オープニング

 白神山地。加賀の白山になぞらえたとするもの、山岳信仰の対象であったとするものなど、その呼称の由来に関して山の数だけ諸説が飛び交うこの地は、一方で太古の姿を今に留めるブナの原生林に覆われた連峰として、世界遺産に登録されてもいる。悠久の自然に育まれた独自の生態系が受け継がれている。
 ひとたび足を踏み入れれば、きっとその意味を知るだろう。近年では観光地としての体裁を整える為に最低限人の手が施されはしたが、それを差し引いても尚。
 未だ隆起を繰り返し急な斜面を形作る山々を。無遠慮でありのまま広大に生い茂るブナ達を。木と山を通して各所に涌き満つる澄んだ水源の数々を。そして、そこに息づく草花と共に生きる虫、戯れる野鳥、戦う獣の姿を――。

「連れてってくださいよう」
 皆の前でガラが何やら鳴いている。
「寝言は現時点で仕掛かっている報告書の提出と現時点で導きの書に示されている案件の対処、現時点で打診を受けている懸念事項の提起及び対策を全て終わらせてから皆さんではなく館長に言ってください」
 たまたま通りすがったリベルが、ろくに息継ぎも立ち止まりもせず言うだけ言って、そのまますたすたと行ってしまった。
「…………冗談はさておき」
 ワインレッドのシルエットが見えなくなるのを確かめてから、ガラは改めて皆に向き直り、にへっと笑う。
「連れてってくださいよう」
 だが、まだ寝ていた。

 冗談はさておき。

「また白神山地に行ってくれませんか?」
 なんだか仕事を溜め込んでいるらしい世界司書が言うには、先頃世界樹旅団との間に起きた戦いの後を見てきて欲しいとのことだ。
「まだ世界樹旅団が残ってないか、何か残してないか、確かめて欲しいんです」
 とは言え、導きの書で幾ら視てもそれらしいヴィジョンは無かった為、実際に痕跡が見つかる確率は極めて少ないと言う。
「念のため、ね。でも、本当に何もないと残念じゃないですか。だから――」
「くれぐれも連れて行かないように。もっとも、確実に駅で止められますが」
「…………」
 今の台詞は集まる旅人達へ向けられたものか。再び通り過ぎるリベルの背中におふぅとか変な溜息を吐いてから、ガラは嘘臭い悲しみの面持ちで話を続けた。
「ええとだから……ついでに遊んで来て下さいよう」

 そんなわけで適当にお願いします。

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!注意!
パーティシナリオでは、プレイング内容によっては描写がごくわずかになるか、ノベルに登場できない場合があります。ご参加の方はあらかじめご了承のうえ、趣旨に沿ったプレイングをお願いします。
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品目パーティシナリオ 管理番号2050
クリエイター藤たくみ(wcrn6728)
クリエイターコメントご機嫌よう、藤たくみです。
このシナリオは【侵略の植樹】の事後調査と言う名目で遊びに行くお話です。
繰り返しになりますが、調査はあくまで建前なので関連シナリオを読む必要も調査プレイングを書く必要もありません。壱番世界は白神山地でのひとときを楽しむことに全力を注いで下さればと思います。お気軽にどうぞ。


以下の中からひとつ選択肢をお選び頂いた上で、時間帯や行動内容をプレイングにてご指定ください。

・【1】山中や山頂で過ごす
登山や眺望などを楽しみたい方はこちらになります。
幾つもありますが、良く判らない場合は行動で示して頂ければこちらで適当な場所を見繕います。参考までに、先の戦いの舞台となった通称『神隠しの山』は西は日本海、東は奥入瀬渓流のV字谷まで見渡すことができる絶景ポイントです。

・【2】ブナ原生林で過ごす
森の息吹を感じたい方、迷子ファンなどはこちらへどうぞ。
早朝は霧がブナ林を幻想的に仕立て上げるので特にオススメ。
他にもカツラ、ハリギリ、アサダやなんかの木があったりします。草花や山菜、モノによっては木の実なんかも生っていそう。それと、全域を通じて野生動物との遭遇率が比較的高いので触れ合いたい方にも良いかも。鳥はクマゲラ、獣ならツキノワグマが代表格ですが、他にも色々居るっぽいです。
尚、白神山地はその大部分がブナの原生林に覆われているので【1】との境界が曖昧な気がしなくもありません。

・【3】河辺、滝、池などで過ごす
白神山地は『緑のダム(あるいは天然のダム)』とも呼ばれ、透き通った湧き水があちこちで滝や池、川を成しています。
滝は小さなものが多く、池は水底にも周囲と同じ種類の植物が生えていたり、葉や花が浮いていたりします。川は大小様々あり、ブナ林や山を縫うようにして流れています。ところによっては秘境と言っても過言ではないほどの美しい景色が見られることでしょう。
尚、本当にあちこちにあるので絞り込み推奨です。

