オープニング

 カレーの匂いがする。世界司書の湯木は先に盛り付けた大盛りの白飯に、机の傍らに堂々と置かれた大鍋から掬ってきたカレーをたっぷりとかけていた。
 その一連の動作を眺めていたロストナンバーの一人が、「シーフードか……」と小さく呟くのをよそに、そのあまりに食欲をくすぐる香りに耐えかねた者が、そのまま黙々とカレーを食べ始めた司書に向かっていい加減依頼についての話をするよう促した。
「ん。ちょい待て」
 一旦カレーが載った皿を置き、机の上に積まれた本の山から一冊を取り出す。栞の挟まっているページを開き、それを集まったロストナンバー達に見せた。
「美味しいシーフードカレー特集?」
 一人がそこに書かれた文字を音読した。湯木は首を傾げ、美味しそうなカレーの写真が掲載されたページをしげしげと見つめる。
「……」
 無言で本を閉じ、机の上にそれを返した。それからしばらく本の山を捜索し、導きの書を引っ張り出す。
 改めて栞の挟まったページを開き、それをロストナンバー達に見せた。
「えーと、壺中天、死華遊戯?」
「ほうじゃ」
 何事もなかったかのように、湯木は堂々と無表情のまま頷く。見せられたページには、インヤンガイの仮想現実を利用したインターネット・壺中天上に存在する殺し合いゲームサイト『死華遊戯』のゲームルールが書かれていた。

――――――――――――――――――――

一 五人の参加者は全員、珠の嵌めこまれた首輪を装着する。珠は参加者の首輪に付いている五個の他、遊戯舞台内に一個隠されており、総数は六個。

二 首輪に嵌めこまれた珠は装着者の死亡により固定具が外れ、取り外しが可能となる。

三 自分以外の参加者の珠四個と、隠された一個、計五個の珠を入手し、遊戯舞台内にある台座へそれら全てを嵌めこんだ者が勝利者となる。

四 制限時間は四時間。制限時間までに勝利者が現れない場合、首輪に内蔵された小型爆弾が爆発し、その時点で残っている者全員が死亡する。

五 首輪や珠を無理に外そうとした場合、爆弾の解除を行おうとした場合も上と同様。その時点で残っている者全員が死亡する。

六 全ての参加者は「一般の人間」として同一の条件の元で遊戯に参加する。武器は遊戯舞台内で確保し、物品の持ち込みは不可である。

七 参加者が全員死亡した場合、遊戯の支配人を勝利者とする。勝利を掴めぬ者は、死あるのみ。

――――――――――――――――――――

「また死華遊戯のシーワンっちゅうNPCに暴霊がとり憑いての。ゲームから離脱できんくなった人々がおるけぇ、シーワン倒してきてくれんか」
 遊戯の支配人であるシーワンはゲーム終了までステージには出現しない。しかし殺し合いゲームに参加し、プレイヤー側に勝利者が出れば自動的にシーワンは死亡するようになっている。つまり、ゲームに参加して誰かがクリアさえすれば依頼は達成というわけだ。実際、過去三回の同様の依頼でもそうしてロストナンバー達が解決してきている。
「ただ今回は一つだけ、問題があっての。参加者の中に一人、シーワンの手駒が混ざるようになっとる」
 手駒、という言葉にロストナンバー達はそれぞれ怪訝な様子を見せた。そういえば、ルールには「五人の参加者」となっているが、依頼を受けてここに集まっているのは四人だけである。
「五人目の参加者であるシーワンの手駒は自分以外の参加者全員が死亡すると、クリアせずにそのまま自殺する。そうなれば参加者は全員死亡でゲームはシーワンの勝ちじゃ」 
 それならまず最初にその手駒を排除すればいいのでは、と疑問を口にすると、湯木は左右に首を振ってそれを否定した。
「手駒……名称は『タオファ』っちゅーたかの。そいつは他の参加者の外見や性格、記憶を模倣して出現しよる。姿性格はタオファの意思で何度も別の参加者に変更できるらしい」
 つまり、このジョーカーを見た目や会話で単純に判別することは難しいということだ。ロストナンバー達は退治した相手が本物か偽者か分からないまま、殺し合いをしなければならない。
「でも、それならタオファが首輪を外そうとしたらもう終わりなんじゃ……」
 ルールには参加者の一人でも首輪を外そうとすれば全員死亡することになっている。タオファがゲームを無視して首輪を外してしまえば、その時点でシーワンの勝利ということになってしまう。
「遊戯の支配人は遊戯の途中放棄を好まん。じゃけ、タオファは『ちゃんとゲームに参加する』。外見性格は変わるが、それ以外の条件は他の参加者と同じじゃ。『身体能力は壱番世界の一般人程度』じゃし『使用する武器はステージ内だけで確保する』ことになっとる。違うのは、他の参加者と見分けがつかないこととゲームをクリアする気がないっちゅうことだけじゃ」
 そこまで説明しきると、湯木は依然として不安げな様子のロストナンバー達にチケットを配布した。
「お前らなら、なんとかなるじゃろ。たぶんの」

