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使用方法など |
2008-11-09(日) 00:18
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事務局 |
<オープニング>
「マツタケが必要なそうなんです」 サムはどこか疲れ果てた微笑を浮かべて、対策課に訪れた。 「なんで、俺が……ああ、けれど、しないと、後が怖い」 女王さまよりのありがたい御指名を受けたサムは、なんとしてもマツタケを手に入れなてくはいけなくなってしまった。もし、手に入れないと、あとが大変怖いどころではない。サム子になってしまう。サム子、サム子……頭の中で見てしまった地獄がぐるぐると頭を回る。それをなんとか頭から蹴り飛ばしてサムは動き出した。 だが、一人で、マツタケなんて手に入れるなんて出来るはずもない。ので、こうして情報収集がてら人々の手も借りにきたのだ。 地図やパソコンから情報を見ると、神獣の森にマツタケがとれる場所があるようだ。 「とりあえず、目星としては、岳夜谷温泉郷・神獣の森にいってみて、マツタケがあれば、それをいただけるように頼んでみましょうか。……温泉、つかりたい」 温泉につかって、いろいろと忘れてしまいたい。そんな欲望にかられそうになりつつ、サムは頭を横にふって、すぐさまにマツタケを供に狩ってくれる勇士たちを呼び集めるためにちらしをつくり、対策課を通して人を集めた。
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◇ どきどき★マツタケ狩りのお誘い 秋も深まりました今日この頃 みなさま いかがお過ごしでしょうか? 読書、スポーツ……食欲の秋です。 神獣の森にマツタケをとりにいくことになりました。 みなさま、お誘いあわせのうえ、ふるってご参加ください おやつは五百円までです(バナナは別です)
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サムの努力と対策課の人々の協力で集まった人々と供にサムは、岳夜谷温泉郷・神獣の森に訪れた。 杵間連山中にひっそりとある温泉地。知る人ぞ知るといわれる観光地である。銀幕市からはバスなど乗り継いで一時間ちょっと。日帰りでいくちょっとした温泉地である。 まずはお世話になるだろあ温泉宿『迷泉楼』にサムたちは訪れた。ここでマツタケがとれる場所も教えてもらわなくてはいけない。 『迷泉楼』は見た目は純和風の古民家的な形状の民宿であるが、外見とは裏腹に内部はとても広く。 サムたちは到着すると荷物を従業員に運んでもらいつつ、玉乃梓と挨拶を交わした。 「本日はお願いします。あの、それで、こちらにマツタケがとれる場所があるとお聞きしたんですが」 「ええ、ございます」 にこりと艶ある微笑みを玉乃が浮かべる。 「それを狩らせていただくというのは、よろしいでしょうか?」 「構いませんが、その地域は神獣・白鷺のなわばりでして」 とりあえずマツタケは狩れるらしいというのでサムとしては安堵とした気持ちとなった。 「こちらとしては、マツタケをとらせていただけるのでしたら、ささやかとはいえ何かお礼も考えていますが」 「でしたら、白鷺は外に興味あるのですし、みなさんが温泉などに付き合ってさしあげましたら、喜ぶと思います」 「外の世界ですか」 「ええ。力ある神獣なのですが、人の文明に興味が強く周りからは異端といわれおりまして、他の神獣からは疎まれてしまい、すっかり自分のなわばりに引きこもってしまっているんです。一人の孤独に白鷺は鬱憤をためているようで……ですから、ここにきている方々にマツタケを狩らせていただくお礼として白鷺の頑なな心を解きほぐしてあげてくださればうれしゅうございます……いろいろと問題の在る子ですが、とっても良い子ですわ」 「はぁ、いろいろと問題のある子なんですか」 ああ、これは、なにかある。サムは自分の刑事の鋭すぎる直感が告げた。しかし、ここで諦めるわけにはいかない。なんとしても逆境こそが人を大きくするんだから。 「では、みなさんに相談して、マツタケを狩る班と接待班にわけましょう」
★★★
