★ だいすき、を、のこしていくよ ★
クリエイター神無月まりばな(wwyt8985)
管理番号95-7236 オファー日2009-03-31(火) 23:31
オファーPC 太助(czyt9111) ムービースター 男 10歳 タヌキ少年
ゲストPC1 理月(cazh7597) ムービースター 男 32歳 傭兵
ゲストPC2 三月 薺(cuhu9939) ムービーファン 女 18歳 専門学校生
ゲストPC3 山本 半兵衛(cuya9709) ムービースター 男 32歳 萬ず屋
ゲストPC4 ブラックウッド(cyef3714) ムービースター 男 50歳 吸血鬼の長老格
ゲストPC5 アレグラ(cfep2696) ムービースター 女 6歳 地球侵略軍幹部
ゲストPC6 ユージン・ウォン(ctzx9881) ムービースター 男 43歳 黒社会組織の幹部
<ノベル>

 ここは杵間山の麓にある洋館、旧橘侯爵邸――というよりは、『黒木邸』と言ったほうが、現在の銀幕市では通りがよかろう。
 そして、ここのあるじ、ブラックウッド氏の紹介も、吸血鬼の長老格である『エルダー』という以上に、どんな頑健な腰も一瞬で砕けるエロスでタナトスな魅惑のヴェルベットヴォイスとか狙った獲物は完全悩殺最強愛CBM黒木クオリティ(一部捏造)とか言った方が、銀幕市民の皆さんは「うんうんうんうん」と激しく首を縦振りしてくださるに違いない。なお、伝説のちくわキャノンはまた別世界の兵器なので、そのへんお間違えのないように。
 さて。
 やはり銀幕市民には周知の事実だが、この館には、丸まっちいコウモリ風な使い魔がいる。その愛くるしさゆえ『つっちー』の愛称で親しまれている彼は、しかし今―― 
 

    【はいつちゃだめてすしばやくひとりにしてくだたい】


 重厚な扉には、引きちぎったガムテープで貼り付けられた紙がある。まるぎんのチラシ裏に、黒いクレヨンで大胆に書かれたメッセージだ。
 つまりつっちーは、ご主人様から離れて、館の一番奥の部屋に、鍵まで掛けて閉じこもっているのである。
「「「ひmcんっつswyhbckmさk反抗期?!!!」」」
 つっちーの姿が見えないので探しているうちに、これを発見した黒木家メイド3人娘、クロエちゃん、綾野っち、日向たんの驚くまいことか。
 あのあの、いつもぷゅぎゅぷぎゅかわゆい、人なつこいつっちーが……!
 部屋に籠城するなんて……。まさかッ、銀コミ的な悩みごと?
 それとも新たな自我が芽生えたのかしら?
 取り急ぎ3人は、この非常事態をブラックウッドに報告したのだが。
 ご主人様は読書を中断するでもなく、
「――わかっている。そっとしておいてかまわないよ。そんな気分になるときもあるだろうからね」
 と、余裕の微笑みを見せただけだった。

 ブラックウッドの手には、1枚のカードがあった。
 それは、つっちーの友人であろうと思われるムービースターの赤いカナリアが届けてくれたもので――

   ★  ★  ★ 

「聞いてください太助くん。ばっくんが最近、私に冷たいんですよー!」
 三月家を訪れた太助に、薺は、おたまを握りしめて訴える。
 なんか、似たような状況は、三月家にも訪れていたのだった。
「そんなことないと思……。お? 三月家、今夜はカレーか?」
「うん。よくわかるね」
「ちょっと煮詰まってる匂いがするぞ」
「あっ、いけない!」
 慌てて薺はキッチンに戻り、カレー鍋をかき回す。
「ばっくん、淋しがりやだから、いつも私と一緒にいるのが普通で……、どこにでもついてきてくれて、何か作業したり、お料理作ったりするときとか、一所懸命手伝ってくれてたのに……」
 大きな瞳に涙を浮かべ、薺はちらっとキッチンとリビングの境目を見る。
「私、ばっくんになにか、嫌われるようなことしたのかなぁ……」
 そおっと、壁から顔だけ覗かせていたラベンダー色のバッキーは、自分の話題にびくっとしつつ、違う違うとでも言いたげに前脚を振ってから、すたたたたーーっと外へ出て行ってしまった。
 ばっくんの哀愁漂う後ろ姿を、太助は気の毒そうに見やる。
 何となれば、『たすーたいちょー』は、知っているからである。