* * *

 インヤンガイに辿り着いた一行は、探偵からステージの概要が記された図を受け取った。しかし、そこに書かれた文字は人に読ませるにはあまりに不適切な崩壊ぶりを見せていたため、改めて口頭で説明を受ける。
「舞台は極寒の海を奔る無人の豪華客船だ。造りや置いてあるもんは豪華なんだが、一度沈没でもしたみてーに中はボロボロだ」
 渡された図によると、船は全長約ニ七〇メートル、高さは約五〇メートルで、二〇〇〇人以上もの乗客を収容できる巨大なものだ。船の最下層にボイラー室や機関室、エンジン室、倉庫等があり、そのすぐ上に三等客室や二等客室、食堂がある。一等客室は上層にあり、広く豪華絢爛な装飾のレストランやラウンジもあるようだ。娯楽施設も複数あり、プールやスポーツジム、図書館まであった。乗組員が使用する操舵室などは最上層にあるらしい。
「今回は『タオファ』がいるせいか、罠とかの仕掛けはねぇ。その代わり……」
 探偵は一度言葉を切る。今回はただでさえジョーカーという不確定要素があるというのに、まだ何かあるのかとロストナンバー達が訝しげに視線を向けると、彼は大きくため息をついた。
「制限時間の四時間じっくりかけて、船は極寒の海に沈没する」
 言葉を受け沈黙した一行を、探偵は壺中天の置かれた店へと案内していった。

* * *

 それぞれ客室に降り立った面々を出迎えたのは、各客室に飾られた絵画だった。暗い海に浮かぶゴムボートと共に描かれた、氷のように青白い髑髏が潮の臭気に満ちた部屋に言葉を響かせる。
『――ようこそ皆様。お待ちしておりました。まずは皆様を歓迎して、歌でも歌いましょうか』
 絵画の中の髑髏は蠢き、低くしわがれた声が鎮魂歌にも似た旋律を紡ぎだした。

――漆黒の歌姫は眠る 待ち人を永久に待ち続け 白い肌に指が触れれば 彼女は静かに唄いだす そして希望の願いを きっと君に贈るだろう――

 髑髏は自身を見つめるロストナンバー達と、自身の可愛い『操り人形』に、慈愛のこもったような微笑を向ける。
『今宵が皆様にとって、快適な殺戮の夜となることをお祈りしております』

品目シナリオ 管理番号2214
クリエイター大口 虚(wuxm4283)
クリエイターコメントこんにちは、大口 虚です。
疑心暗鬼な殺伐感を追い求めようとした結果の変則型死華遊戯のご案内です。
【死華遊戯】は単発シリーズなので過去のシナリオに参加したことのないPCさんでもご心配はいりません。
ただ過去の【死華遊戯】シリーズをご参照いただくと、シナリオの雰囲気が掴みやすいかと存じます。

 シナリオの特性上、参加されたPCさんがゲームオーバーとなった場合、そのPCさんが死亡する演出が入ります。仮想空間上でのことですので実際にPCさんが死亡することはありませんが、そういった描写がお嫌いな方、苦手な方は参加をお避け下さいますようお願いします。また、スプラッタや軽度のグロ表現が苦手な方もお勧めできません。
 今回に限って、シナリオの都合により死亡シーンが二回発生するPCさんが出る場合があります。

 なお、途中でゲームオーバーとなったPCさんはそれ以降、ゲーム終了まで一切の行動が不能となります。それにより、PCさんに多少描写量に差が出る場合がございますのでご了承ください。

 今回は皆様の中にシーワンの手駒『タオファ』が一人紛れ込むことになります。
 タオファはOPにあるとおり、参加者である皆様の姿形を借りて現れます。しかも姿は固定ではありません。任意で何度でも他の参加者へと姿を変えることができます。基本的に本人の前で同じ姿をとることはありません。
 それ以外の身体能力や装備などは皆様とまったく同じ条件です。一般人レベルで初期装備なしです。
 タオファが最後に生き残った場合、彼(彼女?)はステージクリアせずに自殺するため、シーワンは倒せず依頼失敗となります。

 「それでは仲間の誰一人信用できないじゃないか!」とお思いでしょうか? 大丈夫です。誰も信用する必要はございません。手加減なくきっちり皆殺しにすればいいだけなのですから。
 「誰かが残れば勝ち」ではありません。「貴方が残らなければ負け」なのです。

 一応、タオファを見分ける方法はまったくないことはないと思われますが、WR側からはあえて言及しません。見分けられなくても、皆様が勝ちを譲らなければ勝てるゲームですので。

