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[7] 壺中天コロシアム

ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-15(月) 02:59
 壺中天へと飛び込んだロストナンバー達が目を開いた時、そこにあったのは殺風景な石の壁に囲まれた部屋だった。
 ごつごつとした赤褐色の石がぐるり周囲を覆い、出入り口になりそうなものはない。見上げれば青い空が見えたが、壁を乗り越える事は恐らく不可能だろう。そして壊す事も出来ないに違いない。試した訳ではないのにそうだと判るのは、ここが「設定された」特殊な世界だからだろうか。
 ふと耳を澄ますと、壁の向こうから「ふむ、某の想像力も捨てたものではないでありますな」というヌマブチの声が聞こえてきた。成程、隣にも同じような部屋があり、そこでは他の面子が戦っているようだ。声が聞こえるということは会話もできるだろう。相手の様子も判るだろう。だが逆に言えば、隣人が危機に陥っていると判っても、決して助けには行けないということになる。

 それとなく周囲を観察していたが、不意に呼ばれたような気がして振り返った。依然としてそこには何も無い殺風景な空間が広がっているだけだったが、不意にその空間がぐにゃりと歪む。
 来る。それを感じ取り、ある者は武器を構え、ある者は覚悟を決め、ある者は息を飲んだ。

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【ルール】
・単純明快にバトルスレッドです。提示される状況への戦闘ロールを書き込んで下さい。
・規定の日時に達するか、各PCのロールが出揃い次第次の結果が出ます
(出来る限り早く反映するよう心がけます)。
・勝敗に関しての厳密な判定はありません。
(ある程度ダメージが通れば当然モンスターは倒れますが、その前にPLが自身の判断で
 PCを敗北させても構いません。格好良く負けるのもドラマティックです)
・他PCの戦闘に干渉することは出来ません。ただし会話は出来ます(下記)。

・敗北した場合、PCの意識はその場で一旦失われ、目覚めるとモンスターは全て消えます。
怪我などはこの時点で回復します。全てはイメージ、現実世界にその傷が引き継がれる事もありません。
・タイトルに【雑談】と入力すれば、他の部屋の人と会話をする事も出来ます。
・戦ってる最中に会話してる余裕があるのかとかは考えちゃ駄目です。細けぇこたぁ良いんだよ。

・ヌマブチは戦闘ロールを行いませんが、話しかけられれば応対します。

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【今の状況】
最終フェイズ終了! これにて全行程終了です、お疲れ様でした!
[8] 第一フェイズ【SIDE:歪】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-15(月) 03:00
 ぐにゃりと歪んだ空間は波打つように空間に幾つもの波紋を作っていった。歪の目が見えていたならば、垂直の湖面を眺めているような奇妙な感覚に陥った事だろう。
 増えた波紋の数はおよそ五。ゆらりと一際大きく脈打つと、ゆっくりと中から姿を現したのは獣だった。

 歪の想定した通り、獣達は皆大きく、そして異形だった。虎にも似た外観を持っていたが縞模様は見えず、静かに振られる尾は狼のソレによく似ている。微かな唸り声を上げる口には二振りの巨大な牙が涎に濡れ、地を掴む足には鋭い爪が光っていた。
 だが何より目を引いたのは鮮やかなその色彩であった。橙、紅、蒼、翠、紫……獣たちは一体一体がハッとするような美しい毛並みを持っていた。美しく、力強く、妖しい光を湛えた獣だった。

 獣は唸りを上げながら歪を囲んで行く。噎せるように濃密な獣の匂いが周囲に満ちていく。獣達に完全に囲まれてしまったならば、不利な状況に陥る事は免れないだろう。獣でありながら、彼らの瞳には強い知性の光が感じられた。

 静かに静かに、歪の戦いは幕を開けた。
[9] 第一フェイズ【SIDE:桐島】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-15(月) 03:01
 ぐにゃりと歪んだ空間はゆっくりと波打つ範囲を大きくしていった。やがてそれが人二人分ほどの大きさになった時、空間が一層大きく揺らぐ。そしてはたと桐島が気付いた時、そこには二人の男女が立っていた。

 男は鎧を身にまとい、女はローブに身を包んでいる。壱番世界のRPGなどで良く見られる、所謂「勇者」と「魔法使い」という存在のようだった。けれどそれ以上に目を引くのは、二人の作りだす空気と言って良い。
 鎧に身を包んだ男はいかにも爽やかな好青年といった面持ちで、サラリと茶色の髪を靡かせ、キラキラと輝く歯を見せて柔和な笑みを浮かべて女を抱きよせていた。その男にたおやかに寄り添うのは、魔法使いのような格好をした美しい黒髪の女だった。キメの細かい肌は雪のように白いが、笑みの浮かべられた頬は照れているように紅に染まっている。
「ローラ……もう君を離しはしない。例え地が裂けようと、僕は決してこの手を離さないよ!」
「ああアンディ、嬉しいわ、私もよ! 例え天が堕ちようと、私は貴方と共に在る!」
 桐島は、清々しいほどに彼らの視界、というか世界に入っていなかった。

 寄り添いあった男女は一層強く互いを抱きしめ合うと、やがて熱っぽい視線で互いに見つめあう。完全に二人の世界だ。桐島の目には周囲に鬱陶しいほど満ち溢れるハートマークとピンクのオーラが見えるような気がした。暫く沈黙が続き、やがて男女はどちらからともなく目を伏せると、ゆっくりと互いの顔を近づけて――……

 これ以上は耐えられない! ていうか耐えたくない!! リア充の暴挙など許してなるものか!!! 爆発しろ貴様ら!!!! 桐島 怜生の何かベクトルが270度ぐらい違う戦いの火蓋は、今切って落とされた!!!!!
[10] 第一フェイズ【SIDE:ディラドゥア】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-15(月) 03:02
 他の面子の状況が判らない今、ディラドゥアが気付く事はなかったが、彼の置かれた状況は他の者達とはやや異なっていた。他の者達が部屋のように区切られた空間に居たのに対し、彼が居たのは……表現するならば、通路、というのが正しいのかもしれない。
 左右には他の者達同様に赤壁が立ちふさがっていたが、前後にはそれが無い。あるのかもしれないが、少なくともディラドゥアの視力が確認できる範疇には見当たらなかった。あるのは何処までも続いていくような、果てのない空間のみである。

 その時はたとディラドゥアが空を見上げたのは、多くの場数を踏んできた彼の探索者としての勘のようなものだった。見上げた空には雲一つなく、ただただ病的なまでの青が広がっていた。その空を一心に見つめる。そうして気付いた。病的なまでに広がる青の中に、彼の空間の歪みがある事に。
 一度見つけた歪みは恐ろしいスピードで数を増やした。1が2、2が4、4が16、16が256……鼠算式に数を増したその歪みは、果たしてどれほどの数になったのだろう。最早数えるのも面倒だった。
 歪みが脈打った時、それは空がドクリと脈打ったようにも見えた。

 中から生まれたのは天使にも似た奇形だった。純白の身体に同色の四本羽を生やし、手には槍のような武器を持っている。けれどその顔は悪魔もかくやと思わせる、醜く歪んだ恐ろしいものだった。およそ信仰の対象になるとは思えない。
 壺天中に入る前、彼は言った。「天使や悪魔、神でもなんでも来い」――その言葉はたった今、正に現実のものとなった。

 一体の天使がディラドゥアを見つけると、金属と金属の擦れ合うような耳障りな咆哮を上げた。瞬間、空を埋める白い群れが一斉にディラドゥアへ視線を向ける。
 先に咆哮を上げた一体が、勢いよくその手の槍を振り下ろす。それを合図に、天使の大群は一斉にディラドゥアへと降下する!

 あまりに多勢、あまりに無勢。果たしてそれは劣勢と成り得るのか。
 ディラドゥアの戦いが始まった。
[11] 第一フェイズ開始
「うわあ……」
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-15(月) 03:06
今気付いたでありますがこれ思いっきり個人戦だから協力的に参加云々に関して全力で投げ捨ててrギャアアアアアア!!
(隣の部屋からヌマブチの独り言と悲鳴が聞こえてきた)

【第一フェイズ開始!】
ロール〆切は17日の0:00です。
[35] 神代の武具を見にまとう魔闘士より。『俺を殺す? やってみろ。』(1/2)
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-16(火) 00:40
(目覚めれば、そこは電脳界の中。 空間の歪みを知覚し、ゆっくりと体を起こす。
 左右の赤壁が、どこか懐かしい。 湿気た空気と、光苔独特のほろ苦くも甘い、迷宮の空気。
 ああ、ここは自分のルーツ。懐かしいところに出たものだ。 久しぶりの空間、自分の戦場。
 電脳界の側が、合わせてくれたらしい。
 水を得た魚のように、自らの体の中に活力がみなぎるのを感じる。
 そして、身に纏う形で持ち込んだ装備類をひと通り確認すると、
 自分はどこか晴れ晴れした顔で、天使たちの『出迎え』を確認した。

 ――――おびただしい数の、天使。 『絶望』の2文字がどこまでも似合う風景。
 混沌によって歪められ、誕生すら因果律に定められたかも定かでない化け物どもが、
 穢れた槍を手に持って、一斉に自分へ突撃を開始する。
 しかし、その絶望的な戦力を以てしても、彼に取っては不足…。
 いや、十分すぎるほどの肩慣らしに過ぎないだろう。
 『不可能』や『絶望』を『希望』に変える。
 普通の存在ならば不可能であろう事を可能にする秘策が、彼にはあったのだ。

 自分は確かに言った。「天使や悪魔、神でもなんでも来い」と。
 この大見得は、しっかりとした裏付けがあってこその発言だ。
 裏付けなくして誰が大見得など切るだろう?
 それを可能にする手法を彼は持っているから、今回の大見得は切れたのだ。
 一呼吸置いて、彼はどこか楽しそうにつぶやく。)

「――これは大量に『ヘイロウ』が手に入りそうだ。
 後で、ナレッジキューブに交換してもらえるかな?天国でも、地獄でも通用する、
 唯一の通貨だ。 魔力もあるし、良いカネになる。サァ、パーティのハジマリと行こうか。」

(黒い笑みと、本性を剥き出しにした冷酷な瞳。そして、口を衝いて出る言葉。
 どこまでこの男は不敵になれるのだろう。 この自信はどこから来るのか。
 それは、今身にまとう装備に秘密があった。 不可能を可能にする、とびきりの秘密が。

 ――『星々の武具』…又の名を『アーティファクト』。
 神々が生み出し、禁忌として封印した品々を始めとする、英雄たちが愛用した品々。
 不可能を可能にし、神さえ屠る究極の力の源泉。この男は、今その力で身を固めていた。
 何がそれを可能にしたのか。 それは、ナレッジキューブだ。 神の食料、マナの塊。
 個人所有のコレクションはターミナルに来たときに置いてけぼりになったが、
 それを上回る品々を、今この男は自ら作り、所有している。十分だ。
 十分すぎる。これで神を屠れぬなどと抜かせば、それこそ@の名が廃ろうというものだ。

 風よりも早く動くことを可能にする王の硬皮ブーツ『フェアノール』。
 肉体を増強し、テレパシー能力を授け、盲目を防ぎ、
 いかなる精神干渉も受け付けぬ力を持つ竜王の兜『ドル=ローミン』。
 刃を通さず、羽よりも軽く、この世の理全てに対して耐性を授ける鎧『刀返し』。
 力を与え、戦いの化身として刃を振るう力を与える軟皮グローブ『カンベレグ』。
 深き知恵を与え、魔力の消費を抑え、敵の周囲の時を遅くし、
 相手への致命打を約束する鍵のアミュレット『永遠の間の鍵』。
 そして、先ほどトラベルギアをベースに錬成を終えたばかりの新たなる戦友(とも)、
 ダイヤモンドの刃を持つクレイモア、『スコルージ』。
 その刃は邪悪なる存在を紙のごとく切り刻み、すすった血で持ち主を癒し、
 持ち主の魔力に呼応してより深く相手の体へと食い込む。

 今この全てがこの男の自信、力の源と成っている。
 ――『デミゴッド』。そう呼ばれる存在に、男は今近い。
 しかし、この能力を以てしても敵わぬ存在はいまだ数多い。
 そこがある種、今、この時点でのこの男の限界だ。
 しかし、不可能を可能にする事においては、この男はとかく長けていた。
 自らの絶望は、希望へ転ずる。 不可能は可能になり、
 有利を確信する敵へは死と恐怖の災厄(スコルージ)を振りまく。
 その力こそが、『@』。 ワンマンアーミーと呼ばれる所以である。)
[37] 『さて、どう動く? そして、どう楽しませてくれる?』(2/2)
アイコン正面
ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-16(火) 01:05
(意識を集中し、周辺の敵数を知覚する。 おびただしい数だ。 数えることも馬鹿馬鹿しい。
 しかし、味方もまた居ない。 故に、遠慮の心配もまたないのだ。これは、僥倖だ。
 制御された魔力の限界を外し、容赦なく周辺、目の前の敵すべてを滅ぼそう。
 それが、自分の存在意義にもつながるのだから。
 紡ぐは魔術。 自らの強き意志と、希望をどこまでも織り込んで。)

――『並列高速詠唱』(パラレル・ファストキャスト)
――『二段加速』(デュアル・スピード)
――『天使*抹殺*』(*デストラクション*・エンジェル)

(自己を加速し、よりすばやき行動を可能にする加速の魔術と、因果律に干渉し、
 天使の存在そのものを抹殺する魔術を並列詠唱する。
 普通ならば不可能に思えるこの魔術すら、今の男にはサポートなしで可能だ。
 この絶望の大群を制することさえも、不可能ではない。
 抹殺の魔術は限界がある。 悪くて5割、とても良くて9割が掻き消えるのが相場だ。
 しかし、7割も消えればこの男には十二分と言えるだろう。
 そこから先が、この男の本当の戦いの始まりである。
 これ如きで消える弱小な個体――大根役者はご退場願おうか。
 真の役者が揃い、戦いの幕が開くときこそ、
 本当のこの男の本性にして、戦いの始まりなのだから。)
[47] 第一フェイズ 誕生! 嫉妬の化身 リヴァたん
「人呼んで、待ち合わせ詐欺。俺呼んで、レオレオ詐欺。二つの詐欺の名を欲しいままにする、この俺を羨ましいと思うだろう! べ、別に、写真の中はおっとこ前とか、喋ると-200%とか言われてないんだからね!」」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-16(火) 17:35
って、ごるるるるるるるるぁぁぁー!!
(当社比8倍の巻き舌っぷり)
いきなりイチャつくとか、何してんの! 何してんの!!(二回言った

常々言いたかったんだけどね、お前ら解ってんのか、ぁあん?(まるでチンピラ
今、ここはどういう場所だか教えてくれませんかー?
解っかるかなー。宿屋の部屋とかじゃないんじゃないかなー?
つまりは、公の場所なんだよねー。他人様もたくさん利用する場所なんだよねー。
イチャイチャにゃんにゃんしたいなら、部屋の中とか、絶海の孤島とか、前人未到の洞窟の奥とか、ドラゴンの胃袋の中とか、棺桶の中とか、他人様の目に付かない場所でしなきゃ駄目だよねー?
見たところ、それなりの身なりをしているようだ~し~?
そういう良い大人が、子供のお手本にならないようなことを堂々とするってどうなのー?
愛を語り合う前に、礼儀を語れるようになって欲しいって感じぃー?

