イラスト/キャラクター:ほてやみつえ

オープニング

「そんな……世界図書館以外に、自分の意志で異世界を移動できる人たちがいるってこと!?」
 オリガ・アヴァローナの報告に、アリッサは目を見開いた。
 飛天 鴉刃たち、インヤンガイで決死の作戦に従事してくれたロストナンバーたちの報告は、しかしその事実を確かに告げているのだ。
 アリッサはウィリアムを振り返るが、寡黙な執事はただ首を横に振っただけだった。そのような話は聞いたことがありません、と――。
「かれらはロストレイルのような列車状の乗り物でディラックの空を移動していると考えられるわ」
「それでインヤンガイで侵入して、ひどいことをしていたのね。……エリザベスのチームはどうなったの」
 アリッサの問いに、もうひとりの世界司書、エリザベス・アーシュラが口を開く。
「残念ながら、襲撃のさなかで、インヤンガイ現地当局が捕らえていた異世界の兵士は死亡してしまいました。おそらくオリガさんのチームの報告にあった薬の影響かと……。ですがさいわい、現地当局の関係者の被害は最低限に抑えられましたし、もちろんロストナンバーたちも無事、帰還しています。……報告書が遅れて申し訳ないのですけれど、状況としては以上です」
「わかったわ。じゃあ、問題は――」
 アリッサに見つめられ、オリガはかすかに眉を曇らせた。
 冒険旅行に参加するかどうかは参加者の意志。
 その結果は導く世界司書にさえ左右できないものであるにせよ、おのれが送り出したものの末路が気にかからないはずがない。
「陸 抗さん、サーヴィランスさん、ポポキさん……この3人が、その装甲列車に乗り込んだままになっているのね」

 ターミナルに世界図書館からの放送が響き渡った。
「みんな、聞いてーーーーー!」
 エミリエ・ミイの声だ。
「インヤンガイで悪いことしてた人たちが、列車で逃げ出してるの。ロストナンバーさんが3人、向こうの列車に乗ったまんまになってるし、これからエミリエたちがロストレイルで追いかけたいと思いまーす。手伝ってくれる人大募集~! トレインウォー、はっじまるよーーーーー!」

ご案内

消えた館長がインヤンガイの暴霊域に残した手がかり――「ドッグタグ」と同じものを持った男がインヤンガイの別の街区で発見されました。状況を調べに向かったロストナンバーたちは、廃工場に潜伏し、現地の組織とともに邪悪な行いに手を染める軍装の男たちを目撃します。

轟音とともにインヤンガイを飛び立った装甲列車は、ディラックの空へと突入していきます。かれらが何者であるにせよ、世界図書館以外に世界間を超える技術を持ったロストナンバーの組織があったことは間違いありません。この驚くべき事実を受けて、世界図書館は装甲列車を追跡するため、ロストレイルを投入した作戦――「トレインウォー」を急遽、発動させるのでした。

このイベントはイベント掲示板+フリーシナリオという形式で行われます。

※このイベントはフリーイベントです。どなたでも無料で参加できます。部分参加・途中参加もOK! お友達と誘い合わせての参加も歓迎です。あなたの行動が物語を創っていくPBWの醍醐味を体験してみましょう。お気軽にご参加下さい!

■参考情報
→これまでの経緯

■「トレインウォー」とは?
世界図書館が、世界群の秩序に大きく影響を与えると判断した事案に対して発動する特別な作戦、それがトレインウォーです。トレインウォーにおいては、通常は移動手段としてのみ用いられる世界間鉄道ロストレイルが戦力として投入されます。また、世界司書が指揮官として現地に派遣されます。「トレインウォー:謎の軍隊大追跡」の担当司書はエミリエ・ミイです。

イベント掲示板

下記にてイベント掲示板を運営中です。
掲示板には誰でも参加できます(参加はイベント参加の義務ではありません)。

→掲示板「ロストレイル8号」

フリーシナリオ

作戦本体はフリーシナリオとして行われました。

→結果ノベルはこちら!


