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第3ターン
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2009-02-04(水) 15:18 |
佐野原 冬季(cecn7917) |
−−柊邸 AM0:50
冬季が無線を通じてメンバーの意向を確認する。 「なにやら不穏な空気が漂ってきましたね。状況を確認しておきましょう。
まず、柊邸からはめぼしい物はなにも発見できませんでした。さらには、ミダスも私たちや今回の事件に関与する意志はなさそうです。柊邸に関する調査はここで打ち切りにしてもよさそうです。
ただし、重要な情報として、何者かが『今夜柊邸で何かが起こる。そのため警察が動いている』という内容のタレコミをマスコミに対して行っていることが判明しました。そのせいで記者が張り込みをしていたようです。誰がなんの目的でタレコミをしたのでしょうか?
また、私の方で警察無線を傍受したところ、確かに銀幕署の警察官がこの綺羅星ビバリーヒルズに秘密裏に派遣されつつあるようです。何が目的なのかははっきりしません。ただし、汚職疑惑関連で動いていることは間違いないでしょう。20分もすれば、柊邸近辺に到着すると思われます。私たちは植村さんに個人的に依頼されて動いているだけですので、警察に対してはなんら説得力を持った集団ではありません。どう対処しましょう?
次に、例の一軒家と封書の件です。白の奇術師さんに中身を確認してもらったところ、汚職疑惑の渦中にあるRTB旅行社から誰かに宛てた小切手が入っていました。問題は、その場面を隠しカメラによって撮影されてしまったこと、そしてそのカメラは警察が使っている物と同型だということです。封書は現在、白の奇術師さんの手の内にあります。封書の処理はどうしましょう?
最後に、尾行班が、柊市長本人と思われる人物をとある邸宅内で発見しました。ここ数日にわたって柊市長と思われていた人物はロボットであり、その偽物は本物といっしょにその邸宅にいます。しかし、ロボットということはセンサーなどで私たちの存在に気づいていたのではないでしょうか? 本物を助けるため乗り込みますか? どうしますか?」
☆☆☆☆☆☆
第3ターンは、第2ターンの結果を参考にしつつ、以下の4つの選択肢からPCの基本行動を選んでください。
【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する 【2】封書に関してなんらかの行動をする 【3】警察に対してなんらかのアプローチをする 【4】その他
書き込みの表題には、必ずどの基本行動を選んだのか数字を記入してください。 書き込みの本文には、具体的な行動を書き込んでください。文字数の制限はありませんが、結果のお届けがミニノベルですので、あまり多くは反映できません。あらかじめご了承ください。 今回もまた『【4】その他』という選択肢をもうけましたが、よほど核心を突いた行動(プレイング)でなければ、結果は反映されませんのでお気を付けください。
第3ターンプレイング〆切 2月5日 PM11:59
第3ターンミニノベル公開 2月6日 PM12:00〜5:00予定
最後に、このイベントは4〜5ターンで終了の予定です。その点も考慮したうえで行動してください。 |
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【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する
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2009-02-05(木) 13:14 |
森砂 美月(cpth7710) |
山本様の犬神鼠のうち、邸宅付近に居る分を潜入させる。目的は潜入調査と市長監視。 邸宅に関しては隠し通路などがないか調査を徹底。 市長監視は可能なら超小型カメラや盗聴器を使って(犬神鼠に持たせて) 偽物が存在する証拠の入手を試みます (犬神鼠は他の方の指示があった場合はそちらにも回します)。 美月自身は外で待機。 警察への通報を頼まれたら代行します。 怪しまれたら夜回り途中に変な市長を見て尾行した事に。
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【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する