っていうか、俺の目の前でイチャ付くんじゃねぇよ!(これが本音だ

これはもう俺に、お仕置きされても仕方ないよねー?
(正義サイドの人物が決して浮かべていけないような笑顔でニヤリ)

さあ、今こそ誕生せよ! 人の心の奥深くに根付く負の感情を喰らう闇の魔物よ!!
現実世界ならできなくても、仮想空間なら可能なはず!
しかも、ここは魔法大好き大きなお友達なヌマブチさんの意識が反映される仮想空間!
俺の妄想力が火を噴くぜぇー!!
(一部ピー音が入った怜生の叫び合わせて、ドス黒い魔方陣が地面に浮かび上がった)

痛いの痛いの集まれ~
エロイムどーまんエッサイム エロイムせーまんエッサイム
ゲゲゲとちちんぷいぷい開けゴマぁー!!
出でよ、闇の眷属たる嫉妬の化身! 汝の名は、リヴァたん!
(色々混ざった危険な呪文を唱えると、魔方陣から噴き出した見るものを不安にさせるような黒い煙が集まり一つの形となった)

ぷみぃー!
(ものっそ可愛らしい声で鳴いたのは、ヌイグルミ程度の大きさ、見た目もデフォルメされ子供受けしそうな可愛らしい羽の生えた蛇だった)

あーはははははは!
さあ、この俺の嫉妬の化身であるリヴァたんの猛攻を防ぎきれるかな!
リヴァたん、やってしまえぇー!!

ぷみぃー!!
(可愛らしく一声鳴くと、リヴァたんはあっれ、これって家一軒くらい燃やせるんじゃね?な勢いで紅蓮の炎をアンディ&ローラペアに向かって吐き出した)

はははは! 可愛いは全ての世界共通の正義!!
この可愛いリヴァたんを攻撃できる輩は、すなわち雨の日にダンボールに入れられて捨てられた子犬を攻撃するが如く外道に違いない!
さぁ、アンディよ! 外道っぷりを発揮してローラと破局を迎えるのだぁぁー!
(コイツ過去一体何があったんだろう)
[48] <説明しよう!> *ファントムマスクの解説コーナー*
「Happy Halloween. 私と出会ったあなたは、二つの道がある。Trick or treat. さあ、どちらを選びますか?」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-16(火) 17:37
 怜生の嫉妬の化身:リヴァたん
 怜生の長きに渡って積もりに積もった嫉妬を筆頭にした負の感情と ス テ キ な闇の魔法が混じって生まれた負の怪物なんだぞ。
 ヌイグルミ程度の大きさで、見た目は可愛らしい子供受けする羽の生えた蛇なんだぞ。
 鳴き声は「ぷみぃー」だぞ。
 体表面の色は緑で羽は赤っぽく、ちょっぴりクリスマスカラーが意識されてるらしいぞ。
 胴体にはピンクのリボンが結んである。これは魔法大好き大きなお友達ヌマブチさんによる魔法好き好き補正らしいぞ(え
 見た目に反して、中身は強烈にアグレッシブなんだぞ。見た目に騙されるな!
 構成要素は、怜生の妬み・嫉み・僻み・憎しみ・苛立ちなどもろもろな負の感情らしいぞ。
 可愛い小動物系な生き物を攻撃するなんて外道しかできねぇという怜生の浅ましい目論見からこういうフォルムになってるらしいぞ。
 可愛い生き物を攻撃するアンディを外道と罵って、ローラとの仲を破局にしようとか思ってるらしいぞ。
 ちなみに、リヴァたんが何か意思表示をする時には、なぜかリヴァたんの傍にウィンドウが出現して文字が表示されるらしいぞ。
 現段階では間違いなく怜生が一番外道なんだぞ!
[49] 【雑談】
「ああ、俺なら平気だ。……ありがとう」
歪(ceuc9913) 2010-11-16(火) 21:19
(コロシアムに降り立った途端、隣の部屋から聞こえる巻き舌)
……ッ!?
なんだろう……隣から途轍もない負のオーラが感じられる。(ビクビクしつつ)
向こうの部屋は怜生か……あいつは一体何をやっているんだ……?

>ヌマブチ
ははっ、まぁいいんじゃないか。
“仲間が負けるはずがない”――そう強く信じているから、この戦いに全力を掛けられる。
それも協力と呼ぶんじゃないのか?
……ところで、今かなりの悲鳴が聞こえた気がするが。その……大丈夫か?

[50] 第一フェイズ
――こんや異装の弦月の下
歪(ceuc9913) 2010-11-16(火) 21:21
(ふと目を覆う闇に違和感を覚え、徐に包帯を外す。開いた視界、眩い光が目を焼いた)

……視える。
そうか、意識の世界だから“それ”を望めば叶えられる、ということか。
懐かしいな……いや、この光景は見たことがないが。何故だろう、懐かしい。
久しぶりにものを見ることができるから、かもしれないな。

(コロシアムの内装を興味深そうに観察する。地面を足で蹴り、確かめ、大剣『刃鐘』をしっかりと握り締めると、波紋を描いて現れた獣を見回した)

ああ、良く再現されている……初めに一度見たきりだが、全く同じだ。

(はしゃぐように微笑んで、灰銀の瞳が色鮮やかな獣を見下ろした。虎とも狼ともつかない異形の獣。村を襲い、人を襲う、歪の“同胞”。砕けた天が降り注ぎ、地面に落ちて生まれる、『星』と名付けられた異形たちが、彼の前に立ちふさがる)

今、俺の背には何もない。護るべき村も、一匹たりとも通さないと決めた門も。
護るもののない戦い、――だが、ここで退くわけにもいかないだろう?

信じている。二人ならやってくれると。
だから、俺も俺のできる事をするまでだ。

(『刃鐘』が解放され、刀身に青白い亀裂が走ったかと思えば刃が砕け散る)

……来い。

(柄は霧散して消え、光を跳ね返す破片は歪の周囲に滞空した)

>ロール
(抜き放った二剣を揮い、牙や爪を受け止め、怪力で弾き飛ばす。留めを刺すのはまだ早い。時に攻撃をその身で受け止めながら、敵の動き、敵の知性を計る。傷は開いた傍から塞がっていく。痛みはあるが気にするまでもない。
 『刃鐘』は時に近付く獣を切り裂き、時に逃げる獣を追いかけては突き刺さる。普段ならその音色を宛てにして敵との距離を測る所だが、今はそれも必要ない。護るべきものもないので、全てを陽動に用いる)
[68] 第二フェイズ【SIDE:歪】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-16(火) 23:59
 シャン――……透き通るように涼しげな“音色”と共に、刃が散った。発光の理屈は同じだからだろうか、宙に散る星の瞬きにも似たその輝き一つ一つが、歪の目へ鮮明に映りこむ。
 突如現れた輝きに獣達は俊敏に反応し、ピクリと歩を進める足を止めた。ぐるると低く呻きながら見定めるように十の瞳が歪を真っ直ぐに射抜く。視線と視線が交錯し、張り詰めた空気がその場に満ちていった。

 痛々しいほどに研ぎ澄まされた空気を先に裂いたのは獣だった。蒼色の獣が短く鋭い咆哮を上げ、一足飛びに歪へと飛びかかる。刃鐘によって身体に幾つもの細かな傷を作られながらも蒼い獣は怯まず、一陣の風にも似た速度で迫るとその鋭い爪を歪の頭上へと振り上げる。けれどその爪が歪の頭蓋を叩き割る事は無かった。ギィンと刃と刃のぶつかり合う音と共に、獣の鋭い爪は歪の抜き払った二振りの刀剣によって跳ね返される。
 蒼い獣の金色の瞳と歪の瞳が交差する――瞬間、キィンと背後から鋭い音がして歪が顔を向ければ、眼前には振り下ろされる橙の獣の爪があった。咄嗟に飛び退くも、事前の蒼い獣との戦いが響き、避けきれない爪が歪の肩を袈裟がけに抉る。けれど次の瞬間には刃鐘の音色と共に橙の獣がキャインと高い悲鳴を上げていた。入る場を見誤ったか、獣の片目には刃鐘の刃が深々と突きたてられている。
 一体を囮にし、もう一体が本命の攻撃を叩きこむ……団体としての策を講じられる程度には頭の良い獣であるらしいと判る。そうして獣達もまた一連の動きで刃鐘の、そして歪の動きをある程度測っていたようだった。

 周囲を取り巻くように見守っていた残りの三体が動き出す。片目を潰された橙の獣は、それでも怒りからか、むしろ戦意を増しているように見えた。
 歪自身の傷は決して浅いものではなかったが、並はずれた再生能力を持つ歪にとってそれは致命傷とはなり得ない。鮮やかな五色をその眼に映す歪の周りを、高らかな音を立てながら刃鐘が散る。

 その音色を打ち破ろうとするかのように、五匹の獣は一斉に咆哮を上げると真っ直ぐに歪へと飛びかかって行った。
[70] 第二フェイズ【SIDE:桐島】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-17(水) 00:00
 ごごごごごごごごごごごとこの世の終わりのような地響きと共に、怒りと憎悪と嫌悪と嫉妬と嫉妬と嫉妬と嫉妬の入り混じった魔の化身、リヴァたんが『ぷみぃ!』と愛らしい産声をあげて現れた。現実世界での桐島の精神状態を反映しているのだろう、体色は何とも華やかなクリスマスカラーである。ふんわりと結ばれたリボンはこの世界を構成している軍人の妄想がもたらした華とでも言おうか。
 リヴァたんはぷみぷみと鳴き声を上げながら、不器用に宙でのたくりながらアンディとローラにそのくりっとした目を向ける。現実世界にリヴァたんが居たならマスコット化されて大ヒット商品になるに違いない。パパーあれ欲しー! はっはっはクリスマスまで待ちなさーい!