・【4】その他
何れにも該当しない場所をお望みの方、場所に捉われず動きたい方などはこちらをお選びください。但し、充分な描写を得られる確率は他の選択肢よりも低いかも知れません。上級者向けです。


※注意※

・複数名でご参加の際は、同行される方のキャラクターIDか共通の【合言葉】などの記載で判り易くして頂けると間違い無いかと思います。ひとことに白神山地と言っても広く、うっかりすると単独行動になってしまうおそれもありますので、ご協力頂ければ幸いです。

・具体的な地名をあげられた場合もできる限り対応いたしますが、必ずしも反映のお約束はできないこと、ノベル上では名称そのものの表記がないことを予めご了承ください。

・自然は大切に。



それでは、ご興味を持たれましたらふるってご参加くださいませ。

参加者
華月(cade5246)ツーリスト 女 16歳 土御門の華
舞原 絵奈(csss4616)ツーリスト 女 16歳 半人前除霊師
カンタレラ(cryt9397)ロストメモリー 女 29歳 妖精郷、妖精郷内の孤児院の管理人
百田 十三(cnxf4836)ツーリスト 男 38歳 符術師(退魔師)兼鍼灸師
氏家 ミチル(cdte4998)ツーリスト 女 18歳 楽団員
シーアールシー ゼロ(czzf6499)ツーリスト 女 8歳 まどろむこと
ジューン(cbhx5705)ツーリスト その他 24歳 乳母
雪深 終(cdwh7983)ツーリスト 男 20歳 雪女半妖
玖郎(cfmr9797)ツーリスト 男 30歳 天狗(あまきつね)
ゼシカ・ホーエンハイム(cahu8675)コンダクター 女 5歳 迷子
ハクア・クロスフォード(cxxr7037)ツーリスト 男 23歳 古人の末裔
真遠歌(ccpz4544)ツーリスト 男 14歳 目隠しの鬼子
歪(ceuc9913)ツーリスト 男 29歳 鋼の護り人
アルウィン・ランズウィック(ccnt8867)ツーリスト 女 5歳 騎士(自称)
黒嶋 憂(cdfz2799)ツーリスト 女 17歳 大名の娘
相沢 優(ctcn6216)コンダクター 男 17歳 大学生
ユーウォン(cxtf9831)ツーリスト 男 40歳 運び屋(お届け屋)
コージー・ヘルツォーク(cwmx5477)ツーリスト 男 24歳 旅人
アコル・エツケート・サルマ(crwh1376)ツーリスト その他 83歳 蛇竜の妖術師
マフ・タークス(ccmh5939)ツーリスト 男 28歳 園芸師
しだり(cryn4240)ツーリスト 男 12歳 仙界の結界師
タイム(czca5378)ツーリスト 男 16歳 最後の勇者
冷泉 律(cczu5385)コンダクター 男 17歳 貧乏性な大学生
ドナ・ルシェ(cfzc7489)ツーリスト 女 10歳 郵便配達手伝い
冬路 友護(cpvt3946)ツーリスト 男 19歳 悪魔ハンター
ナウラ(cfsd8718)ツーリスト その他 17歳 正義の味方
ホワイトガーデン(cxwu6820)ツーリスト 女 14歳 作家

ノベル

 朝霧。あの日と同じ、森の匂い。けれど、もうざわついていない、静かな。
 樹間をするすると抜ける、鷺のような竜のような影を見た気がした。

 絵奈はあの日と同じ道なき道を辿る。腐葉土と呼ぶには未だ早すぎる、多くは形を留めた落ち葉の堆積が足を取り、きつい傾斜も相俟って、息が切れる。でも、その度にブナの香りが身体に染みて、癒される気がした。
 心地良さに歩みを止めて、夏の白い木漏れ日を見上げる。
(あの時は、皆さんに随分助けられたな……)
 神隠しの山――その頂きを目指す絵奈。ひとりだけの山路、今はそれでいい。己を省みる為に来たようなものだから。それと、もうひとつ。
(確かこの辺り……)
 絵奈はやはりあの日と同じように、気配を探る陣を自らに施していた。
(あの人……今どうしてるのかな……)
 森に消えた夜着姿の女のことが、なんだか頭から離れなくて。既に居ないと釘を刺されても、気が付けばその気配を追う自分が居る。
「…………」
 森に、山に、池に点々とするのは野鳥と獣。そして、振り向けば――。