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2009-02-05(木) 14:24 |
サマリス(cmmc6433) |
外から室内を見られる位置にプローブ(投擲センサ)を投げる。 ちなみに消音・夜間迷彩仕様(25分間有効)。 可能なら念のため本物らしき人物もスキャン。 特に変化がなければ情報を受信しつつ映像として保存。 カメラ等のデータもリンク能力で受信。 情報は常時共有、交渉等で必要ならば提供。 マスターデータは今後のために保存。 警察が来た場合は一連のやりとりも全て記録。 偽市長が逃げるようなら犬神鼠に追尾してもらう。 外に出て逃げるなら組み伏せて捕らえる予定 (但し他に指示が有ればそちらを優先)。
サマリスは基本外で待機しつつ周辺警戒(広域策敵)。 名目上立場は森砂様の夜回り付き添い。 策敵情報は必要ならば警察にも提供(ただし味方に不利益がない範囲で)。 市長救出になった場合は可能なら協力。 本物が捕まりそうになった場合は偽物情報を提供。 それ以外での情報提供は他の方の指示に従います。 能動行動に関しては他の方に合わせます。
5mmアサルトライフル携行。ただし使用は最終手段。 |
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【3】警察に対してなんらかのアプローチをする
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2009-02-05(木) 22:46 |
レイ(cwpv4345) |
市長邸を早急に脱出。痕跡は残さないように。
警察無線をジャック。 無線からの情報をとりつつ「警備会社から市長邸で異変があったらしいと報告あり」と警察本部の偽情報を流す。 不審なやりとりがあればそれも記録しつつ、本部と外に出ている警察との間は常に回線をふさいでシャットアウト。やりとりはつじつまをあわせて、ばれないように。(音声も変換して) 事態が好転するまではこのまま。
サマリスに以前捉えたサイボーグに使った自壊プログラムをとめるプログラムを渡しておく。今回のロボットに仕えるかはわからないけど。
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【4】その他
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2009-02-05(木) 22:51 |
ベアトリーチェ・ゴットヘルム(cwxb6139) |
ポストのあった空き家を遠くから見張る。 山本さんからお借りしていた犬神鼠を空き家を見張ってもらうよう離す。 犬神鼠と密に連絡を取りつつ、空き家とポストに近づく不審な人物がいたら追って貰う。 警察の動きに注意しつつ、不審者が居たら追う。 |
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【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する
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2009-02-05(木) 22:55 |
槌谷 悟郎(cwyb8654) |
警察がやってくるのを待ち構え、自分は警備会社のものだと対応。 中には市長がいるが、安全を考えて慎重にしたい(警官だけが邸宅に入らないように)と言い含め、市長邸からの応援の到着を待つ。
身元を疑われたらのらりくらりとごまかして、すこしでも時間を稼ぐ(「ああ、それなら身分証が……あれぇ、これはカレー屋の割引券だな……どこにしまったっけな……」)。 |
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【4】その他
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2009-02-05(木) 22:58 |
ウィリアム・ロウ(cyzs7997) |
本部に残り、主に【1】の市長の囚われている邸宅の持ち主を調査。他にも周辺に議員、RTB関係者等の住居が無いか。結果はなるべく素早く伝えるようにする。常に警察の行動先を意識しながら、無線傍受の結果等、情報処理を手伝う。本部に異変があったら素早く行動(内偵していた痕跡を消す等)できるよう気を付ける。 |