「何だ!? クッ、ローラ、危険だ。さがれ!」
「嫌よ、アンディ! 私も一緒に戦うわ!」
「ローラ……判ってくれ。僕は君が危険な目にあうのは耐えられないんだ」
「それは私だって同じなのよ、アンディ……お願い、一緒に戦わせて」
「ローラ……」
「アンディ……」
 尚も続く害虫共の戯れに桐島の怒りとリヴァたんの銃口が火を噴いた。

 リヴァたんの攻撃は正に憎しみの権化に相応しい容赦の無さだった。ごうと吐き出された紅蓮の炎は一瞬その紅の中にドス黒い悪魔の顔を覗かせ、真っ直ぐにアンディとローラへと飛んでいく! これを喰らったならひとたまりもない…!! おまけにそれを吐きだしているのはリヴァたんだ。大ヒット間違い無しのハイパーかわいいせいぶつだ。これに反撃できる輩などどんな畜生外道にも居やしない。居たら色々な所から非難轟々ブーイングの嵐間違い無しだ。主に女の子とか。
 桐島は勝利の高笑いを一足早く浮かべ――……けれど、その笑いは途中で止められることになった。

 水で形作られた龍が一直線に紅蓮の火球へと迫り、激しい音と共に両者が相殺される。そして生じた激しい水蒸気を切り裂くように、鎧兜を被ったイケメンが颯爽と剣を抜いてリヴァたんへと飛びかかり、必殺コマンド↑↑右下AB必殺聖剣大十字斬が発動する!
 哀れぷみゅう~という悲痛な声を上げてリヴァたんは消滅した。アンディは410経験知を手に入れた。ローラは410経験知を手に入れた。二人は50ゴールドを手に入れた。

 そう、彼らは勇者パーティ――……他人の家に土足で踏み込み壺を壊して箪笥を漁ってへそくりと備蓄をことごとく奪い去り、どんなに愛らしい外見をしていようとも、それが魔物でさえあれば容赦なく叩き斬り経験知とゴールドの糧にしてしまう、ナチュラルド外道悪魔なのである。

「助かったよローラ、君の魔法での援助がなければどうなっていたことか……」
「フフ、だから言ったでしょうアンディ? 私だって貴方の力になりたいの」
「ローラ……」
「アンディ……」

 そして二人は再び自分の世界に戻って行った。戦意さえも向けられていない、桐島の存在は水たまりのアメーバとさして変わらない。つまり居ないも同然である。
 ……桐島 怜生の本当の戦いはこれからだ! 頑張れ桐島! 負けるな桐島ァ!!
[71] 第二フェイズ【SIDE:ディラドゥア】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-17(水) 00:01
 二つの魔術が同時に、そして瞬時に展開され、天使の大群へと牙を剝いた。
 確固たる自信は確かな力になる。意志と希望が強く織り込まれたその力は、絶望の二文字を連想するに相応しかった化物達を一斉に屠る!
 悲鳴すら上げる間もなく、天使の半分が一斉に蒸発した。消え去った半分は果たして自らの身に何が起きたのかさえ理解できなかったに違いない。次いで響いた悲鳴は残された天使の内、更に半分。そうそう上手く事は運ばないと言うことか、残された内の半分はその身を消される事はなく、青い炎に全身を包まれていた。青い空に青い炎が灯り、天使達の激しい悲鳴が木霊する。
 結果的に言えば、七割近くの天使がこれで戦闘不能に陥った事になる。ベストでは無いが、悪くも無い。ベターと言って良い展開にディラドゥアは確かな希望の光が一筋差し込むのを垣間見た。けれどそれはまだ糸のような細い細い光、ふとすれば絶望の塊に塞がれてしまいそうな、弱々しく小さな光だ。

 残された天使達は身内に何が起きたのかを理解し、激しい怒りに満ちた咆哮を上げた。そして一直線にディラドゥアへと降下する。四枚羽の羽ばたき音は瞬く間に距離を縮め、ディラドゥアへと迫る。
 一団となって迫っていた天使達は途中で二手に別れた。群で生きる者の特性か、その動きには一糸たりとも乱れが無い。青い空の中二つに分かれた巨大な白のうち、一つの塊は依然としてディラドゥアへと向かってくる。
 空に留まった天使達が、一斉に口を開いた。ガクンと開けられた口は顎が外れているかのように不気味な大口で、中には舌さえも見えず暗黒が広がるのみである。その闇の中から一斉に放たれたのは音だった。高周波にも似た音響攻撃が、彼の聴覚を破壊せんと一斉にディラドゥアへと降り注ぐ。
 それと同時に、降下していた一団もまた、一斉にディラドゥア目掛けて手に握っていた鋭い槍を投げつける。大半が減ったとはいえ、依然その数は少ないとは言い難い。

 甲高く響く音と、白く鋭い雨。二つが今、一斉にディラドゥア目掛けて放たれた。
[72] 第二フェイズ結果:長さに差が出て申し訳ない。
「うわあ……」
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-17(水) 00:07
……何か今某は凄く勿体ない思いをしている気がするぞ! 何となくそんな気がするぞ!!
(魔法的な意味で)

【第二フェイズ開始!】
ロール〆切は20日の0:00です。

>歪殿
ほう。成程、そういった形での“協力”もアリといえばアリ……なのか?
まあ良い、深く考えずに行くであります。
……大丈夫と言えば大丈夫だが……もう駄目だと言えばもう駄目であります……ううう、貴殿の期待に協力する為にも負けられん!
(壁の向こうから銃が発砲されたり何かが戦ったりするような音が聞こえる)
[74] 【雑談】
「人呼んで、待ち合わせ詐欺。俺呼んで、レオレオ詐欺。二つの詐欺の名を欲しいままにする、この俺を羨ましいと思うだろう! べ、別に、写真の中はおっとこ前とか、喋ると-200%とか言われてないんだからね!」」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-17(水) 00:21
ア゛ァァ!? リヴァたぁぁーん!!
まさかの一刀両断!?
っていうか、むしろ俺の方が悪い事した気分になったぁぁーー!?
[184] 『見かけ倒しの黒魔術、小手先の技、死にゆく愚者の流儀についてなにを知ろう?』(1/2)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-18(木) 15:47
(一瞬の出来事だ。 因果律を歪ませることによって起きたボタンの掛け違いが、
 天使の群れの5割を蒸発させ、「彼らがそこにいたという事実」そのものを消滅させる。
 そして、残りの半分が火に包まれ、遅からぬ消失の運命を背負うこととなるという結末。
 Better-Than。上々の滑り出し。残された天使たちの知覚すらまだ追いついては居ない。
 しかしながらも乱れた隊列を立て直して二手に分かれ、
 同時に波状攻撃を掛けてくる存在はそこにあった。まったくもって無様としか言い様がない。
 この生き物はあの「洗礼」を生き残った強者には代わりはなく、相当に選別を受けている。
 ならば、その「選ばれし者共」には最大の「礼儀」を尽くすのが武人だ。
 ――とは言っても、彼にとっての「礼儀」とは、「酷薄なる死」そのものに過ぎないのだが。

 未だ隠れそうな風前の灯の希望。 さもすれば一瞬で吹き消えてしまう。
 しかし、それは一般人の視点でしか無い。探索者の瞳には、まだ強い希望が映っている。
 自分を少し鑑みてみよう。 視点をほんの少し、ずらすだけ。
 今、緑色の鱗は魔力の波動で鮮やかに輝いて、自分の瞳には確かな希望が映っている。
 恐怖はない。どれほど敵の大群を目にしても、どこまでも絶望的な光景を見せつけられて、
 希望を覆い隠すには十分だったとしても。心は絶対に折れない。
 それは、魔道の力を身につけた者ならば、必ず身につける視点であり、
 また、絶望の音色を絶対的な希望に変える物でもあるのだ。
 それに、肉体は仮に死んでも、魂の死が訪れることがなければ自分は絶対に死なない。
 それは、*何回も*死んで、その死を見つめ続けたものだけが辿りつける境地だ。)

(――天にも登れぬ、地にも堕ちられぬならば。 せめて、安らかな眠りを。)

(言葉無き相手への鎮魂歌、心に一つつぶやいて。神々の戦への礎と成そう。
 それは、相手への感謝か、はてまた薄情で軽薄な、祈りの言葉か。
 突撃の槍と、黒い虚空より放たれる音波の攻撃。深い青が歪み、
 白の雨とともに鮮やかな神話を描き出す。そうだ。 こうでなくては戦いではない。
 戦争――。 いや、実力差を考慮すれば戦争というよりは一方的殺戮か。
 この殺戮の宴を双方より楽しむ為にも、自分はまだここで死ぬわけには行かないのだ。
 そう思うがゆえに自分は、さらなる1手を打ち込み、希望の階(きざはし)を繋ぐ。
 それは、場所を隔てても戦い続ける仲間たちのためであり、
 いつも自分に親しくしてくれる友のためでもある。
 絶対に、引かない。 そうする必要も、絶対にない。)
[185] 『まかり出て剣の錆となれ、屑どもよ――われは神たる前に戦人なり。』(2/2)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-18(木) 15:51
(自分は念じるだけでいい。 それだけで、さらなる手を打つことは可能になる。
 相手は個としては強くない。 相手からのダメージが自分の回復量と釣り合えばいい。
 簡単な理論だ。それを念頭に、最善の選択肢を的確に打っていくことが勝利につながる。
 念じ、紡いだのは、新たなる魔術。 強い呪文の力を、指の先一つまで神経を使い、
 糸を紡ぐように創りだしていく。 様々な魔法の領域の呪文を、並列して。
 一歩間違えれば、自分の事そのものを歪めかねないのが魔法でもあるのだから。
 足元へ鏡を一枚魔力を通して広げれば、もうそれが詠唱の合図だ。)

――『多重並列念動詠唱』(マルチ・パラレル・サイファスト)
――『反魔法結界』(アンチ・マジックシェル)
――『空中翔靴』(エア・シューズ)
――『鎧化』(アーマー・スキン)
――『鏡界幻影』(ミラージュ・イメージ)
――『鏡のオーラ』
――『次元の扉』(ディメンション・ドア)

(持ちうるすべての強化呪文の選りすぐりを並列して掛ける。 その姿はもはや異型に近い。
 皮膚の鎧化。今身につけている鎧が体と一体化し、さらに強固に魔術の皮膚を形成する。
 『二段加速』によりさらに一段と加速していく体。この勢いを借りるように次元の扉を開き、
 一気に後方、音波を放つ天使たちの背後へと転移しよう。
 その間、紙一重。 次の瞬間には、白の雨と音波の波が自己を消し去ろうと襲い来て、
 元立っていたところへクレーターを生み出した。 ほんの少しでも遅れれば、終わっていた。
 これが戦い、戦闘なのだ。 一瞬で自分の生死が分けられ、滅びへ至るかも決まる。
 転移先は空間。 空間に対して静かに降り立って、一気に空中戦を挑む。
 強襲気味の接近戦。無数の天使の刃が自分に襲い来ることは考えるまでもない必定。
 しかし、幻影の鎧と、鏡のオーラの力を借りて無数に飛んでくる攻撃の数を減らすのだ。
 空中で繰り広げられるサーカスのような光景。
 それは、刃が天使を抉り、ただの肉塊へと変えていく殺戮の宴。
 久しぶりの感覚に高揚しながらも、確実に数を減らしていくことになるのだろうか。
 その姿、まさに羅刹。)
[186] 【解説】ディラドゥアのスペルブック
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-18(木) 16:13
今回も長文病だなぁ・・・。
ま、とりあえず魔法の解説~。初発の魔法もたくさんだからね。


――『多重並列念動詠唱』(マルチ・パラレル・サイファスト)
『念動詠唱』は魔法を念じて詠唱する形式だよ。
魔法の妨害を受けない、受けにくいのが利点だね。
それをさらにたくさん、並列して行ってるから自然と接頭語がついていく。
読んで字の如くってやつさ。

――『反魔法結界』(アンチ・マジックシェル)
『反魔法結界』。 周囲一定範囲内に居る相手の魔法を完全に封じる魔法だよ。
範囲外からの物理攻撃や魔法攻撃は防げない。
あくまで相手の魔法を封じることによって被害を防ぐ魔法だからね。
接近戦の友。

――『空中翔靴』(エア・シューズ)
空中に対して立つことができるようになる魔法。
今回みたいに機敏な動きを要求されるときは普通に飛んだんじゃ無理だからね。
機敏にステップが踏めるようになる魔法だから、便利といえば便利。

――『鎧化』(アーマー・スキン)
鎧と体を一体化する呪文。
鎧を体に取り込む呪文と考えると分かりやすいね。
そして、さらに皮膚を強化する。
見てくれはカナリ悪くなるけど、動きやすく打撃に強くなるからすごく便利だよ。

――『鏡界幻影』(ミラージュ・イメージ)
『鏡魔法』。鏡の上で無いと詠唱できない。
周囲に分身を生み出す呪文。乱戦や接近戦でこれは意外とバカにならない。
すごく助かるよ。 惑わされて分身攻撃してもらえるしね。

――『鏡のオーラ』
上と同じく鏡魔法。鏡の上で無いと詠唱できない。
鏡の破片を纏う呪文だ。破片は相手を傷つけるし、一部の魔法を乱反射する。
本気で削るときの呪文だね。

――『次元の扉』(ディメンション・ドア)
『次元の扉』。簡単にいえばテレポートだ。
自分の使う一般的なテレポートは出先を指定することができないんだけど、
この魔法は出先を指定することができる。
強襲したり、おもいっきり逃げたり。 なんでもありの便利呪文だね。
[211] なんだろうこの温度差
――こんや異装の弦月の下
歪(ceuc9913) 2010-11-18(木) 22:39
(両隣の部屋から聞こえる種類の違う悲鳴)
……何だろう、全然大丈夫じゃない気がする。
本当に任せていい、ん、だよな……?(だんだん不安になってきた)

>獣
(攻撃を受けたはずなのにニヤリと笑い、怪我を庇いもせずに後退)

――ああ、そうだ。
それでいい。それでこそ俺の“同胞”だ。

(懐かしい邂逅を嬉しく思い、命を狙う敵であるのに何故か恐怖や憎悪は覚えない。
 『刃鐘』の音を打ち鳴らし、煌めく破片を眺めた)

綺麗だろう、俺たちと同じだ。俺たちと同じ、星の破片だ。
……本当は、俺も今初めて見たんだが――こんなに綺麗だったなんてな。
忘れているもの、知らないものが沢山ある。思い知らされてばかりだ。
……あの世界に留まり、殉じないでよかったと、今では思うよ。

(思い出される罪の意識に少しだけ顔を歪め、それどころではないと首を振る)

……しかし、やっぱり多勢に無勢といった所だな。
背にする『門』は今はないし、囲まれては分が悪い――さて、どうするか。

>ロール
(飛びかかってくる獣をギリギリまで引き付け、剣で薙ぎ払い、または蹴り飛ばす。敵の動きは判った、遠慮する必要もない。まずは団体での動きを乱すことが大切と考え、『刃鐘』の破片を己の周囲に配置して、集団で襲いかかることができないようにする。
二剣を構えて獣を引き寄せ、自分の身を囮に牙と剣とを噛み合わせてその場に釘づけにする。『刃鐘』の欠片を集め、瞬く間に剣の形を取り戻して空中に顕し、獣へと突き刺す――防壁が無くなった事で他の四匹が飛びかかってきた場合は、深追いせずに壁際まで退く)
[252] 第二フェイズ 哀しみを越えて 今、新たなる力に目覚める!
「人呼んで、待ち合わせ詐欺。俺呼んで、レオレオ詐欺。二つの詐欺の名を欲しいままにする、この俺を羨ましいと思うだろう! べ、別に、写真の中はおっとこ前とか、喋ると-200%とか言われてないんだからね!」」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-19(金) 18:57
おのれぇぇー、このド外道馬鹿ップルめぇー! 
よくも俺のリヴァたんを一刀両断しやがったなぁぁー!
この恨みぃぃ~、晴らさでおくべきぃぃかぁぁ~~。
夜道で出会ったら悲鳴上げて逃げ出す迫力だった

はっ!? こ、この燃え上がる激情は、まさか!?
リヴァたんを斬り捨てた鬼畜外道に対する怒り!!