※ご参加頂くうえで、以下のことに特にご注意ください

・『死華遊戯』はPCさんの能力設定に関わらず、全員【壱番世界の一般人レベル】の能力でご参加頂きます。特殊能力は使用不可、武器やセクタンの持ち込みも不可です。

・ゲームの勝利者一名は公平に、私の方で参加順に番号を割り振り、五番目をタオファとした上でサイコロ判定します。
プレイングの内容も加味しますが、それは「タオファがサイコロで当たった場合」か「サイコロで当たった方が積極的に勝ちをとりに来ていない場合」が主です。また、「サイコロで当たった方がグッドショウやグッドアクト狙いで『奮戦するも死亡してしまう展開』等を希望している場合」は振り直しの対象として考慮しますので、死にたい方は遠慮なく死にに来て下さい。←(!?)
「自分を勝たせて!」という要望は一切引き受けられませんのでご留意ください。

・ステージとなる無人の豪華客船には、あると想定される物は大体置いてあります。(ただし銃火器の類はないものとお考えください)
逆に、絶対に置いてないであろう物は一切置いてありません。

・スタート地点は一等~三等客室の何処かからになります。船は広いので何等客室がいいかはお好みでお選びください。


全てのPL様にとって公平となるように、エントリーは1PL様につき1PC様ずつにしていただくようご協力のほどをお願い致します。

参加者
セリカ・カミシロ(cmmh2120)ツーリスト 女 17歳 アデル家ガーディアン
禍月 梓(cffc6011)コンダクター 女 7歳 小学生
桜妹(cudc4760)コンダクター 女 16歳 犯罪者
アジ・フェネグリーブ(cspf9584)ツーリスト 男 29歳 元兵士

ノベル

 古びた部屋を彩るガラスのシャンデリアの灯が静かに揺れる。セリカ・カミシロは俯いたまま、一等客室を出るべく扉のノブに手をかけた。
 ここを出れば、何処に誰が潜んでいるか分からない。一人も味方などいない。自分以外の全員を切り捨てられないのならば、残る選択肢は「死」だけだ。生きようと思うのなら、情などかけてはいられない。
 身体が震えているのは、極寒の海を進む船内の気温故なのか、それとも進むことを恐れている故なのか。
 震える手に力を込めて、扉を開く。木製の扉を開く手応えが予想よりも重く、軋む音が誰かの耳に届いてはいないかと不安を覚える。強張る身体をなんとか動かして、外へ出た。
 薄暗い廊下の壁に背中を密着させ、階段が近くにないか周囲を伺う。自分と同じロストナンバーは四人。一人は、シーワンの駒。シーワンの駒であるタオファを勝たせることだけは避けなければ。
「なんとか、しないと」
 見分けるためのヒントはないのだろうか。思考しながら、セリカは最上層にあるはずの船長室に向かう。埃っぽい空気に潮の芳香が混ざり、嗅覚を刺激する。
 幸いなことに廊下を出て間もなく、上へ続く階段に辿り着くことができた。周囲にはまだ誰の気配もない、と、思う。自信を持って断言することは、何の能力も持たない今のセリカには困難なことだった。
 階段を登る足が震える。何の力もない。味方もいない。この先に進んで本当に大丈夫なのか、今こうしている状況すらも不安定で、何もかもが不確かだった。
「……でも」
 小さく呟く。いつまでも同じ所に留まっている事など決してできないのだ。そしていつかは、いつかは、このような状況で生きていかなくてはならないのだ。力がなくても、味方がいなくても、一人で生きていかなくては。
 セリカは慎重な足取りで、しかし些か焦燥感にかられながら、階段を登りきる。上へ、上へ。急ぐ。
 最上層に辿り着くと操舵室の辺りから順に部屋を巡り、ようやく船長室を探し当てる。そっと扉を開けて潜り込み、周囲に人影がないことを確認すると扉を閉めた。
 静寂に包まれている船長室の中をゆっくりと見回し、ひとまず机の上に置いてあった航海日誌を手に取る。ぱらりと捲ると、ほとんど擦れて読み取れない文字が何ページも敷き詰められていた。内容がまったく読み取ることができないと分かると、溜息をついて日誌を元の場所に戻す。
「何か、タオファに関する手掛かりがないかと思ってきたけど……やっぱりそう簡単にはいかないわね」
 そうぼやきながらも、諦めず何かのヒントになりそうなものがないか部屋を物色する。しかし船長室内には海図や方位磁針といった航海に役立つようなものは山というほどあったのだが、この状況を脱するのに役立ちそうなものは一つも見当たらなかった。
 やはり、自分で考えるしかないということらしい。ひとまず、航海日誌の傍らに置かれていたインクの瓶の蓋を開け、黒いインクを自分の首に擦りつける。
 見分ける役に立てばいいがと、インク瓶を手にしたままセリカは船長室を後にした。
「タオファを見つけないと」
 そのためには、人を探さなくてはならない。まずは誰でもいい。誰かに会わなければ。セリカは意を決して揺れる灯に照らされた廊下の先を目指した。