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【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する
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2009-02-05(木) 23:07 |
浅間 縁(czdc6711) |
スチルショットを持って邸宅組と合流。警察と協力態勢が取れそうであれば協力。 もし取れそうになければ邸宅組とは離れて、警察に見つからないように待機。 偽市長が逃げそうな場合、また確保行動に移らざるを得ない状況になった場合は 味方を巻き込まないように注意してスチルショットを発砲。 |
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【4】その他
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2009-02-05(木) 23:08 |
ルークレイル・ブラック(cvxf4223) |
引き続き記者の注意を引き付け、自分を「警察がマークしている不審者」として追わせ、市長邸からできる限り遠ざける。 尚、この際、市長が歩いていった方向とも、警察が向かってきている方向とも違う方向へ誘導し、鉢合わせることを避ける。 途中で柊木を撒くような行動を取り、彼が離脱することについて記者に不審感を抱かせないよう演技。同時に、記者に「刑事を撒いた容疑者を自分だけが追っている」と錯覚させ、追跡意欲を掻き立てる。 陽動として不審者らしく振舞う。
市長邸から十分引き離した後、もしくは記者が自分を追うのを諦めかけた際に、隙をついて当て身で記者を昏倒させる(素早く一撃で)。極力、怪我はさせない方向で。 気絶した記者を人目につかない茂みに隠し(その場に拘束するものがあれば拘束する)、その場を立ち去る。
※警察に見つからないよう、また記者に正体がバレないよう細心の注意を払う。 |
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【4】その他
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2009-02-05(木) 23:14 |
旋風の清左(cvuc4893) |
封書が入れられた空き家を離れた場所から見張る。(警察や現われるかも知れない不審者に気づかれないように警戒は怠らない。念の為、第三者にも注意) 無線でチームと連絡を取りつつ、犬神鼠やゴットヘルムさんとの連携も取る。 不審者が現われた場合、犬神鼠に追ってもらい、その後を密かに追う。不審者が何処かに辿り着けば無線でチームに連絡し、単独行動はしない。不審者や到着した位置・特徴などの情報を書き取る。 |
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【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する
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2009-02-05(木) 23:15 |
ベル(ctfn3642) |
こちらの存在が知れている事も考え、慎重に行動。 この邸宅の周辺、内外に人の気配や、監視カメラ等の気配がないかも考えて行動。乗り込むのは得策ではないと考えるので、このターンはとりあえずの様子見の待機。 偽ロボットは、こちらに攻撃の意志を向けてきた場合は対処。但しこちらから攻撃はしない。疑われ、でまかせに使われてしまう可能性も考え。騒音等、周囲に影響を与えるような事も避ける。 警察が乗り込んできた場合は、その騒ぎに乗じて逃げ出す影がないかを離れた場所から観察する。警察が乗り込む前に市長が解放された場合は保護。 |
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【4】その他
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2009-02-05(木) 23:23 |
ルースフィアン・スノウィス(cufw8068) |