そ、そうだった。リア充に抱く想いは嫉妬だけじゃないんだ。
怒りも、そう憤怒という激情も抱いていたんだ!!
余計な感情に覚醒したようだ

リヴァたんが思い出させてくれた!
例え、貴様らイチャイチャ馬鹿っぷるの前に倒れようとも、リヴァたんの嫉妬の想いは俺の中にまだ生きている!!
俺は、負けない! この胸にリヴァたんから貰った嫉妬の炎が燃え盛る限り!!
(一人ヒートアップ中)

今なら解る! この憤怒を使えば、嫉妬だけでは届かない境地へと逝ける!!

四苦は36、八苦は72、合わせて108、人の煩悩!
集まれ、爛れた欲望にまみれた煩悩の力!!
(ばばっと奇妙なポーズを決めた怜生の右手がドス黒く輝き出す)
丑寅の方角よりお出でませ! 
嫉妬で鬼門を叩いてお待ちします!
(黒く輝く右手を掲げた怜生を中心に据えて、地面にドス黒い魔法陣が再び浮かび上がった)

しかし、ここで俺は終わらない!
リヴァたんを倒した鬼畜外道への、この怒り!!
(怜生の左手が赤黒く輝き出す)
さらにヒートアップだぁー!
(怜生が怒りに任せて左手を突き上げると、ドス黒い魔法陣に覆い被さるように、一回り大きい赤黒い魔法陣が浮かび上がった)

まだまだぁ! リア充への嫉妬と怒りはこんなんじゃすまねぇ!
嫉妬に身を焦がし、憤怒に駆り立てられる!
二つの激情は、一つとなって復讐を望む!
(両手を一本締めのように激しく打ち鳴らしすと、さらに赤黒い魔法陣に覆い被さるように、一回り大きな紫の魔法陣が浮かび上がった)

鬼さんこちら! 手の鳴る方へ!
お出でませ、復讐の女神さまぁー!!
(巨大な魔法陣が一際強く輝くと、怜生の頭上に三人の美しい女性が出現した)

まずは、嫉妬深き復讐神メガイラのターン!
(怜生が叫ぶと、体に大きな蛇を纏わりつかせていた女性がローラへと手をかざした)
『嫉妬の炎に、その身を焼かれてみよ』
(ローラを閉じ込めるように、ローラの足元から黒い炎が一気に噴き上がった)

次に、絶え間ない怒りの復讐神アレクトのターン!
(怜生が叫ぶと、傍らに黒い狼を引きつれた女性がアンディへと手をかざした)
『憤怒の牙に、その身を裂かれてみよ』
(アンディの影から、牙を剥いた巨大な黒い狼が飛び出した)

最後に、殺人の復讐神ティシフォネのターン!
(怜生が叫ぶと、羊皮紙の束を持った女性が前へと進み出た)
『汝らに奪われた命の嘆きに、その身を打ち据えられてみよ』
(黒く輝く巨大な力場が、アンディとローラを押し潰すように空から飛来した)

はーはははは! リア充め、爆発して死ぬるがいいわぁー!!
[253] <説明しよう!> *ファントムマスクの解説コーナー*
「Happy Halloween. 私と出会ったあなたは、二つの道がある。Trick or treat. さあ、どちらを選びますか?」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-19(金) 18:58
 召喚大魔法 復讐の女神

メガイラ:嫉妬深い復讐神        嫉妬を象徴する蛇を纏わりつかせた女神
アレクト:絶え間ない怒りの復讐神  憤怒を象徴する狼を連れた女神
ティシフォネ:殺人の復讐神       罪を記した羊皮紙を携えた女神

の三位一体の復讐の女神を呼び出す。闇魔法の中でも上位の大魔法なんだぞ。
本来は、神さまクラスの存在を呼び出すという超難易度の召喚魔法なんだぞ。
桐島怜生は7つの大罪の2つである嫉妬と憤怒に覚醒して、それをフュージョンさせて神威のレベルにまで高めたんだぞ。
一介のコンダクターである桐島怜生がなんでできたのかは解らないんだぞ。
よっぽど心に溜めまくった鬱憤があったのと、ヌマブチさんのおそろしく強い魔法大好き補正のおかげかもしれないんだぞ。
過去に何があったんだ、怜生よ・・・。
[281] 第三フェイズ【SIDE:歪】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-19(金) 23:53
 五匹の獣が咆哮一閃、踊るように歪に飛びかかる。五色の筋となって真直ぐに襲いかかる獣は進んでは退き、退いては進みといった具合に間断なく歪へと襲いかかる。それに応えるように歪の握る二振りの剣が舞う。キィンキィンと甲高い音が鳴り続けるのは獣の牙と歪の刃が擦れ合う音であり、同時に刃鐘がその身から発する音色でもある。音と共に飛び、入り混じる筋と化す五色、舞う二振り、誰かがこの戦いを見る者が居たならば、もしやこれは戦闘ではなく舞踏なのではないかと勘繰ったかもしれない。
 襲い来た紅の獣を一層強い力で歪が押し返した時、彼の思索を確りと感じ取った刃鐘が流れを作り移動する。紅の獣に次いで飛びかかろうとした紫と翠は眼前に現れた輝きの破片に二の足を踏み、寸での所で刃の群れの中にその身を晒す事を防いだ。五色は伺っている……獣であるというのに、彼らは何が危険で何がそうでないのかをきっちりと理解しているようだった。それは歪が思う“同朋”へのイメージが、この世界へ、次いでは獣達へ影響を与えているせいなのだろうか。

 歪が剣の構えを変える。迎え撃つ形ではなく、迎え入れるような型をとったその姿に獣達は歪の意図を把握しかねて一歩離れた場から様子を伺っているようだった。けれど戦いの舞踏で昂った精神の限界は存外早く、低くうねる様な唸り声を上げて獣達はじりじりと近寄り、歪の隙を伺う。
 僅かに現れた隙を真っ先に突いたのは先に片目を失った橙の獣だった。歪を守る刃鐘の流れの一瞬の隙を突き、橙の光と化して歪へと襲いかかった。それが作りだされた隙と見抜けなかったのはその片目が潰れ気持ちが高揚していたが故か、はたまた単なる獣の実力不足故にか。
 一直線に襲いかかった橙の獣の二振りの牙と、歪の携える二振りの刀が鋭い音を立てて交差する。獣の突進を受け止めた影響で歪の身体がずず、と僅かに後ろへ押し出されたが、唯只管守ることに長けた彼の剣は揺るがない。力と力が拮抗し、獣の動きが一瞬止まる。その一瞬の、正に一瞬現れた隙を突き、パキンと、ともすれば何かが割れるような音と共にもう一つの剣が姿を現した。

 次いで響くは獣の絶叫!

 瞬く間に剣としての姿を取り戻した刃鐘という名の“剣”は、獣がその存在を知覚するよりも疾く獣の胴へ深々と突き刺さった。突き立てられた刃の痛みに獣が叫びを上げる。離れた牙と、顕わになった隙を歪が見逃す事は無い――……次いで二振りの刃が踊り、橙の獣の首と胴を切り離した。全ては正に一瞬の内の攻防、獣の唸りも叫びも、それきり止まった。

 残された四匹が刃の壁が消えた事に気付き、飛びかかったのはあまりに遅かった。一匹を欠いた事で一瞬生じた混乱、その混乱の隙間からするりと抜け出るように歪は彼らの爪と牙を容易にかわし、とん、と壁際へと退いた。獣達との間に距離が開き、再び張り詰めた静寂が場を支配する。

 獣達の唸りと鼻息は益々激しさを増していく。残りの獣は、あと四匹。
[282] 第三フェイズ【SIDE:桐島】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-19(金) 23:53
「……どうやら、奴がここのボスのようだな…!」
「さっきの奴は小手調べ、ってことね……後衛からのサポートは任せて、アンディ!」
「任せたローラ! さあ来い闇の化身よ、ローラの加護を受けた僕は無敵だ!!」

 気付けばアンディとローラは桐島の事をすっかり魔物とゆーか魔王とゆーかとりあえず何か邪悪な存在として認識していた。たしかにこの状況を切り取って十人程の通行人に見せたならば、十人が十人桐島が悪者だと思うに違いない。だがもしその通行人が一般人ではなく、リア充にこの上ない恨みと憎しみと憎悪と嫌悪を抱く一部の者達であったならばその判定は容易に逆転するのだろうが、その辺は今は考慮に入れないでおくとする。
 嫉妬、憤怒、罪――…三位一体の復讐の女神を周囲に侍らせ、ドス黒いオーラを全身から放出する桐島の姿は正に魔王そのものだ。リア充を憎むと人はここまで強くなれるのか。違った憎しみという感情は人をここまで強くする事が出来るのか。オーケーこの方が何か格好良い。
『嫉妬の炎に、その身を焼かれてみよ』
『憤怒の牙に、その身を裂かれてみよ』
『汝らに奪われた命の嘆きに、その身を打ち据えられてみよ』
 足元から現れた黒い炎がローラを閉じ込めるように燃え盛る。影から現れた黒い狼がアンディの足へ喰らいつく。空からは黒く輝く巨大な力場が二人のリア充を押しつぶす為に飛来する。女神達の魔法はダークサイドに堕ちた桐島の心とこの世界を構成する某軍人の妄想をこれでもかとばかりに詰め込んで、ド派手なエフェクトと共にアンディとローラへと襲いかかった!
「ローラッ!」
「アンディッ!」
 けれどリア充共は手強かった。足を狼に齧られたり黒い炎に監禁プレイされたりしても尚へこたれなかった。噛まれたり燃えたりしているのにあろうことか奴らはまだお互いの名前を呼んでいるのだ。リア充一号じゃなかったええとアンディは手に持った剣を足元の狼へと突き刺し、無理矢理その牙を足から引き剥がすとまっすぐにローラへと駆け寄った。黒い炎の檻の中からローラが手を伸ばす。その手をアンディが強く掴む。例え炎と言えど格子越しのラブロマンスはどの世界でもカップル達のロマンである。
「待ってろ、ローラ! いま助ける!」
「良いの、アンディ! お願い、私に構わず奴を倒して!」
「無理だ! 僕にはそんなこと出来ない!」
 実にけしからん程に脆弱な勇者である。もっと鋼の意志を持てと言いたい。
 アンディはその青い瞳を真っ直ぐ空へ、そして桐島へ向ける。その眼は何ともかんとも澄みに澄み渡って、強い力に満ちている。アンディはローラの手を強く握った。ローラもアンディの手を強く握り返した。空から飛来する黒い力場は二人を押しつぶさんという勢いで飛来する。時間はもう、殆ど残ってはいない。

「ローラ……あの技を、使うぞ」
「ええ、そう来ると思ったわ、アンディ」

 見つめあうリア充、じゃなくてローラとアンディ。そして二人は同時に微かに微笑むと、その握りしめた両手を桐島へ向けて掲げた。聖なる光(何故かピンク色だ)が二人を眩く包み込む……。

「喰らえ、」
「必殺、」

『邪神滅殺・蓮哀羅武亡葬覇!!』

 説明しよう! 恋愛ラブ妄想派じゃなかった蓮哀羅武亡葬覇とは、アンディとローラがお互いを強く思う心によって生まれた以下省略! ハート形の極太ショッキングピンクビームが、一直線に桐島へと放たれる!! どうする桐島、どうなる桐島、ていうか女神三人に囲まれてるってある意味ハーレムじゃないのか桐島ァ!!
[283] 第三フェイズ【SIDE:ディラドゥア】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-19(金) 23:54
 あらゆる魔法によって強化されたディラドゥアの体は、既に元来の形から大きくかけ離れていた。異形と呼んでも差し支えないその外見は、戦いに全てを捧げたが故の代償と言い換えても良い。
 正に紙一重。とう称するに相応しいタイミングでディラドゥアの身体はかき消え、瞬間白い雨が赤い大地を覆った。天使達は地上から沸き上がる赤い土煙の中にディラドゥアのディラドゥアの姿を探す……彼がとうの昔に、自分達の背後を取っているという事など、考えもしないままに。

 外見とは裏腹に静かに姿を現したディラドゥアは天使達へと一気に距離を詰める。勝利したものと思い地上を眺める彼らの背はあまりに無防備で、そして稚拙だった。やはり彼らを叡智溢れる天使と呼ぶ事はあまりにおこがましい。ならば悪魔か、いや、仮にそうだとしてもそれはあまりに愚かだった。少なくとも、万の大群を率いてやってきて尚、ディラドゥアの相手となり得ない程度には。