→フリーシナリオとは?
フリーシナリオはイベント時などに募集される特別なシナリオです。無料で参加できますが、プレイングは200字までとなり、登場できるかどうかはプレイングの内容次第です。

■作戦概要
今回のトレインウォーの目的は「逃走する装甲列車を無力化すること」です。謎の軍隊は館長の失踪になんらかのかかわりがあると思われ、また、インヤンガイに介入して悪辣な行いをしていました。何より、装甲列車には乗り込んだままになっている世界図書館のロストナンバーがいます。列車を停止させ、かれらを救出したうえで、謎の軍隊の男たちに事情を聞く必要があるでしょう。

作戦はディラックの空を高速で移動し続ける目標を補足し制圧するというきわめて特殊な状況です。参加者には6つの持ち場につき、それぞれが役割を果たし切ることで作戦を成功へと導かなくてはなりません。

■選択肢
【1】ブレイカー(危険!)
ブレイカーは装甲列車を制圧する部隊です。ブレイカーの行動が成功することで本作戦は完了します。ただし、ブレイカーが装甲列車に接触できる状況(並走して横付けする、なんらかの方法で停車させるetc)をドライバーがつくりだせなければ、ブレイカーは行動を起こせないまま作戦は終了します。ブレイカーは行動開始後、もっとも危険な状況に身を置くことになります。不測の事態が起こる可能性もありますが、この選択肢を選んだ時点でそれを了承したものとみなします。

【2】ドライバー
ドライバーはブレイカーが行動できるような状況をつくり出すことを役割とします。そのため、この作戦の司令塔機能を持つことになります。ドライバーは、プレイングで「予測する状況とその際のロストレイルの運行方針」を書くことができ、作戦中の状況がドライバーの選択肢を選んだ誰かのプレイングに予測されたものと一致した場合、そのプレイングに書かれた方針通りにロストレイルは動きます。

【3】ガンナー
ガンナーはロストレイルの武装またはなんらかの遠距離攻撃法を用いて対象への遠距離からの示威行動を担当します。ドライバーの提示した方針によっては遠距離の砲撃戦が行われることもあるでしょう。(逆にドライバーの方針によってはガンナーはあまり行動しないまま作戦を終えるかもしれません)

【4】ライトウィング
ライトウィングはレフトウィングと連携してロストレイルを防御します。進行方向に対して右半身をおもな持ち場とします。作戦中は車中右側の窓際、屋根の上、ロストレイルがつくりだす線路上などで行動します。

【5】レフトウィング
レフトウィングはライトウィングと連携してロストレイルを防御します。進行方向に対して左半身をおもな持ち場とします。作戦中は車中左側の窓際、屋根の上、ロストレイルがつくりだす線路上などで行動します。

【6】バックアップ
バックアップはロストレイル車内から他の持ち場の支援行動をとります。人的被害が出た場合の救護や戦闘中の情報収集、その他不測の事態への備えなどです。

!特別ルール!
シナリオ『【死の影を追って】真実は罪の匂い』に参加し、装甲列車に乗り込んだままの状態になっている「陸 抗(cmbv1562)」「サーヴィランス(cuxt1491)」「ポポキ(ctee8580)」の3名の方は、開始時点で「【1】ブレイカー」と同じ立場になります。この3名の方は、プレイングを送信されなかった場合でも、作戦の状況によってはなんらかの不測の事態に巻き込まれる可能性があります。ご了承下さい。

これまでの経緯

■消えた館長はインヤンガイに?
インヤンガイの新年を祝うお祭り『巡節祭』に出掛けたアリッサと旅人たちは、行方不明の館長らしき人物が危険な廃墟の街区『美麗花園(メイライガーデン)』で目撃されたという情報を入手します。『美麗花園』は2年前に霊力災害によって住人が死に絶え、今は暴霊が跳梁跋扈する街区だというのです。

■館長の残した手がかり・謎の「ドッグタグ」
危険な暴霊域『美麗花園』の、ロストナンバーたちによる大規模な探索が行われました。奇怪な暴霊たちとの死闘や、ただよう霊力が映し出す過去の惨劇の光景――、悲憤うずまく死の街の探索を終えたロストナンバーたちは館長が残したと思われる手紙を発見します。そこには謎の「ドッグタグ」が同封されていました。

■軍装の男たちを追った先には……
『美麗花園』で見つかった「ドッグタグ」と同じものを所持した男が現地の警察に捕らわれているという情報を世界司書が察知します。そして男の仲間と思われる武装集団が動き出していました。急ぎ現地へ向かったロストナンバーたちは集団との交戦、追跡を経て、かれらが異世界の軍隊であり、インヤンガイに潜伏して邪悪な活動を行っていたことを知るのでした。

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螺旋特急ロストレイル

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