 桜妹は外に誰もいないことを確認すると、息を殺したまま一等客室を出る。何処か落ち着かない様子で、船の揺れにより起こる微かな物音にも反応し、身体を強張らせていた。
「……大丈夫、です。大丈夫。昔のお仕事と似てますし、きっと大丈夫……!」
 ぎゅっと拳を握り、一度静かに目を閉じて深呼吸する。目蓋の裏に浮かぶのは、在りし日の父の姿だった。その姿は、その視線は、自分の方には向いていない。それでも、桜妹はその姿に幾らかの安堵を覚え、微かに笑んだ。
「見守っていてください、お父様」
 そうして目を開けた彼女からは、先程までの怯えが少しばかり抜けているようだった。
「まずは武器、ですね」
 いつ何時、誰が殺しに来るか分からない状況を手ぶらで進んでいくのはあまりに心もとない。刃物のようなものが見つかればいいのだが、と思考を巡らせた彼女の足は自然とある場所に向かっていた。
「レストランがあるのは確か上層の辺り、ですよね」
 そこで桜妹はふとゲーム開始時に髑髏が歌っていた唄を思い出す。あの歌が珠の在処を教えているのならば、思い当たるものがある。そしてそれも、あるとしたらその辺りのはずだ。
 人の気配を見逃さぬよう神経を集中させ、レストランを探して廊下を進む。武器の入手できてないうちに誰かと遭遇するわけにはいかない。
 ただ、武器さえ手に入れば、躊躇う理由など何もなかった。
「皆様には申し訳ないですけど……ゲームの中とはいえ殺されるのは、怖いですし、ね」
 それは迷いない決意というよりは、言葉のまま、死を免れたいという怯えだった。ただ、それでも「殺す」という意思だけははっきりしている。そして少女は先を急いだ。

 アジ・フェネグリーブは折れた椅子の脚を手に二等客室から出ると、低い轟音を耳にした。最下層にあるというボイラー室の音かとも思ったが、それはどちらかというと、滝の音に似ている。
「沈没、か」
 それが最下層で水が船内へ流れ込んできているためのものだと思い至ると僅かに眉根を寄せた。時間は限られている。水が一箇所に流れ込んでいるのならば、船自体もいつ傾くか分からない。時間が経てば経つほど状況は悪化していくだろう。
 ひとまず上層を目指し、階段を探す。周囲には何者の気配もない。アジはゲームにアクセスする前に見た、同行のロストナンバー達の姿を思い返す。いずれも年端のいかぬ少女ばかりだった。体格差などから言えば唯一の成人した男性である自分が有利なのだろうが、相手はロストナンバーだ。少女であるといっても、殺し合いが目的の依頼に参加した以上は腕に覚えがあるということなのだろう。油断はできない。
 それに、と、アジは右腕を持ち上げ、指先で眼帯に触れた。こちらは隻眼であり、隻腕である。能力の使用が一切使えない状況では、左腕に取り付けられた鎖が思うように動くことはない。そういう意味では、アジが完全に有利なわけでは決してないのだ。
 アジは特に息を殺すでもなく、身を潜ませるでもなく、階段を見つけると淡々と上層に向かう。水の音もまた少しずつ、少しずつ、上へ登ってきているのを耳にしながら、ぽつりと「まったく、ゲームにしては趣味がよろしくないな」と漏らす。
 だがそれが求められるのならば。何を躊躇う必要があろうか。アジは残された時を知らせる音を背に、階段を超え、人のいる気配を探していた。