「森ー! 森ウオッホウ!」

 人にあるまじき奇声を発しながら先祖返ったとばかりの跳躍力を発揮して次々と木の実を摘み取る者が在る。
「ウホッ!」
 木の根を巧みに足場とし、沈み込む地面は避けて狭く伸び放題の木立の隙間を鋭くかいくぐり、ひとつところに留まらず複雑(というか何の法則性もなさそうな)軌跡を身を以って描く。
「ウホッ!」
 おそらく氏家ミチルと言うひとの名を持つそれは、容姿だけ見れば非常に残念なことに可愛らしい顔立ちの娘の姿のまま、覚醒時に放逐された先の野生を思い出して総てを解き放っていた、矢先。
 ――――。
「ウッ……ホァ、あれ?」
 気が付くと、ミチルは遥か樹上の高みへ達していた。
「おっとテンション上がりすぎたッス! まぁ良いや」
 木登りをして雄たけびを上げるにはまだ早い(?)というのに。
「いやーそれにしても何だか気持ちいい所ッスねー……」
 ミチルは大きく伸びをしてから、なんと! デジタルカメラと言う名の先刻までの彼女からは想像し難い叡智の結晶を取り出し、自在に盛り上がり連なる山々と眼下の原生林を見渡した。
「ウホッ」
 やがて遠くに自身と同じく樹上に佇む影とそこに集う鳥達を見定める。ファインダーを合わせると、どうやら赤褐色の翼を持つ者が、良く似た猛禽類と何事か遣り取りをしているように見えた。
「いい――」

 ぱしゃり。

「――む」
 玖郎は何者かの視線を感じた気がして首を回す。しかし把握するには至らず、傍らの狗鷲も何事かと訝しむので、それは胸の内に留め話を進める事にした。
「大事ない。……ならば、わけるのであればかまわぬか」
 羽ばたく音と共に、構わぬと二つ返事があった。
「かたじけない。そのあかつきにはしらせる」
 よしなに――狗鷲の番いは玖郎の元より飛び立ち、ふわりと優雅で伸びやかにに虚空を翔けていった。二羽を見送ってから、玖郎は樹上にて首を傾げる。
「鹿も猪もみえぬな……」
 狩りをしたい。玖郎はそう思いたち、白神へ来た。ところがこの地はひとの手が加わらぬ処としてひとに厳しく管理されている。そも、奇妙な話ではある。
「おれがひとの範におさまるものであるかは疑問だが」
 殊に氈鹿を獲るは禁忌らしく、ならば他をと考えていたが、さて。
「熊はよかろうか」

「たまんないなぁ」

 玖郎と同様に、けれど随分と大人しめに山野へ適応する者もいる。
「森の匂い。朽ち葉、樹衣に地衣、水をたっぷり含んだ空気の匂い」
 先ほど野生化したミチルの道筋の幾つかを、彼女よりもずっと穏やかにふわふわと、するすると森へ染み渡るように辿り。
「夏を迎える緑のみずみずしい匂い」
 鷺にも似た姿かたちの竜――ユーウォンは、薄れ往く朝靄の向こうに湧く小さな泉を認めて、漂いながらそちらへ向かう。
「わずかに混じる動物の強い臭い!」
 成る程、泉には先刻まで鹿でも居たのだろう。些か騒がしい森の気配を、あるいはユーウォンを気取って立ち去ったのか。
 辿り着いた泉は偶然できた窪みの底が地下水に通じて最近できたもののように思えた。これもいずれは広がり、小川を為すのだろうか。
 ユーウォンは満足げに眼を細めると、更に森の奥深くへと小さく羽ばたいた。

 どこか遠くより、優しい賛美歌を聴いた気がした。

「森で歌うのは久しぶりなのだ」
 既に奥深くへと入り込み、倒木に腰を下ろす女が居る。ゆったりとしたワンピースに、今は素足で直に森と触れ合いながら、朗々と言祝ぐ。
 覚えたばかりの歌だけれど、聴衆のひとりも居ないけれど、この地に相応しい気がして、カンタレラの口は自然と開いた。歌わずには居られなかった。
 風、雨、森、山、この地に住まう総ての者。そして、人と、星。
 いつしか歌姫の元へ小鳥達が集う。なんだか受け入れてもらえた気がして、嬉しくて尚も心地良く、声は広がる。そういえばブナ達も大切な聴き手だ。
 カンタレラは、今、八千代の森とひとつになっていた。
 ひとつになり過ぎて迷子になっていることになど、まるで気が付かぬまま。

 一体となるには、ただ委ねれば良い。それが、森の掟。

「凄いですね……こんなにたくさんの樹木を、三次元ホロでなく見たのは初めてです」
 鬱蒼とした深緑に桜色の豊かな髪が揺れる。ジューンはある意味でこの地にもっとも縁遠き存在であり、ならばこそ、感じることをひとより求めていたのかも知れない。スムースに首を動かし、周辺を分析しながら類型となるデータとの比較をする。
「樹木の伸びるに任せたままというのは」
 その、どれよりも、
「こんなにも。躍動感に溢れているのですね」
 公園やプラント同様作られたジューンは、けれど人にしか為しえぬであろう微笑を浮かべ、手近な木にそっと耳を欹てた。
「幹の中から生きている樹の音が聞こえます。時の移ろいと共に同じ樹が違う姿を見せるのも素敵です……子供たちに見せてあげたい」