 ――小さいものたちが秘密裏に集まって企画・検討・構築してきた、大イベントの全貌を。

 驚く顔が見たいから、というそれだけのために、今まで、愛する保護者にさえも内緒にしてきたのであるが。
 企画実行前に信頼関係に亀裂が走ったりなどしては本末転倒。
 そもそも、たすーたいちょーは、そろそろカミングアウトの頃合いだと思って、今日ここを訪れたのだ。
「なずりん。手、出して」
 薺の手に置かれたのは、二つ折りの小さな白いカード(表面に各種肉球スタンプ押印済)。
 広げてみれば、色とりどりのクレヨンで書かれた、たどたどしい文字が踊る。

  *+○+*+*+○+*+*+○+*+*+○+*+*+○+*

    次 の まんげつ のよる に ぱーてー をしま す。

         きてく だ さ  い


    ばしょ は ぎんまくし しぜんこうえん です。

           
               ●ちいさいものくらぶ いちどう●

  *+○+*+*+○+*+*+○+*+*+○+*+*+○+*

「パーティーの、招待状……。そうだったんだ。ごめんね……、ばっくん。……ありがと」
「泣くなよぅ、なずりん」
 おたまを構えたまま、ぽろぽろ涙をこぼした薺に、太助は愛用の風呂敷を差し出した。
 何しろ、ハンカチの持ち合わせがなかったので。

   ★  ★  ★ 

 ユージン・ウォンにそのカードを届けたのは、ムービースターのイヌワシだった。
 勇壮かつ孤高な絶滅危惧種の鳥は、ユージンがオーナーをしている高級クラブの店内を鮮やかに突っ切り、使命を果たすやいなや飛び去った。
 その場に居合わせた店長は、はらりと落ちた黒褐色の羽根を受け止め、カードをチラ見して青ざめた。
 いったい、どこの凶悪マフィア系ヴィランズからの呼び出し状かと思ったのである。
 ……まさか、ユージンが、ちっちゃい皆さんと親交があろうとは想像もしなかったのだ。それはそうだろう。

 ところで最初、つっちーはカナリアさんにカード配送をお願いしようと思ったのだが、
「それはまずいんじゃね? やっぱほら、はーどぼいるどなところに、小鳥とか小動物とかがおとどけものしちゃったらさ」
「ぷぎゅぎゅー!(訳:ごしゅじんさまからきいたことあるです。せけんていのもんだいですね)」
 たすーたいちょーとの首脳会談により、ユージンにはすげぇ大人な気配りをし、イヌワシさんの助力を願ったのであった。

「オーナー。それは……、どういった組織からの……、何の暗号ですか?」
 さっと緊張を走らせた店長をじろりと見て、ユージンは低く呟く。
「月餅」
「……は……?」
「あと、壽桃」
「…………は、い?」
「麻花兒なども悪くないな。ともかく、出来るだけ多く用意したい。中華街で、極上のものを扱っている店に心当たりはあるか?」
「いったいどんなご事情が……。いえ、お聞きするのは差し控えますっ! ともかく美味しくて評判のところから中華菓子をたくさん仕入れてくればいいんですね? わかりましたおまかせください早速!」