 既に客室を出た禍月梓は、落ち着いた素振りで廊下を歩いていた。軽く周囲の状況を歩いて確認したが、どうやらこの廊下は船内の同じ階層内を一周し、さらに客室に沿って格子状にも繋がっているらしい。客室は数えきれぬ程にあり、階段も複数ある。逃げようと思えば逃げ道は幾らでもあるようだ。ただ、それは足の速さが伴えばの話である。身体は十歳にも満たぬ禍月の歩幅と他の参加者のそれを考えれば、退路はあってないようなものなのかもしれない。上には通気口らしいものもあるが、あらかじめ物を積み上げておいたとしてもよじ登るうちに捕まってしまうだろう。
「まぁ、ええわ。足らへんところは知恵で補うしかないやろ」
 念のため近くの部屋から机と椅子を通気口の下に重ね、通気口を塞ぐ蓋も部屋で手に入れた道具を幾つか使ってどうにか取り外しておく。
 それから禍月はその場を離れ、近くの客室に潜り込むと、ほんの少しだけ扉に隙間を残して耳をそばだてた。
 そのままそこでしばらく待っていると、何者かの足音が近くの階段から下りてくるのが聴こえてくる。音をたてぬように扉の隙間を広げ、それが誰なのかを確認しようと身を乗り出す。
 そこに見えたのは、険しい表情をしたセリカの姿だった。よし、と呟き、禍月はそのまま部屋を出る。
「……セリカ様?」
 今気づいた、という風を装いつつ声をかける。セリカは一瞬驚いたように目を見開き、禍月の方へ顔を向けた。警戒した様子で後ずさるのを、禍月は宥めるように声をかけながら何も持たぬ両手を上げ、ゆっくりと接近していく。
「セリカ様、ここに入る前、合言葉教えたやろ?」
 禍月はロストナンバー達が壺中天にアクセスする前に、幾つかの提案をしていた。その一つが、「合言葉」だった。接近したセリカにそっと合言葉を告げると、セリカはほっとした様子で表情を緩ませ、禍月に予め決まっていた言葉を返した。
「私に何ができるかも分からないけど、大丈夫よ。きっと、何とかしてみせるから」
 自信なさげではあったが、禍月を不安にさせないためだろう、セリカはどうにかといった様子で微笑みかけた。
『二人一緒に組んでいれば、偽物の選択肢が減ると思うんよ』
 それが禍月のセリカに伝えた提案だった。ゲーム前、セリカはまだ幼い禍月のことを気にしていたようで、禍月のこの提案に少し何かを考える素振りを見せていた。
 セリカにも何かしらの思惑があるのかもしれないとは思うが、彼女が自分のことを気にかけているのは間違いない。しばらくは共にいても問題はないはずだ。
 禍月とセリカはひとまず他の参加者を探そうと、連れだって他の階へ向かった。

 レストランに到着した桜妹はその奥の扉から厨房へと侵入し、包丁二本を入手する。それからすぐさまレストランの方へと戻り、埃被ったホール内を見回す。
 すると、ホールの向かって左側中央に、それはあった。脳裏に浮かんでいたものとほぼ同じ姿の、漆黒の歌姫が。
 桜妹は大きなグランドピアノの開かれたままの蓋の内部を覗く。中には幾つも引かれたピアノ線が規則正しく並んでおり、いつでもその歌声を聞かせてやれるように誰かを待ち望んでいるようであった。
「蓋の中、には見当たりませんか……」
 髑髏の歌が示したのは、桜妹が考えられる限りこのピアノには違いない。なら他にこのピアノに仕掛けがあるのだろうかと、埃を払いながら「それ」を探してみる。
 鍵盤蓋を開けてみると、埃の被っていない真白い鍵盤が露になった。ツヤツヤしたその白い肌にそっと触れてみる。入ってきたときに閉ざしたレストランの出入り口の扉に目をやってから、鍵盤を押す。
 ピアノの優しい歌声がレストランのホールに、どこか寂しげに響き渡った。同時に、かたん、と小さく固いものが地面に落ちる音がする。急いで床を見ると、透明な珠が一つだけ、落ちていた。
「大正解、ですね」
 嬉しそうに笑んで、桜妹はそれを拾い上げた。それからすぐ、扉を閉ざしていたとはいえ音を発生させた以上は早くこの場を離れた方がいいだろう、と出入り口の方へと駆け出す。
 扉から顔を覗かせ、素早く脱出する。――と、レストランホールの真横にある階段から、何者かの足音が聴こえて来たのだった。

 周辺の構造を眺めながら、アジは上層へと辿り着いていた。階段を登りきると、一等客室を利用する者達のためのものであろうレストランの荘厳な造りの扉の前に出る。レストランの前は複数の階段が繋がっており、正面は大きな吹き抜けになっていた。その場に立てば、周辺にいる人間はすぐにアジを見つけることができただろう。ただ、アジはそれを特に気にすることもなく、軽く吹き抜けから下を覗く。
 何かが空を切る微かな音を、アジは聞き逃さなかった。すぐさまその場から身体を離し、続け様にこちらへ飛び込んできた人影の顔を狙い椅子の脚を突き込む。
 桜妹は顔面に迫った棒を避ける為、咄嗟に横へ転がるようにして身体を逃がした。自分が仕掛けてくると分かっていたかのようなアジの冷静な対処に、桜妹はぐっと気を引き締める。能力こそ制限されているとはいっても、知恵や経験はその限りではない。これはおそらく、仕掛けてくるようにわざと誘い込まれたのだ。
 一通りの応酬が終わり、どちらも怪我を負わなかった以上は現在の互いの条件は同じと言える。桜妹から見れば、相手は隻眼で且つ隻腕。成人男性に完全に遅れをとる程自分が弱いとは思わないし、相手に隙は充分ある。しかし、アジ自身もそれは把握しているはず。単純に隙を突けば勝てるとは思えなかった。
 包丁の一本を失った桜妹の今の得物は残ったもう一本の包丁。アジの方はというと、右手に持った一本の木の棒だ。リーチで言えば体格の分も含めてアジの方が有利であったが、小回りと切れ味で言えば桜妹の方に利がある。
 次の手をどうするべきか。対峙したまま、二人は思考する。じりじりとした空気が流れ、重い沈黙が降りる。水の浸入する轟音が、遠くに聞こえていた。

