<オープニング>
その日は何のまえぶれもなく、訪れた。
いや――
兆しは、あったのだ。
不気味に蔓延する『眠る病』。杵間山に出現したムービーキラーの城。青銅のタロスの降臨。そしてティターン神族の最後の1柱となったヒュペリオンの、謎めいた行動――。さらに言うのなら、2度にわたるネガティヴゾーンの出現も、それにともなう幾多の悲劇も、また。意図されたかどうかにはかかわらず、それらはみなこの日へとつながっていたのだろう。
このままでは、いつか、銀幕市は滅びることになる。
そうだ。そのことは、今まで、何度となく指摘されてきたではないか。
そもそもこの魔法それ自体、人間が生きる現実には、あってはならないものなのだから。
「それでも……、人はいつだって生きることを願うもの。そうだろう?」
言ったのは白銀のイカロスだった。
タナトス3将軍が、その空の下にたたずんでいる。
杵間山での戦いが決着した、その報せと時を同じくして、銀幕市の上空に、まるで鏡合わせのように、もうひとつの蜃気楼のような街があらわれたのだった。
アズマ研究所では、ネガティヴパワーの計測器の針が振りきれたらしい。急遽、ゴールデングローブの配給が急ピッチで進んでいる。
「どう見る?」
青銅のタロスが、空を睨んだまま、うっそりと訊いた。
『ネガティヴゾーンであろう。本来なら、山にあらわれるはずだった』
「そっちがふさがれてしまったので、別の場所にあふれてきたということか」
「もはやそこまで……猶予をなくしているのだな」
『左様。このままでは、我らの使命が果たされぬうちに、この街が滅びることにもなりかねぬが……』
そのときだ。
空を覆う蜃気楼が、ぐにゃりと歪んだ。
そして、まるで絵を描いた布を巻き取るように、その図案が収縮していく。
「あれは……」
人々は、戦慄と畏怖をもって、それを見た。
蜃気楼の街は消えた。
しかしそのかわりに……市の上空に、あたかももうひとつの太陽のようにあらわれた光球と、そこから、いくつもの小さな光が飛び出すのを。
『非常事態だ。繰り返す。非常事態だ。これは訓練ではない』
マルパスの声だった。
『あの巨大な光球は、それ自体がネガティヴゾーンであることが判明した。飛びだした光はディスペアーと考えられるが、中型規模で、強いネガティヴパワーの反応をともなっている。この対象を、以後、『ジズ』と呼称する。ジズ群は1体ずつが銀幕市街の別々の場所に向かっており、地上へと降下を行うものとみられる。降下予測地点について対策課を通じて連絡する。至急、各所にて迎撃にあたってほしい。……諸君の健闘を祈る!』
<ご案内>
突如、銀幕市上空に出現した「第3のネガティヴゾーン」。そしてそこから出現した12体のディスペアー「ジズ」が銀幕市各所に飛来します。銀幕市民は、街を守ることができるでしょうか? そして、新たなネガティヴゾーンがもたらす脅威とは……。
→これまでの経緯についてはこちらへ!
このイベントは「イベントシナリオ群」によって行われました。
<結果一覧>
地域 |
戦況 |
被害状況 |
岳夜谷温泉郷 |
状況終了! |
迷泉楼は破壊。ジズ撃退には成功。
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平和記念公園 |
状況終了! |
ほぼ被害なし。
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綺羅星ビバリーヒルズ |
状況終了! |
一部破壊。人的被害は軽微。
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綺羅星学園 |
状況終了! |
一部破壊。人的被害は軽微。
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ミッドタウン繁華街 |
状況終了! |
一部破壊。人的被害は軽微。
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市役所周辺 |
状況終了! |
ほぼ被害なし。
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スタジオタウン |
状況終了! |
一部破壊。人的被害は軽微。
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銀幕ジャーナル社 |
状況終了! |
ほぼ被害なし。
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ダウンタウン『楽園』周辺 |
状況終了! |
一部破壊。人的被害は軽微。
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アズマ研究所 |
状況終了! |
設備は無事。しかし……
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銀幕ベイサイドホテル |
状況終了! |
一部破壊。
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ダイノランド島 |
状況終了! |
ほぼ被害なし。
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そして、「第3のネガティヴゾーン」へ向かったリオネと10人の調査隊は、そこにあるものが「全人類の絶望」であることを知ります。それは、最大最強のディスペアー『マスティマ』として、銀幕市上空に誕生するのでした。
→『【終末の日】アラウンド・ゼロ』
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