銀幕市に起こる事件のいくつかには、この街を支える魔法エネルギーのバランスの狂いが影響していることがわかってきました。すなわち、負の魔法エネルギーであるネガティヴパワーの存在です。
ネガティヴパワーは、今やひとつの「世界」を形成し、じわじわと銀幕市への侵食を開始しています。銀幕市民は、この脅威への対処も余儀なくされているのです。それはいわば、負の力へのあくなき闘い――<ネガティヴ戦役(キャンペーン)>とでもいうべき闘争でした。
●ムービーキラー〜悲劇と狂気の変異ムービースター〜
時折、銀幕市に出現する「ムービーキラー」、それは、なんらかの原因により、ムービースターが変質してしまったものであることがわかっています。ムービーキラーは、必ず、以下のような特徴をもちます。
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・他のムービスターに対して本能的・衝動的な殺意をもつ
・死ぬと「黒いボロボロのプレミアフィルム」になる
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なぜ、そして、どのようにムービーキラーが誕生するのか、詳しメカニズムは解明されていませんでしたが、アズマ研究所により、銀幕市の魔法を成立させているエネルギーが「マイナスに転化したもの」に感染した結果であることが判明しました。
この「マイナスの魔法エネルギー」を、東博士は「ネガティヴパワー」と名づけました。
ネガティパワーは銀幕市全域に遍在しています。場所により偏りがあり、それは変動するようですが、そのメカニズムはわかっていません。ネガティヴパワーに感染することで、ムービースターはムービーキラーになってしまいます。一度キラー化したムービースターを元に戻す方法は見つかっていません。
※参考資料
→銀幕ジャーナル:号外「狂気のムービースター? 謎の敵・ムービーキラーとは!?」
●ネガティヴゾーン〜絶望の異郷〜
ネガティヴパワーが特に強く集積した地点には、あたかも「別の世界への入口が開いた」かのように、特殊な空間が出現するようです。これは「ネガティヴパワーによって形成された世界」であると考えられ、「ネガティヴゾーン」と名付けられました。ネガティヴゾーンは、高濃度のネガティヴパワーに満ちているため、ムービースターが足を踏み入れることはできません(中にはいると高確率でムービーキラーになってしまいます)。
ネガティヴゾーンには、ネガティヴパワーの結晶であり、あたかも生物のような外見と行動をとる存在が発見されています。人々の夢からできたムービースターと正反対の存在と考えられるため、これらを「ディスペアー」と呼称します。
ディスペアーは異様な外見をもち、ネガティヴゾーン外の存在に対して非常に好戦的です。ファングッズは有効であることがわかっています。また、ネガティヴゾーンごとに、内部のディスペアーを統率する巨大なディスペアーが存在します。
・レヴィアタン
杵間山裾野に出現した『穴』の向こうへ向かった調査隊は、そこに不可思議な「歩ける海」が広がっていることを確認しました。海の底には銀幕市の廃墟と思しき都市の残骸が沈んでいます。海面や空中には得体の知れないオブジェのようなものが浮かび、奇怪な出来事が起こります。これが銀幕市民が初めて遭遇したネガティヴゾーンです。
この世界には深海魚に似た姿のディスペアーが棲息しており、それは変態を繰り返して成長していました。これらを統率する首魁が巨大ディスペアー「レヴィアタン」です。シーラカンスとフウセンウナギを混ぜたような深海魚型のディスペアーで、空を泳ぎます。
レヴィアタンは、あえて銀幕市内に誘き出した後、アズマ研究所が開発したムービーボムで爆殺という「レヴィアタン討伐作戦」により殲滅されました。
※参考資料
→関連ノベル『リバラテ/トゥテメ/エクス/インフェリス』
→関連ノベル『【ネガティヴゾーン探索】小さきものたち』
→関連イベント『ネガティヴゾーン探索』
→関連イベント『レヴィアタン討伐作戦』
・ベヘモット
市内で起こったムービーキラー事件を追ううち、市民は地下に広がる下水道網へと導かれます。そこで発見されたのは第2のネガティヴゾーンの存在でした。そこは、銀幕市の廃墟が巨大な菌類によって覆い尽くされているという、穢れた不気味な世界。
この世界には虫に似た姿のディスペアーが棲息し、一定の周期にもとづいて活動していました。この世界を支配していたとされるのが、ムカデか芋虫に似た異様な姿の巨大ディスペアー「ベヘモット」です。
ベヘモットは、アズマ研究所が開発したアズマ式超バッキー砲に市民が祈りとともにこめたバッキーのエネルギーによる砲撃を行う「ベヘモット討伐作戦」により殲滅されました。
※参考資料
→関連ノベル『足元のスパイダー・ウェブ』
→関連ノベル『ヨルダンの行き着く先へ』
→関連イベント『ベヘモット討伐作戦』
●ゴールデングローブ〜対ネガティヴ防護装置〜
ネガティヴパワーの研究の結果、アズマ研究所が開発したアイテムが「ゴールデングローブ」です。これはムービースターがネガティヴから身を守るための装置です。
試作品がグローブ型だったことからこの名称で呼ばれますが、実際には、「肌に触れてさえいれば」どんな形状でも構いません。腕輪型が使い勝手がよいので好まれますが、ムービースターの体型や好みに応じて、他の形状のものが用意されることもあるようです。
これを身につけておくと、「一定以上にネガティヴパワーのレベルが高い領域」にいる間、自動的に、それに反発する力場を発生させ、ネガティヴパワーの影響を中和してくれます。このため、ゴールデングローブを装着していれば、理論上、「ネガティヴパワーの影響が強い地域で、ムービースターがムービーキラーになってしまう確率」を大幅に減らすことが可能です。
ただし、そのかわり、ゴールデングローブが稼働している間は「ロケーションエリアの展開ができない」「そのほか、ムービースターが行使する能力が半分以下の威力になる」といった問題点もあります。
また、ゴールデングローブの力場は、物理的には何の効果もありません。
ゴールデングローブは「一定以上にネガティヴのレベルが高い領域」でないと稼働しないため、このアイテムを「ムービースターを弱体化させるために使用する」ことはできません。
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