 空中翔靴によって補助されたディラドゥアの両足が軽やかに空を駆け、独りの天使の背へと飛び乗った。天使は背に何か乗ったと気付いた瞬間自らの首と別れを告げる。蒼穹に赤い華が咲く――その華に振り返った天使達の首が、一時に十は飛んだ。そしてそれに振り返った首が更に飛ぶ。青い空は一瞬にして赤い花畑へと姿を変えた。
 天使達の赤い花弁を身に浴びてディラドゥアは駆ける。彼が手に持ったクレイモアを振るう度、空の華は数を増す。漸く、漸く事態を把握した天使達が反撃に出ようと手にした武器をディラドゥアめがけて振るおうとも、ある一振りは幻影を捉え、またある一振りは届こうとも鎧と化した彼の身体にはねのけられる。混乱する天使達に襲いかかるのはディラドゥアの刃だけではなく、彼の周囲に散る幾つもの鏡の破片もまたしかり。届かない刃に苛立ち、更に稚拙なものとなる天使達の太刀筋がディラドゥアの肌を削ることは更に少なくなる。無論ディラドゥア自身も身体に幾つかの赤い筋を残したが、それでもそれは空に花咲く大輪の紅とは比べるものですらない。彼の身体は修羅の如く赤に染まっては居たが、そこに彼自身の血は果たしてどの程度含まれているというのだろうか。
 結論から言えば、数ばかり揃った天使達とディラドゥアとの実力差は、正に明白なものであった。

 それでもその数は未だ多い。空に多くの華を咲かせ、その数を着実に減らしては居たが、それに延々と黙っているほど天使達も愚かでは無かった。殺戮の場から離れた面々はディラドゥアから逸早く距離をとり、花畑の中枢へ狙いを定める。何人かの天使が同時に咆哮を上げた……そうして蒼穹に現れるのは、金色に輝く魔法陣!
 力を溜めて輝きを増していくその陣にディラドゥアが気付かなかった筈がない。けれど、あるいは、明白な実力差の下に屠られる天使達にも僅かなりとの矜持があったということだろうか、彼らは一斉にその動きを攻撃では無く妨害へと変える。自らの身を持ってディラドゥアの刃を受け止め、その腕、足に幾人もの天使達が絡みつき、ディラドゥアの動きを止めようとする。

 着々と輝きを増していく魔法陣は超音波にも似た高い音と共に力を増していく。ビシリと空に亀裂が走り、次の瞬間天を突く光がディラドゥア目掛けて放たれた。
 同朋を犠牲にする覚悟で放たれた天使達の反撃――それが果たして如何程の効果を示すことになるのか、それを知っているのはディラドゥア自身だけだった。
[286] 第三フェイズ開始:文字みっちりで見辛くてごめんYO…
「…………」
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-19(金) 23:59
(壁の向こうから聞こえてくる戦っている音が、銃撃戦から肉弾戦へと移り変わり、
 そして段々悲鳴じみた声まで聞こえてくるようになってきた。
 壁の向こうで何が起こっているのかは誰にもわからない……)

【第三フェイズ開始!】
ロール〆切は23日の0:00です。
[321] 【第三フェイズ】 ついに登場! ヤツの名前は、キング・レオ!!  前篇 
「人呼んで、待ち合わせ詐欺。俺呼んで、レオレオ詐欺。二つの詐欺の名を欲しいままにする、この俺を羨ましいと思うだろう! べ、別に、写真の中はおっとこ前とか、喋ると-200%とか言われてないんだからね!」」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-20(土) 20:14
大丈夫、女神さまたちは1ターンで帰っちゃうから!
どんなに間違っても、「ああ、女○さま」みたいなことにはなってくれないからっ!!(血涙

って、そんな事言ってる間に、何だとぉ!?
(ハート形の極太ショッキングピンクビームが眼前へと迫りくるのが見えた)
ま、まさか、これは伝説の蓮哀羅武亡葬覇!?
なぜ知ってる
ば、馬鹿なぁ、復讐の女神の攻撃を受けながらイチャつくなんてぇえー!!
(怜生の体がショッキングピン以下略の光に包まれた)

 そして、ショッキ以下略に飲み込まれた怜生の脳裏に見たことのない光景が次々と流れ込んできた。
「はははは、待ってくれよ、ローラ~」
「うふふふ、捕まえてごらんさない、アンディ~」
 それは、リア充がリア充としての生き様を満喫している世にも恐ろしい場面だった。アンディとローラの馬鹿ップルなアレコレが、否応なく怜生の脳裏で展開されたのだ。
 これは恐ろしい! 他人のイチャつきを否応なく見せつけられる、これが蓮哀羅武亡葬覇の真の威力だった!
「ああ、これがリア充の感覚かぁ。これも悪くないかも~」
 馬鹿ップルの怒濤の精神攻撃に、さすがの怜生の精神も衰弱してしまったようだ。目の前で展開されるリア充ワールドから逃避するために、リア充を受け入れてしまいそうになったその時。
「ぷみぃー!」
 うっすらとピンク色に彩られた世界に、懐かしい声が響いた。
「リ、リヴァたん!?」
 リア充へと傾いていた怜生の意識を引き戻したのは、憎々しいリア充1号(アンディ)2号(ローラ)に倒され消滅したはずのリヴァたんであった。
「そ、そうだ。俺は負けない! リヴァたんが残してくれた嫉妬の炎は、まだ俺の胸で生きているんだ!」
 怜生の胸元がドス黒く輝きだした!っていうか、これ浄化された方が世のため人のためになるんじゃね? ブラザー、それは言わない約束ってもんだぜ。
「っていうか、他人のイチャつきっぷり見せつけられて改心できるかぁぁぁぁーー!!」
 正論である。怜生の魂が絞り出した絶叫が、燃え上がった嫉妬の炎が、怜生を囲うリア充ワールドを焼きつくした。

ここでCMだよ!
[322] あなたの心臓、鷲掴み☆  復讐の女神のCMコーナー
「Happy Halloween. 私と出会ったあなたは、二つの道がある。Trick or treat. さあ、どちらを選びますか?」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-20(土) 20:15
メガイラ「心が挫けそうになった桐島怜生を救ったのは、かつての盟友リヴァたん!」
アレクト「そして、自分を取り戻して、蓮哀羅武亡葬覇を打ち破った桐島怜生!」
メガイラ「強敵と認めたアンディとローラに対抗するために、とうとう桐島怜生が変身!?」
アレクト「ドキドキの展開に目が離せない!」
メガイラ&アレクト「続きはこの後すぐ!」
ティシフォネ「気になるなら、見ればいいじゃない」

メガイラ&アレクト「ああっ、美味しいトコ持ってかれたわ!?」
[324] 【第三フェイズ】 ついに登場! ヤツの名前は、キング・レオ!!  後篇 
「人呼んで、待ち合わせ詐欺。俺呼んで、レオレオ詐欺。二つの詐欺の名を欲しいままにする、この俺を羨ましいと思うだろう! べ、別に、写真の中はおっとこ前とか、喋ると-200%とか言われてないんだからね!」」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-20(土) 20:16
認めてやろう、アンディとローラよ。
お前たちは、ただのリア充ではない。この私をここまで追い詰めたのだからな。
今までお前たちは、私にとって路傍の石と同じだった。
私の進む道に落ちていた石っころだ。
それを退かす事ために、わざわざ私の手を煩わせることはないと思い、召還魔法を使っていたが、もう止めだ。
認めてやろう。お前たちは虫だ。私の目の前を飛び回る目障りな虫けらだ。
(ぎらりと怜生の目が禍々しく赤く光った。もう人間じゃねぇ

虫けら共め! 私の嫉妬を煽ったことを死んで後悔するがいいわ!!
(完全に悪役だった)

集え、嫉妬の力よ!
ジェラシー・パワーでメイクアーップ!
しつつ
オープンするぜ マイ・ハート!
前者はともかく後者は実行すると仮想空間ごと汚染されそうな勢いだった

(変身シーンは尺の都合で割愛)

我が名は、キング・レオ!
嫉妬を抱くすべての同胞の代表者にして、リア充へ天誅を下す審判者なり!
(ものっそトゲトゲしいフォルムの漆黒の衣装にモデルチェーンジした。面影は桐島怜生だったが、一番の違いは頭からねじくれた角が2本生えていることだろう)

さきほどまでの私と同じと思うなよ。
燃え上がれ、嫉妬の炎よ!
(キング・レオの右手から炎が噴き上がったと思うと、それは一振りの杖になった)

爆発しろ! ジェラシー・パワー、スパークゥ!!
(キング・レオが差し向けた嫉妬の杖から、ドス黒いハート形の極太ビームがリア充1号2号に放たれた!)
[325] <説明しよう!> *ファントム・マスクのかいせ、うわなにするやめ(ry*
「Happy Halloween. 私と出会ったあなたは、二つの道がある。Trick or treat. さあ、どちらを選びますか?」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-20(土) 20:17
            (しばらくお待ちください)

<説明するわよ!> *女神たちの解説コーナー*
メ:嫉妬深い女神メガイラ ア:怒りっぽい女神アレクト テ:罪を記す女神ティシフォネ

メ「はい、それでは私たち女神が解説しまーす!」
ア「中々しぶとかったわね」
(そう呟くアレクトの視線の先には、メガイラの連れていた蛇、人間一人分くらいの大きさに腹が膨れている、が丸くなっていた)
メ「乗っ取り、じゃない、何とかマスクさんは急用らしくて、代打で私たちが解説するわね!」
ア「で、何を解説すればいいのかしら」
メ「キング・レオについてらしいわよ」
ア「そんなのどうでもいいじゃない
メ「そうよねー。私なんか久しぶりのお呼ばれだから、ばっちり化粧したのにー」
ア「あの変な光のせいで、あたしたち攻撃途中でかき消されちゃったものねぇ」
メ「もー、呼び出した人間がもうちょっとしっかりしてくれれば良かったのにー」
ア「あたしなんか、この子(狼)のシャンプーまでしたのよ」
メ「でも、こういう強引なお呼ばれっていいわよね。ちょっとトキメイちゃった」
ア「あなた、相変わらず子供が趣味なのね」
メ「うるさいわね。私は、オジン趣味じゃなくってぴちぴちした若い子が好きなのよ!」
ア「溢れる大人の魅力が解らないなんて、ほっんとにあなたって子供よね」
メ「何よ! 溢れ出るのは加齢臭の間違いじゃないの!」
ア「言ったわね。やりたい盛りでちょっと可愛い女にほいほいされるような分別のない子供のドコに魅力があるっていうのよ」
メ「若さに決まってるじゃないの。青さも魅力の一つなのよ」
ア「その割りには、前に(自主規制)で逃げられたくせに」
メ「それを言うなら、あなたこそ(自主規制)して、色んな男神から避けられてたくせに!」
ア「あなた、ちょっと表出なさい」
メ「いいわよ、消化不良だったから相手してあげるわ!」
テ「気になっても、見れないわよ
[431] 『Finaleへの序曲。 それは、破滅のオペラ。』(1/3)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-22(月) 04:20
(空中翔靴の効果によって音もなく空をかける足。 天使の油断した背中が痛々しい。
 風を切る翼の感覚と、加速する体。音もなく近寄る惨劇は、まさに死神の足音なのだろう。 
 背中に飛び乗り、瞬撃。 開幕の一撃は、見事に相手の首を飛ばす。
 音に気がついて振り向こうとする相手。生物ならば当然の行動、反射神経の行動。
 すると、そこを見計らったかのように動きがとたんに鈍くなる。『永遠の間の鍵』の効果だ。
 一瞬で時間が遅くなり、亀の如き動きを見せる相手との間隔を詰め、一撃で引き裂く。
 惨殺とも言える圧倒的な威力の斬撃で、相手の肉体が紙切れのように舞う。
 流れる血液、引きちぎれて飛ぶ肉片と体の部品。流れ落ちる血液。
 引き裂いた時の血は刃に付くこともない。
 血を啜る刃は、血液を代価に自らの肉体を癒し、さらなる惨劇へと導く。
 それは、鮮やかなる惨劇だった。 蒼空に銀の煌きと赤の花が幾筋もの線を描く。
 生み出される天使たちの花弁は、自らの肉体を染め上げる。どす黒い物、鮮烈なまでの赤。
 様々な赤のコントラストが、どこか痛々しくも美しい。
 殺戮を楽しむかのような黒い感情と、罪悪感さえ覚える。
 そんな戦場で様々な紅に染まる自らの肉体は、別な生き物のように活き活きとして見えた。

 蒼空に響く天使たちの断末魔。 死を望まぬ者たちの最後の呻き。
 それは、戦いの中の自分には勝利への賛歌。 自らを褒め称える聖歌となって聞こえる。
 この感覚を覚えるたびに、自分は異常性すらどこか感じてしまう。
 しかし、これは紛れもない戦いの感覚。 自分はただ、的確に切り刻み、屠り、奪うだけ。
 敵への災厄であることが自らの存在意義。 魔力に反応し、より深く抉りこむ刃を御して、
 より多くの死へと自らを導こう。 守るべき物のため、そして、すべての未来の為に。
 絶望の上に咲く希望の花は、より多くの敵の血を吸って花開く。
 歴史がそれを証明し、また自らもそれを証明するのだから。)

(敵もまた必死だ。 自らを落とそうと刃を振るい、的確に攻撃を仕掛けてくる。
 鋭い刃は自らに赤く筋を作り、時には腕を切り落とすような深い一撃も多い。
 直接食らえば即死であろう一撃を、かろうじて紙一重でかわし、
 攻撃のスキを付いてさらに首を切り落とす。空に赤い華が咲く。
 事前の強化も功を奏した。 相手の手数は的確に少なくなっている。
 仮に刃が届いたとしても、幻影と鎧とかした皮膚の防御に阻まれ、致命打は少ない。
 体を傷つけても、自らの刃が傷を防ぐ魔力を血を代価に供給してくれる。
 磐石の体制。数を減らすだけの十分な策。あとは、殲滅戦を行うだけ――のはずだった。)
[432] 『鳴り響く破滅のオペラ――もう何もかも聞こえない』(2/3)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-22(月) 04:28
(――何か策があるのか?)