常に疑問を持って調査。アズマ研究所、ロボットの技術(作られたものなら何処で作ったか。スターなら、最近の動向)、尊師について、RTB社、記者の情報を元に情報屋などで何かめぼしい情報がないかを調べる。 市長邸、空き家、捕まっている一軒家の周辺で他に、怪しい空き家がないかも調べる。 それから、何故今夜こうも機会が重なったのかも考える。(ちょっと怪しいと睨んでいる人も(チラリ)そんな疑念も持って、怪しい、何か可笑しいと気付いた点を調べる。 |
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【1】柊市長が囚われている邸宅で行動する
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2009-02-05(木) 23:26 |
山本 半兵衛(cuya9709) |
空き家は犬神鼠と旋風の清左さん、ベアトリーチェ・ゴットヘルムさんに任せて、邸宅へ移動・邸宅組と慎重に合流。 これより後、空き家の犬神鼠4匹はベアトリーチェ・ゴットヘルムさんへ一任。 邸宅へ忍び込ませている犬神鼠の報告を待つ。 僕自身は家の中が見えない(家の中に誰か居ても山本半兵衛が見えない)物陰で、見つからないように隠れて待機・周辺に目と気を配っておく。 何か異変を見・聞・感じたりしたら、即座に小声で無線を飛ばす。
何か慌ただしい事になり戦力が必要なら、煙管を吹かして管狐を起こす。 邸宅内の犬神鼠はギリギリまで探りを入れるように。危なくなったら各自尤も安全な方法で本部へ戻る事。
犬神鼠の分布: ・ポストのある家:20匹(市長宅の16匹と合流・その他ゴットヘルムさんに一任) ・市長が囚われている邸宅:10匹 |
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【3】警察に対してなんらかのアプローチをする
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2009-02-05(木) 23:27 |
柊木 芳隆(cmzm6012) |
レイくんが、市長邸に向かっている警察の無線に「警備会社から市長邸で異変があったらしいと報告あり」と警察本部の偽情報を流す。 それと同時に警備会の社員として現場に急行したと見せかけ「市長が拉致されたらしい」という目撃情報を得たと話す。 邸内にはまだ犯人の一味が潜伏していると匂わせ、立ち入りを阻止。 頃合いを見てコートのポケットの携帯を鳴らし、部下から「監禁場所らしき家を見つけたと報告を受けた」と警察官を誘導。 |
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【3】警察に対してなんらかのアプローチをする
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2009-02-05(木) 23:35 |
針上 小瑠璃(cncp3410) |
柊邸から早急に離れる。 その後、、柊木と警察が接触しているのを見て バイクで仕事帰りを装い「やっぱ、あれは市長やったんか…いや、今さっき、向こうでな…」と、得意の(?)演技で、市長が拉致されたのを確信へと導く 警察には顔が利くので、知ってる人間がいれば、言葉巧みに(こちら側に付かせつつ)誘導。
柊木の行動や、他の物の連絡で、(「一緒にウチも行く!」とか、「もう、帰らなあかんわ」等)臨機応変に対応
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【2】封書に関してなんらかの行動をする
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2009-02-05(木) 23:35 |
コレット・アイロニー(cdcn5103) |
白の奇術師さん・清左さんの所へ行き、白の奇術師さんから封書から出した小切手を、自分が書いた恋文と交換。指紋が付かないようにして受け取り、その後内ポケット等へ仕舞う。 そのまま白の奇術師さんとは反対方向に逃走。なるべく現場より離れるように努める。 もし警察の人に呼び止められたならば、「自分のバッキーが迷子になってしまっていたので、今まで探していた」などと言って誤魔化す。 |
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【4】その他
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2009-02-05(木) 23:57 |
白の奇術師(czzu5885) |
