«前へ
次へ»
[38] |
舞台裏の晩酌
|
| ヌマブチ(cwem1401) 2012-10-13(土) 21:10 |
. ――そもそもの発端は……ああ、そうだ。
走行中のロストレイルが旅団の襲撃に遭った、あの事件の事は覚えているかな? 襲撃の結果、幾人かのロストナンバーが重傷を負い旅団の手に囚われた。 その時の事でありますよ、Dr.クランチが我々に取引を持ちかけたのは。 (【ロストレイル襲撃!】緑の牢獄)
某と彼はその要求を呑んだ。理由? なに、某はただの命惜しさであります。 その後、我々は世界樹旅団の本営へと迎え入れられた。今でこそ明らか、ナラゴニアだな。 以降我等二人は旅団の――…否、今にして思えばクランチの尖兵となり、 旅団員として幾つかの任務を共にする事と相成った訳であります。 いやはや……まこと、縁とは不思議なものでありますな。
最初はヴォロス……そう、ダスティンクルだったか。 思えば彼とキャンディポッドの縁もまた、ここから始まった訳であります。 ……百足兵衛? ああ、悪いがその男の名前は出さないでくれ。酒が不味くなる。 あまり良い記憶はないのでありますよ。キャラ被ってるとか言ったらハリ倒すぞ。 (彷徨える森と庭園の都市) そうそう、確かこの時は図書館員の攻撃でナレンシフが墜落してな。 実はその後、我々はダスティンクルの森で暫く立ち往生をしていたのでありますよ。 望めば街の祭りへ顔を出す事も出来ただろうが……まあ、どの面下げて、というものだ。 (ダスティンクルの災厄~水面下~)
次に与えられた任務はブルーインブルーで発生した事件に便乗する形だった。 事件に乗じ、ジャンクヘヴンと世界図書館との関係に亀裂を生じさせよ、とな。 当時は気にする余裕は無かったが、渦中であった少女とは嘗てここで話をした事もある。 人の進む道は本当にどう転ぶか分からんものでありますな。 ……彼の道もまた、この頃より袂を分かっていたのでありましょう。 (【赤の手配書】海風に不和を奏でよ)
この件でジャンクヘヴンの宰相が一人、レイナルド…――実はジャコビニだったらしいな、 意外なものだ――…は、死んだ。 またもう一人の宰相であり、元ロストナンバーであったというフォンスもまたファージ化し、 後にファージのまま死んだ。……罵言結構、甘んじて受けよう。結果が全てだ。 だがまあ、この件はクランチにとっても聊か予想外の事態だったようであります。 その後、旅団より増援としてキャンディポットが派遣され、フォンス確保の命が下った。 結果は……ま、この辺りの事は貴殿もご存知でありましょう。 (【世界樹旅団】雷鳴に哭く竜)
次に呼び声がかかったのは、壱番世界での世界樹の苗木の植樹作戦の際であります。 彼の件は図書館員達の活躍で全て防衛されたと聞いている。お見事。 この時、我々は魔女っ娘大隊の内の一小隊を借り受け、任に当たった。 (【侵略の植樹】まつろわぬもの) 彼に疑われているだろう事は自覚していた故に、某も多少の自衛策はとっていた。 小隊の懐柔もその一つだ。……まあまるっきり嘘だったとも言わんが。 結果的にそれが功を奏したのか何なのか、某は首の皮一枚繋がったという訳でありますな。 とはいえ、後の事を思えばそれらも全て無意味だったのかもしれないが。
ああ。そう言えば、彼女らは捕虜として幾人かは生き延びているんだったか? うむ、なれば是非またお近づきに……失礼、何でもない。私事であります。
次に声がかかるまでには、幾分か間が空いた。……その間に多くの事が起きていたな。 叢雲が産まれ、朱い月に見守られてが崩壊し、マスカローゼが図書館へと渡り。 ナラゴニアに図書館からの潜入部隊が送り込まれ、新たに幾人かの図書館員が、 取引を受け入れ旅団へと渡ってきた。ふむ、この辺りの話は某よりも貴殿の方が詳しそうだ。 ああ、確か銀猫伯爵が死んだのもこの頃だったな。
故にか――…旅団の中では、対図書館への気運が高まっていたようだ。 『原初の園丁』、しるあぬ……しるぁ……シルウァヌス・ラーラージュが、 集会を開くとか何とかでナラゴニアの広場に姿をあらわすことになった。 この男は確かトレインウォーで討ち取られたんだったか。……結局、奴は何だったんだろうな? また、Dr.クランチが図書館侵攻の為に我々から意見を募ったのもこの際であります。 結果は……あー、クランチの飯を作る羽目にならなかった事だけは、良かったと言っておこう。 (世界樹のもとで)
次。我々の下に緊急招集が届き、図書館攻撃作戦の決行が告げられた。 提示された作戦はノエル叢雲による図書館強襲と館長アリッサの暗殺の二つに一つ。 どちらに参加をするかは任意だったが、拒否権は無かった。 ようやくあの悪趣味な首輪が首を締め始めたという訳でありますよ。 (緊急招集)
そしてカンダータよりターミナルへと潜入したと思われるウォスティ・ベルの手により、 キャンディポッドは死亡、ホワイトタワーは崩壊。フォンスも死んだ。 それを先駆けとしてナラゴニアが0世界へ出現、旅団の侵攻が開始された。 某はノエル叢雲の乗組員として戦闘に参加した。 某は知らんが、アリッサ暗殺へ向かった者も当然居ただろうな。 戦いの結果がどうなったかは……まあ、今となっては、言うまでも無いだろう。 (【進撃のナラゴニア】 強襲! ノエル叢雲)
――……さて、その後の流れは貴殿もご存知の通り。 旅団対図書館の総力戦の末、新たな謎を残しながらも、今が訪れたという訳であります。 失ったものは山のように。対して得たものは? ……さあな、こればかりは某にも判らん。 だが、まあ……過去がどう在ろうと、生きる者の時は今後も変わらず続いていく。 時間を喪ったロストナンバーであろうともそれは変わるまい。 故に、この先に待ち受けるものが何かを見出すかは……貴殿次第というものだ。
ふむ、つまらん話が長引いてしまったな。なに、肴には丁度良い? ならば結構。 であれば……さてお客人。そろそろ店仕舞いだ、勘定を済ませて頂きたい。 ツケ? 生憎だがこの店ではもうツケは受け付けていないとの事だ、残念だったな。 何、下手にツケなど溜めこむものではないでありますよ。清算に苦しむのは己だ。 ご安心召されよ、経験談であります。
なに? ……貴殿も物好きだな。まあ好きにしたら良い。 ああ、何なら今度はもっと早く来るんだな。 酒の相手がこんな片輪の給仕ひとりではつまらんだろう。
何より、マスターもこう言っている。 ……酒は、ゆっくり飲むものでありますよ。
. |
[39] |
(PL:)
|
| ヌマブチ(cwem1401) 2012-10-13(土) 21:11 |
(各パーソナルイベントは当該PC様全員の御許可を以て公開しております。 何かございましたら当方までキャラクターメール等でご連絡頂ければ幸いです。 ご快諾下さったPL様各位には心より感謝申し上げます。) |
«前へ
次へ»