまでもつづく「空」に浮かぶ、いくつもの浮遊島で構成された世界です。浮遊島はごくちいさなかけらのようなものから、大陸に匹敵するものまでさまざまで、それぞれが一定の周期で空を周回しています。

浮遊島の周回軌道の中心線上に、この世界の太陽があって、24時間周期で明滅することで一日がなりたっています。月や星は、浮遊島と同じく、空を周回しています。

気候は浮遊島によって違い、太陽に近いものほどあたたかく、離れたものほど寒いようです。一応、季節などもありますが、いずれの浮遊島においても、「過酷な環境」になることはありません。楽しく水遊びができる程度の暑さから、楽しく雪遊びができる程度の寒さまでの間で、快適に暮らせるようになっています。

浮遊島の間にある空には、雲が浮かんでいますが、これもふれることができ、大きな雲には乗ることもできます。雲は軽いので、風に流され、一定周期の軌道は描きませんし、つねに分裂したりくっついたりを繰り返しています。この雲に乗ることは、浮遊島間を移動する主たる手段になります。

この世界において生まれたものは、この世界の中では、過剰に「悲しいことや辛いこと」を引き起こすことはありません。ケンカをしてちょっとケガをするくらいはあっても、それによって重傷や死亡はありません。カゼを引くくらいはあっても、重い病気にはなりません。外の世界からきた人間も、この世界の怪獣になら、踏まれても、一時的にペラペラになるだけですみます。ただし、反対に、外の世界からきた存在は、この世界のいきものを殺すことが可能です。

■モフトピアの住人
モフトピアには「アニモフ」という種族が住んでいます。かれらがこの世界の支配者だといっていいでしょう。アニモフの外見は「動物のぬいぐるみ」のように見えます。かれらは浮遊島に集落を築いて暮らしており、「くまのぬいぐるみ」型が多いですが、さまざまな種類のものがいます。

かれらは時おり空から降ってくる毛玉から生まれ、一定の成長をするとそれ以上老化せず、自然死することもありません。普段は集落で楽しく暮らしていますが、ときどき思い立って、雲に乗ってほかの島へ旅に出るものもいます。そうして集落の人員は入れ替わりますが、特に気にせず、みんな仲良くしています。

アニモフは国家や政府といったものは持ちません。経済も物々交換が主流です。集落によっては、「王様」がいたり、貨幣のようなものが流通したりしていることもありますが、それらもみんなかれらの楽しい遊びの一部のようなものです。

■モフトピアで行う冒険
モフトピアは、現在、世界図書館が<駅>を設置しているもっとも上層の世界です。平和な楽園そのもののモフトピアでは危険なことはなにもなく、そのかわり、不思議な風物が調べきれないくらいにあります。世界図書館からの任務は、アニモフと交流してモフトピアの不思議な習慣を知ったり、面白い自然現象などを観察したり体験したりする調査任務が中心になるでしょう。そしてそれは、旅人たちにとっても楽しいひとときになるはずです。

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螺旋特急ロストレイル

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