   ★  ★  ★ 

 萬ず屋の店の奥で、ぷかりと煙管をふかしていた山本半兵衛のもとに、赤いカナリアが訪れた。
「……おや、可愛らしいお客さんだね。可愛らしい皆からの、なんとも可愛らしいカードを届けてくれたよ――ああ、僕たち全員への招待状のようだ。うれしいねぇ」
「ンむ? 次の満月の夜か。了解した。……それはともかく、詫びやがれ半兵衛。急に火ぃつけんじゃねぇって何度言ったらこののほほんおつむはわかるんだよぅ。熱いじゃねぇかこのいじめっこが」
 白いカードを受け取ってのんびり笑う半兵衛に、管狐が苦情を訴える。例によって、良い心持ちで昼寝を決め込んでいたところを、煙管に点火されてしまったのだ。
「そうだね。ごめんごめん」
「ごめんで済むなら奉行所も銀幕署もいらねぇんだよぅ」
 細い尻尾で半兵衛の頬をぺしぺし打ったりするのもいつもの萬ず屋の風物詩であるのだが、今日の管狐のお怒りは、心なしか穏やかだった。
(ぱーてーか。そりゃあにぎやかで、楽しかろうなぁ。さて――どんな趣向でお手伝いすれば盛り上がりますかねぇ?)
 とうに、満月の夜に心が飛んでいたからである。

 招待状に狂喜乱舞したのは、この家の付喪神(特に食器系)も同様であった。
 嬉しすぎて、部屋中を、それぞれの小さな手足で駆け回る始末である。
(ぱーてーだ)
(ぱーてーだ)
(お誘いがきたよ。うれしいな)
(かわいいみんなと、すてきなみんなに会えるんだね)
(たくさんたくさん、器がいるよね)
(ぼくたちの出番だね)
(器参上だよ。ぱーてーで使う食器はぼくたちにお任せあれ)
(お皿とお茶碗と湯呑みとこっぷと徳利と杯と。それからそれから)
(お箸とすぷーんとふぉーくとないふと。それからそれから)

   ★  ★  ★ 

「わん! わわん、わん!」
「おまいりヴィヴェルチェ。そのカードどした? 親切さんにくださってもらったか?」
 アレグラのもとへは、小犬のヴィヴェルチェ自ら、届けることとなった。
 ヴィヴェルチェたんは今回、超がんばった。ひとりで散歩に行くふりをして杵間山麓の黒木邸まで突っ走り、裏口で待ってたつっちーからカードを受け取り、戻ってきたのだ。
 小犬だなんて〜♪ 思ったら〜♪ ヴィヴェルチェたんもやるときゃやるんである。
 そして招待状を開き、内容を確認したアレグラたんは、大きなおめめをいっそう見開いた。
「ぱーーーてーーー!?」
「わん、わぅん」
「はーてーって、ぱーてーのことだな? みんなたくさん踊ってごちそう食べて楽し仲良しするあれだな?」
 アレグラたんのおめめに、キラキラとお星様が宿る。
「アレグラ、ぜったいぜったいぱーてー行く! 泣いて止めても容赦しないぞ!」
「わん♪」
「行く前に練習する!」
「わふっ?」
 あの、パーティの練習ってなんのことすか、と、もの問いたげなヴィヴェルチェたんをよそに、アレグラたん、いきなりお外で両手を広げ、お手々のお口を思い切りよく開いた。
 
  ずごごごごごごぉぉぉーーーーっ!!!