コレットさんを瞬間移動で(触れるのはあれなのでつれてくるときにはワイヤーを触れさせる)連れて来て、前もって自分で書いた偽物(中は市長のSAYURIへの恋文)と小切手を入れ替え、小切手の方をコレットさんに渡す。自分はコレットさんとは正反対のほうに逃げ、警察をおびき寄せる。途中で挑発しながら逃げ、体力勝負では負けるため、角などで警察の視界から逃れたら警察が見える位置まで瞬間移動し、また逃げる。 |
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第3ターン結果
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2009-02-06(金) 18:12 |
佐野原 冬季(cecn7917) |
−−柊邸 AM1:00
針上小瑠璃、レイ、槌谷悟郎、浅間縁、ベアトリーチェ・ゴットヘルムの五名は、万が一柊邸に警察が乗り込んできた場合を想定し、自分たちが侵入したというあらゆる痕跡を消してその場をあとにした。 レイは目立たない場所に立っている電信柱を見つけると、驚異的な跳躍力でそのてっぺん近くにつかまった。サイボーグの重さに、柱がぐらぐらと揺れる。彼はコートのポケットからコードを取り出し、片端をこめかみのスロットへ、もう片端を配線板に突き刺した。 そのまま電話回線を利用して、サマリスへとデータ通信回線を開く。 「おい、サマリス。聞こえるか?」 「はい」 返事は通信機ではなく、彼の脳内に直接かえってきた。サマリスも同じように電話回線をハッキングしているのだ。 「容量がちとデカイが、しっかり受け取ってくれよ」 「わかりました」 レイがサマリスに送信しているのは、とある自壊防止プログラムだった。以前彼がたずさわった事件で、捕虜にしたサイボーグの自滅作業を止めた際に用いたものだ。今回の事件の黒幕も同じ人物である可能性があり、だとすれば偽市長が自決しようとした場合にこのプログラムが役に立つかもしれない。 「さて、お次は、と」 すべてのデータを送り終えると、今度は回線を外に向かって開き、冬季と同じように警察無線の傍受をはじめる。ただし、冬季の使用している機器と比べて、レイの方が遙かに高性能だ。すぐに、クリアな音質で警官たちの会話のすべてを入手することができた。 『――監視カメラの映像に映っていた人物を市役所のデータベースと照会したところ、白の奇術師という名のムービースターである可能性が高いとのこと――』 『――了解。一班はこれより白の奇術師確保のため、現場に急行する――』 『――こちら二班。柊市長宅の張り込みに向かう途中――』 『――三班は、RTB旅行社との密談の場とされる民家へ――』 それらの内容を通信機を通して、全メンバーに流すレイだった。
−−謎の一軒家 AM1:00
白の奇術師はレイからの通信を受け思わずのけぞった。 「この年でおたずね者になるなんて思いも寄らなかったよ」 その口元には皮肉げな笑みが浮かんでいる。 「お気を確かに」 気遣うコレットに、白の奇術師は「大丈夫だよ」と答えた。 「さぁ、もう一度瞬間移動するよ」 「はい」 ふたりは一瞬にしてポストのある一軒家に戻っていた。ミッション遂行のため、白の奇術師が瞬間移動でコレットを迎えに行ったのだ。 「じゃあ、これを」 白の奇術師は問題の小切手をコレットに手渡した。指紋などがつかないように、コレットもまた手袋をしている。 この小切手が汚職に関するものならば、白の奇術師や清左といったムービースターが持っていては後々面倒なことになりかねない。ムービーファンであるコレットが保管していた方が比較的安全だろうとの考えだ。 そして自分は、小切手の入っていた封筒に、さっき準備した手紙を封じ込めた。その内容は市長がSAYURIに宛てたラブレターとして描かれている。万が一警察に捕まっても内容がこれでは即座に逮捕というわけにはいかないだろう。 「あとは追い駆けっこだね」 白の奇術師が軽く足踏みすると、コレットも笑顔で「がんばります」と握り拳をかためた。 ふたりは警察をまくために、お互い別の方向へと走り出した。
−−謎の一軒家 AM1:10