(動きの怪しさに気がついたのは何時だっただろう。 
 天使たちが軒並み集結し、自らの動きを止めようと絡みついてくる。
 鏡の破片も、より相手のことを傷つけようと動くが、いかんせん数が多い。
 殺戮の宴に気を取られ、反応が遅れたのが迂闊だった。
 はじめは足。 次いで口、目、腕――。 次々と防がれ、だんだんと追い込まれていく。
 危機というほかない。呼吸が、行動が、完全に制限をうけている状況だ。

『――このままではまずい――』
 
(脱出のために念動詠唱を開始した次の瞬間。我が目を疑う物が、視界に飛び込んだ。
 魔術的視覚に飛び込んだ魔方陣。 大型で、光り輝く金色の――。
 瞬間的に魔方陣の術式を解析する。 それは、戦いの中で見覚えのあるものだ。

 ―――『光の剣』(サイ・スピアー)。

 それは、いかなる魔術を持っても防げない究極の攻撃。
 魔術師にとって最も恐れるべき魔法。
 防御を許さず、防ぐならば回避の他にない『無視魔法』の一つ。規模もまた大きい。
 あの規模だ、直撃すれば自らも消し飛ぶのは定理。――明らかなる危機だった。)

『このままでは消え飛ぶ・・・! 体は動かず、呼吸、視界すらも制限と来てる。
 どうする?このまま無様に終わる気か俺は! 違うだろう?
 守るべきもののために死ぬわけには行かない! 落ち着け…。
 最適手・・・。 最適手だ! すべての魔術を駆使してここを抜ける――!』
 
(混乱する思考。 そのただ中で最善手を探っていく。
 決めたのだ。時間を戻してでも、ここで死ぬわけには行かないと。
 焦りと不安、そして混乱によって歪む思考の導き出した答え。 それは――。)
[433] 『求めたdesire――それは「勝利に捧げられた歌曲」』(3/3)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-22(月) 04:31


――『高速念動詠唱』(ファスト・サイキャスト)
――『破壊の御言葉』(ワード・オブ・デストロイ)


(まばゆい閃光が一瞬にして視界を覆う。 目をつぶっても見える、凄まじい閃光と爆轟。
 『破壊の御言葉』。一定範囲の空間を文字通り*破壊*し、虚無空間を作り出す呪文だった。
 一瞬にして消し飛ぶ天使たちと、空間の再構成とともに生み出される時空のひずみ。
 放たれた光線は、閃光の中に飲み込まれて次元の狭間へと消えていく。間一髪のギリギリ。
 このまま撃たれて終わるわけには行かないという強い意志の生み出したワイルドカードだ。
 次は、こちらがお礼をする番。流れた紅の花の花弁を、自分は魔力で呼び寄せる。
 地面に落ちた物、空中で落ちる狭間の物。 空中にいくつもの紅の柱が立った。
 そのおびただしい量の血液を固め、魔力に変える。凄まじい魔力の波動を感じながら。
 その魔力を持って紡ぐは、数を落とすための更なる強化だ。)

――『並列高速詠唱』(パラレル・ファストキャスト)
――『影の召喚』(シャドウ・サーヴァント)
――『目には目を』(アイ・オブ・ザ・ハンムラビ)
――『次元の扉』(ディメンション・ドア)

(『影の召喚』。 自らの援軍を2体ほど呼び出し放つ呪文と、
 すべてのうけたダメージ分そのままを相手に返す呪文を詠唱する。
 しかし、強化呪文分が効いている。 自分が受けるダメージは少ないことは百も承知。
 しかし、ただでさえ数の多い敵のこと、少しでも数を減らさねばならないのだから、
 この位はやらないと釣り合いが取れまい。未だ多い敵に王手(チェック)を掛けるのだから。
 殺戮の宴を最終局面へと向かわせる、最高の手。自分の影と、自分自らが殺戮を行う。
 もう一度開く次元の扉。 今度は、離れた敵の後方だ。 追い込み漁が、始まる。)
[448] 静寂の闘い
――こんや異装の弦月の下
歪(ceuc9913) 2010-11-22(月) 18:24
(首と胴の離れた橙の骸が霧散し青白い光に変わるのを見て、僅かに眉を顰める)

もう充分だろう。
還れ、空へ。命も滅びたあの世界の、夜を繕う光のひとつになれ。
……それこそが、俺達『星』のほんとうの役割だろう?

(銀の瞳は光を得ても虚ろなまま。対峙する獣を見ているようで、その向こうに違う“世界”を視ているかのように)

……こうして語りかける言葉こそが無駄だと言うのはよく判っている。
お前たちは俺の“同胞”じゃない。所詮はディラックの落とし子の欠片なんだろう。
だが、それでも懐かしくて、愛しくて仕方ないんだよ。
もう少しだけでいい。その姿のまま、俺に付き合っていてくれ。

(地面に突き立った刃鐘を再び破片に戻し、部屋中に広く展開させる)

……さて、これであと四匹。
連携を取る冷静さも喪っているみたいだな――なら、いけるか。

>ロール
(空中に展開した刃鐘を足場に跳躍し、舞うような動きで獣を翻弄する。牙や爪を軽やかに躱して、掻き乱すように駆け回る。連携を取る隙すら与えぬように、獣達を刃鐘の群れの中で孤立させるように誘導。
 孤立させることができたら、一匹ずつ獣を追い込んで行く。獣の死角を利用して、二剣を揮って刃鐘の罠の中に追い込む。気が付いた時には、獣が我に返った時には、最早退路は断ち切られているように。
 視えることに慢心しているからこその罠。――歪自身も、視力は戻ったがそれに頼り過ぎない。獣の息遣い、刃鐘の擦れる音、停滞する空気、それら全てに意識を向ける。
 終始、誘導されていると獣に気づかせぬ、剣舞のような足取りで)
[468] 最終フェイズ【SIDE:歪】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-22(月) 22:38
 獣を屠りながらも、倒れ伏すソレへ愛しさと懐かしさを語る歪の銀色の瞳に映るものが何なのかを、他者に判別することはできない。その視線の先に在るのが果たして何なのか、知るのはこの場では歪独りなのである。
 刃鐘が再び音色を奏でながら宙へ散る。部屋を満ちるように広がった破片、或いは星の姿を眺め、歪は跳んだ。

 歪が動いたのを見た獣達もまた自身の行動を開始する。けれど部屋中に散った刃鐘の破片を足場に舞い飛ぶ歪の動きを読むのはいくら賢い獣と言えど至難の業だ。その爪は宙をかき、振るわれた牙は虚空を噛んだ。
 また、歪を捉えようと躍起になる獣達の進路を遮るように刃鐘の破片が邪魔をする。身体に切り傷を残す刃を厭い、獣達は自然進路を変更する事を余儀なくされた。もし彼らが視力に頼らず、それこそ歪のように全身を以て世界というものを感じ取っていたならば、気付いただろうか。自分達は分断され、誘い込まれているのだということに。
 ふわりと宙を舞った歪が虚空で二振りの剣を踊らせる。獣の爪と歪の剣がガキンと跳ね返り、再び歪は舞い、獣は踊る。剣舞のような動きは美しかった。この場にはその舞いを称賛する者など、誰も居ないと言うのに。

 紫の獣と紅の獣が歪の剣を避けて一歩退いた時、彼らの後ろ脚に刃鐘の破片が鋭く刺さった。混乱した咆哮を上げた獣が振り返った時、そこには刃鐘の破片が集っている。部屋中に散漫していると見せかけ、巧妙に隠されたその罠に獣が気付いた時にはもう遅い。
 とん、とん、と二匹の獣の背に人の重みが加わる。獣達がその存在を瞳に映した時には彼らの首はパックリと裂かれている。瞳に堕ちながらも宙を舞い続ける星を映しながら、二匹の獣は事切れた。青白い光が散る。
 着地した歪の背後を狙い打つように刃鐘の隙間を縫って駆け寄ってきたのは翠の獣だった。その狙いは悪くなく、地に足を着いたばかりでバランスを崩した歪の両肩を獣の両爪が抉る。けれどその爪を身体で受け止めながら、歪もまた手にした二剣で獣の腹を裂いた。体勢的に避ける事は出来なかったといえど、歪には獣が向かってくる事は判っていた。視力に頼らぬ世界を持つ彼には、駆け寄る獣の息遣いも、獣の両脚が地を駆け抜ける音も、そして刃鐘がその到来を告げる音色も……全てが鮮明に“見えて”いたのだから。

 勝負の世界は一瞬だ。腹を裂かれた翠の獣が音も無く青白い光へ還っていく……。そうして歪が再び剣を構えなおした時、残された獣はあと一体となっていた。残された蒼い獣が、金眼を以て真っ直ぐに歪を見つめる。その瞳の奥に果たして何を見たのだろうか、それは歪以外の者には判らない。もしかしたら、判る必要もないのかもしれないが。


 最後の剣舞に言葉は要らぬ。咆哮一つあげる事無く、蒼い獣は歪へ駆けた。
 戦いの決着が、無音のままに迫っていた。
[469] 最終フェイズ【SIDE:桐島】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-22(月) 22:40
 桐島 怜生の胸元がドス黒い光を放ち、文字に起こすにはやや憚られる様子でその身体が様子を変えていく…! 仮想世界でさえも汚染しそうな勢いのその輝きが治まった時、そこに居たのは壱番世界の高校生、コンダクター桐島 怜生ではなく、リア充への過度の憎しみにより覚醒した魔(?)の存在――…キング・レオだった。
「遂に正体を現したな!!」
「何て凄まじい負のオーラなの…! 一体どうしたら人がこんなものに!」
 ローラのツッコミも尤もである。

『爆発しろ! ジェラシー・パワー、スパークゥ!!』
 キング・レオの差し向けた嫉妬の杖に黒い蛇のオーラが絡みつき、次の瞬間その杖から放たれたのドス黒いハート型の極太ビーム!
 恋愛ラブ妄想派(変換面倒だからもうこれで良いや)と対をなすかのようなそのビームは、桐島の、否、キング・レオの心を反映しているのだと言えた。そのビームは一直線にリア充一号二号もといローラとアンディめがけて放たれる。先の女神達の攻撃によるダメージが残っているリア充共に、それを避ける事は不可能だった。
「ローラァッ!」
「アンディイッ!!」

 ドス黒い輝きが二人を包み込む――…!


 その光を浴びた時、二人の脳裏に過ぎったのは互いの愛しい人の姿だった。ローラはアンディの、アンディはローラの姿を意識に映していた。

 ローラの意識の中……アンディがブロンドヘアーの美しい女性の肩を掴んでいる。線の細く繊細な様子の女性の姿は、今まで戦いとは程遠い生活を歩んで来たのだと知れた。そして頭上でキラリと光を反射するのは王者の印……上品な衣装に身を包んだのは所謂「姫」である。勇者と対を成し、RPGなどではほぼ出番は無い癖に不動のヒロインの地位を欲しいままにしているあの存在である。意識の中のアンディは姫に何事か語りかけ、それに照れたように姫がはにかむ。夕陽に包まれた城の一室で、二人の影が重なった……。
 アンディの意識の中……ローラが見知らぬ若い男と酒場で楽しげに談笑している。がっしりとした体躯の男は、戦いの中に身を投じてこそ居ないものの、日々身体を使って生活を営んでいるのだろうと知れる男だった。男はアレだ、所謂「村人A」だ。RPGなどではやたら大量に出現し、何故お前がそんな事を知ってるんだというような情報を勇者御一行に提供してくれる存在である。ムーディな雰囲気に包まれたローラと男は酒を酌み交わし、やがてローラのしなやかな手が村人の肩にしどけなく添えられる……。

 恋愛ラブ妄想派と対を為すこの技、ジェラシー・パワー・スパークとはキング・レオのリア充を強く憎む心によって以下略。その時二人が見た映像がただの幻覚だったのか、それとも過去に起きた事実だったのかは、少なくとも各々片方には判別する事はできない。けれどあまりに凄まじいその嫉妬の炎は、イチャイチャラブラブカップルの間に亀裂を生んだ。アンディとローラがハッと意識を取り戻し、互いに武器を構えなおした時、二人の間には何とも言えぬ溝が生じていたのである。

「……ローラ……ま、まずは敵を倒そう。話はそれからだ」
「ア、アンディ……そうね、まずは奴を倒さなきゃ。これが終わったら……私、貴方に訊きたい事があるの」

 見事な死亡フラグを突き立てて、二人のリア充が桐島に向き直る。けれどその間に先程までの熱烈な雰囲気は、もう無い。
 このチャンスを逃す手があろうか、いやない。桐島じゃなかったキング・レオに、今正に千載一遇のチャンスが訪れようとしていた。今だ!  倒せ! 畳みかけろ! 正直女神達の戦いの行方が気になるぞ! キング・レオォオ!!
[471] 最終フェイズ【SIDE:ディラドゥア】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-22(月) 22:41
 ディラドゥア目掛けて放たれた一撃、天を裂く光の剣は、ディラドゥアに触れる寸前で虚しくも虚空へ飲み込まれ消える。同時にディラドゥアの身体を抑え込んでいた天使達もまた、一斉に消し飛びその姿を消した。
 ディラドゥアとて余裕のあった行動ではない。その時彼は確かに追いつめられていた。その窮地を脱するに至ったのは、一重に彼の狩人としての経験、そして本能だった。

