イラスト/キャラクター:松田硯 背景/ピエール

オープニング

 インヤンガイから戻ったアリッサは、執事に向かって言った。
「司書たちを集めて」
「かしこまりました。……インヤンガイで何か?」
「…… おじさまの行方がわかったかもしれないの」
 執事のおもてが、はっと引き締まる。
 世界図書館の本来の館長である人物が、消息を断ってからすでに6年が経過していた。
 今までも、手がかりらしきものがなかったわけではないが……今回は、ほんの数カ月前の目撃情報であるという点で、アリッサたちの注意を引くものではあった。

「というわけで、みんなには、インヤンガイに向かってもらいたいの」
 アリッサはロストナンバーたちに言った。
「行き先は『美麗花園(メイライガーデン)』っていう場所。名前はきれいだけど、今は人間は誰も住んでいない廃墟の街区よ。2年前から、ここは『暴霊域』っていう生きた人間はとても立ち入れない地域になってるの。おじさまがそんな場所に本当にいるのか、いるとしたらどうしてなのか……誰の『導きの書』も手がかりはくれなかったわ。でもーー」
 危険は承知で、この廃墟の街の探索をしたい、それが世界図書館からの依頼であった。
 街区は広いため、いくつかの小集団に分かれて探索を行う。現地までは、今回はロストレイルで乗り付けることとなった。地下鉄の廃線が美麗花園の地下にも伸びているという。
「各チームの探索ポイントについては、担当の司書さんから説明してもらうね。それじゃ……、お願い」

巡節祭』でインヤンガイを訪れたアリッサが入手した情報をもとに、大規模な『暴霊域』の探索が行われました。その結果、館長本人には出会えなかったものの、彼が残したメッセージを旅人は目にしたのです。

『死の街へ』関連シナリオ一覧

シナリオタイトル担当ライター
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【死の街へ】聖域に花 玉響
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【死の街へ】クズどもの挽歌~the other case of no temperance~ 近江
【死の街へ】花乞う日 阿瀬 春
【死の街へ】LOSTRAIL GUARDIANS 立夏
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【死の街へ】裏づけの無いニュース あいお えむ
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螺旋特急ロストレイル

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