マツタケ狩り組と神獣の接待組と分かれ、必ずやマツタケを狩ってきてほしいと強く強くお願いし、サムは神獣の接待組と八色の森を目指した。 玉乃に簡単な目的地までの地図を描いてもらい、白鷺のなわばりだという八色の森まで一行は赴いた。 うっそうとした森の中には、近くに自然の温泉も湧き出ているのか、どこかでこぼっと大地から湯の沸く音が静寂に響く。 歩いて三十分ほど過ぎただろうか。 木々の中でも一際大きな樹が存在していた。その前には白い翼をもった巨大な鳥がいた。それは人よりやや大きく、威嚇するような鋭い眼差しをサムたちに向けた。 「玉乃さまより、あなた方のことは、お伝え聞いております」 「あなたが、白鷺さま、ですか」 「いえ。私は白鷺さまの配下の者、あの方は上に」 「上?」 強い風が吹いた。思わず目を瞑り、慌てて開いたときにはサムたちの目の前には白い大きな翼を持った鳥が現れた。その鳥は真っ白で、その姿そのものが光のように神々しい。その鳥が羽をはばたかせて、大地に降りるとその姿がかわる。 白い布を頭からすっぽりと被った小さな人の形へと変化した。 「吾(われ)が白鷺ぞ。汝(なん)たち人の子のため、人の姿をとってやろう」 「ありがとうございます」 サムが頭をさげると白鷺がからからと笑った。 「ほぉ、人間ともいえども礼儀のあることよ……玉乃の言葉は聞いた。汝らの願いは承知した。そして、吾に汝らの礼もうけとろ。さぁちこうよることをゆるし……ぎゃあー」 「あっ」 一歩前へと近づこうとした白鷺は思いっきり服の裾を踏んづけてころころと地面に転がった。 転んだ拍子に白い衣がとれようやく全体が見えた。白い髪の毛をし、黒色の目をした、その子供は慌てて立ち上がってお尻に両手をもっていった。 「す、すきをみせたら、尻子玉をぬく気だな」 「抜きません」 それは河童ではないのだろうかとサムは心の中でつっこんだ。 「けど、人間はこわいものだとみなが教えてくれたぞ。隙があると、神獣の尻子玉を抜き取るのだ」 「ですから、抜きません。……なんという教育をしてるんですか子供に」 「子供ではないぞ」 白鷺が鋭い声で言い、サムを睨み付けた。 「見た目を童と思うでない。吾は、これでも汝(なん)の三倍の年齢ぞ」 凜とした口調に挑発する声は、先ほどの子供のとは違う上に立つ者の傲慢さがにじみ出ていた。 「見た目に惑わされるとは、汝もまだまだ」 「……ご無礼をお許しください」 「うむ。まぁ。よい……それで礼として吾を楽しませてくれるとな? よき働きをすれば、汝たちを吾も祝福しよう。人なぞ粗野もまた一興よ。他の神獣は知らんが、吾は人間たちに慈悲深いぞ。吾のなわばりに人をいれてやるのだからな。ありがたくおもうがよい。ゆえに汝らは、吾を楽しませるのだ」 「ええ。むろん。出来るだけご希望にそったものを」 「うむ。ではここ近くには自然に湧き出た温泉が多くある。手ぶらではあるまいて、うまい食べ物もくわせてもらおうか。人の食べ物がいかほどか識るのも悪くはないだろう……そして」 「そして?」 「ちにくりぃんをするのだぞ! あったかい温泉にはいまくり、美女にうはうはし、酒をのむぞぉ。それくらいのことは汝たち、してくれるのだろうことは期待しておるぞ。最近、ご無沙汰であったからな!」 ぐっと拳を握り締めて、鼻息荒く叫ぶ白鷺にサムは眉を顰めた。 「……また随分と、えげつない、見た目が可愛いだけに、なんというか」 「白鷺さまは、最近、他の神獣たちより疎まれまして、このなわばりより出ていないのです。そのために鬱憤がたまりにたまっておりまして、もう爆発寸前なのです。このように女と酒をこよなく愛しているのです。あの姿も女性に優しくされるからという理由だという説もあります」 配下が冷静に説明してくれるのを聞いてサムは頭を抱えたくなった。 「ちなみに、白鷺さまは、女性です」 「ああ。そうですか……えっ」 サムとしては、どうつっこめばいいのやら眩暈がした。 「それに、だ……人の文明とは話しには聞き及ぶに、あいすくりーむなるものあったり、あと卓球でくろすかうぅんたーする青春もあるとなぁ。人間のやるげーむ機も……まったく人とは目先の欲望を抑えきれず、自然を破壊する、唾棄すべき生き物よ。な、なにも、きになってなぞおらんぞ」 「……はぁ、しかし、人間の文明のことをよくご存知で」 サムの疑問に白鷺がにやりと笑う。 「森に捨てられとったのを拾い集め、勉強したのだぞ。人の文明を滅ぼすには、まずは知らねばなるまいて、まぁ知れば、そこそこ目を向けるものもあるが……そんなもので、吾はたぶらかし、尻子玉は抜くでないぞ。汝たちを信用したわけではないからな!」 もし、これが終わったゴミ回収を徹底しようとサムはかたくかたく誓った。
<ご案内> このイベントは、温泉で神獣「白鷺」を接待することが目的です。 並行して、マツタケ狩りが行われていますが、彼女の機嫌を損ねてしまうと、せっかく狩ったマツタケを持ち帰れないなどの困った事態になるかもしれません。
!注意! この掲示板イベントにご参加の方は、もうひとつの掲示板イベント『【秋の味覚ツアー】マツタケを獲得せよ!』には参加できません。ご注意下さい。
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