 次はこちらが礼をする番だ。ディラドゥアの魔力に反応し、ただ堕ち行くだけだった膨大な量の血液がディラドゥアへと集い、彼の魔力へと姿を転じていく。蒼穹に連なった紅の柱が共鳴するように震え、その波動がディラドゥアへと力を与えていく。
 再び彼が呪文を口内で転がした時、ディラドゥアの傍らには彼と全く同じ姿をした黒いシルエットが二体現れた。強力な味方の存在を両隣に感じ取り、再び次元の扉を開く。青空の中、再びディラドゥアの姿がかき消えた。

 離れた一群の後方にディラドゥアとその影が姿を現した時、天使達もまた後方に現れた存在に気付いていた。同じ轍を踏むほど愚かではないということか。ディラドゥアとその影が散り、一斉に天使たちへと向かう。追われた一群の内、向かってくる者達も居たが、多くは先の戦いでディラドゥアとの直接対決の不利を悟り逃げを選んだ。青空を白い群が逃げ泳ぐ……壱番世界出身でないディラドゥアが気付いたかどうかは定かではないが、それは小魚の群れがより強大な存在から逃げ惑う動きに良く似ていた。
 ディラドゥアと二体の影は的確に天使の群れを追いつめた。向かってくる者、逃げ遅れた者には容赦なく彼らの刃が飛ぶ。残酷なような戦いは、けれど戦場の真理だ。戦場ではいかに残酷であろうと、強い者が残り弱い者は消える。ディラドゥアはその真理を良く知っていた。イワシの群れが砂浜に打ち上げられるように、逃げ惑う天使達も徐々に逃げ場を失っていった。

 逃げ惑う天使達の動きが不意に変わった事に、ディラドゥアは気付いただろう。逃げる一群、その一群の先頭に居た者達に異変が生じた。ただ逃げ惑っていても勝機はないと天使は悟ったのだろう、突如一体が隣を飛ぶ一体の首筋へと喰らいついた。
 そこから先は連鎖のようだった。喰らいついた一体へまた別の一体が喰らいつき、その一体へ今度は二体の天使が齧りつく。やがて天使達は一斉に互いを喰らい始めた。青い世界に天使の悲鳴と舞い散る紅が踊る。狂気のような世界は天使の数を加速度的に減らし、喰らい、喰らわれ、やがて――…一体の天使のみが、そこに残された。

 残された一体もまた、他の天使に四枚羽の内二枚を引きちぎられ、喉元には牙が食い込んでいる。満身創痍のソレがディラドゥアに敵うとは到底思えなかった。
 突如、天使の身体がぼこりと歪に姿を変えた。
 ぼこり、ぼこ、ぼこ、と泡立つように天使の白い身体が歪み、形を変えていく。ディラドゥアが目を凝らしたならば、その一体の身体の表面に現れる膨らみ一つ一つは、それまで喰われた天使達の顔であった事に気付いただろう。やがて一塊の肉塊のようになったソレは、激しい咆哮と共に爆発したようにその質量を増す!

 爆音と共に姿を現したソレは、どう表現すべきか判らなかった。二つの首と七つの目を持ち、背には八つの巨大な羽が不器用に羽ばたく。二本の尾には鋭い棘が生え揃い、巨大な顎からだらだらと涎が垂れる。竜と呼ぶべきか、だが竜と呼ぶにはそれはあまりに醜悪すぎる気がした。50Mはあろうかという白い巨躯が、入道雲のように空の中に立ち塞がる。
 ソレが一声咆哮を上げた時、ビリビリとした振動が空気を揺らし、空が震えた。七つの赤い瞳がギョロリとディラドゥアと二体の影へ向けられる。涎を撒き散らす顎が薄く開かれ、暗い闇に包まれた口内が僅かに光を帯びる。

 ソレが再び声を上げるのと、その口から三つの火球が放たれたのはほぼ同時だった。
[473] 最終フェイズ開始!
「…………」
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-22(月) 22:45
(壁の向こうから聞こえていた騒々しい音が不意に止み、物音ひとつしなくなる。
 勝ったのか、負けたのか、いずれにせよヌマブチは一足早く戦いに決着がついたらしい)

【最終フェイズ開始!】
ロール〆切は25日の0:00です。
(中の人都合により(スミマセン…)ロール期間がやや短めです、ご注意下さい)
[571] 『小便は済ませたか? 神様にお祈りは?.』(1/3)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-24(水) 14:25
(本能。 一番魔術師としては忌避すべき言葉だ。 しかし、その本能さえも時として真実。
 「魔術は本能で使うものではない」。 これは、一番はじめに知るべきことであり、
 頭の片隅に常に置くべきことだ。しかし、それでも魔術師は時として本能で魔道を使う。
 今回の魔法も、本能であったことは否定出来ない。一番の欲求である生存本能故だ。
 普通ならば行わない無理のある詠唱。魔力を強制的に練り上げ、魔法の形に成形する。
 しかし、その無理も言っては居られない。殺らねば殺られるのが摂理であり、
 また、そのなかの摂理に生きるものとして、ここで死ぬわけには絶対に行かないのだ。
 大量の血液を膨大な魔力へ変換し、失われた魔力の穴埋めを行いながら、
 自分は並列して逡巡を巡らせる。『本当にこれは最善の手段だったのだろうか?』と。
 答えの出ない問い。恐らくは、報われないであろう、この難しい問いを。

 ――召喚した影との共同戦線。 その始まりは次元の扉から始まった。
 空中にありもしない光の道が自分には見える。 それは、間違いのない勝利への道。
 フェアノールの靴は風を切って道を走る。 自らの身体もまた、加速の力で早くなる。
 自分は今、死を告げる風だった。 恐怖と、災厄を敵に振りまく悪魔の如き存在。
 空中翔靴により早く空中を走る自分と影、そして逃げ惑う天使たち。
 その挙動は、一種の太極図のようにも見えた。 自分は黒、相手の白。
 鮮やかな神話に終わりを告げる。 逃げ遅れる者、立ち向かう者に刃を食い込ませ、
 この戦いに終止符を打とう。 それが自らであり、自分を思う皆の為になることなのだから。)
[572] 『空間の隅でガタガタ震えながら命乞いする準備はOK?』(2/3)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-24(水) 14:30
「――止まれ!」

(異変に気がついたのは少し前だった。 挙動がおかしいことには簡単に気がつく。
 影に停止の指令を一つ下して、しばしの静観を決め込んだ。
 追う者、追われる者。痛々しいまでの対比は、相手の謝肉祭によって急展開を迎える。
 逃げ惑う一人の天使の暴挙に皆従うかのように、一斉に始まる共食いの光景。
 それは、レミングの群れが一斉に入水自殺を行う光景に、一種とても似ていた。
 まさに血で血を洗う謝肉祭――Cannibal。 この狂宴は、自らに何を示すのか。
 ――自分の奥底で答えはすでに出ていた。 「これは儀式である」と。
 生き残った唯一の一匹を毒として使う蠱毒の術。 呪力によって呪いの力を強める物。
 彼らは、それを自らで行っているのだ。 自らを強化し、自分に一矢報いんが為に。
 魔術師は数手先までを読んでいく。何が生まれ得るのか。 何がどんな攻撃を行うのかを。
 それは、「ここにあるために」身につけた、経験と、知識。 そして、幾度もの死の結晶だ。
 ――それは、運命を変転する力。念じず、口に出さずとも自然と詠唱されるべき魔術。
 目をつぶり、魔力を練り上げ、予想されうる運命の行数を読んでいく。

『天使の膨張と爆発。 巻き起こる爆轟と、新たなる生命の誕生。
   ――生まれ出る呪われた忌み子は、真っ先に自らへと火球を放つ。』

 運命を垣間見るその目に映るそれは、一種のミクロコスモスだった。
 神秘によって生まれたか、呪力によって生まれたかの違いだけで。)
[573] 『命乞いをしろ! その断末魔が俺への賛美歌になるんだからな!』(3/3)
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ディラドゥア・クレイモア(czch7434) 2010-11-24(水) 14:33
(攻撃の軌道、規模、威力についても読んでいく。 どのような攻撃を行うのかを、一瞬で。
 『後の先』。 戦いの場数を踏んだものの境地を、自分は今垣間見ていた。
 その結果、理解が進む相手の攻撃。予知通り開かれる竜の口、放たれる火球。
 対処、対応する術式は、相手の攻撃時からもうすでに決まっている。
 ――『アレしかない』そう、自分の中で決めていた。 反転と、最高の魔力を持って放つ禁呪。
 そのために空中の血を再びかき集め、足元と頭上に鏡を固定し、その間に入ろう。
 そして、あわせ鏡の原理で魔力を極限まで増大させ、臨界させる。
 その上で、手首に刃を滑らせ、自らの血を魔力の媒体とし、これからの大詠唱に備えた。
 すべての魔力が臨界点に達するとき放たれる魔術は、最高の、フィナーレのために。)

――『並列高速念動詠唱』(パラレル・クイック・サイファスト)
――『鏡界念動詠唱炉』(ミラー・ワールド・サイチェンバー)
――『聖体拝受』(ホリネス・ボディ)
――『反転の門』(ターンネイション・ゲート)
――『神格殺廃』(ダムナティオ・ゴッデス)

(まばゆいまでの閃光。 人の体を魂が脱ぎ捨てて、新しい肉体を享受する。
 詠唱したのは自らの肉体に一時の別れを告げる呪文。『聖体拝受』。
 一時の間神の体を手に入れる魔法。
 人の身では限度があるのだ。 神をこれから殺すには、これくらい絶対的に必要になる。
 理想の肉体。 神々もまた、この魔法によって肉体を形作るのだと神話に語られる体。
 どこまでも魔力を費やして、贅の限りを尽くした究極の肉体を受け入れる。
 その上で、さらに血液を媒体にして限界まで魔力を高めて影の変性まで勤め上げていく。
 その上で放つそれは、自らの血を持って放つ禁呪。 強化呪文において最高級の代物。

 ――神を殺すための、宣言。

 『@』ならば――いや、『探索者』ならばすべからず備える資質を極限まで引き出す。
 剣は青白く燃え、身につけた聖体は死の灰に包まれ、青白い死者の皮膚を宿す。
 何故、自分は戦いに望むのか。 それは、守るべき者が、そこにいるから。)

「Finaleだ。 おまえにふさわしい死をくれてやる。 ――オヤスミ。」

(冷酷なる必殺の宣言。
 それは、飛来する火球を魔力の門によって相手にリターンしながらのものとなった。
 飛来した3つの火球が門に吸い込まれ、時空の歪みである出口より相手へと飛んでいく。
 そして、それを確認すると、自分は一斉に影と共に行動を開始した。
 竜の正面に念じて転移し、手の武器での縦一閃。相手の腹を裂くような斬撃が飛ぶ。
 無数の天使の顔、鼻は引き裂かれ、7つの目玉においては抉り出さんと刃が飛んでいく。
 どこか美しくすらあるその光景は、「神という存在に対する完全否定」で出来ていた。
 所詮、神なども一つの生き物であると言わんばかりに。それが、現実だ。
 そして、自分の影もまた、同じ思考を持ち、行動を開始する。呼応するかのように。
 担当は単純明快だった。影一体が、一つの首を粉々に切り刻んでいく。
 首を縦にたたき切って割り、首根元から切断して抉り取る攻撃の嵐。
 太刀筋を一つ相手に刻むたび、その肉体は腐り、爛れ、ネクロージスを起こし始める。
 神格の殺廃。 それは、とてもグロテスクな醜い光景だった。
 ただれた肉が落ち、美しかった体は本来の醜い姿をさらけ出していく。
 そして、滅びを望まぬ者たちは、望まぬ滅びを甘受せざるを得ない状況へ、
 本当の意味での奈落へと引きずり込まれる。
 この戦いは、無秩序なる死で満ちていた。)
[587] 最終話 ついに決着 リア充との死闘の果てに!
「人呼んで、待ち合わせ詐欺。俺呼んで、レオレオ詐欺。二つの詐欺の名を欲しいままにする、この俺を羨ましいと思うだろう! べ、別に、写真の中はおっとこ前とか、喋ると-200%とか言われてないんだからね!」」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-24(水) 19:46
ふっふっふ、私の嫉妬の炎を浴びて、何を垣間見た?
私の炎は、心の中に燻る嫉妬の種を燃え上らせるだけだ。
すなわち、貴様らリア充どもがお互いを完全に愛し信じ合っていれば、何の効果もないのだよ!
くっくっく、何を見たのだ、アンディ、そして、ローラよ?
さあ、私に教えてくれないか? 言えるだろう、貴様らは愛し合っているのだろう?
いや、愛し合っていた、になるのかな。
(にやりと口角を上げて嘲笑った)
ハーハハハハハ! 貴様らの愛だの何だのとは、その程度ということよ!
だから、羨ましくなどはないのだ!(←

さあ、下らない茶番に私がここで幕を引いてやろう。
我が最大の技で、冥土へ旅立つが良い!!

