オープニング

「仕方ねぇ。この状況だ、手を組むさ」
 ダイアナ・ベイフルックからの「取引」への、それがグレイズの答えだった。
「いつまでの関係か知らねぇがな」
 そう付け加えたグレイズに、ダイアナはうっすらと笑った。
「ただ……そうだな、てめぇが裏切らないって証拠渡して貰おうか」
「この状況そのものがですよ。残念ながら、私もかろうじて0世界を脱出してきた身。品物としてお渡しできるものはありません。ですが……あなたが望むなら、いつでも、ターミナルに情報を流すことができる。そうすれば、ただちにロストレイルが私のもとにやってくるでしょう。私の支度が整わないうちにそうなっては、さすがに抗するすべがありませんし、あなたは私を差し出すことで図書館の恩赦を得ることも不可能ではありません。私はこの取引を持ちかけたことで、すでにリスクを負っているのですよ」
「……。ふん。まあいい」
 グレイズは、『苗』をダイアナに渡した。
 そして、ダイアナと行動をともにすることになったのだ。

 ダイアナは、『苗』と融合させたチャイ=ブレの細胞を育てる一方、別の計画を進めているようだった。そのふたつの計画が整わねば意味がないのだという。彼女は同じ世界内であれば、離れた土地を行き来できる空間の穴をつくる術を用い、壱番世界内を移動することができた。そのほかにも、さまざまな魔術を操り、そして、妖精郷を護っていた玩具の兵隊のような魔法のカラクリ人形を召還することも可能なようだ。
 そしてなにより……、異世界には、彼女の配下であるツーリストが今も潜伏し、ダイアナの指令を受けて動いているらしかった。

 グレイズに与えられた役目は、その森の奥でひっそりと育てられているチャイ=ブレの細胞を見守ることだった。
 ダイアナが懸念していたのはただひとつ。事が整うまえに、『導きの書』の予言に捕捉されることだ。
 そしてそれは、現実のものとなる。

 壱番世界に来て何日が経っただろう。
 グレイズのトラベラーズノートにエアメールが届いたのである。

  差出人:冷泉 律
  グレイズ・ドットさんへ
  貴方に直接会って話をしたいと思う人がいます。
  ちなみに、その人は素直な性格じゃなさそうな人です。
  心当たりや思う節があれば、返信お待ちしています。
  ついででいいので、もし良ければ私も少し話をしてみたいと思います。

  差出人:桐島 怜生
  グレイズ・ドットへ
  見てるー?
  初対面でなんだけど、これ見てるなら返信してちょー。
  現状、八方塞だと思うからさ。お人好し利用して現状打破してみたらどー?

  差出人:リエ・フー
  野良犬野郎
  俺にぶちのめされるのが怖くて逃げてやがんのかよ。
  負け犬め悔しかったら正々堂々ツラ出して勝負しやがれ。
  てめえへの貸し、まだ返してもらってねえぜ。

 このメールが送られたということは、すでに自分が壱番世界にいるところまでは掴まれている。
 ことによると、この場所も察知されているかもしれない。
 リエからは、とある場所で会いたい旨とともに、その場所の情報も送られてきていた。
 グレイズ・トッドは…………


ご案内

ダイアナに協力することを選んだグレイズ・トッドさん。ふいに、ターミナルの知人たちからメールが届きました。
グレイズさんにはふたつの選択肢があります。

・呼び出しに応じる
・呼び出しに応じない

●呼び出しに応じる場合
グレイズさんはダイアナに知られることなく、指定された場所へ一人で行くことができるものとします。3人と会うことは、あまり合理的とは言えないかもしれません。少なくとも、リエさんとは殴りあわずにはいられないでしょう。ですが、その後、3人に投降するのも選択肢のひとつです。

※この選択肢を選んだ場合、プレイングの内容は企画シナリオ『【赤の王、目覚める時】 ~四色の縁~』のノベルに反映されます。

●呼び出しに応じない場合
グレイズさんはその場にとどまり『苗』ワームを守護する任務につくことになります。プレイングではこの場所に図書館の捜索隊がやってきた場合の対処法などをお書き下さい。

なお、3人のもとへは、グレイズさんが与えられている「ダイアナのカラクリ人形」を代理の刺客として向かわせることができます。カラクリ人形の能力などはグレイズさんが決めて構いません。人形に知性はありませんが、「伝言」を預けるくらいは可能です。グレイズさんが人形を差し向けなくても、後に、気づいたダイアナが同じ行動をとることになりますので、3人は人形と戦わざるをえないようです。

※この選択肢を選んだ場合、プレイングの内容は企画シナリオ『【赤の王、目覚める時】薔薇の下に微睡むモノ』のノベルに反映されますが、「追加プレイング」として、「カラクリ人形の刺客」の設定を書くことができます。その部分は企画シナリオ『【赤の王、目覚める時】 ~四色の縁~』のノベルに反映されます。


!注意!
こちらは下記のみなさんが遭遇したパーソナルイベントです。

●パーソナルイベントとは?
シナリオやイベント掲示板内で、「特定の条件にかなった場合」、そのキャラクターおよび周辺に発生することがある特別な状況です。パーソナルイベント下での行動が、新たな展開のきっかけになるかもしれません。もちろん、誰にも知られることなく、ひっそりと日常や他の冒険に埋もれてゆくことも……。
※このパーソナルイベントの参加者
・グレイズ・トッド(ched8919)
※このパーソナルイベントの発生条件
イベント『マキシマム・トレインウォー』の結果による

このパーソナルイベントにおけるグレイズさんの選択およびプレイングをもとに、なんらかのシナリオまたはイベントが準備されます。

なお、期限までにプレイングがなかった場合、「【2】を選択し、自分の生命を守ることを優先的に、状況に応じてできる限りの行動をした」ものとします。

■参加方法
プレイング受付は終了しました。

結果

→→→【赤の王、目覚める時】 ~四色の縁~

→→→【赤の王、目覚める時】薔薇の下に微睡むモノ

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螺旋特急ロストレイル

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