 霧はすっかり晴れて見通しの良くなった森にも強い日が射して。

 ましてや水辺ともなれば木々も開け、小振りな滝といえど注がれ揺れる水面がキラキラと強く乱反射する。でも、嫌な暑気は無く、夏の美を切り取った箱庭宛らだ。終は何の気無しに足の赴く侭、其処に辿り着いた。別段何をすると云うでも無いが、陽射しや空気の移り変わりに只身を浸せれば、と。
 手頃な岩に袴を少し捲くり、足を浸ける。清水は殊の外冷たく、それが彼には心地良かった。戯れにばちゃばちゃとあげた飛沫の傍を蜻蛉が数匹往来する。見下ろせば足元に源五郎が寄って来たので、掬い上げて手を覗き込んでみた。忙しないような、のんびりしたような不思議な調子で泳ぐ黒い甲羅の何某を、ぱっと両手を離して水へ還す。
(昼飯には早いか)
 日も随分高くなりはしたものの、未だ腹が空かない。握り飯は持参したが。
(……魚でも寄ってこないかな……)
 立ち上がり、滝壺の方へ今度は乱さぬよう進む。
「……何だ」
 妙だと、終は想った。滝に打たれた水面となれば白むのは道理だが、底の方まで広範囲に白い絵の具が溶けたように広がっている――否、これは。
「……!」
 不覚にもびくりと身を強張らせた。何故なら其処には――髪も服も肌も真白な少女が横たわっていたのだから! とは云えこの一種幻想怪奇染みた状況も、次の瞬間少女が発した異界の言葉に因って崩れ去った。
「いびぶぶかばっばぽびぶべすぶぉっぽなばのでぶー(※1)」
「何故そんな場所で」
「ぜべごぼばきびたこぼがあぶぼでぶ(※2)」
「?」
「いびばんせべぁいでばおぼれぼたばべぶたべたびびうばれぶしゅぶかばんがばあぶそぼなのですー(※3)」
 ほぼ言い終える頃、白い少女――ゼロは漸く身を起こし、ざぱっと水面から顔を出した。
「……そうか。邪魔をした」
 何だか判らんが。
「お気になさらずなのです」
 聞けば元々は普通に滝に打たれていたと云う。しかしそのうちに滝壺に沈んでしまい後はお察しくださいなのですーと云うわけで挨拶もそこそこにぴょこんと片手を上げて再び滝壺に沈むゼロを見送った終は、取り敢えず岸まで引き返して落ち着くことにした。滝壺にてまどろむ者の観る夢とは如何なるものか、些か気になりはしたが。
「飯にするか……」


 そう、ゼロが滝壺に沈んでいる間に巷は昼食時である。

 山頂にて望む景色、取り巻く原生の、正しく自然と呼ぶべきそれらに囲まれて摂る食事は普段の何倍も妙なる味わいを人に齎す。何の変哲もない市販品ですらそうなのだから、腕によりをかけたものならば殊更に、至福のひとときとして心に刻まれることだろう。
「おおおっ豪華!」
 優がシートの上に次々と展開する重箱の匂いを敏く嗅ぎ取り、嬉しげに近付いて来たコージーは、そのラインナップによだれも垂らさんばかりと簡単の声をあげた。おにぎり、まきもの、おかず、様々なデザート類が輝きを放つ。ように見える。そこへ更に、
「しだりも作ってきたよ」
 大根の煮物、
「あ、俺も」
 タイムが木の実のパン、
「実はオレっちも今日の為に頑張って作ってきたッス!」
『こいつも俗にいう弁当男子だからなー』
 友護はカツサンドにサラダと、
「ん、サンドイッチ被ったね」
 終いに律がハムサンドを添えて。
「むほっ」
 最早敷物を足さねば座れぬほどのボリュームを備えた昼食の数々に、コージーのみならずアコルと、マフもこっそり唸る。言いだしっぺの優としても全員に振舞うべくかなり多めに作ってきただけに、少しだけ完食できるか心配になった。
 なにはともあれ。
「それじゃ――いただきます!」
「『「「「「「いただきます!」」」」」』ッス!」
 両手を合わせる優の言葉を皆が元気良く復唱する。