 船体が、突如大きく揺れる。流れ込む水の重みでバランスを崩したのだろう。吹き抜けを背にしたアジの位置が桜妹より下方となり、傾いた足場で桜妹は坂となった勢いに任せて強く踏み込み、アジに肉迫する。彼女の放った渾身の蹴りは、アジの左脇腹を狙っていた。アジはそれをすんでのところで手にしていた棒を使い防ぐ。防がれた足は常よりも痛みが強く残る。桜妹は顔を歪めるが、足を下ろすと数瞬の間も置かず右手の包丁を繰り出した。彼の腹部を狙った攻撃は、アジが半ば強引に身を逸らしたことにより致命傷には至らない。しかし確実にその表面を切り裂いた一撃は彼の衣服に赤い染みを作る。桜妹が続け様に次の一撃を繰り出そうとするが、それより先にアジが椅子の脚を彼女の頭上に振り下ろす。
 アジの一撃を、桜妹は両腕を交差させて防ごうとする。しかし攻撃に入ろうとしていた体勢からでは右腕が僅かに間に合わず、左腕に衝撃のほとんどを受けてしまった。体格差のある一撃をまともに受けた左腕が鈍い音をたてて軋む。
 歯噛みする桜妹の表情から、アジは彼女の左腕がもう使い物にならないことを察する。しかし先の包丁に受けた傷から血が流れ出ている感覚が、今尚予断の許されぬ状況であることを彼に知らせていた。ここでこれ以上時間はかけられない。水の轟音が、先程よりも些か喧しく二人の攻防を急き立てているようだった。

 再び、不気味な呻き声にも似た音をたてながら船体が大きく傾き始める。足を滑らせてしまいそうな程に傾きを増していく中、桜妹の持つ包丁がアジの胸の中央を狙い突き込まれる。ほぼ同時に動いたアジは持っていた椅子の脚を捨て、彼女の左腕を掴む。既に深刻なダメージを受けていた左腕に走る強い痛みに、桜妹は悲鳴を上げる。
 そして、船の傾く勢いに任せて、そのまま桜妹を背後の吹き抜けへと滑り込ませた。桜妹は咄嗟に包丁を捨てて手摺りを掴むが、少女の片腕だけでは幾らかも保つはずがない。どころか、老朽化していた手摺りは彼女の体重を支えきることができずに壊れ、桜妹は落下を余儀なくされる。
 彼女の身体が二階程下の廊下の手摺りにぶつかり、さらにその下の階の床に叩きつけられるのが見えた。ここから完全に息絶えたかどうかは確認できないが、生きていたとしてももうまともには動けないだろう。
 水が彼女の位置に追いつく前に珠を回収しなければと、アジはその場を離れようとする。

 しかし、そこへ飛び込んできたのは二人の少女達だった。

「――――ッ!!」
 武器となるものを回収しておらず、失血に幾らか感覚が鈍りつつあったアジは彼女らの不意打ちを避けることは出来なかった。セリカと禍月の体当たりにより三人分の体重がかかった手摺りはあっという間に砕け、アジの身体は先の桜妹と同様に空中へと放りだされる。
 落下する最中、セリカと禍月の姿を視止めたアジは何かを警告するかのように険しい表情で口を開く。しかしその言葉は、徐々に大きくなっていく水音と船の上げる悲鳴と、彼自身が床に叩きつけられる音で完全にかき消されてしまった。

「これで今残ってるんは、わたくしと、セリカ様と、……アジ様か桜妹様かタオファのいずれかお一人、ってことになるんやろか」
「アジさんか桜妹がこれより前に誰も殺せてないなら、そうなるのかしら」
 アジと桜妹が戦っている様子を途中から伺っていた禍月とセリカからは、今死んだ二人が本物のアジと桜妹かどうかを判断する術はない。ただ、次にアジか桜妹に遭遇した際にどうにかできれば、それでタオファは確実に葬ることになるだろう。そういうことで二人の見解は一致した。
「ひとまず、落下した二人の珠を回収しに行かないと」
「せやな、船もぐらぐらするようなってきたし、急ごか」
 セリカが背を向けると、禍月はセリカに悟られぬよう、その辺に落ちていた包丁をそっと拾った。それを右手に持つと、着物の袖でそれを軽く覆う。
「セリカ様? 少し、ええです?」
「? どうかした――」
 振り返るセリカに悟られる前に、禍月は一気に距離を縮める。禍月の着物の裾から覗く包丁の刃が、吹き抜けの天井に取り付けられたシャンデリアの灯を受けて輝く。