 ご近所の工事現場で、【赤土・黒土差し上げます。積み込み無料】と看板が出てたりするのだが、そこの土砂が見る見るうちに吸い込まれていく。
 アレグラたん、質量増大。

     ☆
      巨大化。
          ☆

 練習、成功。
 パーティー会場では、ちいさな皆さんに登って遊んでもらおうという趣旨であった。

   ★  ★  ★ 

 そんでもってこちらにも、小犬だなんて〜♪ 思ったら〜♪ な、キュート極まりない最終兵器しばわんこに骨抜きになってる傭兵さんがいたりする。
 言わずと知れた理月である。彼は今、たすーたいちょーに呼び出され、カフェ・スキャンダルに来ていた。当然ながら柴犬の恵森たん同伴で。
 いつもといえばいつものことだが、どっかのムービーハザードな戦場で無茶したらしく体中包帯だらけである。ところどころ血が滲んでるので、「あの……。理月さん。安静にしてたほうが……」と、ウエイトレスが心配そうに言ってくるほどだ。
 しかし彼、可愛い小動物を前にすると理性が大銀河に飛翔してしまうタイプなので、そんなっ、魔性のおなかで銀幕市民をドミノ倒しに萌やし殺す恐るべき子狸、太助の呼び出しをスルーするなどとんでもない。今だって、太助がのけぞるほどの凄い勢いでカフェの小さいものクラブ席にスタンバっていたのだった。
「ぽよんす、あかっち、早いな。傷、つらいようだったら、無理しなくてよかったんだぞ?」
「何言ってんだ。太助に逢えるんならこんなかすり傷!」
 ぎゅうむむむむ〜〜と、傭兵は子狸を力いっぱい抱きしめる。
「うおおおお、あかっち力入れすぎ。おれる骨おれる」
「おっと、悪い。つい、愛が暴走して」
 少し力を抜いた理月の手に、太助は白いカードを乗せる。
「そんな素敵なあかっちに、俺たちからてんこ盛りの愛をおくるぞ。さあ受け取れ!」
「小さいものクラブから、パーティーの招待状……!」
 理月の端正な顔が、嬉しさのあまりとろけんばかりになった。
「ありがとう太助ぇぇぇーーーー!!!」
「うぉおおおおおおーーーっ。おれる骨おれる。ていうか傷口ひらいてるぞぉーー!」

   ★  ★  ★ 

 満月が、ひかりを振りこぼす。
 銀のオーロラに似た月光は、銀幕市自然公園一帯を。夢と幻想の森のように浮かび上がらせる。
「ようこそ」
「ぷぎゅぎゅうー(訳:ようこそ)」
「……(訳:ようこそ)」
 太助が、つっちーが、ばっくんが、皆を出迎える。
 ベンチのうえには、溢れんばかりの、持ち寄りのお菓子。

 ――ようこそ、満月の夜のパーティーへ。

 アレグラは人数分のプリンを持ってきた。大好きな卵をかたどった人気店の無添加プリンを、隣人から教えてもらったのだ。その横にそっと置いた包みは、太助へのバレンタインお返しクッキー。
 理月が持参したのは『楽園』の新作『緑の森のベリータルト』ワンホール。アーモンドとカスタードのクリームのうえにラズベリーとブルーベリーとストロベリーを鮮やかに敷き詰め、甘い香りを放つハーブの若葉を彩りよく散らした、美しいスイーツである。
 小・中・大・特大。栗月餅。白月餅。伍仁月餅。大きさもさまざまならば、種類も数多い月餅と、ふっくら柔らかな壽桃、香ばしい麻花兒は、ユージン・ウォンからの差し入れだ。月餅は本来、家族円満を表し、特大サイズを皆で切り分けて食べるものであるらしい。
 半兵衛が声を掛ける前に、付喪神たちはちょこまか走り回っていた。めいめいお菓子を乗っけては、自分ごと皆に配り始める。

 かつて、ここには『穴』があった。
 悲劇も、起きた。

 それでも――
 絶望の大地のうえにも、薔薇は咲くのだ。
 地を覆うように蔓を絡ませ、大きなアーチを作っているのはミダスの薔薇。
 そして、静かに見守るように紅い花弁を開いているのは、ユージンの植えた庚申薔薇。
 漢名を、月月紅という。

 月光の下、庚申薔薇を見つめるユージンに、つっちーがとことこ近づく。
 気遣わしげなつっちーに、月餅を一切れ、ユージンは手渡す。
 サングラスに隠された深い青の瞳は、今夜は心なしか、和らいでいるようだ。

 噴水がきらきらと、銀の泉を噴き上げ、水しぶきを散らす。
 誰かが歓声を上げる。泉に映りこんだ満月が、いつの間にか、美しい狐火で飾られていたのだ。
 それは――管狐からの贈りものだった。
 管狐はずっとずっと、この時がくるまで考え続けていたのだ。はたして自分には何ができるのだろうと。
 そして今、水の中の月は、満天の輝きに負けじと華やかに揺れている。
 恵森とヴィヴェルチェは不思議そうに小首を傾げ、泉を覗き込んでから、噴水の周りを駆け回り始めた。