 かくして”お弁当の会”、開幕となった。

「これこれ! 寿司ははじめてかも」
 真っ先に手を伸ばしたコージーがにやけながらがつがつと太巻きやらおにぎりやらを立て続けに頬張る。この瞬間を余程待ち焦がれていたのか、良い食べっぷりである。何より優の弁当に釣られて来たタイムも同様らしく、顔一杯に幸福を浮かべて舌鼓を打つ。マフ、友護もそれに続いた。
「優の料理って見た目もいいし、実際美味いよな」
「ンとだ、うめぇな。ナンだこれ」
「さすがッス!」
「いや、憧れだったんだよ」
 皆の反応を見て、優は少し照れくさそうにしながら語った。
「実はさ。このお弁当、ラファエルさんに色々アドバイスもらったんだ」
「ってことはつまり、クリスタルパレス監修ってことか!?」
「一応……そう言うことになるのかな?」
「むほほ、益々興味深いのう。どれ、一口」
 アコルはにょろりとおにぎりを尾で掴み、言葉通りに一口でぺろりと平らげてしまう。
「美味美味。……なんじゃしだり、お主は食わぬのか」
「しだりは――」
 しだりは飲食不要な身だが、それとは異なる理由で何やらじっとしていた。己が持ち寄った大根の煮物に箸をつける優の様子を窺っているのだ。初挑戦ながら自ら水を清め、些か火を通しすぎて煮崩れしてしまったものの、真心込めて丹念に料理した。果たして優の反応や如何に。
「……あ、おいしい」
 一安心。
「甘みが強いけど、ちゃんと染みてるしご飯すすみそう。しだりが煮たのか?」
「煮物が好きだと前に聞いたから」
「覚えててくれたんだ。ありがとな」
 嬉しそうに笑う優を見て、料理も悪くないと思った。嬉しそうといえばコージーも相変わらずカツサンドにハムサンドと手当たり次第食べ続けていたが、
「うっ……み、ず……!」
 非常にベタな展開を見かねて、マフが水筒を差し出す。
「酒」
「ぬなっ」
「……は持ち込んでねえよ。緑茶だ」
「!!!!」
 最早なんでも構わぬとコージーが茶を流し込むのを見遣りながら、アコルは首でも傾げるように身を捻る。
「酒ならあるぞー?」
「なんだと、ずりぃ!」
「むほほー」
「オレ様にもよこせ!」
 にょろにょろとマフの手をかわすアコルを背に、ようやく一息ついたコージーは、律の傍らにあるふたつの容器に目がいった。食べ物を察知したらしい。と言うかまだ食べるつもりらしい。
「何ッスか?」
 友護も興味深げに中身の窺えぬそれらを覗き込む。ちゃっかり木の実のパンを頂いていた律がふたりの視線に気付き、爽やかな笑顔でそのうちの一方を差し出す。爽やか過ぎて胡散臭い彼の手元で蓋が取り払われると、中にはくすんだ紅色に萎れた何かの粒がごろごろと幾つも堆積していた。
「変わった見た目だな。保存食みたいなもんか?」
「何かこう、ツーンとくるッスね!」
「俺にもくれよ」
「百聞は一見にしかず、まあ食べてみて」
「じゃ、遠慮なく」
「いただくッス!」
「へへへ、いただきまーす!」
 コージーも友護もタイムも一個丸ごと――梅干を――口に含み、
「ぐあ!」
「おほっ」
「ふおぉ……」
 顔のパーツを中央に寄せて非常に辛そうにしかめた。ツーリスト達の様子に内心ほくそ笑む律の悪戯は留まるところを知らない! 彼は次にエノコログサ(ねこじゃらし)を取り出すと、マフに向けてひょいひょいと振って見せた。
「…………」
 ばしっとマフがひったくる。
「…………」
 しかし律は、またひょろんと一本出す。
「……っ!」
「…………」
「……!!」
「…………」
 暫く出しては奪いの無言の攻防が繰り広げられていたが、
「このやろっ!」
「あ」
 ついに律の手持ちがなくなると、マフは自らの勝利を確信した。だが、律は尚も余裕の笑みを浮かべている。虚勢か? 否、これは――
「む、にゃ、コイツ、マタタビ仕込みやがっ……ふにゃあ」
 マフは今や単なる酔いどれ猫。ごろごろと一種蟲惑的に身をよじるマフのあられもない姿を、すかさず律のデジカメが捉えて火を噴いた。律、WIN。
 仲間達の楽しげな様子を、優もまたカメラに収める。美味しそうに食べてくれたこと、楽しんでくれたことを嬉しく思いながら。
 ある時、優は有機酸に苦しんでいたコージーを撮ろうと照準を合わせたが、彼は既に復活していて(律が最初からそのつもりでレモンの蜂蜜漬けを用意していたらしい)、胡坐をかいたまま空を見上げていた。
「青空の天幕だな」
 大勢で座って食卓を囲むと部族を思い出す――懐かしげな彼の姿を留めるべく、優はシャッターを押した。
「ほんにのう。絶景に美味い飯に美味い酒。むほほ、最高じゃなぁ」
 直後、そこににょろにょろとアコルが現れ、上機嫌ぶりをふたりに披露する。
「これで注いでくれる女子でもおればより良いんじゃが」
「ははっ、そういえば野郎ばっかだな」
「あれ? 本当だ」
 三人は笑い合う。偶にはこんなのも悪くはないと。
「どれ、ちょいと飛んで雄大な景色を楽しむかえ? なーんじゃ、酔ってはおるが落ちやせんぞ?」
 アコルの提案に群がる仲間達。むしろ酔っ払いはマフだった。


