イラスト/Zio

鹿取 燎

ブルーインブルーには行ったことある? 世界の大半が海という世界だけれど、この世界は他と比べて少し特殊なところがある。それは、<駅>を置いている海上都市ジャンクヘヴンの為政者サイドに元ロストナンバーの現地協力者いることで、ブルーインブルーでは非常に活動しやすくなっているんだけど……、そのかわり、否応なく世界図書館もブルーインブルーの世界情勢にかかわってしまっているということ。

この世界を語るには「海賊」のことを外せない。特に列強海賊と呼ばれる大勢力の海賊団がブルーインブルーの世界情勢には大きな影響を与えているんだ。この記事ではブルーインブルーの海賊たちについてまとめてみたよ。

ブルーインブルー情勢~列強海賊たちの横顔~

■海賊王子ロミオ~大海賊を継承する若き義賊~

青年海賊ロミオは、最近、ジャンクヘヴン近海でよく名を知られている海賊です。彼は掠奪した船の金や物資を海上都市の貧民層にバラまくという義賊的な行為を行う珍しい海賊なのです。襲撃の対象も、悪徳に儲けた商人の船などを選び、なおかつフェアプレイをきどってか襲撃の前には予告状を出すなどしています。

このため、海上都市の市民の中にはロミオを支持するものも少なくありません。これは海賊を取り締まりたいジャンクヘヴンなどにとっては頭の痛い話になっている様子です。ロストナンバーも、何度かロミオと遭遇するうち、彼に共感するものがいたようで、そのことは世界図書館とジャンクヘヴンとの関係に微妙な影響をおよぼし始めています。

また、ロミオはかつてブルーインブルーの海を支配した「大海賊王グランアズーロ」の継承者であるとも言われていますが、これについては確たる証拠もなく、単なる噂の域にとどまっています。

■血の富豪ガルタンロック~私腹を肥やす死の商人~

ガルタンロックはかつては商人でしたが、悪徳な商いに手を染めるうち、海賊になりました。今でも彼はさまざまな邪悪な「商売」を行って莫大な富を蓄積しています。ガルタンロックが手掛ける代表的な商いは人身売買です。単に奴隷を売り買いするだけでなく、残虐な拷問をショーとして見せるといった非道なこともしていると言います。

ガルタンロックの武器はその財力と情報網です。彼の顧客は海上都市の富裕層にもおり、数多くの都市にスパイを送り込んで収集した情報をもとに、商機を逃さず、また取り締まりからは免れたりしているのです。どうやらジャンクヘヴン海軍も例外ではなく、ガルタンロックに買収された軍人がいたことがわかっています。

■亡霊船長ジャコビニ~幽霊船を駆る仮面の男~

最近、ジャンクヘヴン近海で、不気味な「幽霊船」の噂が囁かれていました。ロストナンバーたちも船の護衛や海魔退治の際に「幽霊船」に遭遇することがあり、どうやらこれは「幽霊船に偽装した海賊船」であることがわかってきました。。

このあやしい海賊団を率いているのはジャコビニと呼ばれる正体不明の人物であるようです。仮面で顔を隠したこの男の正体は掴めていませんが、ジャンクヘヴンに対して敵対心をもっているほか、ロストナンバーの存在を知っているかのような気になる素振りも見せています。また、ジャコビニの幽霊船の襲撃を助ける「霧」はブルーインブルーの古代文明の技術で生み出されている節もあり、さらなる調査が待たれます。

■さらなる海賊の影~フランチェスカとジェローム~

「紅毛の魔女」の異名をとる女海賊フランチェスカは、知略に長けた立ち回りで独特の立場を築いているようです。都市全体が歓楽街となっている海上都市「夜に咲く花・ロトパレス」をガルタンロックと二分して勢力下に置いていると言われていますが、詳しいことはわかっていません。

「鉄の皇帝」と称されるジェロームは、大規模な勢力を持つ海賊として知られ、その脅威は徐々にジャンクヘヴンに近づいていることが懸念されます。ジェロームはなぜか学者たちを団に招聘しているといい、一方で、辺境の海上都市の住人をおのれが支配する街へ移住されるといったことも行っています。ジェローム団が、「機械でできた海魔」を操ったという報告もあり、要注意の存在と言えるでしょう。

■交錯する海賊の運命と、ブルーインブルーの行く末

先般、ガルタンロックは関与する船がロミオに襲われたことに腹を立て、ロミオを罠にかけて報復する計画を立てました。ジャンクヘヴン海軍とロストナンバーの介入により、計画は不完全に終わったものの、ロミオ団は打撃を被り、ロミオは敗走しました。一時、ロミオが死亡したとの説も流布したのですが、実は逃げ延びてロトパレスに潜伏しているという情報が入り、ジャンクヘヴンはロミオの捕縛をもくろんでいます。

世界図書館はジャンクヘヴンと結びつきを持つことでブルーインブルーの探索を進めてきましたが、列強海賊たちの動きが活発になると戦争の可能性さえあり、今後は慎重な対応が必要でしょう。しかしながら、すでに運命は潮の流れのように動き出しているのかもしれません――。

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螺旋特急ロストレイル

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