 しかし、その刃がセリカに届くことはなかった。
 刃が彼女の腹部に届く直前、禍月は肩に強い衝撃を受けてその場に崩れ落ちる。セリカが禍月の方へ振り向くと同時に、いつの間にか回収していた椅子の脚で幼い禍月の肩を殴りつけたのだ。
 セリカのあまりに予想外の行動に、禍月は驚愕を抑えられぬ様子で目を見開く。包丁を取り落としなかなか体勢を立て直せずにいる禍月の正面に立ったセリカは、得物を放り、そのまま禍月の首に手をかけた。
「……ぐ……ァ、あ」
 首を強い力で絞めつけられ、禍月は呻き声を漏らしそれを外そうともがく。それを無表情に見下ろしていたセリカの口元に、ふいに歪んだ笑みが零れる。
 見開いた禍月の目に映ったのは、刹那、嗤うセリカの身体にノイズが走り、次の瞬間にはアジへとその姿が変貌する光景だった。
 首を掴む腕が成人男性のそれへと変わり、加えられる負荷はさらに強くなる。遠くなる意識の中で、禍月は微かに唇を動かした。
「タ、……ォ……」

 船の傾きはだんだんと収まってきていた。しかし次に船に異変が起きたときも同様に収まるとは言えないだろう。船の揺れが緩やかになったところで、セリカは潜んでいた客室の外へ出る。今に至るまで、未だ遭遇できた人物はいなかった。しかし焦れて動き、揺れで体勢を崩した隙を狙われてしまってはどうしようもなかったのだ。
「皆、どうしてるんだろう……」
 ゲーム開始からどれだけの時間が経ったのはもう計りようがないが、既に何人か脱落者が出ていてもおかしくはないだろう。その脱落者の中にタオファが含まれていれば幸いなのだが、その場合、自分は残った仲間を手にかけなければならない。
 やらなければならないのは充分に理解しているつもりだった。この先一人で生きるのならば、生きるため、情は捨てなければならない。しかし、本当に自分にそんなことができるのか。
「やっぱり……まだ弱いな、私は」
 俯きそうになるのを堪え、人の気配を探していると、長い廊下の先を誰かが横切るのが見えた。ハッと息を詰め、瞬間、足が止まりかける。しかし、これ以上何もせず止まっている訳にはいかない。せめて今の状況を確かめなくては。セリカは、その人影が入っていった階段へと駆けつけ、それを登った。なかなか追いつくことができず、息を切らしながら船の最上層を抜け、甲板に出る。
 そこで、彼は待っていた。

「……アジさん」
 それが誰かを確かめると、セリカはそれ以上の接近を躊躇う。ただ、目の前にいるアジに攻撃してくる様子がないため、すぐに後退することもしなかった。
「船に残ってるのは、もう俺とあんただけだ」
 そう言うと、アジは掌に握っていた四つの珠をセリカに見せる。
「!」
 やはり逃げるべきかどうか考えていたところへかけられた言葉と珠の数に、セリカは肩を震わせる。目の前にいるのがアジである以上、桜妹と禍月は確実に脱落しているということだろう。自分より年若い――特に禍月は幼い子供だ――少女らがそれぞれに戦って散っていったのだ。その事実が、哀しく、恐ろしく、未だ躊躇う気持ちを捨てられぬセリカの心を苛む。
 しかし問題は、まだ目の前に存在している。そこにいるのが、本物のアジなのか。それとも――タオファなのか。
 もう、見分ける目印にと持ってきていたインクは意味を成さない。今目の前にいる人物がタオファなら、残りが自分一人である以上、自分がこの手で殺さなくてはならないのだ。しかし、本物のアジなら、……殺せるのか。この手で、仲間を。
 迷うセリカの足元に、アジが放った包丁が一本、滑り込む。それを拾い、顔を上げると、アジは珠をしまい、ベルトに引っ掛けていたもう一本の包丁を抜いて一歩ずつ、セリカの方へと近づいてくる。
 セリカは包丁を両手で握り、刃先をアジへ向けようとするが、震える手で支えられた刃先はぶれるばかりで、一瞬たりとも定まらない。そうしている間にも少しずつ、距離は詰められていく。
 互いが互いに向けた刃先が、互いの身体に届こうというところで、アジは足を止める。
「その覚悟では、何も掴めない。……だろう?」
(……できない。私には……!)
 セリカの震える指が、包丁の柄から離れる。甲板に硬い衝突音が響いた。床に落ちた包丁が、波に揺れる船の傾きに従って滑り、淵を超えて海へと落ちていく。
 そして、セリカもまた、胸から血を流しその場へ倒れ込んだ。

 セリカの首輪から外れた珠を回収したアジは右の掌に五つの珠を転がしながら、そのまま甲板の左舷の縁へ向かう。救命ボートを繋ぐように設置された台座は勝利者が訪れるのを静かに待っていた。
 台座の珠を嵌めこむ窪みを順に手の甲で軽く撫でる。その間にも手の中で擦れ合い小さな音をたてる五つの珠に、アジは微かな笑みを浮かべた。珠を握ったままの右腕を引き、それから、その珠を暗い海に向かって放り投げる。