 さて、山頂といえば再び神隠しの山、その頂きにて。
「とうちゃーく!」
「っ」
 ナウラの少年のような高く元気な声に、息を切らせた絵奈はすぐ応えることができなかった。この男とも女ともつかぬ容姿の者と絵奈は、苗木跡付近で偶然出会い、以降難所で手を取り合うなど互いに協力してここに至る。やがて、ふたりの視界をずっと遮っていた斜面が唐突に開けて、空が広がったのだ。
「凄い、本当に海も見える!」
 ナウラの感嘆に、絵奈も振り向く。西の果てに広がる海を、東を深く刻む渓谷を、北にそびえる抜きん出て高い山を、南へどこまでもどこまでも続くブナ林を、そのあまりにも大きなパノラマを、ふたりは今、手に入れたのだ。
「……綺麗だな」
「舞原さん?」
 ナウラが怪訝気に呼んだのは、絵奈の面と声にきっと力が無かったから。
「自然って……本当、綺麗」
「……ん。そうだね」
 ナウラも腰に手を当てて、再び景色に視線を移す。
「ここは舞原さん達が守ったんだっけ?」
「え」
 思わぬ言葉。絵奈を慮ったのか何気なく言っただけなのか。
(私も少しは、この景色を守る役に立てたのかな)
 当のナウラは絵奈の胸中など知る由も無く、次の瞬間には何事かうずうずと落ち着きなく「あのさ」と話しかけて来た。
「あ、はい。どうかしたんですか?」
「迷惑かな……や、やって良いか?」
「え? はい……?」
 曖昧な返事をした絵奈の隣で、ナウラは息を吸い込み、
「――……ヤッホー! 村山バーカ、はげー!」
 細身に似合わぬ声量で力いっぱいに、叫んだ。
 時折野鳥の声に遮られながら、幾重にも重なり次第に薄れながら、山彦は遠くへ遠くへと伸びて、霞み、消えていく。ところで村山って。まあいいか。
 事を終えたナウラは悪戯っぽく笑う。
 不意をつかれた絵奈も、暫し目を丸くしていたが、
「ふふふ」
 つい、口元を綻ばせた。前向きな気持ちになれそうな気がした。

 そこでまた不意に、がさがさと傍の茂みが揺れる。
「なんだ!?」
「まさか熊……!」
「ん」
 身構えるふたりの前にやがてのそりと出でたのは、熊――のような風格を持つ巨漢、十三である。十三も先客の姿に僅か目を開き、自身は苗木と旅団の痕跡がないか確かめている最中であると語った。
「それすら口実に過ぎぬのかもしれんが」
「口実、って?」
 ナウラの問いに、十三は歩んできたブナ林を見下ろす。
「怖いもの見たさ、なのかもしれん」
 その語意には、言葉以上の願望が宿っているようだった。平和の只中よりは魍魎の渦中にて切り結ぶことこそ本懐と心得ればこそ。
「聖と邪は紙一重だ。人の想いもな。こういう場所に来ると、よりそう感じる」
 最後の言葉は、まるで己に言い聞かせているようだった。

 旅団の痕跡を念頭に動く者は彼らの他にも居る――

「うわー、気持ちいいですねえ……」
 ――が、ドナはとうにそんなことなど忘れて、はしゃいでいた。小鳥のような翼をはためかせて、どんな小鳥よりも緩やかにふわふわとくるくると気の向くままに樹間を巡る。みかけた真っ赤な木の実を口に含んでみたり、
「あはっ、こんにちは!」
 その木に留まっていたクマゲラと挨拶を交わし、やがて飛び立つ彼とじゃれ合いながら、淀みなき原生林を満喫している。そんな折、茂みを越えたところで、
「わわっ!」
「きゃっ」
 突然鬢削ぎの儚げな女性の少し驚いた顔と鉢合わせた。ドナは慌てて身を捻り、先方が身を屈めてくれたお陰で互いに事無きを得る。
「あ、ご、ごめんなさい! お怪我はありませんかー?」
 すぐに迂回して女性の元へふわりと降り立つのと同時に、女性――憂も着物を丁寧に払いながら立ち上がった。
「こちらこそ、すみません。その……宜しければ、お話でもと思いまして」
「あたし、ですか?」
「はい……」
 憂もまた、どことなく故郷へ通ずるこの地を喜び、気ままに散策していたのだった。その最中、ドナを見かけて声をかけようと近付いたのである。
「車内でお見かけしました。とても良い羽根をお持ちの方がいらっしゃる、と」
「そんな、恥ずかしいですー」
「いいえ。もふもふした可愛い羽根……雀さんみたいで、なんだか和みます」
 てれてれとはにかむドナに、憂は柔和な笑みで応えた。