旋風の清左とベアトリーチェ・ゴットヘルムは、白の奇術師およびコレットが駆け出したあと、一軒家とポストを監視していた。今回大活躍の犬神鼠もまた、一軒家の各所で見張りに付いている。 もし、ここが本当に市長とムービースターとの取引の現場であるなら、白の奇術師が封筒を抜き取ったことを知らずに、取引相手のムービースターが姿を現すかもしれない。もちろん、最初から内偵チームを罠にかけるために封書が準備されたのであれば、白の奇術師が監視カメラに映された時点で作戦は成功していることになり、だれも現れないだろう。 果たして、そこに姿を見せたのは銀幕署の警官たちだった。 「結局のところ、あっしらは罠にハメられたんでしょうかねぇ」 「そうかもしれません」 清左とベアトリーチェは声を潜めながら、成り行きを見守った。 警官のひとりがポストの中が空であるのを確認し、無線機を口元に寄せる。 「たしかにポストの中は空です。白の奇術師が持ち去ったものと考えられます」 本部へと報告をあげる上司を尻目に、部下たちは私語に精を出している。 「やっぱり、今夜ここで市長とスターが取り引きするっていうタレコミは本当だったんだな」 「監視カメラを設置しておいて正解だったってことだな」 「でも、なんで最初から人員を配置しておかなかったんだ?」 「上も半信半疑だったんだろうよ。なにせ情報元が情報元だからな」 「情報元?」 「おまえ知らないのか? 『銀幕市を救おう市民の会』ってやつだよ。上は、市民の会もきな臭いって思ってるからな」 「なるほどね。だから、もうひとつの、RTB旅行社と市長との密談場所として指定されてた民家には何も手を出してなかったんだな」 「別の班が向かってるとこだろうが、それで手遅れってことにならなきゃいいけどな」 報告を終えた上司が、部下達に命令を出す。 「手遅れが怖いお偉いさんたちが躍起になりはじめてるぞ。とにかく、なにがなんでもその問題のムービースターを連行しろ、だそうだ」 警官のひとりが「うへぇ、徹夜確定だな」と不満を漏らした。 「文句を言うな。各自散開!」 警官たちが方々へ散っていくのを確認して、清左とベアトリーチェは顔を見合わせ、すぐに仲間へと見聞きした事実を伝えた。
−−柊市長の捕えられている邸宅 AM1:10
サマリスはレイから自壊防止プログラムを受け取ったあと、消音・夜間迷彩仕様のプローブを邸宅の中が見える位置に据え付けた。そして、中の様子を録画しつつ、本物と思われる市長に生体スキャンもかけてみる。 「データが一致します。本物の柊市長のようです」 その結論に、森砂美月もベルも浅間縁も山本半兵衛も、ほっと胸をなで下ろしてすぐに、言いようのない緊張を感じた。本物の市長が無事であった事実と、これから彼を無事に救出しなければならない事実のふたつを、ほぼ同時に認識したからだ。 「いざとなったらこれもあるわ」 縁が不敵な笑みを浮かべつつ、スチルショットを掲げる。相手がロボットである以上、ムービースターの可能性が高い。となれば、スチルショットでロボットの動きだけを止めることができる。 そこへグッドタイミングで、本部から連絡が入った。ウィリアム・ロウとルースフィアン・スノウィスだ。 「その邸宅の持ち主がわかったよ。山根大喜(やまね だいき)、驚くなかれ、RTB旅行社の社長だよ」 ウィリアムのもたらした情報に、ベルが「あやしさ全開だねー」とむしろ感心した調子で言った。 「そこは、RTB旅行社から柊市長へと賄賂を渡す秘密の花園なのかもしれないよ」 「それにもうひとつ」 今度はルースフィアンだ。 「市役所のデータベースや、いちおうアズ研に関する資料もあたってみたのですが、やはりその偽物はムービースターのようです。映画『クライシス2010』に出てくる人型ロボットで、流体金属を利用してどんな人間にでも外見を変えることができるようですね」 「それで市長に化けられたんだ」 縁が腕組みして言った。 「犬神鼠たちも戻ってきたみたいだ」 美月と半兵衛がそれぞれ犬神鼠たちの報告を聞く。 「邸宅に隠し通路のたぐいはないようです。それから監視カメラや盗聴器もないみたい」 「邸宅には偽市長と本物の市長のふたりだけみたいだね。あたりに不審な人物もいないみたいだよ」 「これはいよいよ、どうやって市長を救い出すかという話しになってきましたね」 美月が顎に人差し指をあてて考え込む仕草をする。 「それにはまず、うまく警察との折り合いをつけないとねー」 ベルは少し楽しそうだ。 「もしも警察が乗り込んできちゃったら、どさくさに紛れて市長を助け出せないかな」 「とにかく今は、柊木さんたちの到着を待ちましょう。すべてはそれからです」 美月の言葉に全員がうなずいたところに、清左とベアトリーチェからの通信が届くこととなった。
−−柊邸 AM1:10