集え! 三千世界の同胞の想いよ!
モテない男の嫉みよ! モテない女の妬みよ!
(キング・レオが嫉妬の杖を掲げると、ドス黒い嫉妬のオーラが集まり出した)

全ての世界に蔓延るリア充どもを爆発させる力となるのだ!
(キング・レオの全身がドス黒い輝きに包まれる)

破局しろ! dual jealousy power ff(フォルティッシモ)!!
(流暢な発音が腹立たしいキング・レオの前にffという文字が浮かぶと、集まったオーラが巨大なハート形となった)

主に俺の腹いせのために散れぇぇぇー!
(キング・レオ自身がドス黒い巨大なハート型ビームとなって、リア充一号二号へと飛び出した)

嫁募集中じゃああー!
(まるで日曜の朝8:時30に放そ、うわなにするやめ(ry、とりあえず、凄い勢いとパワーだった!)
[588] <説明しよう!> *さらばだ ファントムマスク*
「Happy Halloween. 私と出会ったあなたは、二つの道がある。Trick or treat. さあ、どちらを選びますか?」
桐島 怜生(cpyt4647) 2010-11-24(水) 19:48
ファ:ファントムマスク ティ:ティシフォネ

ティ「あら、生きてたのね」
ファ「も、文字通り身も心もとけるような時間だったんだぞ
ティ「惜しいわね。メガイラに罪を書き加えて、脅そうと思ってたのに」
ファ「私をダシにするのは止めて欲しいんだぞ!」
ティ「まぁ、いいわ。そろそろあっちも終わるみたいだし。あなた、この後どうするの?」
ファ「え? まぁ、桐島怜生の心に回帰して消えるだけだぞ」
ティ「そう。じゃあ、特に予定がないのなら。お茶に付き合いなさいよ」
ファ「?」
ティ「何もすることないなら、私の暇つぶしに付き合いなさいな」
ファ「外で喧嘩してる二人を止めなくていいのか、だぞ?」
ティ「誰が?
ファ「 デ ス ヨ ネ ー 」
ティ「あなたはコーヒーと紅茶、どっち?」
ファ「それじゃあ、コーヒーをお願いするんだぞ」
ティ「はい、どうぞ」
ファ「あ、美味しい」
ティ「消えるまでの短い付き合いだったけど、最後くらいは楽しまないとね」
ファ「……ちょっと感動したんだぞ」
ティ「これでも神さまだもの。そろそろ、あっちの決着がつきそうね」
ファ「コーヒー、御馳走さまなんだぞ」
ティ「それじゃあね、愉快な坊や。また会えたら会いましょう」
ファ「……さようなら、  な   ん    だ  ぞ   」
ティ「見送るのは、どんなに経験しても慣れないものね。……コーヒー、冷めちゃったわ」
[592] 静かに、終わる。
――こんや異装の弦月の下
歪(ceuc9913) 2010-11-24(水) 20:50
(光を放って霧散した獣達を無言で弔い、蒼い獣へ向き直る)

……お前の目に映る俺は、“星”かヒトか、どっちなんだろうな。
お前たちの言葉を理解できない愚かな同胞を、裏切り者を赦してほしい。

……そして、ひとことだけ言わせてくれ。

ありがとう。

(最早遮るものはない。
 刃鐘の破片を天井へと上昇させ、遮るものをなくして、両手の二剣だけで獣と対峙。
 無言で交わされる視線。迫りくる獣へと駆け出す。その交差で、全てが終わる)

(彼らの頭上高くで、鋼の星々が鎮魂歌の如くに音を奏でている)
[609] 最終フェイズ【SIDE:歪】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-24(水) 22:47
――…ありがとう。

 歪が最後の言葉を残すと同時、駆ける獣の行く手を阻まぬよう、刃鐘の破片が一斉に天へと昇る。堕ちた歪と獣を見守りながら、星が昇る。遮るものが何も無くなったその舞台で、歪は剣を構え、獣は牙を剥き出し、最後の舞踏の幕が開く。
 無言で交わされる視線。歪の露わになった銀の瞳と、獣の金眼が十字を刻む。音も無く二つの星がすれ違い、常人には眼にする事も叶わぬ速度で二つの刃が交差する。

 互いに背を向けたまま、一瞬の静寂が訪れた。それは一秒にも満たない短い間であったようにも、耐えられない永劫の時であったようにも思われた。


 そうして獣が一声、鋭く強く、遠吠えをあげた。


 いかに入った者達の精神を反映しているとはいえ、所詮はこの獣もディラックの落とし子が差し向けた攻撃の一手でしかなかった。獣は歪が同胞と呼んだ存在では決してなく、ただ姿形、そして多少の動作が似通っただけの、まがいものに過ぎなかった。
 その筈だった。

 けれどその時、向かい合い放たれた先の歪の言葉に応えたかのように、蒼い獣は一声鳴いた。高い青空の中に吸い込まれるように響いたその遠吠えが何を意味していたのは、歪にその確りとした意味が判る筈もない。だがだからこそ、その一声がただの偶然がもたらした声であると一蹴するも、歪が同胞と呼んだ存在に極めて近いその獣が何事か伝えたのだと捉えるも、全ては歪次第である。

 長い長い遠吠えを終え、獣はどさりと地に伏せた。歪が振り返るより早く、その死体は光へ還る。死に顔を歪に残す事無く、遠吠えの真意を伝える手掛かりさえも残さず、獣の身体は空へと消えていった。

 消えていった獣の光を弔うように、頭上では刃鐘の星々が静かな鎮魂歌を響かせていた。
[610] 最終フェイズ【SIDE:桐島】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-24(水) 22:48
「なっ、何を言って…!?」
「騙されるな、ローラ! 奴の言葉に耳を貸してはいけないッ!」
 コロシアムに響き渡るキング・レオの嘲笑。その言葉を聴き、アンディとローラの間に生まれた僅かな溝が少しずつ、少しずつ深みを増していく。これがリア充を憎む喪男の力という事なのか、場の空気は今、確かにキング・レオに味方していた。嗚呼女の嫉妬はかくも恐ろしく、男の嫉妬は御覧の通り何とも醜い。
 最早連携など組めなくなったアンディとローラめがけ、キング・レオの追撃は止む事が無い。RPGはターン制だ? そんな事は知ったことではない。最近ではターン制でないRPGだって沢山あるのだ。偏見は良くない。

 キング・レオが高々と掲げた嫉妬の杖に再びドス黒いオーラが集っていく。ここは仮想世界であるというのに、いや、むしろだからこそと言うべきか、世界中の嫉妬という嫉妬を集めに集めたそのオーラは見るだけで背筋に震えが走り最早言葉で表現する事さえも難しい。とりあえずなんかすごいということだ。
 その輝きは杖だけに留まらず、輝きを増しながらキング・レオの身体全てを包んで行く。キング・レオの戦闘力がみるみる上昇していくのをアンディとローラは肌で感じていた。ここにスカウターを持った者が居たならば確実にそのスカウターは数値の限界を示して弾け飛ぶ事だろう。

 そうして振り下ろされる杖――無駄に流暢な発音で詠唱され、放たれた大魔法、dual jealousy power ffはエキサイト翻訳だと二元的な嫉妬パワーff、ヤフー翻訳だと二重嫉妬力ffと訳される色んな意味で魔法使いとなった男たち(主に30歳以上)の扱う最終奥義である。齢十七でしかないキング・レオ、もとい桐島が何故この大魔法を使えたのかという疑問はただいま受け付けておりません。
 ドス黒いff、そしてハートマークはキング・レオの身体を巻き込んだままリア充一号二号へと向かっていく!

「ローラ、防御だ! 防――!?」
「アンディ、逃げるわよ…えっ!?」

 互いの呼吸すら掴めなくなったリア充共に勝ち目は無かった。


 カッ!! という激しい爆発エフェクトが周囲を包み込み、辺り一面が眩しい光に包まれる――! 光にその身を包まれながら、キング・レオは幻視する。アンディとローラが激しく口論し、遂にはアンディの頬にローラの掌大の紅葉が形作られる所を。
 やがて光が収まった時、そこにはローラの姿も、アンディの姿もなかった。嫉妬の魔王キング・レオの姿も、気付けばただのコンダクター桐島 怜生のものへと戻っている。

 リア充は爆発した! 世界に平和が訪れたのだ!

 しかし世界にリア充の種は尽きない。今回はこれで守りきれたが、いつまたリア充の魔の手が迫るとも限らない!
 キング・レオの、否、桐島 怜生の戦いはまだ始まったばかりだ!
 そこにリア充が居る限り、戦え、桐島! 負けるな、桐島! 最後の最後に裏切りやがったな桐島ァ!!
[611] 最終フェイズ【SIDE:ディラドゥア】
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-24(水) 22:49
 歪な竜が火球を放った時には既に、ディラドゥアの準備は終わっていた。

 経験、知識、あるいはこれまで超えてきた死の数から、ディラドゥアには天使達の次の行動が判っていた。何が起こるか、それが何をするか、そしてそれに対してどう応じれば良いのか……ディラドゥアの身体に残された多くの記憶が彼に未来を与える。そしてその未来を掴み、同時に希望を掴み取るのは、ディラドゥア自身の役目だ。
 空中に散った血液が再び集められ、ディラドゥアの頭上と足元に鏡を作りだす。合わせ鏡は無限にその数を増やし、それに応じてディラドゥアの魔力もまた、極限まで高められていく。手首を滑った刃はディラドゥアの皮膚を裂き、傷口から滴る彼自身の血が魔法の準備を完了させる。

 呪文が、転がる。

 ディラドゥアの口内で転がされた詠唱が終わるや否や、途端ディラドゥアの身体は眩い閃光に包まれ、その光の中で彼の身体が姿を変えていく。皮膚は燃え、中から現れるは青白い死者のそれ。剣は青く燃え上り、青空の元、人は姿を消し、神がその身を現す。
 
 歪な竜が火球を放った時には既に、ディラドゥアの準備は終わっていた。


 飛来した火球はいとも容易く開かれた魔力の門により、竜自身へと降り注ぎその身を焼く。自身に返ってきた炎に竜が苦痛の悲鳴を上げた時には既に、ディラドゥアの、そして彼の連れる二体の影が眼前に迫っており、武器が振るわれていた。
 最初の一撃。ディラドゥアの放った縦一文字の斬撃は竜の腹を裂き、次いで影の放った斬撃は竜の眼を、顔を、鼻を、口を裂いた。悲鳴を上げるあぎとすら奪われ、竜は苦痛に無茶苦茶に暴れ、口から火球を吐き出す。けれどその攻撃は最早ディラドゥアにとっては脅威ではなかった。三体が竜の周囲を飛び回る度、竜の白い身体に紅が走った。影の攻撃で竜の首が一つ落ちていく。
 ある種の美しさ、神々しささえ感じるそれは、絶対的強者の持つ貫禄とでも言おうか。この世に神など居ない。戦場に在るのはただ、強者と弱者、その二つだけだ。もし仮に神という存在が居たとしても、ディラドゥアはその神さえも超えたに違いない。……それは壺中天に入る前、彼が放った言葉、まさにそのままであった。

 身体中を切り刻まれた歪な竜は、遂に羽ばたきを止めその息の根を止める。ぐらりと巨体が傾き、赤い軌跡を残しながらまっさかさまに大地へと落ちていく。そして落ちきる前に竜の身体は淡い光の塊となり、やがて消えていった。ディラドゥアが勝ったのだ。
 戦場は、戦いの場は、無慈悲な死で満ちている。ともすればディラドゥア自身が悪鬼ともなりかねないその戦いぶりの中、それでも彼をこちら側に留めたのは、ディラドゥア自身が抱く戦いへの理念ただ一つ。
 自分の勝利を信じる者、自分を思ってくれる者、そして――…守るべき者が居たこと。
 それこそが彼を無慈悲な殺戮者ではなく、ディラドゥア・クレイモアという一人の探索者たらしめたのである。
[614] 最終フェイズ終了:お疲れ様でした!
「うわあ……」
ヌマブチ(cwem1401) 2010-11-24(水) 22:50

 各々の戦いが終わり、各人が一息吐いたのを見計らったように、音も無く周囲を囲っていた赤壁が姿を消す。そうして壺中天の中に入ってから初めて、漸くと言うべきか、ロストナンバー達は各自の姿を確認するに至った。その時には既に戦いの中で負った傷も、浴びた血潮も、変異した身体も、全てが何事もなかったかのように元に戻っている。
 ふと視線を向けると、青白い顔をしたヌマブチが立っているのが見えた。その顔色に敗北したのかと尋ねれば、首を横に振り、

「戦には勝った。勝った、が……某自身の敵を想定するのを忘れて潜ったせいなのか何なのか……相手が、猫だったのであります。超大量の。
 引っ掻かれるわ纏わりつくわ噛みつかれるわニャーニャー鳴くわモフられるわのてんやわんやの大騒ぎで魔法とか考える暇も無く某もう死ぬかと、死ぬかと……」

 ここから先は魔法大好き猫大嫌い32歳軍人の面目の為にもコメントは差し控えることにする。


【結果】
・三人とも無事コロシアムの戦いに勝利しました!
(戦闘ロールはこれにて終了です、お疲れ様でした。
 残りの時間は終わった戦いに思いを馳せるなり、雑談に興じるなどしてお過ごし下さい。
 拙い部分もあったとは思いますが、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。ご参加有難うございました!)

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螺旋特急ロストレイル

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