 憂と同じく、森に触れて懐かしむ者もそれなりに居るようだ。

 山歩きに慣れた風の二人組は、片や面で、片や包帯で、共に目元の覆われた彼らは、その相からは窺えずとも穏やかな心持ちで、今日と言う日を楽しんでいたようだ。
「森は広い。はぐれないようにな」
「はい、兄さん」
 気遣いをみせる包帯は兄の歪。応ずる面は弟の真遠歌。言葉少ななふたりは、どうやら耳を欹て方々に潜む森の息遣いを感じていた。
「今度は、おとうさんも一緒にまた此処に来てみたいですね」
「そうだな……」
 だが、歪の方はそれだけに留まらず、何事か沈思している。決して珍しいことではないと知りながら、真遠歌はあえて訊ねてみたくなった。改まることのない今ならばこそ。
「……どうか、したんですか?」
「ああ、鈴兼村のことを思い出していた」
 あまり聞いたことの無いように思う兄の身近な話は、真遠歌にとって貴重なものだった。もっと聞かせて欲しいとせがむ弟に、歪は懐かしい彼の地のことを語ってやった。この森の空気が故郷の森と少し似ていた所為なのか。歪はいつになく饒舌に、回想を言葉にする。真遠歌にもはっきりと思い浮かべることができるほど、ひとつひとつ想いを込めて。
「あの世界は静かだった。だが、ここは命の音に充ちている」
 歪は天を仰いだ。それが今一度音にひたったものだと、真遠歌は悟る。
「故郷に無かった光も、充ちているのだろうな……いい、ところじゃないか」
「兄さん……」
 口に出さぬ胸中をも知り、真遠歌は掛ける言葉を失した。
「弟が兄を気遣うな。それより、」
 歪はやや明るく、俺ばかり喋っていたからと付け加えて弟に促す。
「真遠歌の住んでいた山の話も聞きたい」
 義兄弟の語らいは、まだ始まったばかり。

 兄弟というか兄妹のような二人連れの姿も、やはり森にある。

 と言っても随分と年の離れた彼らは兄役と思しき男が妹役の手を引いて、決して面に出さずとも絶えず慈しみながら樹海を歩む。
「足元に気をつけて」
 ハクアがそう言うと、小さなゼシカはほんの少し手を握る力を強めて頷く。
「自然豊かな美しい場所だな」
「魔法使いさんとお散歩、とっても楽しい」
 あどけなく素直な物言いにそうかと応えたハクアが歩調を合わせているのを、ゼシカはちゃんとわかっていた。
「優しい魔法使いさん、大好き」
「……そうか」
「あ、うさぎさん!」
 見れば確かに小さな兎が、耳をひくつかせてこちらを見ている。
「優しくいい子いい子する」
 てててと近寄るゼシカに先んじて、がさりと大きな兎が飛び出すと、親子と思しき彼らはそそくさと元の茂みへ紛れ込んでしまった。
「待って、逃げないで」
 ゼシカの呼びかけも空しく、兎達が戻る気配はなさそうだ。ハクアがゼシカの頭にぽんと手を置く。
「お母さんうさぎと子うさぎ……一緒におうちに帰るのね」
「そうだな……どんな生き物でも、親が子を想う気持ちは同じ筈だ」
「……ゼシもいつかパパと一緒におうちに帰れたらいいなあ」
「……ああ」
 ゼシカの純粋な願いがいつか叶えばいい。ハクアはそう思いながら、幼子を撫でた。
「ばいばい」
 ゼシカが小さな手を振るのを認め、木の実でもとってやろうと再び歩き出そうとしたハクアは――ふと鼻をついた強い獣の臭いに僅か眉を潜める。
「魔法使いさん?」
「ここを動くな……」
 ゼシカを制し、トラベルギアを抜いたハクアはその方角へじりじりと近付く。枝を掻き分け、背の高い草を避けて、奥へと向かう。やがて――、
「…………!?」

 ハクアは凄惨な現場を目の当たりにし、絶句した。

「ウ? キ?」
「――お前もきていたか。ひさしいな」
 そこでは玖郎とミチルが――――を――――ていた。
「…………ああ」
「土地のものにもわけはしたが、まだあまる」
 玖郎が情の混ざらぬ声音で話す傍ら、ミチルは一心不乱に――。
「くさらすのもしのびない。必要ならば」
「いや、折角だが遠慮しておこう……」
「そうか」
「邪魔をしたな……」
 首を傾げる玖郎の応えも待たず、ハクアはゼシカの元へと引き返した。

 獣を追うものが居れば、触れ合おうとするものも居る。

「この間、ぶわー大騒ぎだった」
 猿や鹿に紛れて大袈裟な身振りと共に人語をまくしたてている、勇ましい兜を被る童女――アルウィンは、なんと旅人達が苗木を滅した後でこの地に変化が無いかを、森の住人達へ訊ねて回っていたのである! とりあえず平和だというのが動物達共通の見解のようで、何よりだった。
「ごめんな。もう無いから安心しろ」
 アルウィンは(多分)森を騒がせ危険な目に遭わせたことについて、深々と頭を下げた。しかしその後はと言えば妙な調子の鼻唄を歌いながら猿に『いい場所』を案内させたり、
「おおー、『カッコイイ』枝を発見した!」
 道すがら真っ直ぐに尖った枝を拾っては振り回してみたりと、わりかし子供そのままの無軌道なブナ林ライフを満喫していたという。
「採る駄目だから絵や落ちてるヤツな。おうちの者共やガラにお土産」
 また、不思議な形に咲く花を見つけては、持参していた落書き帳にぐりぐりと描いて鼻息も荒く満足げに見直し、奥へ奥へとひたすら進む。奥へ、奥へ……。