 五つの珠が黒い海に飲み込まれ消えていく。水平線の向こうから、手駒の勝利を褒め称えるようなシーワンの哄笑が唄のように響きわたる。唄が死に魅入られた幽霊船を包みこんでいくのを、「彼」は嬉しそうに腕を広げ、歓迎し、壮大なる喜劇を演じ終えた役者のように、海に向かって大仰な御辞儀をした。
 それから踊るように、くるくると、床を踏む毎に、着物の少女へ、チャイナドレスの少女へ、先程手にかけた金髪の少女へ、そして元のアジへ、順番に、繰り返し、姿を変えていく。そうして反対側の縁へと至ったところで、船が潰れるような絶叫を上げ、再びその身体を傾かせる。
 またアジの姿に戻ったタオファは、今まさに沈もうとしている船尾の縁へと向かい、その先端の手摺りに登り腰掛けた。
「主よ……祝福を。俺を安らかな死で包んでくれ」
 そして死の王に仕えし忠実なる道化は、冷たい死の海へと還っていったのだった。



【GAME OVER】



* * *



「……おい、大丈夫か? お前らここが何処か分かるか?」
 病院で目覚めたロストナンバー達が最初に聞いたのは、ゲーム前に彼らを案内した探偵の早口ながらも心配そうな声だった。
 タオファの自殺によりゲームには「参加者側の敗北」という結果がもたらされた。参加していたロストナンバー達も他の脱出不可能となった人々同様にゲーム内に意識を閉じ込められるところであったが、どうやら危ういところでこの探偵が壺中天へのアクセスを切断したことでそれだけは回避できたようだ。

 順に医師による検査を受けながら、ロストナンバー達は各々今回のゲームのことを想っているようだった。しかし互いにそれを口に出すことはなく、病院を出た後、ターミナルへ帰還するロストレイルの車両の中へと至っても、彼らに晴れやかな表情が宿ることはなかった。

【完】

クリエイターコメントお待たせいたしました!
えー今回の結果はWRも完全に予想外のサイコロ判定:5(タオファ)、プレイングを加味したうえでのタオファ勝利ENDとなりました。
PC様サイドの敗北で依頼は失敗、ということになりますが依頼は形式上のことでもありますし今回の結末に関しては「一つのゲームの結果」として軽い気持ちで受け取っていただけると有難いです。

判定の詳細な理由をご説明しますと、OPのクリコメでさりげなく触れたとり、今回タオファがサイコロで当たった際は皆様のプレイングを見たうえで振り直しかタオファ勝利を判断することにしていました。
判定基準はOPのクリコメで「誰も信用する必要はございません。手加減なくきっちり皆殺しにすればいいだけなのですから」「(タオファを)見分けられなくても、皆様が勝ちを譲らなければ勝てる」と、しつこく煽ったとおり、PC様全員が「互いを信用せず」「積極的に勝ちにきているかどうか」です。と言っても難しい話ではなく通常の死華遊戯と同じように普通に殺し愛☆をしていただければそれで可になる予定でした。
しかし今回についてはサイコロで5が出た際に全員のプレイングを見た結果、「互いを信用せず」「積極的に勝ちにきているかどうか」の「両方」において条件を満たしておらず、タオファが勝利を掴む「隙」が十二分にあると判断させて頂きました。

タオファの見分ける方法については、先に挙げたとおりOPの段階で「(タオファを)見分けられなくても、皆様が勝ちを譲らなければ勝てる」としました。それでもあえてやろうという方がいらっしゃった場合、「運の要素を絡めず確実にタオファを絞り込み仕留めることができる」プレイングでない限りは「判定」には絡めないことにしていましたのでご了承ください。

なお、OPで湯木が説明した「他の参加者の外見や性格、記憶を模倣」について詳細は暗黙の了解として言及していなかったのですが、タオファが皆様を参加者として、つまり「外見・性格・記憶をコピーする対象」として認識するのは当然皆様が死華遊戯にログインした後のことになります。つまり「死華遊戯にアクセスする前」の情報は当然タオファも所持していることになります。よって事前の打ち合わせによる判別は完全に失敗としました。(それを可にすると今回の「誰も信用するな」のシナリオコンセプトがあまりにもあっさり崩れてしまうがために用意した設定ですしね)

皆さんはゲーム内に閉じ込められる前に探偵が救出したため無事に帰還が叶いましたが、死華遊戯については後日再依頼が出るものと思われます。

今回は皆様お疲れさまでした。
なお、様々な事情や兼ね合いにより採用しきれなかった幾つかのプレイングにつきましてはこの場を借りてお詫び申し上げます。

少しでもお楽しみいただけるところがあれば、幸いに存じます。
ご参加ありがとうございました!
公開日時2013-01-20(日) 22:50

 

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