警備会社を装ったレイの流した偽情報によって、柊邸へと向かっていた警官隊の足はいやがおうにも速まった。 つまり、柊邸で何かしらの異変が起こったという報告だ。 警官たちは柊邸に到着するとほぼ同時に、警備会社の社員だと名乗る男――柊木芳隆に出くわした。 「私もいま現場に到着したところなのですが、指揮官の方はどなたですか?」 柊木の問いに、ひときわ体格の大きい警官が前に進み出た。 「これはいったいどういうことだ?」 尊大な態度で切り出す。 「これは私どもの失態でもあるので、あまり声を大にしては言えないのですが。事は急を要しますので……」 柊木の演技に、警官は苛立ちを隠しきれず「いいから、状況を説明しろ」と吐き捨てるように言った。 「実は、柊市長が何者かに拉致されたようなのです」 「なんだと?!」 警官は状況がわからず、逡巡した。警察の設置した監視カメラには封書をポストに入れる市長が映っていた。そのときは拉致されている様子など微塵もなかった。そのあとに誘拐されたということだろうか。そうであれば、事前に情報を得ていたにもかかわらず、完全に手遅れになったことになる。 なにかしらの疑問を差し挟もうとした瞬間、タイミングよくバイクに乗った針上小瑠璃が現れた。 「警察のみなさん、おそろいでどないしたんです?」 「一般市民には関係ない。向こうへ行け」 やはり尊大な態度で警官が答えると、小瑠璃は小首をかしげつつ「なんや市長さんのことで集まっとるんかと思ったわ。ほな」片手を挙げて立ち去ろうとする。 「ちょ、ちょっと待て! いま市長と言ったか?」 餌に食いついた。 「いや、さっき向こうでな、市長さんが男らといっしょに歩いとったんや。どうも様子がおかしゅうてな――」 そこでまたもやタイミングよく、柊木の携帯が鳴った。 「部下から、監禁場所らしき民家を見つけたとのことです」 柊木の台詞に、警官は「うーむ」とうなって、「とりあえず、二班にわかれる。半分は私についてこい。残り半分は市長宅の警戒だ」と指示したあと、「その場所へ案内しろ」と柊木にも指示を出した。
−−柊市長の捕えられている邸宅 AM1:15
柊木と警官隊は、柊市長が監禁されているとされた場所で、槌谷悟郎や他の警官隊と合流した。 「ここは……RTB旅行社と市長とが密会しているとタレコミがあった場所か」 柊木に連れてこられた警官が、すでに現場に到着していた別の班の警官と情報を交換しあう。 「市長が拉致監禁されているという話しなのだが、RTB旅行社となにかしらのもめ事があったのだろうか?」 「そうだとすれば、すぐにでも突入した方がよくはないか?」 すでに、清左やベアトリーチェから連絡を受けていた悟郎は、警備会社の社員を装いながら、状況を整理するのに必死だった。 「市長の安全を考えて慎重に行動すべきでは?」 ところが、一警備会社の社員の意見など通るはずもない。柊木もまた取りなそうとするのだが、警官は警官で話を進めていく。 内偵チームの作戦に穴があったとしたら、それはこの民家を警察がはじめからマークしていた点であろう。しかも、警察にはRTB旅行社と市長とが贈賄に使用していた家屋として認識されている。そこに市長が監禁されたとしたら、両者の間になにかしらの問題が起こったと考えるのが当然だろう。 事件は、贈収賄どころの話しではなくなってきているのではないか。そう、警察は思い込んでしまったのだ。 「柊木くん、どうしたもんかな?」 小声で訊ねる悟郎に、 「こうなれば、警察と連係して市長を救い出す方向に持っていくしかないかもしれないね」 とこれまた小声で答える柊木。 彼が、物陰に隠れている他のメンバーに連絡をとろうとしたとき、状況が一変した。
「偽市長が姿を変えます!」 サマリスが邸宅内の映像を確認して、声を上げた。 他のメンバーには映像が見えない。サマリスからの続報を待つ。 「あれは……先ほどウィリアム様よりいただいたデータにありました。RTB旅行社社長の山根大喜です」
柊木と悟郎、そして警官たちの前に、堂々と姿を現したのは、山根に変化したロボットと、拘束を解かれた本物の柊市長だった。 「市長と……RTB社社長?!」 警官たちがいっせいに色めき立つ。 「いつの間に警察が……あなたとのつきあいもこれまでのようですね」 そう言って山根――ロボットは市長を突き倒す。市長はなにがなんだかわからない様子だ。 「あなたたちは、警官隊の足を止めなさい!」 なぜか大声で、あらぬ方向へと叫び、ロボット自身は身を翻して逃げ出す。 それを追おうとする者と、ロボットが呼びかけた場所を見つめる者と、反応はふたつに分かれた。 そして、ロボットが呼びかけた場所に隠れているのは、青ざめた縁たちだった。
その他の行動結果
ルークレイル・ブラック 記者の昏倒に成功 |