 かく、とは、何も絵に限ったことではない。

 秘境を求めて歩む作家は、片方だけの翼を揺らす可憐な乙女だった。確信があったわけでは無いけれど、珍しい池があるとだけ聞いてやって来た。世界司書への土産話にでもなれば、あるいはそれをノートに書き認められればと奇特なことを思っては微笑みながら。
 林道伝いに進むと、比較的新しい橋が見える。その途上にて佇む黒髪の、こちらも可憐な娘の姿を認めて、作家――ホワイトガーデンは、そっと近寄った。
「あ……」
「こんにちは」
 華月も気付き、少ししおらしい挨拶を返す。橋は水面のすぐ上に伸びていて、宛ら水面に立つような趣きである。池は――空とは異なる鮮やかな蒼色。
 最前まで目を奪われていたそれを、華月は再び眺める。ホワイトガーデンも、瑠璃石の如き池を見て、感嘆の息を漏らした。
「すごい――」
「そうね……本当に青い。こんな池もあるのね」
 半ば木の葉に覆われ、半ば空を映してさえ、その蒼みは失われるどころか尚も深く深く染まる。ぎしりと桟が鳴った。華月が柵に寄りかかり、覗き込んだ為だった。水面には未だ若い落ち葉や花びらが散りばめられ、波風も立たぬのでそれらはじっと彩りのまま在り続けている。
「何時間でもみていられそうだわ」
「ふふ、他のこと全部忘れてしまいそう――っと、いけない。書かなくちゃ」
「書く……?」
 ホワイトガーデンが羽根ペンとトラベラーズノートを取り出す。
「ええ。感じたことをそのまま、知らせてあげようと思って」
 さらさらと小気味良く何事かしたためる少女の心配り、その対象たる司書が連れて行ってくれとせがんでいた様子を、華月は水面に思い浮かべた。
「あ、でも」
 ふと、白くしなやかな指が走らせていたペン先を止める。
「かえって残酷かしら」
 ホワイトガーデンがどう思うと言わんばかりに華月の方へ小首を傾げた。華月は紫の双眸に映る目の前の世界を確かめて、二三度瞬かせてから口を開く。
「そうね……こんなにも綺麗だものね」
 どこかで小鳥達が囀る。虫の声と、風にそよぐ木の葉の音。それでも白神山地は静かで、ありのままの美しさを留め、息衝いている。
「この壱番世界を守れてよかったと思うわ」
「……お疲れ様」
 ホワイトガーデンは、華月を、あの戦いに赴いた全ての旅人を、そっと労った。

 日が暮れるまで、ふたりはずっとそこに居た。

 いつしか岩場に上がり今一度まどろんでいたゼロの顔にも西日が差し込む。服はすっかり乾いていた。
「そろそろ戻るか」
 終が見計らって声をかける。
「はいなのです」
 ゼロは応えるも、上体のみ起こして暫し滝の方を見詰めている。
「……如何した」
「綺麗な滝の底でのお昼寝は滝っぽかったのです」
「そうか」
 やはりどういうことなのか終には判らなかったが、追求は止すことにした。
「そう云えば」
 それはそれとして。
「玖郎から連絡があった」

 玖郎が(彼曰く)帳面にしたためたのは、糧を希望する者に分け与えると云う旨の――恐るべき、内容だった。それは終のみならず、天狗を見知った全ての旅人達の元へ普く行き渡り、森を再び混乱に陥れたとかそうでもないとか。

「無差別テロなのですー?」


 そうそう。カンタレラとアルウィンはユーウォンに無事保護されたそうである。

クリエイターコメント※1:一風変わったお昼寝スポットなのですー
※2:ゼロは聞いたことがあるのです
※3:壱番世界では己を高めるため滝にうたれる習慣があるそうなのですー

 ※ ※ ※ ※ ※

27名様、予定よりお待たせしてしまい申し訳ございません。
白神山地の一日をお届けいたします。


皆様の自由過ぎるプレイングに戦慄しました。なんというか流石と申しましょうか。これぞロストレイル。と違う意味で構えつつ、久し振りのお気楽シナリオ、とても楽しく書かせて頂きました。むしろもっといっぱい書きたかったです。

少しでもお楽しみ頂ければと思います。


この度のご参加、まことにありがとうございました。
公開日時2012-08-08(水) 21:30

 

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