 天の月。
 水に映る月。
 夜の薔薇園を、月が照らす。
 近しい親族のように語り合い、持ち寄ったお菓子の美味しさに笑み崩れて、時を過ごし――やがて。

  …―…―…―…リーン。
    ……リン、リン。

           リン…―…、、、ン。

 巨大化したアレグラに登ったりなどしてひとときを楽しんでいた太助とつっちーとばっくんは、頃やよしと顔を見合わせ、頷きあう。
 めいめいがハンドベルを持って、並ぶ。
 これから何が起こるのかと注視する一同に、ぺこりとお辞儀をして。
「……ぷぎゅっ」
 皆の視線を浴びて、つっちーは固まってしまったが、
「がんばれ、つっちー! いやあ、可っっっ愛いなぁ」
 緩みきった笑顔で割れんばかりの拍手をしている理月に励まされ、こっくり頷き、
「ぷぎゅ、ぷ、おうた、、うたいま、す。れんしゅ、しまし、た」
 たどたどしい口ぶりながら懸命に、そう言った。
「今夜はつっちーがボーカルなんだ。今までご主人様にもないしょだったんだぞ。びっくりした?」
 我がことのように誇らしげに、太助が胸を張る。
「――ああ、とても驚いたよ。全然気づかなかった」
 ブラックウッドは、おそらくは全てお見通しのはずなのだが、使い魔の気持ちを汲んで、穏やかに目を細める。
「そんで俺たちが伴奏。な、ばっくん」
「………!(訳:なずりんにも内緒でがんばりました!)」

 理月と恵森が、ブラックウッドが、薺が、半兵衛と付喪神たちが、ユージンが、そして元のサイズに戻ったアレグラ、ヴィヴェルチェが見つめる中――

 あどけないうたごえが、響いた。
 ハンドベルの音色に包まれて。

   …―…―…―… ♪…―…
         ♪…―… 
              …―…―…

    めがみ、の、まほう、ゆめ、の、はじまり
    いろんなこと、が、あったね

      たくさん、わらって
           たくさん、ないて

    いっしょに、いよう、て、やくそくしたね
  
    だいすき、を、のこしていくよ

     いつか、くる、
        さよなら、の、かわりに


   …―…―…―… ♪…―… ♪…―… 
          …―…―… 

            …―…―…―… ♪…―…


         …―…―…―…リーン。

                リン…―…ン。


「……ありがとう。みんな。私も、大好き……」
 浮かんだ涙を拭いながら、薺が呟いた。

 月が、揺れる。

   ★  ★  ★ 

 ――御礼に。
 そう言って、理月は舞を披露した。
 足元で、恵森が飛び跳ねる。
 薔薇のアーチを舞台に見立て、静かに舞う傭兵の動きに合わせて。

「すごいぞ、あかっち&めもっち! よぉし、俺たちも負けずに『しょーたいむ』だ」
 たすーたいちょーは鶴の一声を放ってとんぼを切り、

   ぱふ……ん!

 家ほどの大きさの、巨大なピアノに変身した。
 ちいさなものたちが、ぴょんぴょんジャンプして鳴らせるくらい、大きな鍵盤の――

 つっちーとばっくんが、そして小さな付喪神たちが、全身を使って曲を奏でる。
「アレグラあんどヴィヴェルチェ、歌って踊りまくるぞ! 覚悟しろ!」
 ぴし、と、片手を挙げて、アレグラが宣言した。

   …―…―…―… ♪…―… ♪…―… 
          
               …―…―… 

           


 パーティーは続く。
 薔薇と満月に、見守られて。

       …―…―…―… ♪…―…


 ――Fin.

クリエイターコメントう゛うう゛ううっ。う゛ぇっぐ。えぐえぐ。
jbdさよなら、ンcまだhdくなkじhcうdhんks……
(訳:お待たせいたしました。在りし日の、満月の夜に開催されたパーティの様子をお届けします。
未熟者の記録者は、まださよならを言うことができず、想い出を記録するたびに泣き伏している始末ですが、ちっちゃな皆さんに、保護者の皆さんに、そして、ちっちゃな皆さんを愛してきたかたがたに、私からも『だいすき』と申し上げたく思います。本当に、ありがとうございました)
公開日時2009-06-25(木) 18:00
感想メールはこちらから